「東京ゲームショウ 2012」、来場者数は今年も過去最高を更新

シリーズ大作がズラリ、ソーシャルゲームの特別アイテムの配布など


開催期間:9月20日~9月23日 開催(20日、21日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:前売1,000円/当日1,200円(一般)
    無料(小学生以下)



2日目の会場前。以前は大きな横断幕など各企業が広告を掲出していたが、近年では残念ながら少なくなった
2ホールから3ホールにかけて2階から撮影したところ。コーエーテクモゲームスの向こう側にはセガ、その奥にはKONAMIブースが位置していた

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、9月20日から23日(20日、21日はビジネスデー)にかけて幕張メッセにおいて行なわれた国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ 2012」の来場者数統計を発表した。4日間合計の来場者数は223,753人で過去最高となった。また、1日あたりの過去最高入場者数も、昨年の記録を大きく塗り替え22日に94,989人を記録した。

 毎年我々編集部も4日間を通じ会場に足を運んで取材しており、だいたい人の多さを計り知ることができるが、今年の3日目は確かに「多いなぁ」といった印象だった。一昨年前は「闘劇」が開催され相乗効果を上げ、昨年は新型ハードPlayStation Vitaの発売を直前に控え対応ソフトが多数並ぶと共に、携帯コンテンツやソーシャルコンテンツが大きく牽引した。今年はさらにそれが押し進められ、スマートフォン用のアプリやソーシャルコンテンツが大幅に増え、人気を集めた。特にソーシャルコンテンツの限定アイテムの配布にはいずれも多くの人が集まり、各社を牽引した。今年は残念ながら最終日が雨となり客足が若干鈍かったが、もし晴れていればさらなる集客が見込めただろう。

 一方で、ソーシャルコンテンツは試遊には向かないため、人が1カ所に留まることはそれほどなかったが、逆にコンシューマー系のタイトルの話題作には来場者が殺到する形となり、150分待ちといった状態となった。最初は行列を作っていた試遊台も、人が増えるにつれ新たに列ぶ来場者を制限するようになり、さらには整理券の配布といったような状況となった。各社の人気シリーズのタイトルは軒並み人気を集め、整理券のないタイトルで1タイトル遊ぶと半日は吹き飛んでしまうような状況となった。最終日に開催された「日本ゲーム大賞 フューチャー部門」で司会を務めたよゐこの有野晋哉さんは「早めに入って会場を見たけど、10時30分にはもう試遊できない状態だった」と振り返ったように朝一番に来なければ遊ぶのは難しい状況だ。ただ、行列については列の逃がし方がこなれてきたこともあり、南側に位置する大手ブースは裏に列を逃がすようなブースの構造を採用し、通路側でイベントを行なうようになっていた。

 GREEやgloopsといったソーシャルゲームのメーカーやスマートフォン用のコンテンツを手がけるメーカーが数多く出展していたこともあるが、大手メーカーも自社ブース内で大きく場所を割いて紹介していたのも今年の特徴だろう。セガやKONAMIのブースでは約1/3がスマートフォン、ソーシャルゲームを取り扱っていた。プラットフォーマーであるソニー・コンピュータエンタテインメントでも表にPlayStation Mobileのコーナーを設置し試遊台を展開していた。来年も同様の傾向が見られると思うが、やはり試遊に向いているコンシューマー系のタイトルが中心となるのは来年もまだ変わらないだろう。

 また、今年の特徴的なことの1つに会場内のWi-Fi使用禁止が挙げられる。とはいえ、メーカーのブースでアイテムのすれちがい配信などが行なわれていたので、「会場ではWi-Fiのスイッチをお切りください」と書かれていたものの、徹底はされてなかった印象だ。電波の過密化は致し方ないので、こういった処置も理解できる。そのかわり2階のコンコースには無料LANスポットが設置され、多くの人が集まって利用していた。また、「すれちがい通信」と「対戦広場」として「青の広場」と「赤の広場」が設置されていたが、どれくらい利用されていたかは今ひとつ計りようがないところだった。

 今年出展されたタイトルはこれから年末、来年にかけて発売されていく。また今回のゲームショウでも何タイトルかが出展されていたが、年末にはWii Uが発売されるため、各種タイトルがゲームファンをさらに楽しませてくれることだろう。また、さらなる進化が見込まれるスマートフォンのアプリに来年はどういったタイトルが並ぶのかも楽しみなところだろう。

【東京ゲームショウ2012来場者数統計】
開催日201220112010
9月20日
ビジネスデー
27,391人25,631人24,764人
9月21日
ビジネスデー
24,504人27,042人24,229人
9月22日
一般公開日
94,989人
(内ファミリーコーナー 16,760人)
86,251人
(内ファミリーコーナー 8,798人)
81,469人
(内ファミリーコーナー 9,221人)
9月23日
一般公開日
76,869人
(内ファミリーコーナー 15,616人)
83,744人
(内ファミリーコーナー 14,848人)
77,185人
(内ファミリーコーナー 13,156人)
全日程223,753人
(内ファミリーコーナー 32,376人)
222,668人
(内ファミリーコーナー 23,646人)
207,647人
(内ファミリーコーナー 22,377人)


KONAMIのブース。スマートフォンやソーシャルゲーム系のコンテンツが好調な同社ではブースの約1/3がそういったジャンルに割り当てられ、これが非常に賑わっていた。ちなみにブース中央が「METAL GEAR RISING REVENGEANCE」の試遊コーナー、その奥がイベントステージセガのブースも約1/3がスマートフォンなどのアプリ系のブースとなっていた。なかなか注目度も高かったようだ
GREEブースは昨年と同様大きなブースでアイテムの配布やイベントの開催などが行なわれ、終日多くの人で賑わっていたこれまたアイテム配布などで多くの来場者が集まっていたgloopsのブース。コンパニオンさんの人気も高かった模様
コンシューマー系のタイトルでは圧倒的な強さを誇ったカプコンブース。「モンスターハンター4」の試遊台は整理券の配布が行なわれたにもかかわらず、周囲はいつも人だかりとなっていた。また、他のタイトルも軒並み人気が高く、どの試遊台も整理券を配布するといった手段を講じたりしていた「ドラゴンクエストX」のイベントが開催されると特に人だかりになり、なかなかブースに近寄れないほどの大混雑となっていた
待ち行列を後ろに逃がすためのブース構造となっており、表から見るとスッキリしているが、内部は迷路になっていたSCEJブース。また、PS Vitaを使用した面白いイベント「東京ゲームショウ探偵団~消えた女スパイを探せ~」などの企画も良かったステージを廃して試遊台をたくさん用意して、徹底的に遊んでもらおうというオーソドックスながらゲームファンには好感触なブースを展開したレベルファイブ今年1番の変わり種ブースだったが、かなり多くのファンを引きつけたブシロードのブース。ブース中央にはリングが設営され、実際にプロレスの試合が行なわれ、多くの来場者を喜ばせていた。ちなみに、場外に落ちフランチャーをかますといった試合展開もあり、本物を近くで見る迫力はかなり楽しめた。実況解説も行なわれ、ブースは盛り上がりをみせた
「ファンタシースターオンライン2」のPS Vita版の試遊台では整理券の配布が早々に終了。それでも諦めきれない人のためにキャンセル待ちまで出来上った
「DEAD OR ALIVE 5」の普通の試遊台でも50分待ち。勝ち抜き対戦コーナーに至っては行列が規制されてしまったソーシャルゲーム系のブースではこのようにアイテムが配布され、多くの来場者が集まっていた

(2012年 9月 23日)

[Reported by 船津稔]