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【E3 2014】「Forza Motorsport 5」、新コース「ニュルブルクリンク」の無料配信を開始

ミリ単位のレーザースキャンで作り直された次世代のニュルブルクリンク

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

 E3 2014では「Forza Horizon 2」ばかりが注目されがちなTurn 10 Studiosだが、「Forza Motorsport 5」に関しても重要な発表を行なっている。「ニュルブルクリンク」サーキットの無料配布だ。E3 2014 Microsoftブースでは、「Forza Motorsport 5」の3画面モードの試遊台を展開し、このニュルブルクリンクを走ることができた。「Forza Motorsport 5」におけるニュルブルクリンク復活の意味を解説したい。

Microsoftブースでは「Forza Motorsport 5」の3画面モードでニュルブルクリンクを走ることができた
高低差も以前よりリアルに再現されているためか、高低差のあるカーブで事故が多発していた

 「Forza Motorsport 5」は、Xbox Oneの2013年のグローバルローンチに間に合わせるため、前作「Forza Motorsport 4」よりも少ない車種、少ないコース数でリリースしている。開発元のTurn 10 Studiosはこの理由について、「4」から「5」への進化はこれまでの解像度の向上だけでは情報量が足りないためと説明しているが、この結果、「Forza Motorsport 5」の弱点として、絶対的なボリューム不足が指摘されている。

 これを少しでも払拭するために「Forza Motorsport 5」では、新車種の追加や、新コースの無料追加を定期的に行なっている。新コースについては、2月にロードアメリカ、4月にロングビーチ、そして今回ニュルブルクリンクが追加となった。

 ニュルブルクリンクは、現実世界同様、レースゲームの世界に置いても欠かせないサーキットと言える。全長が非常に長く、難易度も高く、上級者のみが走破できるコースとして、ビギナー泣かせでもある。このニュルブルクリンクがようやく「Forza Motorsport 5」で体験できるようになった。

 そもそも過去のシリーズで収録していたコースが、なぜ未収録になるのか? 「Forza Motorsport 5」において今何が行なわれているのか? というと、「Forza Motorsport 4」までのXbox 360世代のリソースを総点検し、次世代に求められるディテールに足りないものは破棄し、Xbox One世代で戦い抜くためにデータを撮り直し、コースやクルマを作り直すという気の遠くなるような作業を行なっている。

 とりわけ、この点においてかねてよりレースゲームファンの間でやり玉に挙げられていたのが、ニュルブルクリンクだ。ライバルタイトルよりもコースの再現度が低く、「出来が悪い」とされていた。「Forza Motorsport 5」では、ニュルブルクリンクを初期収録コースから外し、レーザースキャンでミリ単位でデータ収録をし直し、そして今回無料配布という形で「Forza」ファンの期待に応えた。わざわざE3の場で復活と無料収録をアナウンスしたのは、それが「Forza」ファンとのコミットメントだったからだ。

 これから発売となる日本では最初からニュルブルクリンクが走れるのは大きなウリとなるが、いまだ未収録の大物コースには、日本の鈴鹿サーキットがある。鈴鹿も同じようにレーザースキャンでデータを取り直しているものと見られるが、実装時期は例によってまったくわからない。「5」に間に合わないかもしれないし、「6」の目玉に持ってくるかもしれない。ともあれ日本の「Forza」ファンとしては9月4日の日本発売に間に合うぐらいの近い未来での実装を期待したいところだ。

【スクリーンショット】
コース上の落書きも含めてミリ単位で再現された「Forza Motorsport 5」ニュルブルクリンク

(中村聖司)