TGSフォーラム「ゲームビジネスセッション」レポート
「PSO2」の酒井氏、「パズドラ」の山本氏、「イージーダイバー」の飯田氏が語る“ソーシャルの明日”
東京ゲームショウ2012のビジネスデイでは、ビジネスをテーマした有料の専門セッションも多数行なわれた。本稿では「ゲームビジネスセッション」を取り上げたい。テーマは「新しいゲームのカタチとは? ネットワーク時代のゲームビジネス新事情」。
登壇者は、「ファンタシースターオンライン2」のプロデューサーを務めるセガ第三CS研究開発部プロデュースセクション酒井智史氏、「パズル&ドラゴンズ」プロデューサーのガンホー・オンライン・エンターテイメント執行役員第1企画開発本部 パズドラスタジオプロデューサーの山本大介氏、LINEゲームスでサービス予定の「イージーダイバー」のディレクターを務めるグラスホッパー・マニファクチュアの飯田和敏氏。司会は日経ビジネス副編集長の瀬川明秀氏。
このセッションは実際にオンラインゲーム、ソーシャルゲームを運営・開発者を対象に、現在のビジネスに疑問を投げかける非常に内容の濃いセッションになった。「ガチャビジネスに対しての疑問」、「ソーシャルゲームのゲーム性」、「基本プレイ無料アイテム課金ビジネスのユーザーへの姿勢」など、現在様々な場所で議論されている問題に対し、それぞれのタイトルから、クリエーターの視点、運営者の視点で現場の意見が語られた。
■ スクラッチだからこそできるアイテム提供。クラウド化に夢を託すこれからの「PSO2」
「ファンタシースターオンライン2」のプロデューサーを務めるセガ第三CS研究開発部プロデュースセクション酒井智史氏 |
「PSO2」はゲームデータを共有し、PlayStation Vita、スマートフォンでも楽しめる。ここには酒井氏の夢が託されているという |
「ファンタシースターオンライン2(以下、「PSO2」)」は2012年7月4日、正式サービスが開始されたWindows向けMORPGで、基本プレイ無料アイテム課金制となっている。登録ユーザーは現時点で95万IDを突破している。酒井氏は基本プレイ無料というビジネスモデルを採用するにあたり、これまでのサービスから得た経験を元に「エネミーと戦い、自分でアイテムを集めてコレクションし、さらなる強敵に挑む」という“本質”を見失わず、課金要素はキャラクターへの思い入れや、より深い楽しみを実現するために設定したという。
「PSO2」では“スクラッチ”というくじ(ガチャ)を導入しているが、ここも過去の経験が活きている。コスチュームなどのアイテムを提供する場合、アイテムを直接販売する方法もあるが、男女のコスチュームを作っても男女で売り上げが大きく違ってしまったり、人気にばらつきが生まれてしまった状況があった。そうなるとビジネスの方向として、人気が予想されるアイテムのみを販売する極端な方向に行きかねない。スクラッチによる販売はこういった状況を避け、多様なアイテムの販売を可能にできるという。
また、得たコスチュームをゲーム内マネーで販売できることで、無課金のユーザーや、特定の服が欲しいユーザーに入手の機会を与え、かつ販売したユーザーはゲーム内マネーで他のコスチュームなどを入手できる。この他課金ポイントの消費やユーザー同士の交流で得られる「FUN」というポイントを導入するなど様々な施策も行なっている。
こういったビジネスモデルにできたのは、キャラクタークリエイトに特徴があり、プレーヤーがキャラクターに愛情を注ぐ傾向が強い「PSO2」だからこそできたからではないかと酒井氏は指摘し、タイトルに合った課金方法を考える必要があるのではないかと語った。
そしてオンラインゲームはユーザーと成長を続けるゲームであるとして、酒井氏はさらなるユーザーの繋がりを「PSO2」にもたらしていく“次のステージ”を提示した。「PSO2」はキャラクターデータを共用できるPlayStation Vita版を2013年春に発売し、さらにキャラクターにアクセスできるスマートフォン版も2012年冬に展開する。これらの施策により、オンラインゲームで起こりやすい“ユーザーの固定化”に変化をもたらし、異なるユーザー層の相互流入をはかっていく。
この方式は、今後進んでいくゲームのクラウド化の過渡期の形であり、また、1つのIPを異なるハードで販売する場合、以前のユーザーの資産が無駄にならないようにしたいという酒井氏の“願い”も込められているとのことだ。「PS Vita版、Android版をゲームショウで出展しています。ぜひ見て下さい」と酒井氏は語った。
■ 「パズドラ」をずっとプレイし続けて欲しい。従来と真逆なポカポカ運営
「パズル&ドラゴンズ」プロデューサーのガンホー・オンライン・エンターテイメント執行役員第1企画開発本部 パズドラスタジオ山本大介氏 |
山本氏は“ポカポカ運営”というタイトルで、「パズル&ドラゴンズ」の運営を、“北風と太陽”の童話にちなんでノウハウを語った。ポカポカ運営とは、北風と太陽における太陽のような、旅人が自主的にコートを脱ぐような、「ゲームをずっと続けてもらえる」運営を目指す。
「オンラインゲーム、ソーシャルゲームの運営はともすればユーザーに課金を強いる北風運営になっているのではないか」と山本氏は問いかけた。課金をしなければ越えられないハードルを設けてしまい、「課金ユーザーは2割3割残っていれば良い」という風潮がある。「最初にいかに課金をさせるか」を目標にした結果、ユーザーの離脱を必然と捉え、残ったユーザーの単価を上げていくという経営方針を取っているタイトルが多いのではないかと指摘する。
山本氏の目指す“ポカポカ運営”は、この北風運営の真逆のものだ。いかにゲームを続けさせるかが重要であり、無課金でもずっとプレイが続けられるようなゲームデザイン・運営を心がける。課金しないと遊べないコンテンツを作り、ゲームをプレイすることを課金で制限するのではなく、無課金でずっとプレイでき、課金ユーザーも無課金ユーザーもずっと遊び続けられるのが、最高のバランスではないかと山本氏は考えているという。プレイを続けてくれるユーザーがいつか課金ユーザーとなってくれることを目指す。
現在「パズル&ドラゴンズ」は7カ月サービスを行なっているが、プレイ開始から課金した人は10日間で全体の50%、それ以降7カ月たってから初めて課金を行なうユーザーも少なくなく、多くのユーザーに続けてもらえることこそ収益を上げる方法だと、山本氏は主張する。
レアカードのようなアイテム配布によるユーザーの誘導や、Twitterで定型文をつぶやいての告知はしないというのも山本氏が心がけていることだという。いつも定型文を言ってくるようなTwitterはフォローを解除してしまう。また、友達誘うとアイテムをもらえるようなプロモーションは、誘われた友達はアカウントを登録しただけで義務は果たしたとして、ゲームはプレイしない。これらは、友達をアイテムにしか見ていない方式であり、ユーザーを無理矢理タイトルに触らせようとする施策は離脱率を高めるだけである。
定型文で宣伝するTwitterに対するものとして「パズル&ドラゴンズ」で用意したものは、“ムラコ”という運営とユーザーのクッションとなる存在だ。ムラコがユーザーと交流することで、ユーザーが自主的にゲームに関してつぶやくような状況を目指している。しかし、やはり公式アカウントなため、こちらに意見を寄せてくるつぶやきが7割近くある。厳しい意見も少なくない。だが、そのうちの90%はゲームに対する要望であり、今後の運営・開発の参考になるという。公式アカウントの運営は、叩かれることも多いが、今後の力になってくれる存在となっているという。
他にもエンターブレインなどメディアに攻略記事を作成してもらい、その記事をゲーム内で直接リンクするという方式もとっている。ゲームにつまずくユーザーに攻略情報を提示することができ、一方でゲームの外でのコミュニティを活性化させる仕掛けともなっている。ゲーム内だけでコミュニティを完結させないようにすることで、外部からのユーザーの流入も誘え、メディアの知名度も上げるWinWinの関係を築けているという。
そしてサーバー運営をミュージシャンの“24時間ライブ”と捉え、調子が悪いときはアーティストの喉の調子が悪い状態と同じだと考え、補償を厚く行なっているという。「パズル&ドラゴンズ」はサーバーの不具合には、課金アイテムの魔法石を補償するようにした。サーバーの不具合にはユーザーからのクレームが殺到するが、魔法石配布などの対応を行うことで、ユーザーが不具合を期待感に変えている側面がある。不具合に対ししっかり補償を行なうことが大切だと山本氏は語った。
また、「パズル&ドラゴンズ」の月間でのユーザー動向で特に注目しているところが、見ているのが1カ月当たりのユーザーの課金金額だという。できるだけユーザーの負担を1カ月でパッケージソフト1本分に押さえることを目指し、課金額が上がりそうなときは報酬の多いイベントなどを実施することでユーザーの支出を抑えるような形にしている。ここは山本氏の独断と偏見の部分もあると断りながらも、ユーザーの支出を抑えるバランスであることを重視しているという。こうすることで8割以上のユーザーの継続率を達成しているという。
最後に山本氏は、「ポカポカ運営は巷で言われているソーシャルゲームの運営と真逆の方法であるが、ユーザーの継続に繋がる方法であり、最終的には経営的にもうまくいく方法であると思います。是非一度お試し下さい」と語った。
現在多くのソーシャル・オンラインゲームが行なっている施策と真逆の方針こそが、ユーザーが長くゲームをプレイできる環境だと山本氏は主張する |
■ LINE上で“仲良くなる”事を目指し、再出発する「イージーダイバー」
「イージーダイバー」のディレクターを務めるグラスホッパー・マニファクチュアの飯田和敏氏 |
飯田氏は「22世紀のための準備運動」として、最初に「スペースインベーダー」との出会いから、自身の経歴を語りその後自身のネットに関連する活動を語った。「アクアノートの休日」や「太陽のしっぽ」等ユニークなゲームを作っている飯田氏だが、ネットコミュニティとの関係も深いとのことだ。
1999年の「巨人のドシン」でゲーム内のキャラクターとしてユーザーとのコミュニケーションを経験した。2009年の「ディシプリン*帝国の誕生」ではニコニコ動画で発売前にエンディングまでの実況プレイを行ない、1日に10万アクセスを記録した。これは「メーカーの宣伝行為に当たるのではないか」とされたが、その後規約そのものが変わるきっかけになったという。
こういったネットコミュニティへも働きかけを行なっていた飯田氏が作るオンラインゲームが、ハンゲームの“LINEゲームズ”としてサービス予定の「イージーダイバー」だ。2011年夏に開発がスタート、“みんなで遊ぶ海底探索”として「アクアノートの休日」のオンラインゲームをコンセプトに、PCでもサービスを予定していたが、スマートフォン・タブレットPCに特化したUIにした。ヘルプや説明書の要らない直感的に操作できるゲームを目指した。
このゲームは2012年に完成する。しかし、“LINEゲームズ”に加えることに決定し、軌道修正を行なうことにした。LINE ゲームズに合わせたUIにするため、世界観そのものも見直した開発を行なっている。これまで「イージーダイバー」で追求した作家性から、よりゲーム初心者、ゲームに触れたことのないLINEユーザーに向けたゲームとして作り直しているという。
ここで飯田氏はお蔵入りになってしまった旧「イージーダイバー」を公開した。残念ながら写真撮影は不可だったが、海底をタッチ操作で快適に移動でき、UIは非常にポップで、リアルに描かれた魚たちと戯れることができる。ソーシャルゲームのように画面下には友人が表示でき、まるで魚に餌を与えるように魚をタップすると画面下の友人が魚めがけて飛びこんでいく。アバター化したダイバーが画面を横切ったりもして、ボスも登場するという。とても魅力的なゲームだと感じた。
飯田氏はしかしこのゲームをボツにすることを決断し、より現実の海に近いゲームにしていくという。LINEという友人と会話できるプラットフォームでサービスする上で、旧「イージーダイバー」のポップな装飾は邪魔ではないかと感じているという。飯田氏は「悩んでいるときこそ決断する。リスクがある方が面白いし、なによりもこのTGSフォーラムで作り直すといった方が“受ける”。その反応が6,000万人を越えるLINEユーザーに伝わってくれれば良いなと思ってます」と語った。
ゲーム開発はこのように大きく変わっていく、しかし変わらないものもある。飯田氏はここから未来に向けたゲーム作りを語っていく。プレーヤーの消費スタイルは変化する。メディアも変わっていくが、“最先端なもので遊びたい”という欲求そのものは、変化しない。一方、クリエイター側も求められるコンテンツに合わせ制作スタイルを変化させていく一方、こちらでも“最先端なもので遊びたい”という欲求は変わらない。“成功”とは、プレーヤーとクリエイターが距離を近付かせ、両者がうまく遊んでいくというものだと飯田氏は定義する。
しかしそれはプレーヤーが望むままクリエイターが対応するというものではない。成功しているコンテンツにはリーダーシップを取る、責任を取るクリエイターがいなくてはならない。ゲームはプレイしていない人から、バッシングの対象になりやすい。自らバッシングの対象になる状況を作るのではなく、賢く、うまくやっていく必要がある。そして求められるのは成功しているビジネスモデルではなく、“遊び”ではないかという視点、そのビジネスモデルは“遊べるのか”、その問いかけではないだろうか。飯田氏の定義する“遊び”とは「役に立たないこと」。それは未来において役に立つ可能性がある。
ここで飯田氏はあえて遊びそのものの定義を深めず、遊びのもう1つの側面を語る。遊びは仲のいい人とより仲良く、見知らぬ他者とも仲良くなれる。仲良くなりたいというのは、人間の本能に根ざす欲求だ。ソーシャルゲームはこの欲求を満たす遊びであり、飯田氏の目指す“仲良く”は、将来的にコミニュケーションが可能になるかもしれない人間以外の生き物も内包していく。
「イージーダイバー」は驚異の海の生物との出会いを描きつつ、LINE上の友達と遊んでいくことを目指す。それは役に立たないものかもしれない。「イージーダイバー」に夢中になりすぎて、現実の海を忘れてしまうような、自然との対立が起きてしまうことも考えてしまう。しかしそうではなく、夏だけでなくどのシーズンでも我々は海と共にある、ということを意識できるものになってくれる。バーチャルな海で友人と戯れるのは、現在では役立たないかもしれないが、しかしここを丁寧に作ることで、未来に役立つものを作れるかもしれない。それが新しい「イージーダイバー」で目指すところだという。
この上で最初に提示した「22世紀のための準備運動」に立ち戻ると、“予測はいらない”と飯田氏は語る。今の問題を考え、今役に立たないかもしれない“遊び”をテーマにしたゲームを作っていこうと、ソーシャルゲームを作ろうとしたときに改めて考えるようになったと飯田氏は語った。この決意が22世紀に繋がると言うことに気がついたことで、飯田氏は俄然やる気が出てきたという。
前の2人と比べ、いささか難解で独特の思想が感じられる飯田氏のスライド |
■ 3人のゲームクリエイターが予測する1年後のゲーム、ガチャの次の楽しさ
司会を務めた日経ビジネス副編集長の瀬川明秀氏。 |
3人のそれぞれの発表が行なわれた後、様々な議題で話し合う「ゲームビジネスセッション」となった。司会の瀬川氏は、「自分が思うゲームの実現と、ビジネスとしての成立はどうやっていくか、その上でのスケジュール、ビジネスのタイムスケジュールを教えて下さい」と質問した。
酒井氏は「『PSO2』の様な作り込んだゲームの場合、1年後、2年後というスパンで考えなくてはいけない部分があります」と応えた。そして運営については、3年、5年という運営スパンと考る。それと共に、“ライブ感”も大事にしていかなくてはならない。ユーザーの意見を考えて変えていく、バッファと言える部分もなくてはいけない。“決まってるからこれ出していかなくてはダメだよね”ということだけをやっていたら、絶対に失敗するという。
山本氏も2年は遊べるゲーム設計で、1、2週間先を見た運営を行なっている。「パズル&ドラゴンズ」はダンジョンや、ガチャのラインナップなどはサーバーで管理できる。1週間違うダンジョンが登場する「曜日ダンジョン」も運営を続けながらj実現したものだ。汎用性をできるだけ持たせ、アップデートを行なわず追加していく仕組みに作っていくのが大事だと山本氏は語った。
ここから話の流れで、「ヒットするゲームというのは運とも言える」と山本氏は発言した。これに対し「運を上げるにはどうすれば良いのか」と瀬川氏から質問が上がった。山本氏は「奥さんに意見を聞く」と応えた。スマートフォンはカジュアルなゲームが求められる、アルファ版というまだフレキシブルに動ける段階で、色々な立場の人から意見を聞くのがいいのではないかという。開発者は面白いゲームを目指しているが、ぶっちゃけ体験は言いにくいところもある。実は奥さんの意見で変わった部分もあるという。
飯田氏は「僕は、ビジネスの話しをするにはふさわしくない。『100年待ってろ』という感じですかね」と語った。現代には1,000年前の壁画も修復されながら残っている。ゲームもそういった人類の歴史に残る文化になっていると、飯田氏は確信を持っているという。飯田氏が考えているのは、LINEゲームズで1日で200万ダウンロードを記録したパズルゲームだが、その記録はすごいが、実はダウンロードしていないLINEユーザーは6,000万以上いる。この残りの人達にどうダウンロードさせるか、それを考える方がビジネスとしてまっとうではないかと語った。
次に瀬川氏が投げかけたのが「ガチャの次に提示できるゲームの楽しみはどんなものか?」というもの。酒井氏は「クラウドです」と応えた。どんなデバイスでも同じゲームができるというのは、酒井氏の考える理想に近い形だという。「PSO2」はその過渡期であり今後実現していきたい目標だ。
山本氏はスマートフォンの場合、パイ全体が増えてきている状況にあり、今後は尖ったゲームを作ってもコアなビジネスが成立するのではないかと語った。「僕の好きなように作れれば嬉しい今度は全然違うゲームを作りたい。何か今は言えません」とのこと。
飯田氏は東京ゲームショウの会場で「コール オブ デューティ ブラックオプスII」のムービーを見て“アガった”という。コツコツ細かいゲームで当てて、時々「コール オブ デューティ」の様な超大作ゲームを手掛けたいというのはやっていきたいとのこと。「僕の作る『「コール オブ デューティ』はもっとピースフルなはずです。誰も知らないものになります」と飯田氏は語った。
ここから超大作を作るという話になり、酒井氏はスマートフォン向けのゲームと、超大作では、ユーザーのニーズは変わり、求められるものも変わると指摘した。超大作の場合は、映画と違って中心人物の手が届かなくなるところが多くなっていく。作り手個人個人の考え方が出てきてしまうという。プロジェクトを回す上で、多くのスタッフをどう制御していくか、特にオンラインゲームの場合は、モチベーションを保つことが大変になり、保てる人間が中心になるしかないと語った。
飯田氏は「僕はとても無理かな」と言ってから、一度考え「でも3年開発をするということはあるので、そういう意味では3年モチベーションは保ててますね」と語った。山本氏は「パズル&ドラゴンズ」はショートスパンで作れる一方、入れられないこともたくさんあり、ユーザーの要望に応えながら、自分がやりたいものを実現し続けていく楽しさがあるという。
最後の質問は、「来年のゲームは?」。酒井氏は「結局面白いゲームが残るんじゃないのか、というのが今回の3人が語っていたことだと思う。だからこそソーシャルゲームもカードゲームばかりじゃなく、もっとゲーム寄りのものが出てくる、そういう希望を持っています。ユーザーとしても楽しみです」と語った。
山本氏は「現在のApp Storeのランキングの多くが外側だけを変えたカードソーシャルだったりするのですが、来年にはもっとゲーム性の高いものが台頭してくると思っています。結局ブラウジングしてるだけの、音すら鳴らないゲームは現在の高性能のスマートフォンでは勝負が厳しくなると思います」。
飯田氏は「現在3歳の子供が4歳になる。4歳の子供は確実にゲームをする。そして4歳の子がゲームに触っていることに対し、眉をひそめるということを、僕らはしなくなるのではないでしょうか。ゲームへの参加障壁が低くなっていく中、僕らはその子を“逃がさない”ということが大事でしょうね」と語った。
(2012年 9月 23日)