カプコンステージイベントレポート

「魔女裁判」を実機で披露した「レイトン教授VS逆転裁判」ほか


9月20日~9月23日 開催(20日、21日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:前売1,000円/当日1,200円(一般)
    無料(小学生以下)
    前売3,000円(TGS サポーターズクラブ)


 カプコンが「東京ゲームショウ2012」の最終日となる9月23日に実施したステージイベントのうち、「レイトン教授VS逆転裁判」ナゾ解明に異議なし!スペシャルステージ、「エクストルーパーズ」スペシャルステージ、「ストリートファイター X 鉄拳」スペシャルステージの3つのイベントをレポートする。

レイトン教授VS逆転裁判

プラットフォーム:ニンテンドー3DS
ジャンル:ナゾトキ・法廷アドベンチャー
発売日:11月29日
価格:5,980円





■ 「レイトン教授VS逆転裁判」ナゾ解明に異議なし!スペシャルステージ

写真左より、カプコンから本作のディレクターである巧舟氏。中央は株式会社レベルファイブの代表取締役社長、日野晃博氏。右はカプコンから本作のプロデューサーである竹下博信氏
発売日と価格も決定し、この日はパッケージデザインも公開された

 いよいよ発売日も決定して期待が高まる本作。このステージでは、プロデューサーの竹下博信氏、ディレクターの巧舟氏、さらに株式会社レベルファイブの代表取締役社長、日野晃博氏が登場し、本作の魅力を紹介した。

 本作はもともとは日野氏が「逆転裁判」シリーズの大ファンであり、「レイトン」シリーズが肩を並べるぐらいになったら、一緒に何か作品を作りたいと提案しようと考えていたという。それがついに叶ったというわけだ。日野氏は特に巧舟氏と一緒にコラボレーションした作品を作りたいと熱望したそうだ。

 本作の発売日は11月29日。価格は5,980円となる。パッケージデザインも完成したとのことで、こちらも初公開された。

 続いては、巧氏による実機プレイが行なわれた。プレイしたのは2章の裁判パートだ。「逆転裁判」の主人公である成歩堂龍一が、ラビリンスシティ独特の中世時代のような「魔女裁判」に挑むというシーンになっている。

 魔女裁判では、まず魔法というものが当たり前のように実在する世界であること、そして、魔女裁判という“魔女容疑がかけられている人が基本的に有罪となるのが当たり前”になっているという、現代社会の裁判とは全く異なる特徴がある。そんな異世界の裁判に、成歩堂龍一がどのように立ち向かうのか、どのように逆転していくのかが、ひとつの見所ということだ。

 尋問のシーンでは、「逆転裁判」シリーズだと1人が証言するところを、魔女裁判では“群衆”が自由に証言する。プレイしたシーンだと4人の群衆(町の人)が証言台に立っていて、入れ替わり立ち替わり、証言を話していく。

 これに対して成歩堂は、おなじみの「ゆさぶる」や「つきつける」で証言の矛盾を突いていくのだが、群衆の1人がゆさぶられて発言すると、他の人が反応するという場面もあった。発言を聞いて何かを思い出したのか、反応を見せた群衆の人の頭の上にはマンガのように吹き出しが表示される。

 そこに成歩堂が放つ、今作からの新要素が「ちょっと!」だ。巧舟氏いわく、「何か考え事をしている最中の人に突然『ちょっと!』と話しかけると、相手の人は驚きますよね。そこを攻めていくわけです」。この「ちょっと!」によって、慌てふためいた群衆から新たな情報が引き出せるというわけだ。

 そうして引き出した情報によって、決定的な矛盾を突いた成歩堂! 群衆の4人は、次々に「逆転裁判」シリーズでもあった“大きなリアクション”を見せて倒れていく。証人が1人だった「逆転裁判」シリーズとは違って、群衆というたくさんの証人がつぎつぎにリアクションを見せていくので、ここの見応えも4倍というわけだ。


【1人の証言を聞いて他の証人が反応!】
魔女裁判の特徴のひとつである「群衆」の証人たち。このパートでも4人の群衆が証人として並び、自由に発言をしてくるので手に負えない。だが、誰かの証言を聞いて、別の誰かが反応するということがあり、そこが突破口になることもある

【反応している人に「ちょっと!」と問い詰める!】
他の人の証言を聞いて、何か考えている様子が見られる人には、「ちょっと!」と問い詰めていく。すると、それに驚いた証人がその時考えていたことをポロリと漏らす事も。そこから決定的な矛盾を暴いていく

決定的な矛盾を突かれて群衆が黙ってしまったことで、この裁判では有罪判決はもう出せない……、と思いきや、傍聴席にいたおじさんが乱入! 証人が5人に増えてしまった。こうした現代裁判ではあり得ないようなことが次々に起こるそうだ

 これでこの裁判では有罪の判決は出せなくなり、これで1度閉廷……かと思いきや、どこからか声が響いた。声の主は傍聴席にいたおじさんだ。おじさんは「オレっちにもしゃべらせてくれえええい!」と叫びつつずかずかと証人席に入ってきて、なんと「5人目の証言者」となった。このように現代の裁判ではあり得ないことが次々に起きるのも、本作の魅力とのこと。

 実機プレイはここで終了。本作の「魔女裁判」という現代にはありえないような出来事が次々に起こるところ、群衆という複数の証人を1度に相手するという特徴がわかりやすくまとめられたプレイとなっていた。

 本作の発売を待っているユーザーの方への挨拶では、巧氏より「しばらく情報が出てなかったのですが、今はもう完成間近というところです。このイベントが終わったら大阪に戻って作りますので。ご期待ください」と、開発もいよいよ佳境であることが伝えられた。

 竹内氏からは早期購入者特典が紹介された。特典は「特製アニメフィルム付きのオリジナルサウンドトラック」ということで、レイトン教授らしい曲や、逆転裁判らしさのある曲、そして新曲も収録されているということだ。

 日野氏は「外伝的なものではなく、2つの作品が1つになってそれぞれを凌駕するような、そういう作品にしたいという思いで作ってきました。非常におもしろい作品になっていますので、ぜひ発売をお待ち頂きたいです。ボリュームもクオリティもすごくて、特に後半の展開はすごいことになってますから。楽しみにしてください」と語り、ステージを締めくくった。

 なお、本作の試遊レポートについては、別記事の「レベルファイブレポート」にて行なっているので、そちらも合わせてご覧頂きたい。





エクストルーパーズ

プラットフォーム:PS3/3DS
ジャンル:マンガチック爽快アクション
発売日:11月22日
価格:6,990円(PS3版)
   5,990円(3DS版)
CEROレーティング:B(12歳以上対象)


■ 「エクストルーパーズ」スペシャルステージ

PS3版、3DS版の体験版が配信決定。配信日など体験版の詳しい内容は、後日改めて発表される
バンプレストとのコラボレーションとして「一番くじ」の企画が進行中という

 ステージイベントは、プロデューサーの小嶋慎太郎氏とディレクターの安保康弘氏、そしてスペシャルゲストとして登場したストーリーライダーズの佐藤大さん(代表作:攻殻機動隊S.A.C.シリーズ、交響詩篇エウレカセブン、東のエデンほか)の3名が、小嶋氏主導のもとゲームの魅力を紹介する形で進行。最新映像の上映から始まり、マンガデモ、登場キャラクター、壮大なストーリー、マルチプレイという本作の核となる要素が解説された。

 さらに、同社(小嶋氏)の代表作「モンスターハンター」をはじめ、餃子の王将やJOYSOUNDとのコラボレーションにより実現したアイテムが明らかになった。コラボレーションについては、今後も続々と行なっていくという。

 佐藤さんは、開発初期の頃から一緒にやってきているようで、「壮大なストーリー」の紹介では自身の想いを以下のように述べた。

 「もともとオーダーのあった学園モノ、ポップでかわいらしいところがすごく出ていると思います。後半になるほど、僕が関わっている以上というような形のツイストだったり、熱さだとかは盛り込ませていただきました。普通、ゲームと言えば(物語は)後半になるほどわかりやすくなる部分もあると思うんですけど、そこでも一捻り入れさせてもらいました。(ゲームをプレイしていくと)教官(大人)たちが出てくるのですが、教官たちにもいろんな秘密があります」。

 「あと、(新型のVS)「ギンギラ」(CV:子安武人)が物語の冒頭では「やりましょうマスター」というようなクールな印象ですが、子安さんがしゃべるロボットをやる以上、こんな感じで終わるはずがないんです。子安さんも、アフレコの時にむずむずしながら「じゃあ、このへんは『マスター』でいきます」と。推して知るべし的な盛り上がりをマシン(VS)のほうもしていくので、ロボ好きの人にもぜひ遊んで欲しいと思います」。

 そして、最後に佐藤さんは「開発初期の段階から関わらせてもらって、こういう風にできあがったものを皆さんの前で遊ぶことができて発売されるのが本当に楽しみです。僕がアニメーションに関わっているというところで、May'nさんの主題歌とか、ミッションのサブタイトルまでチェックさせていただきました。言葉が出てくる部分の全部を僕とカプコンの方で一緒に作っているので、ぜひ隅々まで楽しんでいただけたらと思います」と、細部に渡り全力で取り組んだという熱い想いを語った。


【TGS2012-PV】

ストーリーやマンガデモ、登場キャラクターや協力プレイの概要を小嶋氏(写真右から2番目)が次々に紹介した
実機を使ったデモンストレーションでは、小嶋氏、安保氏、佐藤さんの3人でマルチプレイ(VRミッション)。カプコンブースに出展されたPS3版の体験版で、2つのミッションに挑戦した




● 「モンスターハンター」とのコラボ装備「レウス装備」

 「モンスターハンター」に登場するモンスター、「リオレウス」を模した装備品が「エクストルーパーズ」に登場する。もちろん「レウス装備」は、登場キャラクターに装備させることができる。


● 餃子の王将/JOYSOUNDとのコラボレーション

 餃子の王将とのコラボレーションでは、「餃子の王将の餃子」がゲーム内アイテムとして登場する。「餃子の王将の餃子」を食べるとパワーアップする。

 JOYSOUNDとのコラボレーションでは、May'nさんの歌う主題歌「Mr.Super Future Star(ショートバージョン)」の先行配信に引き続き、赤を中心としたデザインが目を引く装備が登場する。

【餃子の王将】【JOYSOUND】
食べるとパワーアップする「餃子の王将の餃子」がゲームに登場赤が強調されたデザインの装備となっている

● コミック化決定! 「月刊ニュータイプエース」(角川書店)で連載開始!!

 「エクストルーパーズ」が「月刊ニュータイプエース」(角川書店)でコミック化。11月10日発売のニュータイプエース Vol.15より連載が開始される。漫画は東川祥樹氏が担当。





■ 「ストリートファイター X 鉄拳」スペシャルステージ

ストリートファイター X 鉄拳

プラットフォーム:PS Vita
ジャンル:対戦格闘
発売日:10月25日
価格:4,990円(PS Vitaカード+PS3追加キャラパックコード同梱版)
   4,400円(ダウンロード+PS3追加キャラパック同梱版)
   3,400円(ダウンロード版)

 いよいよ発売が10月25日と迫ってきたPS Vita版の「ストリートファイター X 鉄拳(以下、ストクロ)」。このスペシャルステージでは、プロデューサーの綾野智章氏が登場。PS Vita版だけの魅力や独自の新要素について紹介した。

 PS Vita版の「ストクロ」では、タッチスクリーンを活かして、簡単にプレイを楽しめる「カジュアルモード」を搭載しており、まずはそちらの機能を紹介するPVが上映された。

【プロデューサー綾野氏が元気いっぱいに紹介】
プロデューサーの綾野智章氏。ストリーミング配信でこのステージを見ている人に向けてひょうきんに挨拶するなど、元気いっぱいなステージ進行を見せた

【最新プロモーションムービー】

【PS Vita版新要素紹介ムービー】

新要素の「バースト組手でのパンドラ設定」

 公開された新要素の1つ目は、“パンドラ状態でバースト組手をプレイ可能”というもの。バースト組手とはランダムにタッグを組んだCPUと連戦するPS Vita版オリジナルのモードで、パンドラ設定をオンにすれば常時パンドラ状態でのプレイが可能になる。

 さらに、この設定であればタッグを組んでいるキャラもパンドラ状態になるので、クロスアサルトで2人ともパンドラ状態という、他で見られないプレイもできる。ゲージ使い放題の爽快なプレイが楽しめる。なお、このバースト組手でのパンドラ設定は最初から選べるわけではなく、ある程度プレイを進めると開放されるとのこと。


【常時パンドラで爽快プレイ!】
CPUと連戦する「バースト組手」では条件を満たすと、常にパンドラ状態で戦えるようになる

AR撮影機能で「ストクロ」キャラクターと写真も撮れる

 次に、PS VitaのカメラとAR機能を使った、ゲームのキャラクターと一緒に撮影ができるという機能。ここで綾野氏は実際にステージ上をPS Vitaのカメラで映し、そこにARのリュウを出現させた。リュウの大きさも自由自在で、MCを務めた女性の真横に等身大のリュウを配置して撮影したりと、実際の楽しみ方を実践してみせた。


【AR撮影機能を存分に堪能する綾野氏】
PS VitaのカメラとAR機能を実演。等身大のストクロキャラクターと一緒に写真を撮ることも可能だ。綾野氏は小さくしたリュウを胸元に配置するという撮影を存分に堪能(?)していた

左がプロゲーマーのときど氏、右がふ~ど氏

 ここで、実際にトッププレーヤーが「ストクロ」をどのようにプレイしているのかをぜひ見てもらいたいとして、今年6月に開催された格闘ゲームの大会「EVO2012」で「ストクロ」に出場して、見事世界3位になったプロゲーマーのときど氏、ふ~ど氏が登場。

 プレイでは、ときど氏とふ~ど氏によるガチ対戦のエキシビジョン(この対戦ではときど氏が勝利した)に始まり、2人でタッグを組んで最高難易度設定にしたCPUとの対戦を披露。その後「ストクロ講座」と題して、2人がメインキャラとして使用しているダルシム、コーディー、チュンリー、ジュリアを中心に、使いやすい有効な技やそこからのコンボ、扱いやすい対空技などをレクチャーした。

 また、ふ~ど氏からは、「チュンリーは強く立ち回れるキャラなので基本的にチュンリーで試合を展開し、ジュリアを火力要因として活用。チュンリー始動でのコンボでジュリアにキャンセルチェンジし、ジュリアの火力でダメージを与え、コンボ終わりにまたチュンリーに戻す」といった、より実践的でタッグバトルのストクロならではな考え方も聞けた。

【ときど氏、ふ~ど氏がガチ対戦!】
世界3位ペアである2人がガチ対戦! 精度が高く、ビリビリとくるような対戦模様に会場からも声が挙がっていた。ちなみにこの日はときど氏が勝利した

【ストクロ講座で有用な技を紹介】
2人のメインキャラであるダルシム、コーディー、チュンリー、ジュリアを中心に、立ち回りに使うといい高性能な技などを紹介。弱攻撃からでもコンボに繋がることを活かして、差し込みと、それに対抗する潰しを紹介していた

【控えターンパンチ溜めからのコンボも披露!】
タッグバトルならではの強烈なコンボとして、バイソンのボタン長押しで威力がアップするターンパンチを、控えの状態(もう1人のキャラが戦っている最中)に溜め続け、コンボからのキャンセルチェンジで最大ダメージを与えるというコンボを披露! 総ダメージは1279! (どのキャラも体力設定はおおむね1000ほど)。こうした、「ストクロ」ならではのコンボも生まれている

 イベントの最後に綾野氏から発売を間近に控えた本作について、PS Vita版ではPS3版とも対戦が可能なので、世界のプレーヤーと存分に対戦して頂きたいと、ストクロをより幅広く多くの人に楽しんでもらいたいという期待を込めたコメントを述べ、ステージを締めくくった。

【公式大会も開催間近!!】
ストリートファイター25周年の記念公式大会や、レッドブル5Gでの大会など、「ストクロ」の大会も今後に行なわれる

【新アートワークス発売やキャンペーン】
「ストリートファイターアートワークス 覇」に100ページ近くの追加ページと描き下ろしを加えた「ストリートファイターアートワークス極(仮)」の発売が決定! また、公式サイトに掲載されている「ストクロ」のエピソードムービー内に出てくるクマとブランカの数を当てると、抽選で特別称号“全知全能”がプレゼントされるキャンペーンも実施される

「レイトン教授VS逆転裁判」
(C)LEVEL-5 inc. (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
「エクストルーパーズ」
(C)CAPCOM CO., LTD. 2012 ALL RIGHTS RESERVED.
「ストリートファイター X 鉄拳」
(C)CAPCOM U.S.A., INC. 2012 ALL RIGHTS RESERVED.
(C) 2012 NAMCO BANDAI Games Inc.
※開発中の画面です。変更される場合があります。

(2012年 9月 24日)

[Reported by 山村智美/中野信二]