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「エースコンバット インフィニティ」特別講演~Aces at Operation: “Digital Hollywood”~開催!
見せちゃいけないものまで新画像など公開!?
(2014/3/1 19:09)
バンダイナムコゲームスは、デジタルハリウッド大学2013年度卒業制作展特別企画として、プレイステーション 3向けオンライン専用タイトル「エースコンバット インフィニティ」のサービスリリースに先駆け、同作の製作秘話などをプロデューサーである河野一聡氏が講演する「エースコンバット インフィニティ」特別講演~Aces at Operation: “Digital Hollywood”~を開催した。ゲストとして、同シリーズのサウンドを担当してきたバンダイナムコスタジオの小林啓樹氏、映像ディレクターの糸見功輔氏が登壇した。
講演は主に学生に向けたプレゼンテーションとして組まれていた(実際はどうやら「エースコンバット」シリーズファンが多数だったようだ)。まず、河野プロデューサーの自己紹介からスタート。プレイステーション「スマッシュコート」、「レイジレーサー」、「エースコンバット2」とデザイナーとして経験を積んだ後、「R4 -RIDGE RACER TYPE 4-」でビジュアルディレクターと勝手に社内に宣言し、ゲーム内ビジュアルだけでなく、パッケージデザインなども監修するようになった。その意図は「常に1つ上のレベル(の仕事)をやる!」といったところからのものだったそうだ。
そして「ACE COMBAT 04 -shattered skies-」では、「スタジオ4℃」の片渕須直監督との出会い、幕間ビジュアルの作成に携わり、楽曲担当のオーケストラの使用のオーダーや映像と楽曲のマッチング、最終ステージのディレクションなど、もはやアートディレクションの領域を超える仕事に従事。これも先ほどの意図によるものだったという。ディレクターとなった「ACE COMBAT 5」に関わる頃には、「エースコンバット」のブランドについて考えるようになっていったという。「PROJECT ACES」を作り、ブランディングをスタートさせ、さらに人材育成をスタートした。「ACE COMBAT 5 The Unsung War」では、次世代機でのリリースをにらんで、プロジェクトに投資をしてもらったことも「1つ上のレベル」の仕事の1つだ。
続く「ACE COMBAT ZERO: THE BELKAN WAR」や「ACE COMBAT X Skies of Decemption」と同時開発していた「ACE COMBAT 6 解放への戦火」では、ほぼ現場から離れ、「PROJECT ACES」の育成に興味を持っていた時期。ここから河野氏の苦悩が始まる。新企画への挑戦を行なっていたが、それがものにならず、再び挑戦を繰り返していた。「ここでこれに気づいていればもうちょっと違ったかも」と河野氏が言っていたのが「2つ上からの目線をもって1つ上のレベル(の仕事)をやる!」ということ。自分より2つ上の立場の人の目線で自分を見て、「どういう風に自分は見えているんだろう?」ということを知った上で、さらに期待される「1つ上のレベル」の仕事をやる、ということに挑戦できていれば、もうちょっと違っていたかもしれない、と振り返っていた。
当時、「アイドルマスター」の坂上プロデューサーと飲みに行くと、「河野君はさ、『ACE5』以来ずっと遊んでいるよね」とよく言われたそうだ。河野氏からすれば、「新企画に挑戦してきました」、「PROJECT ACESを運営してきました」という思いはあったそうだが、「お金、儲けてないよな」という話をずっとされていたという。「そう見えているのか」と気づいて、あせった河野氏は、プロデューサーとディレクターを兼任しながら、より大きな動きを作っていく。5年ぶりにリリースした「ACE COMBAT ASSOULT HORIZON」、そして2013年にはアーケードで「マッハストーム」、そして今製作中なのが「ACE COMBAT INFINITY」ということになる。入社して20年、「あと何年ゲームを作っていけるのかを考えたとき、本数を作っていくのは大事なことだなあと思います」と自己紹介を締めくくった。
「エースコンバット インフィニティ」の新情報は!?
さて、河野氏は企画を考えるとき、「皆さんどうすれば喜んでくれますか?」ということを考えるという。その要素を分解すると、「皆さん=ターゲット」、「どうすれば=手段=アイディア」、「喜んでくれますか=どんな満足=ニーズに応える」ということになる。そこで、今日のイベントについての企画をベースに、ターゲットをA~Dの4つに分類し、それぞれにアイデアを投入することでどんな満足が得られるのかを具体的に示す形で講演が行なわれた。
A(エースコンバットの名前を知っている、聞いたことがあるがプレイしたことはない)、B(昔プレイしていたが今はプレイしていない)の人には、複数の国内版トレーラーをダイジェストで見せ、発進から丁寧に説明していくチュートリアルを充実させた「テストフライト」、無線演出などシリーズで好評を得ていた作りこみを実現している「キャンペーンモード」、4VS4の「協同戦役モード」では競争だけでなく、仲間と協力する「データリンク」などを取り入れている。「ACE6」に登場した「白鯨」(アイガイオン級重巡航管制機:ベータテストに登場)戦では、敵味方関係なくボスを落とせ、といった緊急ミッションも用意されている。この3つで構成された「エースコンバット インフィニティ」はPS3をインターネットに接続すれば無料で楽しむことができる、という情報を流すことで、ゲームを知ってもらう、情報を知ったことで喜んでもらうというプレゼンテーションを行なった。
C(エースコンバットのファン)の人には、「インフィニティ」の最新情報を伝えることで、まず安心してもらおう、というプレゼンテーションとなった。国内、海外でのベータテストを終え、とくに海外は想定より倍のプレーヤーが遊んでくれたという。結果、フィードバックが倍になり、リードプランナーの玉置氏が頭を抱えている写真などが登場。それを分析し、仕様に落とし込んでいくことになったが、戦闘機ツリー(機体やパーツの支給が行なわれる)が刷新された。ユーザーインターフェイスも新しく変わっているそうだが、公開された写真でも最新版ではないそうだ。
これだけで、リリースまでの作業を洗い出すととんでもない数になっているという。さらに運営のためにはイベントの企画なども決めていかなければならない。テストプレイも毎日行なわれている。
さらに、「F2Pならではの進化するゲーム」として、「もっと手ごわい敵を」というリクエストに応えて製作中の重巡航管制機の編隊(?)が公開されたり、もっと達成感を味わいたい、というユーザーに対しては「チャレンジ」という新しい仕様を追加。「もっと変化を!」というユーザー向けには、「ランダムイベント」に手を加えている。プレイするたびに変わる「ランダムイベント」の前後が同じだったものを、そこもランダムになるよう作り直したという。プレイするたびに、登場する敵、配置がランダムで変わる。そして、マッチングも変更に。ベータテスト版は、一定時間検索をして引っかかったルームを一覧表示しており、「表示に時間がかかる」というフィードバックがあったが、現在はマッチングを開始して逐次検索にかかったものを表示していく形に変え、引っかかったルームにすぐに入ってもいいし、気に入るルームを見つけるまでマッチングを待ってもいい、という形になり「体感速度は5倍」という。
また、シリーズ最新作としての作りこみも怠ってはいない。「ACE COMBAT IKAROS IN THE SKY」の作者である山本平次郎氏に設定協力を仰ぎ、膨大な設定を反映。ストーンヘンジをデザインしなおし(デザインの菅野氏いわく、砲身が太くなったそうだ)、さらに無人機・MQ-90“QUOX”のデザイン、そして見せてはいけないメカやキャラクター、絵コンテなど資料が公開された。
そして、河野氏がこうして新情報を持って公の場に姿を見せた、ということは、「そろそろ、喜ぶ準備をしていただきたい!」ということで、ひょっとすると……と思ったのだが、さすがにサービス開始時期などは公開されなかった。
しかし、A、B、C、Dのすべての人たちに喜んでもらえる1つ上のレベルのアイデアとして「音楽の力」が用意されていた。それがエースコンバットシリーズに欠かせないサウンドクリエイターの1人、小林啓樹氏によるライブだった。スペシャルゲストとして登場した小林氏。助っ人としてギターの後藤貴徳さんをはじめ、バイオリンの中村ゆか里さんとビオラの武井麻里子さん、そして小林氏のグランドピアノで「ACE ZERO」から「ZERO」、そして「ACE5」から「The Journey Home」を演奏した。この演奏のために、小林氏が自ら編曲したものになっていたそうだ。
最後に、トークセッションのゲストとして、糸見氏が呼び込まれた。「せっかく『ZERO』の話をして、『ZERO』の曲を演ったので、あのトレーラーを作った2人が来ているのに話を聞かないのもヘンなので」と河野氏に話を振られた小林氏と糸見氏のトークが行なわれた。話題はやはり「ACE ZERO」のオープニング。
「『ZERO』を聞いただけだと、戦闘機のゲーム(の曲)だと思わないですよね。当初、『ACE5』の曲をアレンジすると決めたんですけれども、どうアレンジするかとディレクターと話をしていて、『フラメンコにしよう』と決めたんですね。それをサウンドスタッフに持っていったら超怒られまして。『戦闘機ゲームなのにフラメンコってどういうことだ?』って(糸見氏)」、「それ僕ですね(小林氏)」。
「『ACE ZERO』は空戦メインで、いっぱいエースが出てきて戦う、決闘するというコンセプトを作ったんですが、決闘にオーケストラが合わなかったんですね。そのとき僕がマカロニウエスタンが大好きだったので、雰囲気的には西部劇にしてしまおうと思って曲を発注して、1発目にできてきたのが『ZERO』だったんですね」(糸見氏)。「みなさん聞きました? こういうオーダーで来るんですよ。これをどうするか、というのがこちらの仕事なんですね」(小林氏)(会場笑)。「でも、なんとかするからすごいですよね(糸見氏)、「それはお互い様でしょ?(小林氏)」
「ゲームは映像と音楽が合わさってよりいい演出になるということはあるんですけれども、もっと大事なのは、ゲームのコンセプトですね。『エースコンバット』は自分が主人公で、エースパイロットだということを考えると、『自分が戦っているときに流れて欲しい音楽、燃える音楽というのはなんだろう? といつも考えて作ります。なので、『エースコンバット』にはメインテーマがないんですね」(糸見氏)、「(インフィニティで)非常に困ってます。今ここで会議してもいいぞ」(河野氏)(会場笑)。
「まじめな話、『これ(この曲)をテーマにしましょうっていうんですけれども『いやっ……これ『5』だしなー』って言われるんですよ」(小林氏)。
「『ZERO』はオープニングが人気になってよかった」(糸見氏)、「もう少し舞台裏を話すと、あれは音楽だけではなくて、映像のカットのよさですね。それはどうやったかというと、僕がオーダーを受けて、最初ピアノ1本だけで、『もうこの尺で行く、これでやってくれ』というものを渡すんですね。雰囲気は伝わるように一生懸命作るんです。その状態で『ここできっかけを作りたい、セリフを出したい』という要望が来るので、それを相談しながら作っていくという感じで、曲を投げると映像で返ってきて、それを何回かやりとりしてできたんですね」(小林氏)。「『ZERO』は珍しく順調だったよね」(糸見氏)と「ZERO」のオープニングができるまでが語られた。
最後に「これからいいものに仕上げていきますので、ファンの方は期待してください。どうぞよろしくお願いいたします」と河野氏がトークを締めくくって終了となった。
なお、今回の演奏のために編曲された譜面に、河野氏、糸見氏、小林氏のサインが入れられたものがプレゼントされる。3月3日、14時より公式サイトにて告知されるので、気になる方は公式サイトをご確認いただきたい。
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