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低スペックでコンテンツ多量の“逆張り”MMORPG「ECHO OF SOUL」発表

最新MMORPGの問題点を解消へ。鈴木運営プロデューサーがその意図を解説

6月 CBT実施予定

7月 OBT実施予定

7月 正式サービス開始予定

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

NHN PlayArt代表取締役社長の加藤雅樹氏
NVIUS Coporation CEOの金埈成氏

 NHN PlayArtは4月9日、Windows用MMORPG「ECHO OF SOUL」(EOS)の新作発表会を開催した。

 「ECHO OF SOUL」は、「MMORPG本来の楽しさを追求する」というコンセプトのもと開発されているMMORPG。ゲームエンジンには「Unreal Engine 2.5」を採用し、あえてグラフィックスをそれなりに抑えている。代わりに低スペックPCにも対応させ、加えてコンテンツの多さを重視して作られた独自路線のタイトルとなっている。基本料金無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。6月にクローズドβテストを実施し、7月にオープンβテストの実施と正式サービス開始を予定している。

 発表会には挨拶として、NHN PlayArt代表取締役社長の加藤雅樹氏と、韓国開発元NVIUS Coporation CEOの金埈成氏が登壇した。

 加藤氏は本作が4年ぶりとなるハンゲーム単独運営のMMORPGであることに触れ、「ゲーム設計が親切で、低スペックでも遊べる。MMORPGを大好きな人も初心者の人にも遊んでもらいたい」と述べた。

 金氏は2009年にNVIUSを立ち上げ、4年間、100人の開発メンバーと本作を作ってきたと話した。金氏はMMORPG市場が「グラフィックスが良くてもコンテンツ不足のタイトルばかり」だったことに着目し、グラフィックスの質を下げることで開発費用も下げ、その代わりにダンジョンを大量に用意すること、またPCとモバイルを連動したコンテンツを作ることを目指したのだという。

区分必要スペック推奨スペック
OS
日本語版 Microsoft Windows Vista / 7 / 8 / 8.1
CPUIntel Pentium4 2.6 GHz 以上Core 2 Quadシリーズ以上
AMD Phenom X4シリーズ以上
RAM1GB2GB
GPUGeForce 6600以上
Radeon X1600以上
GeForce GTS 250以上
RADEON HD 5770以上
必要HDD容量10GB20GB
DirectX
DirectX 9.0C
【プロモーションムービー】
【オープニングムービー】
【スクリーンショット】

「ちょうど良さ」と「MMORPGの楽しさ」を持った独自タイトル

日本運営プロデューサーの鈴木貴宏氏。ゲームオンに移管前の「TERA」で運営プロデューサーを務めていた人物
ゲームの高度化、高グラフィックス化の弊害を解消する狙いがある本作
ゲーム設計は親切。ガイドが充実している

 ゲームの概要については、本作の日本運営プロデューサーの鈴木貴宏氏が説明を行なった。本作は4月2日にティザーサイトが立ち上げられているが、そこでのユーザーからの反応は「グラフィックスが古い」、「よくある棒立ちの戦闘システム」などとネガティブなものも含まれていたという。

 しかし「EOS」をリリースするのには明確な根拠があり、それは最新のMMORPGに伴う「操作やシステムが難しい」、「忙しくてプレイできない」、「PCスペックが足りない」、そして金氏も述べた「コンテンツ不足」といった問題を解消できるからだとした。

 「EOS」の戦闘はターゲット式となっているが、敵の攻撃はゲージの表示でタイミングがわかるようになっているほか、特定の攻撃には「遮断スキルを使用してください」といった表示が出て、何をすればよいかのガイドが示される。一方で敵は範囲攻撃を行なってくる(これもガイドが出る)ので、これを避けるようなアクションも必要で、決して棒立ちの戦闘シーンにはならない、と鈴木氏は語った。

 また忙しいプレーヤーには、本作には20分程度でクリアできるレベル別のソロダンジョンやクエストのナビ、ワンクリックで行なえる強化といった簡単かつシンプルなコンテンツのほか、外出先でアイテムの整理や強化、取引などがプレイできるモバイルアプリも準備中だという。

 そしてコンテンツ不足という点については、1,500を超えるクエスト、40以上のID、無限ダンジョンや無限狩場、PvPモード、アイテム製作などがあり、その量には自信を持っていることも明らかにした。なおOBT前には、半年先までのアップデートロードマップも公開予定となっている。

 ちなみにグラフィックスは抑えているというが、それでも「Unreal Engine 2.5」の熟練者が開発メンバーには揃っており、「Unreal Engine 2.5」最高峰のグラフィックスが本作では楽しめるという。

 鈴木氏は「EOS」には「ちょうど良さ」と「MMORPGの楽しさ」があるとして、最新MMORPGの「難しい操作にプレイを諦めてしまわれた方」、「忙しくてMMORPGはプレイできないという方」、「もう1度、MMORPGを楽しみたいという方」に本作をプレイしてほしいと語った。

 なお今後のスケジュールとして、6月のCBTに先立った「フォーカスグループテスト」(FGT)を5月に実施するという。「フォーカスグループテスト」は北海道、東京、愛知、大阪、福岡の全国5都市のネットカフェで開催するもので、5月の土曜日、日曜日で実施する。実施日時や場所、参加者への特典などの詳細については、4月22日に公開されるFGT参加者募集サイトに掲載される予定。

【発表スライド】
ありがちなMMORPG……ではなく、意図的であり、狙いが明確であるのがミソ。韓国では堅実で骨太なシステムが口コミで広まり、ヒットを飛ばしたという
【クラス】
左上から順にウォーリア、ローグ、ガーディアン、ソーサレス、アーチャー。ソロプレイに向かず、「ヒーラー待ち」といった時間を省くため、ヒーラークラスはない
【ソウルシステム】
プレイ途中で手に入り、使用すると成長もする「ソウル」。他のプレーヤーと交流することでよりメリットがあるような設計となっている
今後のスケジュールとして、4月25日、26日開催の「ニコニコ超会議2015」の出展も決定した。ブースでは本作の女性キャラクターに魅力が足りないということで、「超今野杏南のいろんな動き収集してみた」が実施されるという。会場には今野杏南さんも駆けつけた

(安田俊亮)