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【E3 2014】「Xbox E3 2014 Media Briefing」で見えてきた新作ゲーム3つのキーワード
これからのゲームを読み解く鍵、「グラフィックス」、「マルチプレイ」、「リバイバル」
(2014/6/10 09:07)
米Microsoftは、6月9日に開催した「Xbox E3 2014 Media Briefing」において様々なタイトルを紹介した。タイトルの数は20以上、“Xbox Oneでこれだけのゲームができる”ということを改めてアピールしたメディアブリーフィングだった。
「Xbox E3 2014 Media Briefing」はただ順に新作タイトルを出しただけでなく、様々な点で“次世代のゲーム”、“新しいゲーム体験”を来場者に強く刻みつける出展を行なっていた。いくつかの傾向から、Microsoftが提示した新しいゲームとは何だったかを見ていきたい。
Xbox Oneのグラフィックスで表現される世界の広大さと緻密さ
会場での、大画面のゲームプロモーションで最も印象に残るのはやはりグラフィックスの美しさ、目の前に広がるフィールドの圧倒的な情報量である。Xbox Oneならではの広大なフィールドの描画、そのフィールドでのダイナミックな戦いは、ゲームが新たなステージへ移行したことを実感させる。
会場で紹介された最初のタイトルである「CALL OF DUTY ADVANCED WARFARE」は崩れ落ちる都市の描写、虫の群れのような空中を高速で動く謎の敵、空を横切るヘリコプターなど、目の前で次々と展開いていく場面に心奪われる。炎の揺らめく感じや、煙の表現など、従来のタイトルでも出てきた演出だが、その表現は今回の映像ではっきりとした進化を遂げていることを実感させられる。また、兵士達の身体能力をアップさせるパワーアシスト装置や、大型のパワードスーツ、レーザーガンなどの描写も独特のセンスがあって、楽しい。
他のタイトルがリアリティを追求しているのに対して、「SUNSET OVERDRIVE」は、カートゥーン風な味を加えている。デモプレイでは広大な遊園地にオレンジ色の醜悪な怪物が大量発生しているという場面で、プレーヤーキャラクターは、ジェットコースターのレールを滑り、観覧車につかまり、回転木馬の屋根の上を飛び跳ねながら戦っていく。
その欧米のアニメのようなオーバーでコミカルな動き、巨大な遊具を壊し、敵にぶつけていく派手さ、爆発が「BRRRRRR」といった文字になるアメコミ風の表現を細かく書き込まれたグラフィックスで表現しているのが楽しい。プレーヤーのアクションでフィールドがどこまでめちゃくちゃになってしまうのか試さずにはいられない作品になりそうだ。
グラフィックスの美しさ、というところでは「THE WITCHER III WILD HUNT」の自然の描写、「Assassin's Creed:Unity」のヴィクトリア宮殿内の絵画のような美しさ、「TOM CLANCYCY'S THE DIVISION」の現実と2重写しになるコンピューターの情報など、従来の手法をさらにパワーアップし、よりリアルで緻密な描写が可能になることで、これまでとははっきりと異なる“ゲーム体験”ができるということが、はっきりわかるのだ。
協力プレイ、1対4の戦いなど、多彩な状況が可能な次世代マルチプレイ
マルチプレイも強調されていた要素だ。会場では最大5人の協力・対戦プレイができるようにセッティングされており、デモプレイを行なったタイトルも多かった。「FABLE LEGENDS」は4人の協力プレイに加え、もう1人が“悪役”として罠や敵を配置して戦うことが可能で、誰を狙うかまで指定可能であり、かなり手強い敵との戦いが楽しめそうだ。
マルチプレイで特に印象的だったのは「Assassin's Creed:Unity」だ。革命のエネルギーに爆発寸前の民衆の中に潜むアサシン。プレイデモでは4人の協力プレイで、民衆の混乱に乗じて暗殺を行なっていった。民衆を押しとどめる衛兵に2人で向かい、1人が衛兵の1人を刃物で貫くと、それを見た衛兵が騒ごうとする前にもう1人が刺すなど、「必殺仕事人」のような連係プレイがとてもかっこよかった。
その後も1人が敵を倒している間にもう1人がその横をすり抜け奥の敵を倒したり、2つのルートでターゲットを挟み撃ちにしようと追いかけたり、集団で1人、また1人敵を倒して目標に迫っていく姿はぐっとゲームに引き込まれた。敵には4人で進み、時にはそれぞれのフォローをしながら敵を倒し、最終的に4人で最終ターゲットを取り囲む。“4人の暗殺者”というこれまで体験できなかった非常に魅力的なプレイを提示してくれたデモだった。
今回デモプレイは行なわれなかったが、「EVOLVE」はマルチプレイにフォーカスした作品であり、今回のE3での台風の目の1つだ。特徴的な4つのクラスのキャラクターと、進化して能力を増していくモンスターとの4対1の戦いは、今回、会場でどのように進化するのか? 会場での出展内容に注目したい。
懐かしさの中に革新性を盛り込む。リバイバルは今年のトレンド
3つめのキーワードは「リバイバル」である。過去、人気を得ていたタイトルが“復活”するのだ。リメイクではなく、過去の要素を受け継ぎながら、どのように生まれ変わるかに注目だろう。リバイバルのタイトルは、発表されると会場が大きくどよめくのが楽しい。今回はデモムービーでの紹介タイトルが多かった。
「CRACKDOWN」は、デモムービーで、ネオンのように光る線をまとったメカが出てきただけで会場が反応した。Xbox 360の初期に出て人気を博したオープンワールド型のタイトルで、プレーヤーは常人の数倍の力が出せるスーツをまとって犯罪者と戦う。デモムービーでは、3人のキャラクターが協力し、悪人のいるビルに向け、1人がビルを倒壊させ道を作り、1人がビルを駆け上がらせ、1人がビルを狙撃しその破片で悪役を襲うという内容になっていた。これはマルチプレイで実現できる要素だろうか。
「Halo The Master Chief Collection」はこれまでの、「Halo: Combat Evolved」、「Halo 2」、「Halo 3」、「Halo 4」をまとめたもので、1080/60pでの戦いを実現。マップもリメイクされ生まれ変わっている。会場では「Halo 2」のマップを使って、4人対戦のデモを行なったが、ライフルなどおなじみの武器を使う対戦は、従来の進化を受け継ぎつつ懐かしいマップでのプレイが楽しめるという、リメイクならではの楽しさがあった。
「PHANTOM DUST」も発表と同時に歓声が上がったタイトルだ。2004年にXbox向けに発売された「PHANTOM DUST」はフィールド上のカプセルをとることでスキルを取得、スキルを組み合わせた「アーセナル」で戦っていく。今回はデモムービーのみだったが、カードゲームのデッキ構築の楽しさも盛り込んだ本作は、どう生まれ変わるか楽しみだ。
このほか「RISE OF THE TOMB RAIDER」も会場の反応が良かった。昨年発売された「TOMB RAIDER」でララ・クロフトの最初の冒険が描かれたが、今作のララはどのように活躍してくれるのか、注目したい。