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NVIDIA、ノート用GeForce GTX 980(Mではない!)を発表

VRゲームにも正式対応する超高性能ゲーミングノートが続々と登場予定

9月22日発表

 NVIDIAは9月22日、ゲーミングノートPC向けのGPU「GeForce GTX 980」を正式発表した。これを搭載したPCは、今後各ベンダーより順次発売予定。

 「ノートブック用のGTX 980Mなら既にあるじゃないか」とツッコミを入れたゲームファンも多いと思われるが、そうではない。今回発表されたのは、デスクトップ版のGTX 980を、ボードデザインを変えてノートPCに搭載できるようにした、というしろものなのだ。

 従来からハイエンドノートPCに搭載されてきたGTX 980Mは、デスクトップ版GTX 980に比べて7割程度のパフォーマンスとなっていたが、今回発表されたものは、デスクトップ版GTX 980そのものの性能だ。GPUそのものは新しいものではない。“デスクトップと同じものをノートPCに載せられるようになった”というのがニュースなのだ。

 今回のGTX 980を搭載する各モデルは従来のノート型PCの限界を越え、4KゲーミングやVRゲーミングに充分な性能を発揮する。そこでNVIDIAは、GTX 980搭載ノートPC各モデルについて公式に“VR対応”を宣言している。

ノートブック用Geforce GTX 980。デスクトップ向けのGPUコアをそのまま、ノート向けにボードレイアウトを調整したものだ

GTX 980搭載ノートPCモデル例(いずれもSkylake世代版)
MSI GT72 Dominator
ASUS GX 700
CLEVO P775DM
AORUS X7 DT

専用ボードにGTX 980選別品を搭載。デスクトップ並みのOC耐性も

圧倒的なパフォーマンス、他にないパーツ、そしてOC耐性という3つのウリ
対応各モデルはCPUにも倍率アンロック版を搭載との徹底ぶり
良質な個体では1〜2割のOC駆動が可能だという
そして最新ゲームが最高品質で軽々動作

 今回発表された「GeForce GTX 980」で新発明となったのが、そのボードデザインだ。GTX 980のGPUコア、DDR5メモリユニット、電圧レギュレータモジュール(VRM)を薄く小さな基盤上に集約し、ノートPCへの搭載を可能とした。

 NVIDIAの説明によれば、このボードに搭載されるGPUは、デスクトップGPUとして製造されたGTX 980のロットから熱耐性の高い良品を選別したものだ。つまり、GPUの中身はハイエンドデスクトップPCに搭載されるGTX 980(GM204)そのものである。

 その上で、GTX 980が必要とするピーク165Wのピーク電力を安定的に確保するため、デスクトップ並みとなる4〜8フェイズのVRMの実装を各ベンダーに義務付けた。これによりピーク電力+50%の余裕が生まれるため、ユーザー側の手で昇圧するなどでのオーバークロック(OC)運用も可能としている。

 実際、デスクトップ並にOCできるという点についてNVIDIAでは非常にこだわっており、搭載PCを製造する各ベンダーに対して、電源周りだけでなく冷却機構についても充分な余力を持つよう、設計ガイドラインを設定しているのだという。このことはOCの自由だけでなく、通常運用時の安定性という意味でも重要なポイントだといえる。

 ちなみに、ベンダーが製造する各モデルに対し専用のOCツールの搭載も推奨しているというから恐れ入る。通常ノートPCではユザー側に触らせないようになっている冷却ファン回転数のオーバライドも推奨機能に含まれており、好みに応じて爆音・爆速の環境を構築することが可能だ。個体差もあるが、コアクロックで最大20%程度、メモリークロックで最大10%程度のパフォーマンスアップが可能だという。

 そうして実際にNVIDIAがギリギリまでチューンした個体で得られたのが、3DMarkベンチマークの「Fire Strike Extreme」テストにおける、6,300超えのスコア。これは実際、筆者が日頃使っているGTX 980搭載のデスクトップPCでのスコア(5800程度)すら越えるものである。なんとも恐ろしい。

「Fire Strike Extreme」で6,300超え。従来のノートPCにおける世界記録(5,400程度)を大きく更新

世界初・VR正式対応。VRファンやVRクリエイターには必携に?

VRゲームは4K並みの描画パワーが必要となるが、GTX 980なら余裕
世界初のVR公式対応ノートPCを謳う
VR関連各社がGTX 980搭載ノートの登場を歓迎

 ノートPCの姿をしてしても中身はデスクトップPC同等(違いはCPUがノートブック用ということだけ)となる今回のGTX 980搭載各モデル。当然ながら4K解像度のゲーミングはもとより、VRゲームも充分に動作させられるだけの馬力がある。

 しかも、今回発表された各モデルはいずれもNVIDIA独自の適応型リフレシュレート技術「G-SYNC」に対応している。G-SYNCに対応するということは、GPUとディスプレイが直結になっているということだ。これにより、CPU統合グラフィックスを併用して消費電力を下げる技術「Optimus」には非対応となり、Optimus搭載機で問題となってきたVRヘッドセットとの互換性問題が解消している。

 そこで今回、NVIDIAはGTX 980搭載ノートPC各種に対してVR正式対応を表明。既にOculusなどVR関連メーカーに検証機を送っていて、「充分な性能がある」との打診をもらっているとのことだ。これについてはまた別途Oculusから発表があるかもしれない。

 ハイエンドデスクトップ同等の高性能、VRへの完全対応。エンスージアスト層やVRクリエイター層にとって、これらのGTX 980搭載ノートPCが当分のところ最強の選択肢になることは間違いない。その代わりといってはなんだが、値段的にハイエンド帯になる見込みだ。

PCベンダー各社からの発売予定モデル。型番的にハイエンド帯に位置することは間違いないが、VR対応ということで世代交代の意味は大きなものになりそうだ

Unigineベンチマークがヌルヌル動くMSI GT72。冷却能力にはまだ余裕があるようで、熱や騒音が気になることはなかった
ほとんどのモデルがDisplayPort+HDMI2系統による3画面出力にも対応し、VRだけではなくサラウンドゲーミングもできる

(佐藤カフジ)