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【E3 2013】純国産Xbox One専用タイトル「Crimson Dragon」プレビュー

“Project Draco”はなぜXbox 360からXbox Oneへ? リードプロデューサー野間氏に聞く

6月11日〜13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 今回のE3レポートではたびたび触れてきているが、Microsoftは2013年11月のXbox Oneの初期ローンチに日本を含むアジアを外し、あらゆるリソースをひとまず欧米に集中させる戦略を採ったため、「Xbox E3 2013 Media Briefing」では、日本産の大型タイトルはカンファレンスの開幕を飾った「METAL GEAR SOLID V」のみという寂しい結果になっていた。こうなっては日本ローンチの際に、あらためて日本産のタイトルが大量に発表されることに期待するしかないが、日本のXboxファンの中には、意外なダークホースがXbox Oneタイトルとしてラインナップされているのに気づいた人もいるだろう。そう、Xbox LIVEアーケード向けに2012年に配信予定だった「Crimson Dragon」が、Xbox Oneタイトルとして復活を遂げていたのだ。今回はMicrosoftブースの「Crimson Dragon」コーナーで説明を行なっていた「Crimson Dragon」リードプロデューサーの野間豊氏に同作について話を伺ってきた。

【編集部】「Crimson Dragon」のXbox 360版について発売予定はないと記載しておりましたが、「未定」が正確な表現でした。お詫びして訂正いたします。

【「Crimson Dragon」ビフォアアフター】
上がXbox 360版、下が今回発表されたXbox One版「Crimson Dragon」。別のゲームといっても過言ではないほど進化しているのがわかる。「Crimson Dragon」はXbox Oneタイトルとして開発されており、Xbox 360版の発売は未定

「Crimson Dragon」がXbox Oneタイトルになって三度復活!

Microsoft Studios所属の「Crimson Dragon」リードプロデューサーの野間豊氏
「Crimson Dragon」の試遊台はわずか2台ということで、常に列ができていた

 「Crimson Dragon」は、セガの名作シューティング「パンツァードラグーン」のコア開発スタッフが手がけたフライトシューティングゲームで、2010年の東京ゲームショウで「Project Draco」という仮称タイトルで発表を行ない話題を集めた。グランディングとランド・ホーの2社による共同開発で、パブリッシャーはMicrosoft Game Studios(現Microsoft Studios)。Kinect専用のXbox LIVEアーケード独占配信という野心的なタイトルだったが、発表後、当初予定されていた2011年の配信は延期され、2012年6月の発売も無期延期となり、発売そのものが危ぶまれる状況に陥っていた。それが「Xbox E3 2013 Media Briefing」では、鮮やかな復活を遂げただけでなく、Xbox One専用タイトルになっていて2度驚かされたわけである。

 野間氏には、「Crimson Dragon」コーナーの試遊の列に並んで、試遊しながら取材を行なった。まず、Xbox 360からXbox Oneへのプラットフォーム変更の経緯については、開発元との間で「発売延期のタイミングで、次期プラットフォームの話があり、次世代機ではやれることが増えるので、だったら発売を伸ばして次世代機で出そうか」という話になったという。

 ビジネスモデルは、Xbox Oneのパッケージとしてリリースする予定は無く、Xbox One向けのXbox One LIVEアーケードタイトル(仮称)としてフルプライスではない、ダウンロードソフトとして販売を予定しているという。発売時期は未定。ローンチタイトルになる可能性もゼロではないが、発売時期に関してはまだ話せないという。

 Xbox 360版との大きな違いはKinect専用タイトルから、オーソドックスなゲームパッドでプレイするシューティングゲームに戻っていたことだ。「これは発表以来そうなんですが、Kinectではなく、パッドで遊びたいというご意見がとても多かったんです(苦笑)」。それではKinect対応は捨てたかというとそうでもないようで、「基本的にはパッドで遊んでいただきますが、Kinectのジェスチャーとボイスコマンドも使って、パッドとKinectの両方で遊べる形を考えています」。Kinectだけでプレイさせることは考えていないという。

 開発体制は変わらずグランディングとランド・ホーの2社体制。見えないレールの上をドラゴンが遊弋しながら、目の前に出現する敵をカーソルでなぞり、ロックオンしてホーミング弾をシュパパパと撃ち込んでいく。変わらぬ昔ながらの味わいだ。ただ、それがXbox Oneのパワーと、Unreal Engine 3.0のグラフィックスで実現されているため、シンプルな操作感ながら、実に派手な空中戦が楽しめる。誤解を恐れずに言えば、Xbox Oneを遊びに来た友人に、Xbox Oneのポテンシャルを見せるのにとても良いサンプルゲームになると感じた。

 もちろん、Xbox 360からXbox Oneにコンバートするにあたり、ゲーム性も変化させている。「いろいろ変わっていますが、一番大きな違いはドラゴンの成長要素を強化していることです。成長の方向性をユーザーが選択でき、その選んだ結果、強化の方向性や、ドラゴンの見た目、特性などが変わっていきます」。具体的な強化の方法は、ステージ中に特定の条件を満たすと出現するアイテムを拾い、それをエサのような形で与えることで強化できるという。

 試遊ステージも中盤にさしかかり、徐々に操作が難しくなってきたが、Kinectでトライしていた経験からいうと、直感的な操作体系ではなくなり、いわゆる尖っていた部分が丸くなってしまった感じがあるのが惜しいと思ったが、万人向けということを考えると、この選択が正解なのかも知れない。

 基本的なゲーム内容は、Xbox 360版と同じようにステージクリア型のシューティングゲームになっている。「与えられるミッションやサブミッションをどんどんクリアしていくことでゲームが進行していきます」。ステージ数、ステージのバリエーションは、「とにかく沢山有ります!(笑)」という。

 気になるマルチプレイモードは、搭載は確定しているが、具体的な内容や人数についてはまだ話せないという。ただ、画面分割式のマルチプレイには非対応で、Xbox LIVEを介したマルチプレイのみなのは確定のようだ。

 無事、デモステージをクリアし、終了のアナウンスが出てしまった。野間氏に日本に向けてメッセージをお願いすると「我々はMicrosoft Studiosの日本で働いていて、日本のイカした開発会社さんと一緒に仕事ができてますが、今後も日本の良質なタイトルをどんどん海外に出して行ければと思ってます。特に今は日本が元気がない感じなので、日本からどんどん発信していきたいです」と元気いっぱいにコメントしてくれた。純国産のXbox Oneタイトル「Crimson Dragon」は、日本のゲームファンとしてぜひ今後も注目していきたいところだ。

【スクリーンショット】
近年稀に見る劇的な変貌を遂げた「Crimson Dragon」のグラフィックス。Xbox OneとUnreal Engine 3.0の相性は良さそうだ

(中村聖司)