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【スマホアプリ今日の1本】ストイックで洗練された落ち物パズル「Catapulton」
“すり抜ける”ブロックが新しい「テトリス」アレンジ。「ルミナス」に通ずる爽快さアリ
(2015/1/7 16:24)
「テトリス」風のブロックを“打ち上げる”操作と、複数色のブロックが干渉し合うという変わったコンセプトを持ったiOS用パズルゲームが、2014年末に配信された。
タイトル名は「Catapulton」。何よりも特徴的なのは、ある色のブロックは他色のブロックを“すり抜ける”というもの。「テトリス」のように1ラインを揃えるとブロックが消えていくが、このブロックが“すり抜ける”システムがあるために、ストイックかつプレイしがいのあるタイトルとなっている。
プレーヤーが行なう操作は単純で、ブロックの左右の移動と打ち上げが基本となる。ブロックは回転できないが、代わりに最大2個まで積んだブロックを“吸い取る”ことが可能で、積み直しをしてフィールドを整えることができる。
こうした落ち物パズルではブロックがどんどん積み上がっていくのがセオリーだが、本作では異なる色のブロック同士がフィールドを潰し合うため、複数種類のブロックで同時にパズルを行なっているような不思議な感覚を持ったプレイとなる。
例えば白のブロックが積み上がっているところに赤のブロックを打ち上げると、赤ブロックは白ブロックをすり抜けてフィールドの最上段へと積まれる。赤ブロックが積まれたところに元々あった白ブロックは赤ブロックによって上書きされるため、こうしたブロック同士の関係や上書きも考えながらラインを揃えないとならない。
実際にプレイしてみると、これが初見では良く理解できないほど複雑なものとなっていた。ブロックの色の違いと位置関係を把握していないと思ったように積み上げることさえ困難なので、1ラインくらいしか消せないままブロックが積み上がってそのままゲームオーバーということが多くあった。
しかし30分も繰り返しプレイして慣れてくるとフィールド上のブロックの位置関係が見えてくるようになり、余計なブロックは違う色のブロックであえて潰したり、また“吸い上げ”操作を使ってごちゃっとなったフィールドを整理したりと、操作に余裕が出てくるようになった。
慣れない内は1ラインを揃えることさえ苦労したが、コツを理解してくると徐々にラインを作れるようになっていく。ブロックの打ち上げと吸い込みを素早く正確に繰り返すその作業はまさに「ストイック」といった感じで、いつの間にかラインを揃えるためにじっくりプレイしてしまう。プレイに慣れるほど操作が爽快になっていって、水口哲也氏プロデュース作の「ルミナス」や「メテオス」などに通ずる気持ちよさも感じることができる。
なおラインを揃えるとブロックが一斉に上へと移動するので、上手く行くと連鎖も発生する。プレイを練れば連鎖も狙えるような奥深さもあるため、落ち物系のパズルに自身があるという方は、ぜひプレイしていただきたい。
ちなみに本作は、「LORD of VERMILION」シリーズなどのアートディレクションに携わり、プログラマーとしても活動している個人ゲーム開発者の柄沢大介氏が制作している。個人での制作とは思えないような洗練されたゲームシステムが特徴的なので、氏の今後のゲーム開発にも注目しておきたい。