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【E3 2013】F2P化の「Command and Conquer」最新作、βテストがまもなく開始

Frostbite 2エンジンで新生。COOPモードも搭載で2013年内に正式サービス開始予定

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

「Command and Conquer」スクリーンショット

 「Command and Conquer」と言えば初代作が1995年に発売されて以降、様々な開発元の手を経て多數の作品がリリースされてきた元祖ミリタリーRTSというべきシリーズで、往年のRTSファンにとってはお馴染みの存在だろう。

 その最新作は2011年に「Command and Conquer: Generals 2」としてElectronic Arts傘下のBiowareによって開発が進められていることが明らかになっていたが、Biowareの再編により開発チームがVictory Gamesとして独立するなど紆余曲折を経て、タイトル名を「Command and Conquer」に変更、Windows向けのF2Pタイトルとして2013年内にサービスが開始される予定となった。

 今回のE3 2013では今夏より予定されているクローズドβテストの実施が改めてアナウンスされ、公式サイトで参加者の募集も実施中。また、E3会場では開発途中のバージョンで本作のゲーム要素を確認することができたので本稿でご報告したい。

【Command & Conquer - E3 2013 Official Trailer - "Welcome Back, General"】

基本プレイ無料の本格オンラインRTSとして新生した「C&C」最新作

本作の開発ディレクターを務めるTim Morten氏が特徴を紹介
Frostbite 2エンジンを活用した緻密な描写が目を楽しませる
個性的な将軍たちが登場

 EAブースの片隅にて、わりと地味にデモルームが設置されていた「Command and Conquer」。次世代機祭りと化した今回のE3の雰囲気の中では仕方ないところだが、RTSファンにとっては見逃せないタイトルのひとつと言える。なにしろ基本プレイ無料のF2Pタイトルとして再生するわけである。

 本作では「More Control」、「More Strategy」という2つのスローガンのもとにゲーム性をモダナイズ。元祖「Command and Conquer」ゆずりのテイストは維持しつつ、テクノロジーツリーのシンプル化、WAVE形式の協力プレイモードなどシリーズ初の要素を通じて初心者にも親しみやすい現代的なRTSとして再構成されている。

 とくにポイントとなるのは、個性的な陣営とプレーヤーの分身となる将軍たちの存在だ。オーソドックスな軍編成を持つ「European Union」、ダーティな兵器がウリの「Global Liberation Army」、質より量スタイルの「Asia Pacific Alliance」という3陣営で異なる戦術スタイルが楽しめるほか、各陣営に属する将軍ごとのユニークユニットで戦いの幅を広げる。

 またF2Pタイトルとしてeスポーツ的な展開も視野に入れており、チームバトルやトーナメント形式のPvPモードを搭載。コミュニティ面ではクラン機能も搭載するとのことで、フレンドとのオンラインプレイが捗りそうだ。

 Frostbite 2エンジンによるグラフィックスも高品質で、いわゆるF2Pタイトルの中では圧倒的な内容を持つ本格派RTSとしてユニークな存在感を確立することになりそう。日本語ローカライズなど国内向けの展開は現在のところ不明だが、まずは海外でどのように受け入れられるか注目していきたい。

「European Union」の将軍たち。いわゆる“西側”のイメージだ
「Global Liberation Army」の将軍たちは中東各国の雰囲気
「Asia Pacific Alliance」は基本的に中国風

COOPプレイを体験。プレイ感覚は初代「C&C」のフィーリング

プレーヤーでペアを組んで強大なAIに対抗
戦力に余裕が出てくれば敵陣深くまで逆撃してもOKだ
トッププレーヤーによるマッチアップも披露
大戦力が集結しド派手に戦う

 EAブース内にあった本作デモルームでは、シングルプレイモードと協力プレイモードをプレイできる試遊機が用意されていた。せっかくなので筆者は新モードとなる協力プレイモードにチャレンジしてみた。

 このモードでは2人のプレーヤーがチームを組んでプレイ。1人のAIプレーヤーが圧倒的な戦力で次々に攻撃を仕掛けてくるので、協力して撃退し続けるという内容だ。AIの攻撃は数分ごとのWAVE単位で来襲。いかに長く生き残れるかが試される。

 建物の建設に必要なリソースはマップ上の各地にコンテナ集積所の形で配置。ゲーム全般を通じてこれを収集しながら軍事施設を建て、次第に強力なユニットを生産しながら戦力を充実させていくという流れになる。

 建物の建設、ユニットの作成は10数秒で完了するサクサクとしたペースで、ゲームの展開はわりとクイックな印象だ。建設や生産に必要なリソースの収集は、最低限の収集施設を配備すれば自陣奥深くまで攻めこまれないかぎりあまり気にしなくてもいい。出現したユニットは細かくひとつひとつを操作するというより、だいたいの数を揃えたらまとめて前線に放り込む形で運用する感じだ。

 歩兵、装甲車、戦車、ヘリなどそれぞれのマッチアップで強い相性が存在するため、どのタイプの戦力をどこにどれだけ放り込むか、といった大局的な感性がより求められるバランスである。このあたり、十数年前に初代「C&C」をプレイした感覚がよみがえるようだ。

 デモルーム内ではトッププレーヤーによるエキシビジョンマッチも行われていたが、初期の小競り合いを経て大量の上位ユニットによる決戦→基地の蹂躙という形でかなりスピーディなゲーム展開が見られた。「Global Liberation Army」陣営のユニットによる毒ガスAoE攻撃で広範囲のユニットが一挙に爆散する様は壮観だ。

 全体的に操作は忙しくもゲームルールは意外とシンプルにまとめられており、かつ、短時間で終えられるゲームバランスでもあるようだ。特に協力プレイは相方のプレイから学びやすいこともあって、RTS初心者にもオススメしやすい印象だ。シリーズのファンの皆さんはもちろん、RTS好きの皆さんもぜひ本作のベータテストをチェックしてみて欲しい。

スクリーンショット

(佐藤カフジ)