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PS4「The Tomorrow Children」進化したTGS Ver.を公開
~皆で人類復活300人を達成せよ!~
(2015/9/18 19:56)
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は、プレイステーション 4用ソーシャルアクション「The Tomorrow Children(トゥモローチルドレン)」のメディアブリーフィングを9月18日に開催した。
「The Tomorrow Children」は、SCEJAとキュー・ゲームスがタッグを組んで制作中のオンライン専用ソーシャルアクションゲーム。舞台は、冷戦時代を境に今とは違う歴史を歩んだ未来世界。1967年、ソ連にて全人類の意識を共有しようとする実験が失敗し、地表は人々の意識が溶けて固まった「ボイド(Void)」に覆われる。生存者たちは長年の研究で人々の救出方法を発見するが、ボイド下の集合意識にある恐怖心によって生み出された巨大獣「イズベルク」という新たな脅威が出現。生存者たちは、自分たちに代わって作業をする「プロジェクションクローン」を開発し、人類の再建をこの生命体に託す。このあたりの詳細は、昨年末に掲載されたクローズドαテストのレポート記事をご参照いただきたい。
TGS2015のSCEJAブースには、本作がプレイアブル出展されている。1回の体験プレイは15分まで。キューゲームス代表取締役のディラン・カスバート氏は「去年(のクローズドα)と大きく違うのは(街が)継続するところ」とコメント。クローズドαテストでは人類を250人救出するとゲームクリアとなったが、TGS2015出展バージョンは最終日まで街が継続。それを支えるのは、ブースで体験中のユーザーとそれをサポートする開発元のメンバー数名だ。
今回の出展では、会期を通じた“目標”が設定されている。それは、会期終了までに「人類復活300名」を達成すること。ひらたくいえば、マトリョーシカとなって島に埋没する人類を300人ぶん掘り返して街に持ち帰るわけだが、誰もがいきなり「必要な英雄的行動」をすぐできるようになるとは限らない。そのため、ある種のチュートリアル的な意味合いで、体験ユーザーには「労働報告カード」が付与される。
労働報告カードには「人類復活300名」という全体目標のほか、基本(SCEブースの待機列に並ぶ、他のプレーヤーを見つける、好きな服装に着替える)、労働(バスに乗る、資源を掘り当てる、労働監査局に報告する)、闘争(ロケットランチャーを撃つ、壊れている建物を修理する、イズベルグを倒す)、繁栄(人力発電機に乗る、万能工作台を使ってみる、ペンキで施設の色をかえる)といった貢献項目が設定されており、ユーザーは好きなものを選択。体験ユーザーには本作の特性ステッカー(3種のうち)1枚がプレゼントされる。
メディアブリーフィングでは、拠点となる街を使ったデモプレイが披露された。街のデータはTGS2015会場で使われているものと同一で、1日強が経過した状態。約20人弱のユーザーと開発メンバーの英雄的行動により、最低限の建物や設備などが散見され、ステーション(駅)などクローズドαテストにはなかった施設も見受けられる。ステーションは、他の街に移動できるというもので、もちろん今は使うことができない。キャラクタークラスもクローズドαテストから変わったようで、服を着替えることでクラスチェンジ。このとき、ステータスは基本能力に服のぶんが加算される仕組み。服は街にある家のなかで着替えられる。
島もクローズドαテストにはなかった「青い熊」のようなものが登場。バスで島に移動すると、先行していたユーザーが長大な階段を作っており、もうてっぺんまで到達できる状態。なかなかにムダのない仕事ぶりで、これにはディラン氏も感心。万能工作台では、これまたクローズドαテストにはなかった項目がズラリ。建物も作ることができ、街のレイアウトも自由自在といった具合。ペンキを作り、建物の色を変えることも可能。ただし、正式サービス時は自分だけでなく他のユーザーもペンキで自由に色が変えられる。このあたり、ディラン氏は「(塗りあいの果てに)そのうち落ち着く」とコメント。
このほか、モニュメントや建物、資源「クリスタル」の新たな使い方も提示された。モニュメントはさまざまな目標を達成すると街に設置されるが、これが設置された周辺はボイドが固定される。建物についても同様で、これを活用すると街が文字どおり大きく発展していくというわけ。クリスタルは、ボイドに設置すると周辺が一定時間だけ固まる。何らかの理由でボイドに沈みそうになったとき、手持ちの資源にクリスタルがあれば、少なくとも一定時間は埋没を避けられる。
街の脅威となる存在イズベルク。TGS2015出展バージョンはかなり弱めに設定されているが、実際には「同じ見た目でも強さに段階がある(ディラン氏)」とのこと。質疑応答で「クローズドαテストではイズベルグ死骸内の資源は固定だったが、これが変更される可能性はあるのか?」と質問したところ「イズベルグ死骸内の資源はランダム。島は段ジョン的な意味合いからパターン固定となる(ディラン氏)」という。
質疑応答では、このほかにも街の全体構成や不道徳なプレーヤーについて質問が飛んだ。街はプレーヤーの全体人数にあわせたものになり、住人が少ない街に対しては、そこへの移住をうながすアナウンスが行なわれる。呼応して移住したプレーヤーには、もらえる経験値が倍になるなどの特典が与えられるという。また、今の街で「鉄が少ないから武器が作れない!」となったとき、他の街にいって武器類を買い込んできて他プレーヤーに振舞うことが可能。このとき地面に渡したいものをドロップすると、他プレーヤーから見ると外観が「ダンボール」になる。個人的には、購入額と労働評価の差がどの程度になるのか、とても気になる。もしかしたら労働評価にはならないのかもしれないが……。
クローズドαでもたまに見受けられた、街の発展や他プレーヤーの邪魔をする非協力的なプレーヤーへの対策。これはしっかりやるといい、たとえば街の建物を破壊したプレーヤーは外観がブルーに染まる。あまりに頻度が高いと染まっている時間がどんどん長くなり、この状態で他プレーヤーが仕掛けた罠を踏むと、上から檻が降ってきて閉じ込められ、文字通り“さらし者”と化す。トラップはブルーに染まっているプレーヤーにはりんごなど普通のものにしか見えないことから、気軽に悪の道をひた走るのは考え物。とはいえ、ディラン氏など開発側はこうした非協力的な行動を完全排除したいわけではなく「そうした行動をとることもできる。強制したくはない。すべてはプレーヤーの自由」というスタンスとのこと。
TGS2015、2日目午前11時の時点で復活した人類は70名。開発スタッフが影ながら支えているとはいえ、これはあくまでも不慣れな体験ユーザーのサポートが目的で、マッチポンプ的に数字を増やすことはない。試遊台は4台と決して多くはないが、ビジネスデイ初日で70人はなかなかの数字。はたして会期終了時、目標は達成されているのか。気になる人はもちろん「俺が英雄的行動の模範を見せてやる!」という人は、ぜひ一般日に同社ブースを訪れていただきたい。
©Sony Computer Entertainment Inc.