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【E3 2014】「SCEA E3 2014 Media Briefing」。充実のサービスとファーストパーティタイトル
多彩なオンラインサービス、大作から不思議な味わいの作品まで幅広いラインナップ
(2014/6/10 18:02)
Los Angeles Memorial Sports Arenaで6月9日に行なわれた「SCEA E3 2014 Media Briefing」では、様々な戦略が語られた。PS3のゲームを様々な端末で遊べる「PS Now」のβテストなど、北米での今後のサービスプランが明らかになった。
SCEAファンにはおなじみのタイトルの最新作「Little Big Planet 3」や、「Uncharted 4」が発表されると会場から大きな歓声が上がった。ファーストパーティのゲームはもちろん、サードパーティでもPS4ならではのサービスが多く発表されるなど、SCEAファンの心をくすぐるカンファレンスという印象だった。本稿ではネットワークサービス、ファーストパーティの作品を紹介していきたい。
PS3のゲームを様々な端末で遊べる「PS Now」や、シェア機能のYouTube連携など、オンラインの充実を強調
プレイステーションならではのサービスとして注目なのは、PS3のゲームをPS4を初め様々な端末で遊ぶことができるようになるクラウドサービス「PS Now」だろう。北米ではオープンβサービスが7月31日から行なわれる。「DEAD SPACE 3」、「GOD OF WAR ASCENSION」、「METAL GEAR SOLID V GROUND ZEROS」、「RATCHET&CLANK INTO THE NEXUS」、「ULTRA STREET FIGHTER IV」などがβサービスでプレイできる。
「PS Now」の発表ではPS2のタイトルもプレイできるということだったが、具体的なタイトルは今回でなかった。今後の取材でフォローしておきたい。このほか、北米で「PlayStation TV」(日本ではPlayStation Vita TV)が今秋99ドルでの発売がアナウンスされた。ケーブルやメモリーカード、ゲームも同梱したセットは139ドルとなる。
オンライン周りでは、「Free to Play」のタイトルが多く出ていることも強調された。「Planetside 2」や、「Kingdom Under Fire 2」など今後サービス予定のタイトルにも触れ、オンラインサービスの充実振りを強調していた。また、PS4でシェア機能とPSNを使ったサービスとしてYouTubeと連携し自分の配信チャンネルを持つことができるという要素も発表された。
また、ゴーグルによる立体視で独特のゲーム性を追求する「Project Morpheus」に関しては、会場で新たなデモプレイが用意されるという。こちらも期待したいところだ。
会場も大盛り上がりの「Little Big Planet 3」や、「Uncharted 4」などファーストパーティタイトル
ファーストパーティの中で最も盛り上がったのが、「Little Big Planet 3」だ。4人のキャラクターがそれぞれ個性的な能力を活かしてマップを攻略していくデモプレイでは、登壇者達のリアクションと、会場からの応援が大きく楽しいものになった。
焦げ茶色の「SACKBOY」は風を起こしてオブジェクトを動かしたり、網目模様の壁に上れる。「TOGGLE」は身体の大きさを変えることができ、大きくなれば重い物を動かせ、小さくなれば細い道を通過できる。「ODDSOCK」は足が速く、壁なども上れる。車輪の上に乗って回すなど、仕掛けを動かせる。「SWOOP」は鳥で、短時間空が飛べて仲間が運べる。仲間が通りにくい高い場所へも連れて行けるので、初心者のフォローにぴったりだ。
デモではTOGGLEが小さくなってSWOOPで運んだ後、スイッチの前で大きくなったり、ODDSOCKが先行して仕掛けを解除し、他のプレーヤーを助けたり、様々な協力プレイを見ることができた。各キャラクターは全身を使ってアクションをするので、思わず応援したくなる。見ているだけでも楽しい作品だ。
タイトルの発表と同時に大きな歓声が上がったのが「Uncharted 4」だ。今回は倒れている主人公ネイサンがつぶやきながら立ち上がり、銃の残弾を確認するという短いムービーが映されただけだが、会場からは強い期待を込めた声が何度も上がっていた。どんな舞台で冒険するか、とても楽しみだ。2015年発売予定。
期対作である「The Order: 1886」はデモプレイが行なわれた。作品では、人間の天敵といえる“半獣”と呼ばれるモンスターと、彼らから人間を守るために結成された「騎士団」の戦いが描かれる。舞台は現実とは異なる進歩を遂げた産業革命後のイギリスであり、その独特な世界が大きな魅力となっている。
今回のデモプレイでは、強力な半獣と戦うシーンで、暗闇を1歩1歩敵の姿を探して進む騎士の姿から始まった。3人称視点だが、武器を構えるとまるで肩口からのぞき込むようにグッと視点がよる。スムーズさよりも、恐怖を強める演出としてこの視点移動が使われているように感じられる。
この後死体をむさぼり食う半銃と遭遇し、戦闘になるのだが、武器がほとんどダメージを与えているように見えないのだ。攻撃を当てても半獣はひるまず、騎士に攻撃を加えてくる。騎士は必死によけるのだが、吹っ飛ばされてしまう。かなりの力の差を感じさせる演出で、作品のイメージが変わった。この苦しい戦いをいかに戦い抜くか、歯ごたえの楽しめる作品となりそうだ。
他にも様々なファーストパーティの作品を見ることができた。「NO MAN'S SKY」は巨大な恐竜のような生き物が闊歩する世界から、戦闘機のような宇宙船に乗り込むことでシームレスに宇宙船団が飛び交う宇宙空間に飛び立てる独特な雰囲気を持つ作品。1人称視点で奇妙な生き物たちのいる惑星を探索する場面と、全く異質なフライトシムそのままのドッグファイトがつながっているゲームの流れが面白い。
また、「ABZU」は奇妙な海中探索アドベンチャーで、「風ノ旅ビト」のスタッフの作品。透明感のある独特のタッチで描かれた海の世界で、サメや鯨などの海の生物と遭遇したり、謎の海中の洞窟を捜索するシーンなどを見ることができた。他にも折り紙のような鳥が宇宙空間を高速で進んでいく「ENTWINED」など、小さなスタジオによる独特の雰囲気を持った作品もアピールしていた。大作からユニークな作品まで、SCEAの様々な作品を見ることができたイベントだった。