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UBISoft、「アサシン クリード ユニティ」のプレイデモを放送!

シングルプレイの新ミッション「ブラックボックス」の中身を解明

9月18日~21日 開催(一般公開日 20日~21日)



会場:幕張メッセ1~9ホール



入場料:
前売り 1,000円
当日 1,200円
小学生以下無料

「アサシン クリード ユニティ」リードゲームデザイナーのプリシュ・パンジャマン氏
リードコミュニティデベロッパーの小林正男氏
ユービーアイソフト株式会社のPRマネージャー福井蘭子氏

 東京ゲームショウのマイクロソフトブースにある特設スタジオ「Xbox ライブ ステーション」では、一般公開日の2日間「インサイド Xbox」を放送している。その中で20日にはユービーアイソフトの期待の新作「アサシン クリード ユニティ(以下、ユニティ)」のデモプレイライブが放送された。

 出演したのは、ユービーアイソフトモントリオールスタジオの「アサシン クリード ユニティ」リードゲームデザイナーのプリシュ・パンジャマン氏とリードコミュニティデベロッパーの小林正男氏、ユービーアイソフトのPRマネージャー福井蘭子氏の3人が番組を進行した。パンジャマン氏はリードゲームデザイナーとして全体を見渡しつつ、キャラクター強化やカスタマイズ関連を主に担当している。日本のゲーム会社で働いていた経験があるため、非常に日本語が堪能だ。

 「ユニティ」は1879年、フランス革命前夜のパリを舞台に、アサシン教団とテンプル騎士団の戦いを描くアクションゲーム。今回の主役、アルノ・ドリアンは親を殺された復讐のためにアサシンとなり、革命の裏に潜む陰謀を追っていく。

 番組では約15分のシングルキャンペーンのプレイデモを、パンジャマン氏が操作しながら解説した。今回のプレイデモは、アルノがアサシンになって初めての暗殺ミッション。このミッションは「ブラックボックス」という「ユニティ」からの新しい要素だ。プレーヤーに示されるのは、暗殺標的が誰かという情報だけで、その人物がいる場所にどうやって近づき、どう殺すかはプレーヤーの判断に委ねられている。

 暗殺目標の「Sivert」という男はノートルダム寺院の中にいる。中に入るには10の侵入経路があり、どのルートを辿るかはユーザー次第だ。今回の場合、クエストを受けるカットシーンの中で、ヒントとなる情報が2つ提示された。1つは、標的が探している「Sivert」という男を殺すこと、もう1つはノートルダムのカギを持って外出した男から、カギを奪うことだ。

 これらのサブクエストは「MODクエスト」と呼ばれている。MODクエストを受けることで、ミッション全体の内容が変化していく。たとえば、「Duchesneau」という人物はノートルダムの告解室(懺悔をするための小さい空間)で密会をする予定になっている。「Duchesneau」を殺すと、本来彼が入る予定だった部屋が空き、そこで誰にも見つからずに「Sivert」を暗殺することができる。

 MODクエストをまったく受けずに、正面入り口から殴り込んで力づくで暗殺することもできなくはないが、「ユニティ」では衛兵がかなり強化されているため、キャラクターカスタマイズでバトル系のスキルを強化したり、シングルプレイとシームレスにつながっているマルチプレイの中で強い武器を手に入れたりしなければいけない。

【ミッションのカットシーン】
話しかけると、暗転してカットシーンに切り替わる
先輩らしいアサシンは、周りを見て自分でプランを考えろと助言する
暗殺ターゲットの「Sivert」
MODミッションのターゲット「Duchesneau」

 「アサシン クリード」シリーズはCEROレーティングZのゲームで、バトルアクションの中にはかなり過激な表現もあるためか、今回のデモではなるべく敵を殺さない徹底したステルスプレイでゲームが進行した。「ユニティ」からはソーシャルステルスを含めた移動方法が一新されている。ソーシャルステルスはキャラクターの周囲に青いサークルが表示され、その中に群衆が入っていれば機能するようになった。また中腰のステルス移動が新しく追加され、周りに誰もいなくても敵に見つかりにくい状態で移動できるようになった。

 デモでは人気のない墓場でステルス移動を使って「Duchesneau」を追跡した後、煙幕を使って姿を隠しつつ暗殺した。さらに町へ戻って今度は窓のカギを持ち歩いている男から鍵を盗み取る。2つのMODミッションをクリアしたことで、誰にも気づかれず暗殺する準備が整った。

【強化されたステルス要素】
ソーシャルステルスが成功していることを示す青いサークル
腰を落としたステルス移動で、敵に気づかれずに近づいていく
カギを開けるスキルを持っていれば、カギを見つけなくても閉まった窓から侵入できる
カギを盗み取るMODミッション

 満を持してノートルダムの中に侵入する。「ユニティ」で描かれているパリは限りなく実寸に近いスケールで、大きな建物はほぼすべて、小さな民家も25%から30%は中に入ることができる。マップの広さはこれまでのシリーズで最大だ。ユービーアイソフトは本社がパリにあるため、必要なテクスチャの写真などは本社に発注して、可能な限り細かく作りこんだのだそうだ。ノートルダムの有名なバラ窓も美しく再現されている。このノートルダムは、女性のゲームデザイナーが8カ月かけて完成させた力作なのだそうだ。

 ノートルダムの中では、藁の中に隠れて衛兵を暗殺した後、予定通り告解室で「Sivert」を暗殺した。暗殺した瞬間、フラッシュバックのようなカットシーンが流れる。これは、メインストーリーを解き明かす重要なシーンらしい。それが終了すると、再び告解室の中に戻る。しかしこれでミッションが終わりではない。「ユニティ」では警戒区域から出るところまでがミッションになっているため、脱出しなければならない。今回の脱出口は、寺院から地下へと続く秘密の抜け道。中まで敵が追ってきたが、戦闘することなく無事群衆に紛れこんで逃げ切ることができた。

【ノートルダム寺院内での暗殺】
ノートルダム寺院からの眺め。次世代機のパワーで遥か遠くまでパリの街を見渡すことができる
詳細に作りこまれたノートルダム寺院内部
「Sivert」と「Duchesneau」が密会するはずだった告解室。「Duchesneau」が来ないので右側が空いている
告解室の中で暗殺成功
暗殺に成功すると、メインストーリーの謎に迫るカットシーンが挿入される
秘密の抜け穴から脱出する

 「ユニティ」のカスタマイズ要素についてパンジャマン氏は、「アサシン クリード ブラック フラッグ」では船をカスタマイズできて、船が主人公のようだった。今作は主人公の体が5つのパーツに分かれており、自由にカスタマイズすることができる。外見だけではなく、防御力が上がったり、ステルス性能が上がったりといったステータスが付いているものもある。

 この装備のカスタマイズとは別に、ポイントをためてスキルを強化するカスタマイズもある。これらを組み合わせることで、戦闘に特化したアサシン、ステルスが得意なアサシン、カギを開けられるアサシンなど、さまざまな特性を持ったオリジナルのキャラクターを作ることができる。協力ミッションでしか手に入らないレアな武器もある。それを持ってシングルプレイをすることもできるし、マルチプレイも可能だ。オンラインのMMORPGなどにも似たシステムだが、パンジャマン氏はRPGが好きで最初からRPG風の成長スタイルを考えていたようだ。ほかの誰も持っていないレアな装備や武器を持ってマルチプレイに参加すれば、一目でそのプレーヤーがかなり強いということがわかる。

 「アサシン クリード」の特徴ともいえるパルクールもかなり強化されている。動きが自然でスタイリッシュさが増し、さらに障害物の下をくぐったりといった新しいアクションも追加されている。また、これまでは高い場所に上った後はイーグルジャンプで一気に下までダイブしていたが、今回は建物が実寸なので非常に高く、飛び降りるには無理があるような場合、自然落下しながら途中の突起に捕まって少しずつ下りていくという新しい降り方も導入されている。

 主人公アルノ・ドリアンは、親を殺されて復讐のためにアサシンになるなど、「アサシン クリード II」の人気主人公エツィオ・アウディトーレと少し似ている部分がある。パンジャマン氏によれば「アルノはエツィオほどごつくなくチャーミングな感じです」とのことだ。フランス革命という時代背景も相まって、女性にも人気が出そうな本作。日本語版は11月20日にPS4版とXbox One版が発売される。

【ノートルダム寺院内での暗殺】
パルクールのアクションは全体的にスタイリッシュになり、不自然さがない
高いところから一気に飛び降りるのではなく、少しずつ降りていくことができるようになった

(石井聡)