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【特別企画】「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター」レビュー

大迫力のモンスターに変形する可変爆撃機のアクションフィギュア

4月25日発売



価格:23,760円(税込)

 バンダイは通販サイト「プレミアムバンダイ」にて4月25日、アクションフィギュア「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター(ウイングス・オブ・ヴァルキュリア)」を発売した。本作は受注受付時に本誌で取り上げたところ大変好評で、その週の「アクセスランキング」のトップになった。この反響を受け……というよりも筆者がとても欲しかったので購入してみた。手触りを写真とともに紹介したい。

 「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター(ウイングス・オブ・ヴァルキュリア)」(以下、「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター」)の魅力は、“デストロイドシリーズならではの無骨さ、重厚さ”である。スマートなバルキリーシリーズにはないマクロスメカの魅力を紹介したい。

“空飛ぶモンスター”、「ケーニッヒ・モンスター」を立体化

デストロイドモンスターに“機動力”を加えるというコンセプトのケーニッヒ・モンスター。力強いフォルムが魅力だ

 「ケーニッヒ・モンスター」の初出は1999年発売のPS版シューティング「マクロス VF-X2」である。アニメ作品としては、それから10年後の2008年放送の「マクロスF」で活躍する。

 「マクロスF」では軍医でもあるカナリア・ベルンシュタインの専用機として登場、宇宙船の甲板を踏み抜いて機体を固定して変形、最大の武器である4連装のレールガンを発射して敵戦艦や多数の敵を殲滅するなど、要所要所で印象的な戦闘を繰り広げた。アニメのコメンタリーで「カナリヤさんはいつもおいしいところを持って行く」といわれるほど、強いインパクトをもたらした機体だ。

 「ケーニッヒ・モンスター」の最大の特徴は“ガウォーク形態”の姿にある。巨大な4連装のレールガンと、両腕のミサイルポッド、その巨体を支える鳥型の足は、「超時空要塞マクロス」最大のデストロイド「デストロイド・モンスター」を彷彿とさせる。実際、「ケーニッヒ・モンスター」のコンセプトは、「デストロイドモンスターを可変戦闘機(爆撃機)にしよう!」というものだった。

 デストロイドは、「マクロス」の世界では“脇役”の存在だ。主役機として宇宙や空を飛び回り活躍するバルキリーに対し、戦艦の“動く砲台”としての活躍がほとんどで、巨大な質量攻撃「マクロスアタック(ダイダロスアタック)」の時くらいしかスポットが当たらない。しかし、バルキリーにはない陸戦兵器としての重厚さ、野暮ったいからこそ生まれる“兵器の雰囲気”は独特のファンを生んでいる。

 実際、「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター」をガウォーク形態に変形させた筆者は、強く心を奪われてしまった。この無骨さは「戦闘メカザブングル」の“ウォーカーマシン”にも通じる、実在の作業機械、ショベルカーや、ブルドーザーなどが持つ“メカの重量感”をたっぷり味わえるデザインだ。ガウォーク形態にしていろいろな角度で見ていると、楽しくてたまらない。立体物だからこその“愉悦”をたっぷり味わえる商品だ。

【DX超合金 ケーニッヒ・モンスター(ウイングス・オブ・ヴァルキュリア)】
今回発売された「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター(ウイングス・オブ・ヴァルキュリア)」は、2010年に発売された「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター」のリペイントバージョン。成形色を劇中に近い暗い色にし、「劇場版マクロス F~サヨナラノツバサ~」で描かれたシェリルとランカのノーズアートを再現している

スペースシャトル型の飛行形態から、モンスターならではのガウォーク形態へ

スペースシャトル型の飛行形態、シャトルモード
シャトルモードでのミサイルポッド使用をイメージしてみた。こういった遊ぶができるのが変形玩具の楽しさだ
ガウォーク形態を横から。意外と前後の幅が狭くて、コンパクトだ

 さて、各形態と変形プロセスを紹介していこう。「ケーニッヒ・モンスター」の飛行形態は“シャトルモード”と呼ばれる。その名の通りスペースシャトルがモチーフで、小さな翼、長くて大きい胴体と鈍重そうなデザインだが、後ろに並んだノズルは大迫力だ。

 “兵器”としての記号もふんだんにちりばめられているのが面白い。ギザギザの牙が生えたシャークマウスのノーズペイント。機体下部は爆撃で開くようなハッチ風になっているし、ダークブラウンの機体の色は戦車や戦闘ヘリを思わせる。

 この飛行機が、巨大な大砲を背負った陸戦兵器に変形するのである。驚かされるのは、“脚”の変形だろう。バルキリーではメインエンジンが脚になる。ケーニッヒモンスターも両翼についているのがメインエンジンではあるが(中央のノズルは副機)それだけではなく、翼そのものが大胆に変形する。胴体両脇の翼部分までが大きく下に折れ曲がり、そこから複雑に折れ曲がり、鳥脚型の脚部となる。

 装甲が細かく分割、スライドして、金属製の脚関節が出てくるところは「DX超合金」ならではだろう。関節はクリックが入っており、カチカチ音をさせながら曲げていき、形を決めていく作業は楽しい。翼のフィンが開くと、いかにも地面にめり込ませて固定しそうなギザギザの脚になるところもいい。

 スペースシャトルのハッチを思わせる機体後部は大きく2つにわかれ“腕”となる。この変形の時は、いったん肩部分を大きく引き出す必要がある。腕部分が前に行くことで、底面の“大砲”が現われる。4門のレールキャノンを展開させた後、コンテナ部分を折りたたみ砲身を前に向かせる。

 ハッチとなっていた腕部分をスライドさせ、腕関節を調整させて前に構えさせる。機首部分を下にずらし、さらに脚の付け根部分を引き出すことで旋回式の砲塔が現われる。全体のバランスを整えれば、ガウォーク形態の完成となる。

 「ケーニッヒ・モンスター」はやはりガウォーク形態がカッコイイ。強力な攻撃力を感じさせる力強いフォルムが魅力だ。横から見ると、割と腰が高く、胴体も思ったほど長くない。その巨体のために作画上で動かすことも大変だったという「デストロイドモンスター」の巨体と比べると、やはりコンパクトだ。しかし、このコンパクトさが、“より実用的な兵器”の感じを増しているし、陸戦兵器であるデストロイドシリーズの1台、という感じがする。

【シャトルからガウォークへ】
シャトルモードは後部のノズルが並んだ姿が特に良い
翼を脚に変形。足裏のディテールが楽しい
腕を変形させ、巨大な砲身を背負わせる
旋回式の砲塔を引き出し、ガウォークモードへの変形完了
デストロイドモンスターをコンパクトにまとめたようなデザインだが、強力な攻撃力を感じさせる

ガウォークからデストロイドに。直立したモンスター!

人型形態に。砲身を前にすることも可能
手元にあった「VF HI-METAL VF-19S ブレイザーバルキリー」を並べてみた。1周りほどVF-19が大きいが、雰囲気は出てる感じ

 デストロイド形態への変形は、腰ブロックを“曲げる”という大胆な変形が起点となる。ボディと水平だった脚部が垂直になり、脚部関節とブロックを調整することでしっかりした人型ロボットの脚になる。ボディに被さるように配置していた砲身も垂直に跳ね上げ、コンテナ部分を折りたたみ背中に背負わせる。

 頭部はコクピットハッチを跳ね上げると現われる。「ケーニッヒのコクピットって頭部ブロックの中だったの?」という驚きを感じたが、後部のハッチ部分をくぐらせることで頭部がハッチの外に露出する。肩を調整し、腕部分を整えることでデストロイド形態への変形が完了する。

 デストロイド形態は、バルキリーにしては無骨だし、デストロイドシリーズに比べると四肢や頭部のバランスが人間型に近いところが、「マクロス」のメカにしては異質な感じがするのだ。実は、どんなポーズをとらせればいいかよくわからないのもちょっと困ってしまう。

 アニメでの「ケーニッヒ・モンスター」の活躍と言えば、もっぱらガウォーク形態で、シャトルモードは飛んでいるシーンでいくつか印象に残ったシーンがあるものの、デストロイドモードがどう戦ったかは、劇中でほとんど描かれていないのだ。とはいえ、メカの造形としては魅力的だ。どことなく「アーマードコア」のメカを思わせる。何よりもカメラの撮影スペースに収まりきれないレールガンがイイ。

 「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター」はファイター形態ではその機体のボリューム、ガウォーク形態では無骨さ、力強さで強い満足感を与えてくれる。腕のギミックと自由度が面白いし、デストロイド形態ではその長い手足でポーズをとらせるために試行錯誤するのも楽しい。バルキリーとは異なる魅力をもたらしてくれる商品だ。

 気になった点としては砲塔の引き出し部分で、ボディの重さがあるために砲塔が自然に埋まってしまう。ここはロック機構などを追加して欲しかったところだ。また、全体的な関節がきつめなため変形には結構力がいるが、最大の魅力であるシェリルとランカのノーズアートを傷つけないように気をつけたい。

 「DX超合金 ケーニッヒ・モンスター」は「DX超合金マクロス」シリーズ、そしてバルキリー玩具という視点から見逃せないアイテムだ。あまり日の目を浴びない「デストロイドシリーズ」の立体化作品としても要チェックである。「DX超合金マクロス」シリーズの好評を受けてバンダイはさらにラインナップを充実させると共に、「Hi METAL R」という新シリーズも展開、こちらのラインナップに「デストロイドモンスター」があがっている。今後の商品展開も注目したい。

【ガウォークからデストロイドへ】
肩を引き出し、腰パーツを90度曲げ、脚を地面に垂直にする
頭部を引き出し、腕の位置を整えて変形完了
バルキリーとも、デストロイドとも異なる人型のデザインが面白い
実際にはさらに1回りVF-19が小さい。ケーニッヒ・モンスターの大きさが実感できるだろう

(勝田哲也)