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Windows 10/Xbox One「GIGANTIC」ファーストインプレッション

巨大なガーディアンが戦場を支配する新時代のMOBAアクション!

3月2日~6日開催



会場:San Francisco Moscone Convention Center

 GDC 2015のMicrosoftブースでもっとも出展に力を入れられていたのが、Microsoft待望の新規IPとなる「GIGANTIC」だ。存在そのものは前から知られていたが、Phil Spencer氏のGDC講演で、同作がWindows 10およびXbox One専用タイトルとして開発されていることが明らかにされた。Microsoftブースでは、10台のWindows 10 PCを用意し、マウス/キーボードを使った5対5の対戦プレイを提供していたのでファーストインプレッションをお届けしたい。「GIGANTIC」は2015年秋発売予定で、ビジネスモデルは未定。日本での取り扱いも現時点では未定となっている。

【Announcing Gigantic for Windows 10 & Xbox One】

終日試遊者で賑わっていた「GIGANTIC」コーナー
5人で1チーム
ヒーローは16人も用意されていた
Respawn中にスキル選択。とにかく忙しい!
占領した拠点からクリーチャーを召喚する
ガーディアンとのバトル。デカすぎて胴体しか見えない!!
バトル終了。バトルが終わるとEXPではなくPrestigeが獲得できる。個別に設定されるアウォードも面白い

 「GIGANTIC」は、Riot Gamesの「League of Legends」に代表されるMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)系の3Dアクションゲーム。この分野は、クォータビュー見下ろし型が定番だが、近年は「Battlecry」(Bethesda Softworks)や、「Battleborn」(Gearbox)などTPSスタイルの新作が続々誕生し、ホットな分野になりつつある。

 「GIGANTIC」ではプレーヤーは好みのヒーローを選択し、ほかの4人のヒーローと共に、相手チームの撃破を狙う。1試合は15分から30分ほどだが、この間に敵ヒーローを倒してレベルを上げ、スキルツリーを伸ばし、固有アビリティを取得し、来たるべき決戦に備えていく。TPSとストラテジーがワンセットになったような目の回る忙しさこそがストラテジーゲームの進化形であるMOBAの真骨頂だ。

 今回のデモではヒーローは姿形性別の異なる16人が用意され、ヒーローを選ぶのに迷ってしまった。肉弾型の近接系、魔法、弓などの遠隔系、そのハイブリッドなど実に様々なタイプがいる。同じチームに、同じヒーロー2人は入れられず、メンバーと相談しながら使うヒーローを決めていく。各ヒーローには基本アタックも含めて、4つのスキルがあり、レベルが上がる毎に最大4つのアビリティを習得することができる。

 バトルが始まると、各陣営は南北の拠点からスタートする。気流に乗って大ジャンプして一気に戦場の中央付近まで飛ぶことができるため、すぐに遭遇戦が始まるため、気を抜ける時間帯がほとんどない。飛んだ先から相手陣営までの間が主戦場となるが、周囲には複数の拠点があり、この奪い合いが戦いの軸となる。敵がいない状態で拠点に立ち続けると占領することができ、占領した拠点からはクリーチャーを召喚しておいておくことができるほか、攻撃力が増すなどの恩恵が受けられる。また、自分が呼んだクリーチャーから支援を受けることができ、戦いを有利に進めることができる。仲間と共に拠点を奪い、クリーチャーを呼び出す。これが戦いの基本セオリーとなる。

 バトルがはじまって数分経つと、本タイトルの由来であるガーディアンが動き出す。ガーディアンはスタート時にはそれぞれの拠点にいるが、一定時間が経過すると、いずれのガーディアンが攻勢に出る。それぞれのガーディアンは、ヒーローを踏みつぶすほど巨大で、通常視点で見ると足しか見えないほどデカい。言うまでも無く攻撃は非常に強力で、正面から立ち向かっても太刀打ちできない。このガーディアンの侵攻は、戦局が膠着しがちな中盤の中だるみを排除する強烈な効果がある。

 ガーディアンが攻勢に出た陣営は、この勢いをかって相手陣営に攻め込み、ガンガンに攻撃を与える。守勢に回った陣営は、ガーディアンの猛威を、地形やスキルを使ってできるだけ回避しながらひたすら守りに徹することになる。このまま勝ちきることができるかどうかはわからないが、デモでは一定時間が経過すると、ガーディアンが消えて拠点まで戻り、今度は攻守が入れ替わった。基本的にはこれを繰り返していくことになる。

 そして終盤にさしかかると、「CLASH」と呼ばれる決戦がスタートする。「CLASH」が発生すると、両陣営のガーディアンが中央近くまで進出し、絶えず味方陣営に対して支援攻撃を行なうようになる。結果として戦場も半分近くまで狭まるため、5対5とクリーチャー、そしてガーディアンを交えた一大決戦がスタートする。

 戦いが終わると、結果が表示され、キル数、デス数、アシスト数、クリーチャーの召喚数、ガーディアンへのダメージ量などが表示される。内容から判定したアウォードを獲得でき、それらの結果を踏まえて、Prestigeが獲得できる。基本はこのバトルを繰り返していくというゲームになりそうだ。

 「GIGANTIC」は、ガーディアンという“変数”をうまく使って、常に緊張感のあるバトルが提供されるように配慮されており、MOBA系はだいたい遊んだという猛者でもまた新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。バトルの内容は、かなり殺伐としたTPSアクションが繰り広げられるが、トゥーンレンダリングで描かれたキャラクターはポップで可愛らしく、またユーモラスで、攻撃時やスキル使用時のエフェクトも漫画やアニメのようで、殺伐とした雰囲気を緩和してくれる。

 ビジネスモデルについてはまだそのタイミングではないということだが、「Fable Legends」同様F2Pモデルになる模様で、Windows 7以降のPCに対して無償アップグレードを表明しているWindows 10の大きなキラーコンテンツの1つになりそうだ。「GIGANTIC」は、今後発売に向けてPAX EastやE3での出展を予定しているほか、βテストも行なうという。続報が入り次第、またお伝えするつもりだ。

【GIGANTIC】

(中村聖司)