「モンスターハンター フロンティア オンライン」インタビュー(後編)
新登場・覇種武器/防具、狩護防具の性能は? 杉浦氏サイン入りフィギュアをプレゼント
Xbox 360/Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(MHF)のインタビュー後編は、次回大型アップデート「フォワード.5“砂漠に浮かぶ紅の楼閣”」(F.5)の詳細について引き続きお届けしたい(前編はこちら)。
後編では、新カテゴリーとなった覇種武器/防具や狩護防具、バランス調整などについて語ってもらった。なお杉浦一徳氏のサイン入りプレゼントもいただいたので、ページの最後からぜひご応募いただきたい。
・新カテゴリーの覇種武具と狩護防具
プロデューサーの杉浦一徳氏 |
アシスタントプロデューサーの宮下輝樹氏 |
「プレミアムパッケージ」に付属する防具は狩護防具に強化可能。覇種に対して特に高い防御力を有する |
覇種から得られる素材で生産できる覇種武具と、HC防具の派生先となる狩護防具(しゅごぼうぐ)が登場する。覇種武具は天嵐武具の発展系で追加効果がさらに強化される。覇種とHCの素材で強化でき、武器は青白いオーラが出る。防具は剛種防具から継承しているスキルのアップグレードで、体力やスタミナが一定以上必要となる条件がかなり緩和される。数パーツ付けていれば火事場との併用も可能。さらに特定の条件で属性値と状態異常の効果が上昇する。
狩護防具は覇種クエストでダメージ軽減や大幅な防御力アップといった効果が得られる。パッケージや一部のプレミアムキットにも追加され、発売時点から狩護防具まで強化できる。
――武具には覇種防具や狩護防具といった新しいカテゴリが増えていますが、この辺りの位置付けはどうなっているのでしょうか。
杉浦氏: 秘伝防具と同列に位置するものを目指しています。秘伝防具はいいところもありますが、秘伝防具1択になってしまうのが最大の問題です。「モンスターハンター」はモンスターを狩って武具を作るという原則があるのに、この防具だけ作ればいいという状況はまずいだろうと。秘伝防具と対等に位置する武器防具をどういう形でうまく作っていくかを考えた結果、今回この覇種武器、覇種防具と、狩護防具というものが生まれました。
また秘伝防具では、紙(武器の魂)を集めるという行為自体が「モンスターハンター」の基本概念から見て抵抗があるというご意見も少なからず来ていました。それを解決するのに、既にHC素材がありましたので、これを使って作れる武具もふんだんに用意しなければならないなと思いました。
あとは覇種が相当強くて、覇種のバランス調整時はバタバタとハンターが倒されるのを笑っていたのですが、メンバーでふと真面目に考えると、これはお客様がプレイを止めてしまうんじゃないかと心配も出てきて、どうしようという話になりました(笑)。だからと言ってモンスターを弱くしたら、やっぱりトップランカーの方々にはつまらなく感じられます。
我々としては、ハイエンドで頑張っている方々には秘伝防具を作り続けて欲しいし、覇種武器・覇種防具も別な選択肢としてやりがいがあるものになって欲しいしと思いながらも、もっとカジュアルな気持ちで楽しまれたいという方のために、何か手を打たねばならないだろうとも考えました。狩護防具はそういう方をきっちりとサポートしていく防具になります。
あと以前の運営レポート動画版で、「元気のみなもと」が覇種クエストには使えないと言っていたのですが、あれからチームで打ち合わせをして、使えるように変更しました。また覇種クエストは現状20分で考えています。20分で討伐するにはプレーヤースキルがかなり求められますが、20分経つと討伐失敗というのは不評なので、20分以内に一定の体力を削れていれば、撃退として何かしらの報酬を考えています。これらの変更でカジュアルなお客様がこれからもついていけるようにして、それぞれのモチベーションを維持していただけたらと思っています。
――狩護防具は具体的にどういう性能を持っているのでしょうか?
宮下氏: 狩護防具はFX、HC防具の上に位置するもので、防御力の高さに特化しています。イメージとしては、まず狩護防具を作って覇種を倒していただき、それから覇種防具を作っていただこうというステップです。
杉浦氏: ですからターゲット的な意味で割り切って、プレミアムパッケージの特典防具やプレミアムキットに狩護防具を最初から付けています。
――話の雰囲気からすると、HC素材がすごくいっぱい必要になりそうなのですが……。
杉浦氏: パッケージの狩護防具は比較的簡単に作れます(笑)。
宮下氏: ゲーム内で入手できる狩護防具は、HC素材を若干使いますが、それほど多くは要求していません。天嵐防具で既に14個のHC素材を使っていますので、その延長という形です。ちなみにゲーム内のものはFX防具の上にHC防具が入り、その上に「HS防具」という表記で狩護防具が入ります。FX防具を経て作らなければならず現状では強化が大変なので、「F.5」のタイミングで強化に必要な古龍種素材を1/3程度に減らすよう調整します。
――FX防具の素材の緩和は今あるもの全てですか?
宮下氏: そうです。モンスターの素材を使うもの全般です。
――覇種武具については、天嵐武器がまだ少ない状態ですよね。これは「F.5」で増えるのでしょうか?
宮下氏: かなり増えます。以前は通称HC剛種武器と言われていた天嵐武器の上に、覇種武器が全部入ります。合計で40本以上の覇種武器が「F.5」で入ることになります。ただ覇種のモンスターは毎月のペースで開放していきますので、それに応じて覇種武器が作れるというようになる形です。
――それでも「F.5」が入った時点で、今よりかなり多くの天嵐武器が並ぶというわけですか。
宮下氏: そうなります。天嵐防具は「オディバトラス」のもののほかに「ラオシャンロン」のものも入ります。天嵐防具は現状で4種類あるところが、7種類くらいにはなります。
・既存武具の新機能とリファイン
FXシリーズの強化先にHC、HS(狩護防具)が加わる。ロビーが秘伝防具の2色で染まる、といったことはなさそう |
秘伝防具や進化武器といった既存の武具でも新たな機能や調整が入っている。
――秘伝防具の二重装備システムというのはどういったものになるのですか?
宮下氏: 白と紅の両方の秘伝防具を持っていると匠が付く、と以前から発表していたものです。最初に発表させていただいた時には、ロビー装備とクエスト装備という組み合わせと言っていたのですが、それだとロビーで秘伝防具だらけになってしまうので、秘伝書を装備をする設定欄に「秘伝防具二重装備」という項目を用意しました。これをオンにした上で、クエスト装備を全身秘伝防具にして、ボックス内に別の色の秘伝防具が全種類入っていれば、それで匠が付くという仕様にしました。ロビー装備は好きなものを着ていただいて大丈夫ですし、紅と白を混ぜた状態で着ていて、その逆がボックスにあれば、それで発動します。
ただし全10パーツをFX Lv7まで最終強化している状態に限ります。ガンナーは攻撃力が1.2倍になっていますが、それがさらに伸びるという特殊効果が付きます。あと、各秘伝防具に専用のスキルがありますが、「二重装備」がオンになっている時には、スキル名が変わります。他人が見ても、この人は「二重装備」しているなということが見てわかるようになっています。
――つまり匠が付いた上位スキルになるわけですね。
宮下氏: そうです。
――進化武器の強化は具体的にどういうものになるのでしょうか。
宮下氏: 進化武器はアップデートごとに新しい武器種を足していたので、古くからある武器種に関しては、後から追加したものより弱いなどバランスに問題がありました。そこでボウガン系を除いて攻撃力を上方修正します。既に所有している方は、自動的に強くなります。最終で3種類あるものが全て底上げされます。
――ユーザー寄りの視点になるのですが、既存の武具のHC化などは、どれをHCにするかというのは選別基準があるのでしょうか? プレーヤーとしてはどうしてあれをHC化しないのかという声があると思いますが。
杉浦氏: 別にやらない理由はありませんが、単純にすごい量がある中で、差別化しなければいけないためです。そこは徐々にということでご納得いただくしかないかなと思います。どれを選ぶかは、特異個体の選別と同じで、人気のあるものとないものを混ぜながらという感じです。そんなにすごい思慮遠謀があるわけではないですが、全く何も考えていないわけでもありません。これからも増やしていきます。
――今回はどのくらい増えるのですか?
宮下氏: 今回はモンスターの素材で作れるほぼ全てのFX防具の上に、HC防具を追加しています。さらに強化先として狩護防具も追加しているためかなりの数が入っています。数を揃えないと組み合わせてもらえないので、秘伝防具1択のように全身着たらもう組み合わせを考えないということがないように、かなりの工数をかけて頑張りました。
・狩猟技リファイン
――狩猟技クエストにもリファインが入り、段位が付くようになるそうですね。
宮下氏: 狩猟技クエストにマッチングのシステムを新たに入れさせていただきました。要は知らない方4人で集まってクエストにいけます。そこでは段位の元になるポイントはもらえて、そのポイントがたまると、「10級」から「十段」までの段位が上がっていきます。段位はキャラクターの頭上にある名前の近くに表示できます。マッチングシステムは今までやりたくてもやれていなかった部分なので、ドキドキしながらやっているところです。
――イメージとしては、特定の狩猟技マッチングクエストみたいなものがある感じでしょうか?
宮下氏: 広場に入って階段をすぐ左に行ったところにいる教官見習ネコに話しかけると、マッチングの部屋に飛びますかと聞かれます。はい、と選ぶと移動し、そこで他人が来るのを待つという形です。人が揃ったらクエストに出発です。狩猟技のクエスト自体は今のシステムをそのまま使っていますが、クエストの前後の演出を変えたりしています。
――いやらしい聞き方ですが、ポイントを貯めると何かいいことはありますか?
宮下氏: イベントの企画担当者に、どうするんだとつついているところです(笑)。現状では頭上に出る段位を上げていく、というところを目指してもらう形になります。
・その他の施策やパッケージ
特典入りの「F.5 プレミアムパッケージ」は今回も発売される |
「MHF-G」の発表時、SR応援キャンペーンとして、毎月「プレミアムコース」、「アシストコース」、「秘伝書コース」のいずれかを無料で開放すると告知された。
――「MHF-G」に向けて有料課金コースを無料で開放するという話がありました。これは具体的にはどういう形になるのでしょうか?
宮下氏: 最初は10月31日から1週間、アシストコースを開放します。今のところはそこだけです。
――ペースとしては1カ月に1回になるんですよね?
杉浦氏: 月に1回やることは明言しています。ただ、どれくらいやるのがいいのかは、お客様が「MHF-G」を目指すという部分でどれだけバックアップすべきなのかが見えていないので、実際にやってみて、お客様のデータを分析しながら考えたいと思っています。まずは「MHF-G」へのつなげ方・盛り上げ方が1番重要で、売上のほうは当面優先度を下げていいと思っています。
――他に直近のイベントなどで予定されているものはありますか?
杉浦氏: 覇種をたくさん狩るとSRPがいっぱいもらえます、といったことを覇種単体のクエストでも検討していますし、覇種6体全てを狩るとSRPがいっぱいもらえますよというのも考えています。覇種を狩ってもらうことでSRが上がりやすくなるような形にしたいと思っています。現状、SRがまだ200や300辺りの方は「MHF-G」に向けて少ししんどいと思っているはずなので、そういう方々を後押しできる支援策はどんどんやっていきます。覇種をたくさん狩って、覇種武器・覇種防具を作り「G級」を目指してやっていったら、SRもカンストしたというのが理想なので、そういう方向に持っていけるように頑張っています。
――「F.5」のパッケージについては、防具が狩護防具に強化できるというのは聞きましたが、武器はどうなりますか?
宮下氏: 武器はHC武器になります。
――過去の課金武具もHC武器や狩護防具への派生が増えるのでしょうか?
杉浦氏: 増やしていこうかなとは思っていますが、「F.5」のお客様の評価を見て判断しようかと思っています。
――では「F.5」の段階で、課金防具の狩護防具が一気に増えるわけではないのですね。
杉浦氏: はい。新製品にまず1つ入れてみて、様子を見ようかというところです。それで、これはすごくいい、ぜひ他にも入れてくれということなら考えようと思います。
■ 武器バランスやネットカフェイベント等の今後を聞く
引き続き、アップデート外の話題を含めたインタビューの様子をお伝えする。
――「F.5」では武器種のバランス調整が行なわれないようですが、今後何か考えていることはありますか?
宮下氏: 感謝祭で少しお見せしましたが、「MHF-G」で武器種ごとのアクションやパラメーターをかなりいじりますので、現状はそこを期待しておきたいというところです。少しお待たせしてしまいますが、「MHF-G」に向けて調整中です。
――宮下さんはさんざん聞かれていると思いますが、ガンランスについてコメントをお願いします。
宮下氏: 「MHF-G」のタイミングで割と強くなるように、頑張って調整中です。
杉浦氏: 「MHF」の責任は全て私が取りますが、ガンランスの責任は宮下が取ります。
宮下氏: え、そうなるんですか(笑)。じゃあ戻ったらもう1回調整し直さないと……。
杉浦氏: 自分が責任者になると調整し直すって酷くない!?(笑)
――期待しています(笑)。あとスキルカフや装飾品をマイセット登録できるといいなという話をされたことがあったと思いますが、そちらの進捗はいかがですか?
宮下氏: かなり前向きに検討してはいるのですが、技術的に難しく、今のところまだ目処は立っていないです。
――ネットカフェイベントでは、先日47都道府県を制覇されました。これで一区切りとなりますが、終えられてみてどんな感想をお持ちですか?
杉浦氏: 周り始めた3年半前の状況と現在の状況は結構違います。イベントもかなり変わりましたし、お客様とカプコンの関係もかなり変わったなと思います。ハンターの皆様が毎回集まっていただけて、次に繋げていけたのがよかったです。今後も直接お客様と対話する機会を何かしら用意したいと思います。ただ、ちょっと4週間ほど休みなしで移動もかなり大変なので少し年齢的に辛くなってきました。
小野(エグゼクティブプロデューサーの小野義徳氏)に報告書を上げたら「2周目よろしく」という1行のメールが帰ってきて、「お前が行けよ」と思ったりもしましたが(笑)。こういうイベントは、カプコンのオンラインやソーシャルの1つの型、1つの伝統として残していきたいと思います。まあ、宮下がこれからは頑張るでしょう。
あとは各都道府県を回らせていただくことで、東京以外の地方の景気がわかるんです。夜に着いて駅の周りを見るだけでも、どれだけ明るいかとかで。地方のお客様は東京と同じ年収ではありません。「MHF」は国内統一価格ではありますが、そのお金を払うに当たっての負担のパーセンテージは違うわけです。やっぱり考えさせられることが多くて、勉強になりました。
――そういったイベントとしては、新モンスターの体験会をやりたいという話もされていましたよね。その辺りの予定はありますか?
杉浦氏: やりたいとは思っています。ただ、オフラインイベントはイベント会社に丸投げはできないので、どうしても「MHF」チームのみんなが頑張っています。今は「F.5」と「MHF-G」でみんな頑張っているので、優先順位はやはり、いい「F.5」を迎えることと、皆様から喜ばれる「MHF-G」を作ることです。そちらを優先しながら、どこまでやれるかを考えています。
感謝祭のノベルティの質がよかったという話なので、1つ持ってもらった。なお「MHF」は撤退しません |
――では最後に「F.5」に向けて、プレーヤーへのメッセージをお願いいたします。
宮下氏: 最初は「オディバトラス」と特異個体2体だったところを、覇種や狩護防具などを増やしてかなり盛りだくさんにして、「MHF-G」に向けた、「G級」の攻略の鍵になるような内容に仕上げました。ぜひ覇種をいっぱい狩っていただいて、覇種武具を作って「G級」を目指していただきたいです。「F.5」をよろしくお願いいたします。
杉浦氏: 「F.4」は反省点がすごく多く、お客様に色々ご迷惑をおかけしました。4月に組織変更して新しい体制になって、ようやく新しい体制の中で1つの形が「F.5」でできたのかなという気はしています。「F.5」を遊んでいただいて、「F.4」より評価が上がるのであれば、「MHF-G」も順調にやっていけるかなという気がしています。
本当は「F.5」は内容をかなり薄くして「MHF-G」に投入したかったのですが、そういうわけにはいかないだろうという最終的な判断と、チームのみんなの思いもあって、これだけ頑張りました。私としては結構複雑な気持ちで、「MHF-G」はすごくいいものにしなければいけないし、「F.5」もそれなりにいいものにしなければいけないのですが、スタッフが2倍、3倍に増えるわけではないので、みんなの体が心配です(笑)。それくらいみんなで頑張って作ったものなので、信じるしかないかなというところです。「F.5」をやっていただいて、その感想を聞かせてください。
――ありがとうございました。
■ 杉浦氏のサイン入り「エスピナス亜種」フィギュアをプレゼント!
先日行なわれた「MHF感謝祭2012」にて、アトラクションの景品として用意されていた「エスピナス亜種」フィギュア。非売品グッズとしてはかなりの作りこみで注目されたこの品に、杉浦氏のサインをいただきました。こちらを1名様にプレゼントさせていただきます。
5周年記念の貴重なグッズに、杉浦氏のサインも入った、間違いなく世界に1つだけのプレミアグッズとなっています。ちなみにフィギュアは「MHF感謝祭2012」で筆者が自力で当てたものですので、当選した方は大事に飾ってあげてください……。「MHF」ファンの皆様はご応募をお忘れなく。
※お詫び:10月15日の掲載後、記事更新のタイミングでプレゼントフォームが消えておりました。大変失礼いたしました。プレゼントフォームが消えていた期間を勘案し募集を当初設定の「22日まで」から「24日まで」に変更いたします。ここにお詫びいたします。なお、フォームが消えるまでに募集頂いた方は再度応募頂く必要はございません。
【「エスピナス亜種」フィギュア】 | |
---|---|
【応募方法】
応募締切 :10月24日 12:00 まで
当選発表 :発送をもってかえさせていただきます
応募方法 :下記のフォームに入力して、送信してください
※ 応募フォームの送信はSSL対応ブラウザをご利用ください。SSL非対応のブラウザではご応募できません。
※ ご回答いただいた内容(データ)は、当選者の選考および、プレゼントの発送にのみ使用し、その他の目的で使用することはありません。
(C)CAPCOM CO., LTD. 2007, 2012 ALL RIGHTS RESERVED.
(2012年 10月 15日)