「東京おもちゃショー2012」ゲームキャラクターレポート
ゲーム界を代表して存在感を示すマリオ、ポケモンや、カプコン、スクエニブースも
東京おもちゃショーは、夏休みから年末にかけての最新の商品が出展されるおもちゃの見本市だ。様々なおもちゃメーカーが、自社の代表的なブランドの最新作や、スポンサーをしているアニメや特撮などのキャラクターの関連商品を展開している。
そんな中で、本稿では「ゲームキャラクター」に特化しておもちゃショーを見ていきたい。ゲームのグッズというのはプレーヤーの夢である。コンピューターの中のキャラクターを実際に手に持ってみたり、様々な形で触れてみたい。昨今では模型やフィギュアなども展開するようになった。おもちゃショーでは、どんなゲームキャラクターにスポットが当てられたろうか?
■ おもちゃショーでも大人気のマリオ。ラジコンマリオカートや、エアホッケーも
任天堂の「マリオカート7」を題材としたラジコンで実際にレースができる。おもちゃショー会場で対戦できる |
エポック社のマリオをモチーフとしたゲーム |
おもちゃショーで大きな存在感を放っていたゲームキャラクターは、「マリオ」だった。だれもが知っている、人気のキャラクターであるマリオは、おもちゃショーでいくつかのメーカーがモチーフとした商品を展開していた。
その中でも最も目立っていたのが、タカラトミーの「マリオカート7」シリーズだ。任天堂のニンテンドー3DS向けレースゲーム「マリオカート7」を題材としたラジコンで、「ドリフトスペック アールシープロ マリオカート7 マリオ」、そして「ヨッシー」、「クッパ」、「キノピオ」が発売される。発売時期は10月で、価格は5,040円。そして“プロ”の表記を抜いた「ドリフトスペック アールシー マリオカート7 マリオ」と「ルイージ」が、同じく10月に3,675円で販売される。
プロと、通常版の違いは通信方法の違いにある。プロはBluetoothで通信し、最大10台で通信可能。車の速度を2段階に切り替えることができ、通信範囲は最大10メートル。上級者向けのハイスペックモデルという位置づけだ。対する通常版は赤外線通信で、2人までの対戦、車のスピードは遅めだ。送信距離も1.5メートルとあまり広くない。こちらは初心者向けモデルだという。
会場では専用コーナーが作られ、レースを楽しむことができた。広めのコースをハイスピードで進むカート達は、模型メーカーのレース用の本格的なラジコンに全く引けを取らない。低年齢層には難しく、だからこそ大人がのめり込めそうな「本格的」な雰囲気だ。しかし、この商品はただの本格ラジコンと言うだけでない。車体の真ん中に「ドリフトタイヤ」がついており、これにより極めてドリフトしやすくなっているのだ。マリオカートそのままの、ドリフトしまくりのレースを再現しているのである。
また、タカラトミーでは「チョロQ マリオカート7 IRバトルタイプ マリオ」、「ヨッシー」、「クッパ」、「ルイージ」も発表していた。こちらは3,990円で8月発売予定。チョロQサイズの小さめのラジコンで、2人での対戦が可能。こちらも赤外線通信だ。
面白いのは“アイテム”ボタンがついており、スターやボム、甲羅などのボタンを押すことで、対戦相手を邪魔できる機能がついているところだ。また、ハンググライダー型の屋根がついており、このラジコンのためにデザインされた「チョロQ マリオカート7 DXフライングサーキット」を走れば、池を飛び越えるアクションが楽しめるのだ。こちらはテーブルの上で楽しめるラジコンだ。
もう1つマリオで積極的に商品を展開しているのがエポック社だ。エポック社は「スーパーマリオ ストライクエアホッケー」と、「スーパーマリオ 一発逆転リバーシ10」の2点の新商品を展示していた。
「スーパーマリオ ストライクエアホッケー」はその名の通り、エアホッケーが楽しめる。卓上型のサイズで、ホッケーのパックもコイン大なのだが、スイッチを入れると本物のゲーム台と同じように、台から空気が吹きだし、パックを浮かせるのだ。サイズは小さいながら、本格的なエアホッケーが楽しめるのである。こちらは9月15日発売で、価格は4,179円。「スーパーマリオ 一発逆転リバーシ10」は“オセロ”タイプのリバーシ以外にも、中のシートを変えることで、すごろくや、チェスなど10のゲームが楽しめるのだ。こちらも9月15日発売で、価格は3,129円。
この他マリオのキャラクターのぬいぐるみを販売している三英貿易は、「デイジー」、「キャサリン」、「ヨッシー」の新作ぬいぐるみを準備中とのことだ。スケジュールや価格は今後正式に発表される。厚みのあるシールの「ぷくっとシール」や、「カービィ」のぬいぐるみといった商品も展開していた。
3種類のラジコンが登場。それぞれターゲットの客層と、性能が異なる | ||
本格的なエアホッケーや、ゲーム集など、マリオを題材に、多彩なゲームを | ||
マリオのぬいぐるみを販売する、三英貿易は新作も発表 |
■ 多彩な「ポケモン」グッズから、実際に「ゲットできる」2つのゲームをチョイス
モンスターボールのデザインが楽しい「ポケモントレッタ」 |
あこがれのマスターボールを商品化 |
「ポケモン」は、アニメ作品が放映されており、毎シーズンの映画放映に合わせた商品展開も行なわれるため、おもちゃショーでも多くの関連商品が出展されていた。本稿ではその中から“ゲーム”として面白かった作品を2点紹介したい。
「ポケモントレッタ」は、タカラトミーアーツが、7月中旬におもちゃ屋店頭やアミューズメントセンターなどで稼動を予定しているアーケードゲームで、1プレイ100円。プレーヤーは「トレッタ」というポケモンが入っているチップを使って、ポケモンバトルを繰り広げる。トレッタはスタート時には48種類用意される予定だ。48種類の中には「通常のピカチュウ」、「強いピカチュウ」など、同じポケモンでも強さが異なる場合があり、ポケモンの数としては、20種類が初期のラインナップだという。
トレッタは数枚がセットになった「スタートパック」も販売する予定で、最初はなくてもプレイできる。プレーヤーはコイン投入後、筐体のボタンとハンドルで項目を選び、街の外にポケモンを探しに行く。ポケモンと出会ったら、ポケモンバトル開始だ。トレッタがある場合、筐体にトレッタをセットすることでポケモンを召喚し、戦うことができる。ポケモンには「相性」があり、これをうまく組み合わせることで相手に大ダメージを与えることができる。逆に攻撃されたときは、筐体のボタンを連打して“頑張る”ことが可能だ。
勝負が終わると筐体のモンスターボールにタッチすることでルーレットを回し、モンスターの捕獲を試みることができる。勝負に勝ったり、モンスターボールのルーレットでいい目が出ると、捕獲の確率が上がる。最低でも1プレイで、1匹のポケモンは手に入るが、戦い方で3匹が捕獲可能になることも。その場合は、1匹につきさらに100円支払うことになるが、このようにして、ポケモンを増やしていくのだ。捕まえたポケモンが画面上でトレッタのチップに変わり、それがそのまま筐体から出てくるという演出が楽しい。ポケモン達のアニメーションも凝っていて、人気を博しそうなゲームだ。
もう1つ取り上げたいのが、「マスターボールBW(ベストウイッシュ)」という、モンスターボールの最上位“マスターボール”の形をした玩具。9月発売で、価格は3,990円。振動センサーを内蔵しており、実際に投げる動作でモンスターを捕獲することができる。ボールの中には液晶画面と、いくつかのボタンがある。プレーヤーはまず液晶画面を操作し、いくつかの選択肢からモンスターを探す。
ここでも振動センサーが使われており、木の上にいるポケモンを捕まえる場合は、木を揺するようにボールを揺する。そしてポケモンに出会ったら投げアクションで捕獲。モンスターの強さとタイミングで捕獲することができる。この時、回数制限付きで「マスターボタン」を押し、マスターボールを投げつけることができる。マスターボールを使えばゲーム内と同じで、捕獲が100%成功する。この時のボールの作動音はとても派手で、ボールを握る手にも思わず力がこもってしまう。
この他にもミニゲームや、捕まえたポケモンを確認することもできる。また同時に発売される「ポケモン図鑑BW全国版」とも連動している。こちらの価格は6,825円で、ポケモンはもちろん、アニメのキャラクターなど様々なデータが入っており、600種類ものポケモンを閲覧できるようになるという。
「ポケモントレッタ」は、トレッタを配置して、モンスターとバトルを繰り広げる | ||
振って楽しむ。「マスターボールBW」。右の「ポケモン図鑑BW全国版」とも連動 |
■ カプコンとスクウェア・エニックスもそれぞれの関連商品を出展
新たに「バイオハザード6」を展開 |
「FINALFANTASY TRADING ARTS 改 mini」が登場 |
この他、おもちゃショーではゲームメーカーとしては、カプコンとスクウェア・エニックスも出展していた。どちらも規模は小さいが、積極的にゲームグッズを販売しており、ゲームファンならばチェックして欲しいブースとなっていた。
カプコンは昨年から「カプコン フィギュアビルダー」という専門ブランドを立ち上げ、これまで主に「モンスターハンター」を中心に商品展開を行なってきた。最新作として「砕竜ブラキディオス」が今秋発売で、価格は8,190円となっている。さらに、「モンスターハンター」以外のキャラクターとして「バイオハザード6」のレオン・S・ケネディが登場することも発表された。
この他ブースでは、リボルテックヤマグチシリーズの「ハンター(レウス装備)」、ねんどろいどシリーズの「ハンターラギアXエディション」、さらにプライズでの「モンスターハンターDXスタチューモデルモンスターズ3」といった商品も紹介されていた。
スクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジー」、「ドラゴンクエスト」といった自社タイトルはもちろん、「メタルギアソリッド」、「ストリートファイター」、さらには「デウスエクス」など海外タイトルまで幅広い作品のグッズを展開しているメーカーだが、おもちゃショーではあえて「ファイナルファンタジー」、「ドラゴンクエスト」にしぼり、現在すでに発売中の商品を中心に出展を行なっていた。
その中で一押しなのが、「FINALFANTASY TRADING ARTS 改 mini」というブランドで、「ライトニング」、「ティファ」、「ティーダ」の3人が確認できた。等身の低いかわいらしいフォルムなのだが、細部まで細かく造形されており、表情の差し替えパーツもあり、凝った印象を受けた。発売日などは未定で彩色もされていなかったが、今後注目したい商品だ。
新製品を中心に展示していたカプコンブース | ||
対するスクエニは、発売中の商品が中心 |
(2012年 6月 14日)