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密かなブーム? 初心者でも楽しい「大人のレゴ教室」を体験してきた

映画公開に先駆けて話題を先取り! カラフルな「スマホスタンド」を制作

2月21日 開催

場所:レゴランド・ディスカバリー・センター東京

参加費:2,800円

 レゴのテーマパーク「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」(レゴランド)は、大人のためのレゴイベント「大人のレゴ教室<デスク周り編>」を2月21日に開催した。参加費は2,800円。

 「大人のレゴ教室」は、ブロックを組み合わせて建物や乗り物、風景を作り出していく言わずと知れた玩具「レゴブロック」のレクチャーイベント。「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」では子供向けに毎日教室イベントが開催されているが、「大人のレゴ教室」は参加者を大人に限定したイベントとなっている。

 「大人のレゴ教室」そのものは最初1回限りのイベントとしてスタートしたが、チケットが即売するなどの人気を博し、以降は月1回程度で開催されるレギュラーイベントになった。大人になってからは触る機会が滅多になくなった「レゴブロック」ではあるが、映画「LEGO ムービー」(アメリカでは興行収入3週連続1位と大ヒット!)の公開を3月21日に控えており、今回「レゴ」の話題を先取りということで、実際に体験しに行ってみた。

【レゴランド・ディスカバリー・センター東京】
レゴ世界を存分に楽しめるテーマパーク。ブロックの制作過程やレゴブロックで再現した東京の街並みなどが見られ、見どころたくさん。残念ながら、1月より大人のみでの入場ができなくなってしまった
園内の造形物にブロックがこれでもかと使わており、これも見どころの1つ。右はレゴブロックでできた消火栓

初心者の大人も楽しめる「レゴ」の世界! 色合いを自由に決める「スマホスタンド」を実践

「マスター・ビルダー」の大澤よしひろ氏
「大人になってからもう1度」という人気があって「教室」は満席。普段は子供用の教室ということで、机と椅子の位置が低い
最初に渡される説明シートとキット。ブロック設計の妙も説明されている

 今回の「大人のレゴ教室」は<デスク周り編>というサブタイトルが付いている通り、デスク周りに置いていて役立つグッズとして「スマホスタンド」の制作がレクチャーされていった。

 レクチャーしてくれたのは、レゴ職人の大澤よしひろ氏。大澤氏は世界で10人しか認定されていない称号「マスター・ビルダー」を日本人で唯一持っているプロのレゴ職人だ。普段より「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」に常駐しており、毎日子供たちにレゴブロックの楽しさを伝授している。

 イベントでは、満席の約40名が参加していた。「大人になってから、もう1度レゴに触れてみたい」と参加する人が大半となっており、一方で「触ったことはないが、レゴブロックのデザインがかわいいので触ってみたい」と興味を惹かれて訪れる人もいる。教室は、そのきっかけとしての役割を果たしている。

 レクチャーでは、レゴブロックの成り立ちが説明されていき、50年前から形は変わらないこと、現在では3,700種類ブロックあることなどが紹介されていった。ブロック同士は上下の凹凸部分を結合させることで積み重なっていくが、凸部分の正式名称は「スタッド」、裏側にある筒状部分は「チューブ」と呼ばれている。「スタッド」については、日本ではわかりやすく「ポッチ」とも呼ばれている。

 ブロックの基本説明で感心したのは、ブロックデザイン設計の周到さ。ブロックの中には薄い板状の「プレート」と呼ばれるブロックがあるが、これを3枚重ねるとブロック1つ分の高さと同じになり、5枚重ねると「ポッチ」2つ分の厚みと同じになる。ブロックには様々な種類がありながら、その実ブロック同士の互換性が高いため、思ったところに思ったものが嵌る気持ちよさも魅力の1つとなっている。

 ひと通りの説明を終えると、いよいよ実践である。予め用意されたブロックのキットを机の上に置き、大澤氏の指示通りにブロック同士を組み合わせていく。4ポッチの赤いブロックを赤いプレートの上に、4ポッチの黄色いブロックを黒いプレートの上に……などの指示を受け、黙々と素材となるパーツを組み上げる。

 組み上げたパーツは8個で、それぞれは大したことないのだが、「それでは合わせてみましょう」と指示通りにパーツを組み合わせていくと、瞬時に「スマホみたいなもの」ができあがった。この「なんでもないもの」から「何か」に変わる時はとても感動的で、レゴブロックを触っている中でも最もエキサイティングな瞬間だ。

普段の教室では、カメラやカブトムシなどが作られる
ペン立てや写真立てなどは、実際に発売されている
指示通りに制作していく。1つ1つのパーツはなんでもないのだが、組み合わせた途端にスマホ(みたいなもの)に大変身! 色合いもモンドリアン風で洗練されたデザイン
見本、として提示されたスタンド部分。実にカラフル
参加者思い思いのデザインを作っていく
ブロックを選ぶ時点からすでに真剣そのもの。できあがりを想像するところも楽しい

 「スマホ」ができあがると、今度はメインの「スタンド」制作に入る。ここでは大澤氏はスタンド枠部分の制作と手順だけをレクチャーし、その中身のデザインは参加者に任せるという指示を出した。

 参加者に与えられたのは、スタンド奥側の2×10ポッチを4つ分と、スタンド手前側の1×10ポッチ1列分のスペース。会場には大きさ、色、デザインが様々なブロックがたくさん用意されており、参加者はこの中から好きなブロックを選んでスタンド制作に使っていいという。

 ここからは、各参加者が思い思いのスタンドを組み上げていく。色を均等に並べていく人、動物を表現する人、文字を入れる人など様々にいたが、全員に共通していたのは「黙って真剣に取り組む」という点。ご多分に漏れず筆者も思わず黙々と作業してしまったが、ワイワイとやる子供の教室の時間とはまた異なった“大人独特の時間”が流れるのだという。

 思い描くデザインと実際のできあがりに齟齬が出てくると、その修正をしつつ、決められた枠内にブロックを収めなくてはならない。できあがりの経過を随時確認しつつ、最終的な目的に向かっていく……。そんな試行錯誤が、大人でも全然楽しい! しかも見た目もオシャレ。できあがりはドット絵っぽくなるので、ゲーマーにも親和性が高いと思う。

 それぞれのスダンドが完成すれば、残りの時間は自由制作。完成したスタンドは、そのままお土産として持って帰れる。スタンドに取り組んでからは時間にして1時間程度だったが、これがあっという間に終わってしまった。

 なおレゴランドでは、大人向けのイベントとして謎解きイベント「リアル謎解きゲーム×LEGO ムービー」を3月7日から11日まで開催する。映画「LEGO ムービー」のストーリーをベースにしており、レゴブロックを組み立てて解答を導き出すという創造力も必要なイベントになるという。

 レゴランドは1月より大人のみでの入場ができなくなっているが、今後はこうした大人向けのイベントも定期的に開催していくとしている。

 最近ではレゴブロックにも、ペン立て、名刺フォルダ、写真立てといった大人を意識したセットが売り出されているほか、世界の名建築物が再現できる「レゴ アーキテクチャー」シリーズも発売されている。大人にとっても魅力的な「レゴ」の今後の展開が楽しみだ。

筆者が作ってみた「GAME Watch」風スタンド。頭文字の「G」と「W」を意識したのだが、あまり上手くいかなかった
映画「LEGO ムービー」に合わせた、レゴランド初となる謎解きイベント。今後も大人向けのイベントを定期的に開催する予定だという

(安田俊亮)