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GDC 2016 PlayStation VR Press Conference詳報

発売時期と価格、タイトルラインナップについて現時点でわかったこと

3月14日~18日開催



会場:San Francisco Moscone Convention Center

 Sony Computer Entertainment Americaは米国時間の3月15日、GDC会場向かいのメトレオンにおいてプレスカンファレンスを開催し、既報の通り、PlayStation VRの発売時期と価格、タイトルラインナップの一部を公開した。日本での発売時期は10月を予定し、価格は44,980円(税別)。予約受付時期は未定となっている。

プレスカンファレンスはMETREON CITY VIEWで開催された
SCEグループCEOのアンドリューハウス氏
PSVRは様々な感情を呼び起こす新時代のエンターテインメントと紹介
そして発売時期と価格が発表された
スペックは昨年の発表時と同一

 わずか15分ほどで終了したプレスカンファレンスは、グループCEOのアンドリュー・ハウス氏が登壇し、発売時期を2016年第2四半期から2016年10月へ変更すること、価格を44,980円/399ドル/399ユーロ/349ポンドに決定したこと、10月の発売から年末までに掛けて50以上のVRタイトルを揃えること、購入者向けのフリーダウンロードコンテンツとして「THE PLAYROOM VR」が入手可能になることが明らかにされた。

 発売時期については、発売を急ぐより、ローンチのタイミングで十分な数を用意することを重視し、グローバルで10月発売に延期する決断を行なった。今回発表されなかったアジア地域については“10月以降順次”としており、日本や欧米より若干発売が遅れる見込み。この発売時期の変更についてSCEでは延期ではなく、戦略的な変更としており、実質的にはホリデーシーズンを狙ったものとなる。10月から11月にかけてハードを売り、10月から12月にかけて一気にタイトルを供給する。初期出荷で数十万台単位、そしてできるだけ速やかに総出荷台数3,600万台の1割程度となる300万台を販売したい考えだ。

 PSVRのハードウェア仕様は、GDC 2015でSCEWWSプレジデントの吉田修平氏が発表したスペックと同等となった。5.7インチのOLED、解像度は1920×1080×RGB(片眼960×1080×RGB)で、リフレッシュレートは120Hz、もしくは90Hz、100度の視野角を確保し、レーテンシーは18ms。コントローラーはDUALSHOCK4もしくはPS Moveとなる。

 価格についてはほぼ事前の予測通りとなる399ドル。ルームスケールのHTC Viveが799ドル、PC向けのスタンダードとなるOculus Riftが599ドルということを踏まえると、かなり妥当な価格設定となる。ただし、この価格には、PlayStation CameraやPS Moveが含まれない点には注意が必要だ。これはすでにPS4のカメラ同梱モデルでPS Cameraを持っているユーザーが、PS Cameraが重複することを避けたためとしているが、PS Cameraを持たない人は別途必要となる。

 PS Cameraの単体発売価格は5,980円(税別)で、PSVRの実質的な基本構成価格は50,960円ということになる。なお、PS Cameraは地域によってはそもそもの取扱が少ない所もあり、その場合は別途、PS Camera同梱パッケージを用意するとしている。この点、日本市場については未定となっている。

 PS Moveについては、PS3で発売されたものがそのまま使え、2本揃えなくても1本でも遊べるようになっているほか、SCEのポリシー上、PS Moveでなければ遊べないタイトルは作らないようになっているため、PS4の標準コントローラーであるDUALSHOCK4のみでもゲームのすべての要素を楽しめるようになっている。ただし、コントローラーでの移動操作はその原理上、“VR酔い”を誘発しやすいため、PS Moveコントローラーが推奨デバイスである点に変わりはない。

【PSVR】
PSVR本体
PSVR同梱物一覧
PSVRとPS Camera、PS Move
PSVR関連アイテム

 気になるタイトルラインナップについては、“ローンチイヤーに50タイトル”と発表。ローンチ時に30タイトル近くを準備する予定としているが、ローンチタイトルの内容、価格等についてはE3ぐらいまで引っ張る見込みだ。

 嬉しいニュースとしてはSCEWWS Japan Studiosが手がけているPSVRタイトル「THE PLAYROOM VR」が、購入者全員に無料プレゼントされることだ。同作テクニカルディレクターの横川裕氏によれば、巨大なモンスターと4人のキャラが対決する「Monster Escape」、ネコとネズミのチーズの取り合いを描いた「Cat&Mouse」、みんなの声でゴーストの位置を教え合ってゴースト退治をする「Ghost House」、そして今回新たに公開したウェスタン風のガンシューター「Wanted」の4つのミニゲームに、あと1つか2つミニゲームを足した状態で提供するという。また、リリース後のアップデートで、無料でミニゲームを追加するという。この「THE PLAYROOM VR」だけでかなり遊べるだけに、無料で手に入るのはありがたい。

【多くのタイトルが開発中!】
ハウス氏によれば230以上のデベロッパーがPSVR向けにタイトルを開発しているという

 サプライズ発表となったのは、2015年に大ヒットを記録した「Star Wars バトルフロント」のPSVRの開発が告知されたことだ。開発元はPS4/Xbox One/PC版と同じEA DICEでPSVR独占タイトルとして開発を進めているという。

 このほかハウス氏からは、すでに230社以上のデベロッパーがPSVR向けの開発をはじめており、PS4と同等のデベロッパー向けサポートをPSVRでも継続することや、Unreal EngineやUnity、Amazon Lumberyardといった各種ミドルウェアのサポートなどが発表。さらに今回のGDCでは20以上のPSVRタイトルをプレイアブルで出展することを明らかにした。発表会後はそれらのタイトルをいち早く体験することができたので、追ってレポートをお届けしたい。

【今年のホリデーシーズンはPSVRのあるPS4に期待!】
PSVR版「Star Wars バトルフロント」が開発中!
PSVRを含めた様々なコンテンツが揃うPS4

【試遊コーナー】
新規タイトルを含む20以上のVRタイトルを出展。発表会のほとんどの時間を試遊にあてるというVRならではのイベントとなった。レポートは別途お届けする予定だ

(中村聖司)