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【E3 2013】ペーパークラフトでできた世界を冒険する「Tearaway」体験レポート

PS Vitaの機能をフルに使ったアクションに注目

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 「Tearaway」は「リトルビッグプラネット」の開発元であるメディアモレキュールが開発中のアクションゲーム。ありとあらゆるものがペーパークラフトでできている暖かみのある世界を舞台に、主人公が冒険するアクションゲームだ。

 本作の特徴はカメラやタッチパネルなどのVitaの様々な機能を使って、プレーヤー自身がゲーム世界に影響を与えていくことにある。

 今回は開発者の方に解説してもらいながらゲームをプレイすることが出来たのでインプレッションをお伝えしたい。

【「Tearaway」E3 2013バージョンのトレーラー】

プレーヤーの指が世界を突き破る? 想像を絶するインタラクション

ある程度の数の試遊台が用意されていたが、試遊の列は途切れることがなかった

 本作の主人公は「iota」という名前のメッセンジャー。彼が手紙を届けるのをサポートするというのがプレーヤーの役割だ。といっても主人公を移動させるのもプレーヤーなので、主人公を移動させるという役割と、神のような視点で主人公をサポートする役割を持つ。

 今回のプレイデモではゲームスタートから序盤部分をじっくりとプレイすることができた。

 ゲームプレイを始めると、まずプレーヤー自身についての質問がある。大人か子供かといった質問から、肌の色、更には右利きか左利きかまで。主人公は「iota」なのでここでカスタマイズしても仕方ないのでは? と聞くと、「実はこの選択肢の中にゲームに影響があるものがあるんです。もちろんないものもありますが……」と気になる情報を教えてくれた。

 ゲームをスタートすると主人公であるメッセンジャー「iota」がフィールドの上に放り出される。一体何をどうしたら良いのやらと思っていると、大量の敵が襲い掛かろうとする。これは絶体絶命のピンチ……と思っていると、「背面タッチパッドを触ってください」というメッセージが。状況はよくわからないものの背面を触ってみると「ズブッ」という効果音とともに指がフィールドを突き破って画面に表示された。この表現には正直かなり驚かされた。

 そしてタッチしたまま指を動かすと画面上の指も同じように動く。この指を使って敵を倒せという仕掛けだったのだ。

 なんとか敵を全て倒すと、空の一部が破れていて見覚えのある顔が表示されている。表示されているのは紛れもなく筆者だ。PS Vitaの前面カメラからプレーヤーの顔を取得しゲーム画面に表示させていたのだ。

 つまりこういうことだ。「iota」が居る世界は何らかの原因で太陽が壊れてしまい穴ができた。そこからプレーヤーが「iota」の冒険を覗き見ており、時折「iota」の冒険をサポートするという設定になっている。

 背面タッチやカメラを使ったギミックは他にもある。

 ステージを進めていくとフィールドに何かの膜が張っている様な部分がある。ここの上に「iota」が乗っている時に背面タッチを行うと「ドンッ」という太鼓の様な音がなり、「iota」が大きく飛び上がる。ジャンプ台の様な役割をするギミックだ。

 ステージが先に進むと連続でジャンプ台を使わなければ先に進めない部分も出てくるので、その時は左スティックで「iota」を操作し、その後すかさず背面タッチという操作を行なわなければならない。奇をてらっただけでなく、ゲーム性を高めるために背面タッチ等のギミックを上手く利用している。

 他にも冒険を進めていると、道中のNPCが「オシャレをしたいから王冠を作ってよ」と話しかけてくる。それに応じると画面に折り紙とハサミ、カッティングシートが表示される。その状態でPS Vitaの前面画面をタッチするとハサミを動かして、自由な形の王冠を作る事ができる。図工の時間を思い出すような仕掛けだった。

 作った王冠は前面画面をタッチやピンチイン・ピンチアウトを行い位置や大きさを調整することもできる。PS Vitaならではの機能を全面に使った仕掛けだ。

 更にゲームの進行には直接影響する仕掛けではないが、ゲーム世界に登場する敵をゲーム内カメラで撮影し、データを送信するとその敵のペーパークラフトがダウンロード出来るような仕組みも考えているそうだ。

 この様な仕組みは他にもかなり沢山用意されているそうで、「PS Vitaの機能を全て使い切りたいと考えたのが最初の開発のきっかけだったんです」と教えてくれた。PS Vitaには他にも位置情報を取得するような機能もある。実際に全ての機能を使いきれるかはわからないが、期待しても良さそうだ。

 インタラクション部分にばかり注意がいってしまうが、ストーリーラインもしっかりしているそうで、「主人公はメッセンジャーなのでメッセージを届けに行くために旅をしています。様々な困難を乗り越えて彼が届けるメッセージは一体どんなものでしょう?」と思わせぶりな解説をしてくれた。

 しかもプレイの内容により「iota」が届けるメッセージが変化するとのことだ。もしかしたら最初に選んだプレーヤー自身についての選択肢にも関係があるのかもしれない、と思ったが流石にそこまでは教えてもらえなかった。

 PS Vitaの様々なインタラクションを使ったアクション要素はもちろんだが、ペーパークラフトで構成された柔らかい世界観や、意味深なストーリーテリングなど気になるところは盛り沢山だ。

 「Tearaway」は北米で10月22日に発売予定で定価は39.99ドル。日本での発売については「まだ言えない」としつつも、「公式ページには日本語バージョンのページが用意されているのでぜひそちらを見てみてください」と話していた。公式ページが用意されていることからも、日本での発売はほぼ確実と見ても問題無いだろう。

【スクリーンショット】
背面のタッチパッドを触ると「ズブッ」という音とともに指が世界を突き破って出てくる
ペーパークラフトでできた暖かみのある世界観に注目して見てみて欲しい

(八橋亜機)