ニュース

「GRAVITY DAZE 2」の実機デモが世界初公開

外山氏、五十峯氏が様々な質問に答えた「GRAVITY DAZE」のカウントダウン生放送

12月9日 開催

左から「GRAVITY DAZE」のクリエイティブディレクター外山圭一郎氏、プロデューサーの五十峯誠氏、SCEJA広報の北尾泰大氏

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは12月8日21時より、プレイステーション 4用ソフト「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」のカウントダウン生放送を行なった。これは、12月10日0時までという同作の発売日まで行なわれたもので、その放送時間は驚愕の27時間。

 放送では、「GRAVITY DAZE」の魅力を様々な角度から伝えていたほか、ディレクターの外山圭一郎氏が本作を発案した経緯、SCE JAPANスタジオはどのようにして「GRAVITY DAZE」を作ったのか? ゲームショップの店員さんは本作をどう思っているのかなど、バラエティ豊かなコーナー満載で届けられた。

 その中の1つとしてメディアを招いた記者会見では、外山氏と五十峯誠プロデューサーがPS4版「GRAVITY DAZE」の魅力を語ったほか、世界初公開となる「GRAVITY DAZE 2」の実機でのデモプレイも披露。質疑応答では、両者が記者からの様々な質問に答えていた。本稿では、記者会見の模様をレポートしていく。

 まずは外山氏が、PS4版「GRAVITY DAZE」の魅力を紹介。PS4の性能が生み出すより高精細なグラフィックスや、フレームレートが60fpsにUPしたことで滑らかなになったアクション、主人公キトゥンのモデルは「2」に近いものを使用しているなど、本作の特徴を語った。

 続けて五十峯氏は、以前発表された「GRAVITY DAZE PROJECT」の進捗を紹介。ここでは、ウォークマンやステレオヘッドフォンとのコラボなど、ゲーム以外のメディアで展開される「GRAVITY DAZE」関連情報について語られた。

 さらに、以前発表された「GRAVITY DAZE」のアニメ化プロジェクトに関する情報も飛び出した。内容は、「1」のエンディングから「2」までの数カ月の空白の期間を描いたもの。制作を担当するアニメーション会社の名前は明かされなかったが、五十峯いわく、非常に実績のある有名な会社とのこと。公開は、2016年を予定している。

PS Vita版で好評だった三種のDLCも最初から収録されている
ウォークマンやステレオヘッドフォンとのコラボ

 続いては、シリーズ最新作「GRAVITY DAZE 2」の紹介へ。外山氏いわく、本作を一言で表現すると「LIVELY EXPERIENCE」。

 街並み、キャラクター、アクションなど、それらの要素が躍動感や生命力に満ち溢れている世界。そんな方向性が、本作のイメージにはピッタリであると外山氏は話す。また「LIVELY」という言葉には、日本のゲーム市場に漂っている「閉塞感」を打ち破っていきたいという思いも込められているそうだ。

 「生きている街」がコンセプトの1つである本作。前作は、欧州のような雰囲気の街が舞台だったが、本作はそれに加え、南米や東南アジアの様な日差しの強いエスニックな街が舞台だ。色彩鮮やかで猥雑な活気に溢れる本作の街は、「『生きている街』という表現がピッタリなのでは」と外山氏は言う。

本作の街を「LIVING TOWN(生きている街)」と表現する外山氏たち。その名の通り、街自体が非常に生き生きとした生命感を感じる
新システム「アトリビュートチューン」で大きく変化するキトゥンのアクション
「GRAVITY DAZE 2」に登場する魅力的なキャラクターたち

 プレゼンテーション終了後は、世界初となる「GRAVITY DAZE 2」の実機デモが披露された。デモでは、まず新システムの「ジェスチャー」が紹介される。キトゥンがジェスチャーを使って街の人と交流している様子が紹介されていた。

 また今作には写真モードが追加されているのだが、ただ写真が撮れるだけではなく、街中に様々なアイテムを配置して、自分だけの写真を撮ることも可能となっている。デモでは、アイテム配置で景観を自由に作ったうえ、ジェスチャーを交えて撮影。非常に自由な写真作りが可能であることを示した。

重力属性を変化させる「アトリビュートチューン」という新システムが導入されているところも、本作の大きなポイント

 続いては披露されたのはバトルシーンだ。本作は物理演算を積極的に導入しているため、バトル中にオブジェクトが壊れるといった部分も、非常にこだわって作っているとのこと。

 ここで新システムのアトリビュートチューンも紹介。デモでは、重力エナジーを消費せずに高速で移動できる「ルーナチューン」と、動きは鈍くなる代わりに攻撃力が上がる「ユピトールチューン」という2つのアトリビュートチューンが披露された。

 ルーナチューンは、重力エナジーを消費せずに、溜めてからの大乱舞で敵を一気に攻撃できるほか、重力キックが、ショートワープを繰り返す「ワームホールキック」という技に変化。ホーミングがやりやすくなっているので、従来のキックでは狙いを付けるのが苦手だったというプレーヤーでも、簡単に敵を捉えることができるようになったという。

 ユピトールチューンは攻撃力が上がるほか、重力キックが、重力波動キックに変化。パワーを溜めて繰り出すことで、周囲の敵を巻き込んで倒せるので、敵が大量に出てきた時などに有効だ。加えて、ガード能力が搭載されているため、強力な攻撃をガードしたり、ガードからの反撃アクションが行えるという特徴も。デモの後半では、クロウがパートナーとして登場して、キトゥンと一緒に戦っている場面なども確認できた。

フィールドは「1」の2.5倍。サブミッションは50個を目標に制作中

 最後に、外山氏、五十峯氏、SCEJA広報の北尾泰大氏が参加した質疑応答の内容を掲載しよう。かなり細かい部分にまで言及しているので、ぜひご一読を。

――製品版ではどれくらいの広さのフィールドでプレイできるようになるのでしょうか。

外山氏:前作と比べて、2.5倍の広さのフィールドを用意しています。さらに背景自体が動くといったギミックも凄く増えているので、密度もかなりアップしていると思います。加えて、ミッションも増えています。メインストーリーから離れるコメディ的なストーリーも豊富に用意していますよ。サイドミッションの数は、現在、50個を目標に作っています。

――「2」では、前作に比べて街の雰囲気や空の色が明るくなったような気がするのですが、その経緯と、前作にあった異次元の世界が今作にもあるかどうかも教えて下さい。

外山氏:異次元の世界は「2」にもあります。舞台が変わった経緯ですが、前作はフレンチコミックからの影響をストレートに表現していたので、ヨーロッパを思わせるような街並みを描いていました。

 対する「2」はパノラマ感やグローバル感を強調したいというコンセプトがあるので、見通しが良くて、白い雲、青い空を表現していこうと思ったのです。PS4の光源処理との相性を凄く感じていますね。

――「1」をプレイしていると「2」をより楽しめる?

五十峯氏:「2」から遊んでも十分楽しめるようにはなっています。ただ、前作のキャラクターも登場しますので、彼らとキトゥンの過去(「1」)をあらかじめ知っておくとストーリーがさらに楽しめると思います。ぜひ、PS4版の「GRAVITY DAZE」から遊んでもらいたいですね。

外山氏:PS4版「GRAVITY DAZE」をプレイしていただいた後に「2」を遊んでいただくと何かしらの特典があるセーブデータ連動はやりたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていて下さい。

――前作「GRAVITY DAZE」はコミック調のイベントシーンが特徴でしたが、「2」のイベントシーンはどのような演出になっているのですか?

五十峯氏:コミックデモの演出はそのまま残しつつ、ボイス部分などを強化しているという感じですね。全部ムービーにしてテンポが落ちるとか、そういうことはないようにしています。

――クロウとは、戦闘以外でも一緒に飛び回ったりできるのですか? シチュエーションによってはクロウ自体を操作できる?

五十峯氏:戦闘以外でもクロウと一緒になることはありますけど、基本的にはストーリーベースの中での関わりになります。アバター的にいつでも呼び出せたりとか、そういうことはできないですね。

 ファンの方からクロウを操作したいというご要望をいただいてはおりますが、まずはキトゥンの物語をしっかり描かなければいけないと思っています。ただ、そういうご要望を多く頂いていること自体は、スタッフも強く認識しています。

――音楽やサウンド関連で特にこだわっている部分を教えて下さい。

外山氏:「2」の音楽は、「1」でご好評いただいた田中公平先生が引き続き手がけています。郷愁を誘いつつも、世界のどこにもないような、独特の世界観の音楽を楽しんでいただけると思います。

――前作はボイス付きの長いセリフはありませんでしたが、今作はいかがですか?

北尾氏:今回力を入れているのは、インタラクティブな中でのボイス演出ですね。例えばクロウと共闘している時にクロウとの掛け合いが入ったりとか、そういう部分は非常に力を入れています。ちなみに今作も、ボイスはグラビティの世界特有のオリジナル言語を使用しています。

――「2」のサブタイトルに「完結編」とありますが、キトゥンの物語は「2」で完結になるのでしょうか。

外山氏:前作では、「あの伏線はどうなった?」とか、色々な意見をいただきましたが、「2」では、そういった部分は全てクリアにさせたいと思っているので、完結編と付けさせていただきました。

――ありがとうござました。

(御簾納直彦)