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「FFXIV: 新生エオルゼア」プレイステーション 4版の実機デモを公開

PC版に並ぶ1080pによる美しい描画やPS Vitaを使ったリモートプレイを実演

【パッチ2.1 覚醒せし者たち】

12月17日実装予定

 スクウェア・エニックスは12月14日、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、『FFXIV: 新生エオルゼア』」の最新情報を伝える生放送番組「第11回プロデューサーレターLIVE」を開催した。今回の放送では、「パッチ2.1」情報第2弾と、先日発売時期が4月と発表されたプレイステーション 4版の実機デモが初公開された。本稿ではPS4版関連の情報についてお届けしたい。

【PS4版でいきなり極タイタン戦】
PS4版で真蛮神戦かと思いきや、徐々に展開が代わり、苛烈過ぎる攻撃の連続で、実は極蛮神戦だったというサプライズ。表示は実に滑らかでグリグリ動いていた

 PS4版のデモンストレーションは、LIVE後半に実施された。休憩を挟んだLIVE後半戦は、蛮神戦の映像からスタート。PS4版の実機映像らしいが、PC版と見分けは付かない。映像は8人フルパーティーによる蛮神タイタン戦で、吉田氏は黒魔道士での参戦。真タイタン戦と思いきや、しばらくするとランドスライドが3本出たり、グラナイトジェイルが複数発生するなど、真タイタン戦とは展開が異なり、「パッチ2.1」で実装される極タイタン戦であることが明かされた。

 極タイタン戦のデモでは、バトルチームから攻略に繋がるようなプレイは禁止されているということで、2度のプレイとも、複数のメンバーがグラナイトジェイルに包まれ、タイタンが四股を踏むモーションが発動したあたりで意図的に動きを止めていた。四股の振動はステージ全域に対してランドスライドのような吹き飛ばし効果があり、そのままだと落とされてしまう。ここをどう対処するかが、攻略の鍵のひとつのようだ。

 今回の放送ではPS4版のグラフィックスの美しさを原寸大で見せるため、YouTube LIVEを通じて1080pで放送しており、PC版に勝るとも劣らない1080p/30fpsのゲームプレイをたっぷり見せてくれた。放送でもはっきりとわかるPC版と変わらない美しい画面だ。吉田氏は、これが正真正銘PS4版ということを示すため、PS4版オリジナル機能のひとつである「SHAREボタン」を押してブルー地のSHARE画面に切り替えたり、デュアルショック4のスライドパッドを動かして、マウスカーソルを操作してみせてくれた。

【PS4版オリジナル機能】
「これPC版では?」という突っ込みを予想してSHAREボタンを押してコンテンツ配信画面に遷移させたり、デュアルショック4のスライドパッドでマウスカーソルを操作してみせてくれた

 その後、吉田氏はフィールドマップに移動してPS4版を引き続き動かしながら、PS4版の細かい仕様や情報について解説していった。

 まず、4月の正式サービスまでのスケジュールについては、既報のように、まず2月22日よりPS4版専用ワールドによるクローズドβテストを実施する。これは新規キャラクターのみで、データはワイプされる。その後、オープンβテストやアーリーアクセスを経て、4月正式サービス開始となる。オープンβテストから、PS4版においても既存サーバーが開放され、PS3版のユーザーは自分のキャラクターを使ってβテストに参加できるようになる。当然、作成データの引き継ぎも行なわれる。PS4版はβテストフェーズ3からβテストが始まったPS3版と似たプロセスでβテストが実施されるようだ。なお、PS3に保存したアクションやマクロなどのローカルデータは、サーバー保存機能が間に合えば対応するという。対応できるとは確約しなかったが、それに向けて努力しているようだ。

 また、PS4版では、SCEJAとの交渉の結果、PlayStation Network Plus(PSN Plus)に加入する必要はないという。ただし、PS4版の初期ロットにはPSN Plusの3カ月程度の無料アクセス権が付属しているという。また、ゲーミングデバイスについては、PS4に対応しているUSB接続のキーボードやマウスは基本的に対応していると考えて良いようだ。

 ちなみにPS4版ではコレクターズエディションの発売も計画されていると言うが、既存ユーザーが再び買わなければならないのか、となることを防ぐために、特典や内容について差別化するつもりはないようだ。あくまでPS4から始めるユーザーに対してPS3版やWindows版と同じ選択肢を準備するという考え方のようだ。また、PS4の「新生FFXIV」モデルについて吉田氏は、「我々だけで決められる話ではない。SCEさんに要望を出して欲しい(苦笑)」と笑顔で応じ、出せれば出したいが、台数が限られる中、そこまでの余裕はないのではないかという観測を示した。

【PS4版のスクリーンショット】
動き出すと映像ではブロックノイズが出るため、できるだけ止まっているシーンばかりを選んでみた。UIのレイアウトからして違うが、720pのPS3版で表現できない、美しいグラフィックスを実現していることがわかる

 続いて、PS4版の大きなウリとなっているPlayStation Vitaを使ったリモートプレイ(PS VitaにPS4の画面を映し出して、PS Vitaで「新生FFXIV」をプレイする機能)のデモンストレーションも行なわれた。

 吉田氏がPS Vitaを操作しているところを、LIVEのパートナーである室内氏がハンディカメラで映し出し、PS4とPS Vitaの画面を同時に出しながら操作を行なっていった。吉田氏によれば、PS4とPS Vitaの通信によって3フレーム程度の遅れが生じているということで、たしかに両方の画面を見ているとわずかなズレが確認できたが、むしろ印象的だったのはズレよりも、PS4の画面を破綻無く綺麗に映し出し、滑らかに動作しているところだ。このリモートプレイを実現するためには、PS4とPS Vitaの両方のハードが必要になるとはいえ、このレベルのサービスが無料で提供されるのは驚きだ。これは間違いなくPS4版の非常に大きなアドバンテージになりそうだ。

【準備はわずか2ステップ】
リモートプレイは、専用の画面で「リモートプレイ」を選択するだけ。わずか10秒足らずで接続は完了し、その後はPS Vitaで、PS4版「新生FFXIV」のプレイが可能になる

 吉田氏は、浮き足立つユーザーをなだめるように、「先ほど見せた極タイタン戦のようなシビアな動きが求められるバトルは、ズレが発生して難しいため、それよりは寝っ転がった状態で、釣りをしたり、合成をしたりするのに非常に便利です」と補足も忘れなかったが、予想以上の出来映えだ。さらに「保証はしない」とした上で、理論上は自宅でPS4版を起動した状態で、インターネット経由でリモートプレイを使うことで、出先でも「新生FFXIV」がプレイできることを明らかにした。テレビやモニターの前で「新生FFXIV」をプレイしてきたユーザーにとっては衝撃的な風景だった。

 なお、PS Vitaは、前面のタッチパネルでマウスカーソルの操作、背面でボタンの割り振りなどが行なえ、UIは異なるものの、デュアルショック4と同等の操作が行なえるという。なお、PS Vitaのもうひとつの機能であるセカンドスクリーンについては、吉田氏は画面を分けるメリットが薄いとし、実装を見送ったことを明らかにした。

 PS4版の発売によって心配されるのはPS3版の今後の“処遇”だが、吉田氏はそこについても言及し、パッチ2.1で、タイタンのエフェクトが見えにくい、ベヒーモスやオーディンなどイベント系のF.A.T.E.の描画優先順位を変えるなど、データの先読みの方法や、優先順位を入れ替え、PS3版もより快適に遊べるようになることを強調した。吉田氏はインタビューでも語っているように、PS3ユーザーに対しては、無料でPS4版のクライアントを提供することで、乗り換えやすい環境を整えていきたいとしているが、当然のことながらPS4版リリース後も、PS3版も引き続き快適にプレイできるようだ。

【リモートプレイスクリーンショット】
表現の素晴らしさを見せるために寄りのカットも見せてくれた。いまひとつピントが合ってなかったように思うが、テキストやUI、背景など、潰れることもなくキチンと描かれている
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(中村聖司)