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【E3 2014】「何をするの?」という疑問が出発点の奇妙なアドベンチャー「Hohokum」

SCEAブースで“投げ出し度No1”の、異色で楽しいインディーズタイトル

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

 E3のSCEAブースでは様々なインディーズゲームが出展されていた。その中でも特に注目を浴びていたのが「Hohokum」である。ジャンルはアドベンチャーで、PS4/PS3/PS Vitaでプレイでき、北米では8月12日発売となる。

象のような生き物。右の“目”がプレーヤーが動かすキャラクター、
目が引く線に乗っかってくる生き物。一体何をすれば……
徐々に仕掛けがわかってくるのが楽しい
多彩なステージが用意されている

 本作はシンプルなシルエットで描かれるイラストのような世界を、「目」のような“何か”が線を引きながら進んでいくという2Dアドベンチャーで、初見ではかなりのインパクトがあり、ついコントローラーを握りたくなるのだが……多くの人が数分操作した後、コントローラーを置いてしまう作品だった。

 ほんとに何をして良いのかわからないのだ。プレーヤーは「目」を操作することができ、プレーヤーが思い描くまま、「目」で線を引いて絵画のようなステージを進んでいくのだが、何の変化も起こらない。最初のステージは、どこか象を思わせる巨大な怪物の上に、何人もの人が乗っかっていて、怪物のしっぽには檻に入れられた奇妙な動物がいる。檻の動物はこちらに助けを求めるかのように触手を伸ばしている。しかし、怪物に「目」をぶつけても、「目」を周囲のオブジェクトに近づけても何も起こらない。多くの人はこの時点で本作から離れてしまう。

 実は「Hohokum」の楽しみ方は、この「何も起こらないことを受け入れる」ところがスタートなのだ。根気よくいろいろなところをいってみると、触るとアクションを起こすオブジェクトがあるのがわかってくる。最初のステージでは、画面のはるか下の方に「目」が触れると飛び散る木の実のようなオブジェクトがあり、木の実は「目」についてくる。

 この木の実を入れる「かご」のようなものがあり、ここに「目」が引く線にぶら下がる生き物を連れてくると、生き物は木の実をぶつける行動をするようになる。このように、いろいろな場所をひたすら試し、ヒント0の状況で変化を求めていろいろなことを試す、というのが「Hohokum」の楽しみかたなのだ。

 この木の実をぶつける生き物は「目」の上に乗って一緒についてくる。こいつを象に近づけると、なんと象は「弾幕シューティング」そのものに弾をばらまいてこちらを攻撃してくる。ここからいきなりシューティングゲームとなり、プレーヤーは「目」で象の弾をかわし、木の実を当てて象にダメージを与えると、檻にとらわれていた生き物を助けることができるのだ。

 このように「Hohokum」はステージの“ルール”を探すことそのものがゲームとなっている。他のステージでは、画面にいっぱいいる小人達が競うように線につかまってくる。その小人達をどうするかを試行錯誤するのもいいし、他のステージにいってしまってもいい。今回、象のいるステージの攻略を書いてしまったが、これを書くと“ネタバレ”になってしまうが、書かなければそれこそこのゲームがなんなのか伝えられないだろう。「Hohokum」はその奇妙さが面白い作品であるし、ある意味インディーズゲームのお手本のような作品だと思うのだ。

(勝田哲也)