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「Wargaming.net League APAC シーズン2 グランドファイナル」DAY 1レポート

総当り全3戦いずれも接戦! 日本チーム“Charlotte Tiger”リーダーインタビューもお届け

10月24日〜10月25日開催

会場:Yongsan eSports Stadium / BlueSquare SamsungCard Hall(韓国)

会場となったYongsan e-Sports Stadiumの様子

 Wargaming.netが展開するオンラインタンクバトルゲーム「World of Tanks」のアジアパシフィック地域チャンピオンを決める大会、「Wargaming League APAC シーズン2 グランドファイナル」の初日となった10月24日、出場3チームによる総当り戦が開催された。

 事前レポートでお伝えしたとおり、本大会はWargaming.netが通年で開催中の公式リーグ「Wargaming.net League (以下『WGL』)」の一環で、8月から9月にかけて開催された2014年のリーグ戦第2シーズンで上位を獲得したアジア・パシフィック地域の3チームが集い、オフライン会場での直接対決で雌雄を決するというものだ。

 この日開催された総当り戦は、25日に開催されるノックアウトトーナメントでの決勝シード権を賭けた戦いとなる。日本のチームとして初出場を果たした“Charlotte Tiger”、前大会優勝の韓国“ARETE”、アジアサーバーに遠征して出場権を獲得した中国“Elong”のそれぞれが実力を出しつつ(あるいは隠しつつ)、試合はいずれも僅差の接戦となった。その模様を本稿でお届けしよう。

ラッシュ作戦では両チームを圧倒!“Charlotte Tiger”の個性が見えた2試合

選手ブースで作戦の細部を詰める“Charlotte Tiger”
この日の対戦表

 会場となったYongsan e-Sports Stadiumにはおよそ200名のファンが集まり、完全に仕切られた選手ブースも用意された本格的な環境で全3試合が実施された。

 試合に臨みマシンセットアップや作戦の細部を話し合っていた“Charlotte Tiger”の面々だが、あまり気負いはなかったようだ。選手ブース内では「消火器どうします?」「あっ、今日25%オフになってるよ」「割引とかどうでもいいだろ!それより……」という和気あいあいとした感じで試合の準備を進めていた選手たちは、対“Elong”戦、対“ARETE”戦の双方でチームの個性が際立つ試合運びを見せてくれた。

 試合ルールは3ラウンド先取制。ラウンドがドローだった場合は両チーム1勝としてカウントされる。その他のマッチルールは1チーム7人制の「WGL」公式ルールのとおり。

・第1戦:Charlotte Tiger 対 Elong

第1マップは開幕ラッシュで圧倒した
“Elong”が受けに回ると崩せない
素早い前進から、即座に守りの形を作る“Elong”。このあたりの連携差が際立った印象

 第1マップの「プロホロフカ」で早速、“Charlotte Tiger”の得意戦法が炸裂した。それは開幕から全力の中央ラッシュ。障害物の少ないこのマップは全速で突っ込むことで相手が何かする前に乱戦に持ち込める。快速戦車「Ru251」メインで構成された両チームは開始30秒で乱戦へ。最初こそ互いに1両づつ失っていく展開となったが、相手の隊列に浸透するような形で動きまわる“Charlotte Tiger”が次第に圧倒。1両だけ超高火力のHE弾を搭載する「T49」が着弾2発で1,600ダメージ以上を叩き出すなどの活躍もあり、終わってみれば4両生存で“Charlotte Tiger”が圧勝。わずか1分20秒での決着となった。

 このラウンドに現われていたように、“Charlotte Tiger”はラッシュが決まると滅法強い。その一方で、ラッシュが不発になったり、相手が受ける準備を整えていた場合はあっさりと跳ね返されてしまう展開だった。第2ラウンドの「ヒメルズドルフ」では北スタートの3ラインラッシュ→公園を中央突破という奇策を完全に跳ね返され、第3ラウンドの「大草原地帯」では両軍が東側ラッシュを掛ける形と見せて“Elong”が素早く両翼に広がる機動で覆い込み、“Charlotte Tiger”はじわじわ削られて大差敗北。2連敗で後がなくなったが、重戦車中心の編成で臨んだ第4マップの「ルインベルグ」では東側の大外を思い切りの良い突破で敵の側面を取ることに成功し、こちらは大差で勝利。ラウンド取得数2−2で第5ラウンドに臨んだ。

 第5ラウンド「鉱山」では、重戦車オンリーという編成の“Charlotte Tiger”、1両のみスタート地点に残しつつ残る全車で丘の中央突破へ。自動装填式の中戦車メインで構成された“Elong”の猛反撃に会いつつも耐え、相手が長いリロードに入ったところで一気に前進。Tier1以外の車両数は2−2となり陣地占領へ。しかし死角から入ってきた“Elong”の「T69」に手こずっている間、敵の集合を許してしまった“Chalotte Tiger”。うまく囲まれて各個撃破され、僅差で最終ラウンドを落として第1戦の敗北が決まってしまった。

第4ラウンドでは東側への戦力集中がうまく運んで包囲殲滅の形をとることに成功
第5ラウンドの「鉱山」。ラッシュの途中まではよかったが、この後T69に手こずって崩壊

・第2戦:Charlotte Tiger 対 ARETE

陣形変更が数度続いて最終的に北西部分での激突となった第1マップ。守りに徹するIS-3の装甲を抜きそこねて良い形を作れず敗北
第3ラウンドでは丘上を取って優位に試合を進めた
ラッシュで圧勝した「プロホロフカ」。得意マップだ

 前大会王者との対戦でも、“Charlotte Tiger”は戦い方を変えない。ラッシュをかけるチャンスを狙っての試合運びは、第1ラウンド「ヒメルズドルフ」では不発。守りの陣形をとる相手に対してなかなか火力を集中させられない印象だ。快速戦車中心の編成とした第2ラウンド「崖」では中央突破を伺っていたところ、“ARETE”が東側大回りでの側面ラッシュと言う奇策で応える。完全に背後を取られ陣形が混乱し、圧倒的な差で連敗。さっそく後が無くなってしまった。

 第3ラウンドは「鉱山」。“Chalotte Tiger”は重戦車メインの構成で今度もラッシュ気味に開幕スタートするが、今度は敵陣まで突っ込まず丘の上を確保。丘の上を取り返しに“ARETE”が集まったところ、“Charlotte Tiger”は崖下から大回りした別働隊とともに囲い込みに成功し、今度はTier 1以外の損失ゼロという大差で勝利。続く第4ラウンドは大得意の「プロホロフカ」で、やはり快速戦車で中央ラッシュ、“Elong”戦の第1ラウンドを丸写しにしたような展開で“Charlotte Tiger”が圧勝した。わずか1分の出来事である。

 とにかく攻撃の形がハマると強い“Charlotte Tiger”。第5ラウンドまでもつれた戦いは、どうやら苦手の「大草原地帯」へ。“Elong”戦とは逆に西側で防衛する形をとろうとした“Charlotte Tiger”だが、“ARETE”は全く逆の東側からラッシュ。全く予想外の方向から敵が来る形となり、マップ西側に押し込まれた“Charlotte Tiger”は機動の自由を奪われ各個撃破されてしまう。大差敗北により、この試合も落としてしまった。

 “ARETE”は先だって“Elong”にも勝利していたため、この段階で翌日のノックアウトラウンドの決勝シード権獲得、準優勝以上が確定である。“Charlotte Tiger”は接戦を続けながらも2試合とも落としたため3位でノックアウトラウンドに進出。翌日は準決勝、対“Elong”戦からのスタートとなる。

展開が裏目に出ると修正しきれないところが弱点か。対する“ARETE”は素早い展開で次々に新しい局面を作り出していく印象だった
ラウンドの合間、声をかけあう“Charlotte Tiger”
真剣な面持ちで試合に臨むチームリーダーのplateaux選手

五分の撃ち合いならどのチームにも負けない……“Charlotte Tiger”の強みとは

“Chalotte Tiger”全員集合

 この日の試合が終わり、“Chalotte Tiger”のチームリーダー、plateaux選手に話を聞いた。ラッシュの強さを見せたかと思えば、じりじりとした展開の中ではなかなか打開しきれないシーンが目立った試合運び。彼らの強みと弱点、翌日に向けた課題とは。

──前日会見で練習不足とのことでしたが、APACプレーオフでここまで勝ち上がってきた理由というのは?

plateaux選手: 前線の5人、ひとりひとりは最強なんです。でも5人固まると、弱いです(笑)。ひとりひとりの実力は、“ARETE”だけじゃなく、アジア全部のチームを見渡しても彼らより強いチームは無いと思います。だから、自信があるのは個人スキルだけですね。それだけでこのゲームは勝てます。ある程度は(笑)。ここまで来るのが、その“ある程度”の限界だととも思っていますが……(笑)。

──「WoT」というのは作戦のゲーム、という印象も強いですが、そのあたりは?

plateaux選手: 対極の思想ですね。どのサーバーのトップチームにいる人達でも、重要なのは練習だ、チームワークだといいますけど、僕らはそうは思っていません。やっぱり、上手ければ勝つと。それだけですね。

──その中でplateaux選手は、一応は作戦を考える立場ですよね。その個人スキルを生かすために重視していることは?

plateaux選手: とにかく五分五分の状況を作るということですね。ポジション的な優劣がなければ、僕らは勝てるんですよ。今の段階だと、なかなか練習する時間がとれないわけですよね。例えば、意外なところから戦車が出てくるという状況は、組み合わせで考えると、やっぱり無限大に可能性が広がるわけです。それを練習でカバーするわけですが、僕らはそれがまるでできないので、そこはやっぱりかなり苦労しますね。

──その中で今日対戦した2チームについて、それぞれどういった感想を持ちましたか?

plateaux選手: “ARETE”は強いですね。“Elong”は変わったチームだなあと。例えば彼らは「T49」という戦車で90ミリ砲を使ってたわけですが、90ミリ砲を使うなら、僕達ならどう考えても「Ru251」のほうが優れていると思うわけなんです。多分“ARETE”もそう考えてます。でも“Elong”は違うんですよね。文化が違いますね。「IS-3」も中国版の「110」に置き換えてますよね。不思議ですね。

──その点も含めて、明日は“Elong”と準決勝で対戦するわけですが、何か秘策など考えていますか。

plateaux選手: 秘策はないかもしれないし、あるかもしれないです。今日の夜に、みんなから良い意見が出て、うまくいけば明日とんでもないものが見れるかもしれないです。

──その後、“ARETE”と対戦することは今から考えていますか?

plateaux選手: 常に考えていますよ。「WGL」のシーズン開始時にチームインタビューを受けたんですが、そのときにチームの目標を教えてください、と言われまして。リーグ戦に出れたことは興味が無い、僕らとしてはグランドファイナルに行くだけですよ、というような応えを返しまして。グランドファイナルで“ARETE”と戦うために出るんだ、という気でやってきましたから、常に彼らを意識しています。

──明日のご健闘を期待しています。

plateaux選手: ありがとうございます。

(佐藤カフジ)