2012年末発売予定とされたWii Uのタイトルが満載のNintendo of Americaブース。目玉タイトルである「Nintendo Land」については先にお伝えしたが、それ以外にも多数のタイトルが置かれている。

　Wii Uの特徴は大きく分けて2つある。1つはタッチスクリーンを搭載したWii U GamePadによる新しいゲーム体験、もう1つはハードウェアの性能向上によるHDグラフィックスのゲームプレイだ。後者についてはサードパーティー製タイトルでマルチプラットフォーム展開をするのに欠かせない。しかし任天堂自身は他のプラットフォーム展開は必要ないので、ファーストパーティー製タイトルは自ずと前者をアピールしたものが多い。

　本稿ではそれらのファーストパーティー製タイトルについて、実際にプレイした感覚を交えながらお伝えする。なおスクリーンショットはこちらの記事にも掲載しているので、合わせてごらんいただきたい。

■ 伝統的スタイルのゲームに“アシスト”が追加「New Super Mario Bros. U」

　任天堂の新ハードに欠かせないのが「マリオ」の新作。「New Super Mario Bros. U」は「マリオギャラクシー」のような3Dゲームではなく、3D横スクロールアクションのベーシックなスタイルを採用している。

　会場ではWii U GamePadとWiiリモコンを使って2人同時プレイが可能。キャラクターを動かすのはWiiリモコンのプレーヤーで、こちらは普通にゲームをプレイする。Wii U GamePadを持つプレーヤーは、そのプレイをアシストする。Wii U GamePadのタッチスクリーンにはテレビと同じゲーム画面が表示されており、タッチした任意の場所にブロックを置ける。

　例えば高いところに上りたい時、足場としてブロックを置いてもらえば、好きな場所からどんどん上れる（ブロックは時間が経つと消えるので、息を合わせる必要はある）。あとは単純に、穴に落ちそうなプレーヤーを救出できる。また敵をタッチすると、その敵を怯ませて少し後ろに下がらせることができる。

　この協力プレイの面白いところは、息を合わせて攻略するところだけではない。敵を踏みに行ったところで敵をタッチして後ろに下がらせて踏ませないようにしたり、大きなジャンプが必要な場所で進路をふさぐようにブロックを出したりと、妨害プレイも可能。Wiiリモコンのプレーヤーは最大4人まで同時にプレイできるので、Wii U GamePadの1人がひたすら邪魔をして誰が最後まで生き残るかという、「マリオ」シリーズでは伝統的なサバイバルプレイもこれまで以上に楽しめそうだ。

　ゲーム内容では、膨らんで空中に浮かぶヨッシーなど新しいフィーチャーも収録。ゲーム自体は伝統的な横スクロールアクションなので、「マリオ」ファンならずとも安心して遊べるゲームになっている。

他のプレーヤーをアシストするという新しい遊びを提供する「マリオ」の新作。5人で遊ぶとアシスト役も慌しくなりそう

■ Wii Uの遊びのアイデアを示す「Game & Wario」

テレビ側とタッチスクリーンのギャップがすごい「SKI」

　新ハードの登場に合わせて姿を見せ、ハードの特性を遊びながら教えてくれる「ワリオ」の名前を冠した新作がWii Uでも登場する。「Game & Wario」は、合計4つのゲームを収録したバラエティソフトで、いずれもWii U GamePadを使ってプレイする。

　1つ目の「ARROW」は、前方から迫ってくる敵を弓矢で撃退するゲーム。Wii U GamePadを縦に持ち、コントローラーの向きで矢を放つ方向を決める。ゲーム自体は単純だが、フィールドには地雷が置かれていることがあり、これに矢を当てると爆発して周囲の敵を吹き飛ばすといった戦略性もある。

　2つ目の「SHUTTER」は、指示されたキャラクターの写真を撮影するというもの。数人の顔写真が画面下に並ぶので、それと同じキャラクターを探す。Wii U GamePadはカメラの役割となり、スクリーンをカメラのファインダーのようにテレビのほうを向け、目的のキャラクターを探して写真を撮影する。撮影には、キャラクターごとに大きめの写真がほしい、といった要求があり、それに沿ったものをうまく撮影することで高得点となる。ただしキャラクターは動いたり隠れたりする上、似たような見た目のキャラクターが何人も出てくるので困惑させられる。

　3つ目「SKI」は、名前のとおりスキーを滑るゲーム。テレビではプレーヤーキャラクターの華麗な滑りが3Dグラフィックスで表示されているが、Wii U GamePadのスクリーンには上空から見たキャラクターとコースがシンプルに描かれている。コースの曲がり方に合わせて端末を左右に回すことでキャラクターをコントロールできる。

　4つ目の「FRUIT」は、2人以上のプレーヤーで遊ぶ、ちょっと変わったパーティーゲーム。最初のプレーヤーが街中に置かれたリンゴを盗み、他のプレーヤーがその泥棒が誰かを当てるという内容になっている。テレビは街全体を俯瞰する映像で固定されており、プレーヤーキャラクター以外にも多数のNPCや乗り物が行き交っていて、特定のキャラクターが見づらくなっている。Wii U GamePadのスクリーンには視点を切り替える機能があり、テレビ側で視覚になるタイミングなどを狙ってリンゴを盗んでいく。

　数個のリンゴを盗んだところで画面が切り替わり、次はどのキャラクターが泥棒（＝プレーヤーキャラクター）だったのかを当てる。最初のプレーヤーはWii U GamePadを他のプレーヤーに渡して、複数いる容疑者の中から犯人と思われるキャラクターを選ぶ。見事犯人を当てられるかどうかで勝敗を競うという内容になっている。

　いずれもテレビとタッチスクリーンの映像が非対称になるゲームで、「Nintendo Land」と同様、Wii Uのデモンストレーション的な内容になっている。

向かってくる敵を矢で迎撃する「ARROW」。タッチスクリーンを使って遊ぶ
「SHUTTER」はWii U GamePadをカメラに見立てた遊び
「FRUIT」は非対称なスクリーンを活用し、1つのWii U GamePadでみんなが遊べるゲームに仕上げた

■ 俺たちのヒーローが街のピンチを助けてくれる！「Project P-100」

　巨大なロボットに襲われる街で、ヒーローが住人を助けるために奮闘するアクションゲーム。シングルプレイ用のゲームで、操作はWii U GamePadで行なう。

　基本的にはアナログパッドで移動し、各種ボタンで攻撃するというベーシックスタイルのアクションゲーム。本作ではそれに加えて、救出した住人と力を合わせて発動する「Unite Attack」という攻撃が使える。発動には前準備としてタッチスクリーンに図形を描く必要があり、直線を引くと巨大な剣、丸を描くと巨大な拳、L字を描くと巨大なピストルが現われ、それらを使った強烈な攻撃を繰り出せる。

　「Unite Attack」は攻撃以外の用途にも使われる。倉庫のシャッターを開けるための大きなハンドルを回すには、「Unite Attack」の巨大な拳を使う。また倉庫の中に入ると、テレビでは倉庫の天井が邪魔になって中の様子が見えない。しかしWii U GamePadのスクリーンが倉庫内の映像に切り替わっており、そちらを見ながらプレイするという仕掛けもある。

　そういったWii Uならではの仕掛けも見所ではあるのだが、懐かしさを感じる2Dライクな感覚のアクション性や、多数のキャラクターで巨大な敵に挑む派手な演出、コミカルでちょっと間の抜けたヒーローのキャラクター性など、純粋なアクションゲームとしても十分魅力的な作品になっている。

小さなキャラクター達が巨大なスケールの敵に立ち向かう、アクションの気持ちよさも魅力

■ 小さなピクミンもHDではっきり見える「Pikmin 3」

　全世界で熱狂的な人気を誇る「ピクミン」の最新作。こちらはWiiリモコンとヌンチャクを使ってプレイする。Wii U GamePadはフィールドマップを表示するためのスクリーンとして使われ、ゲームプレイに直接的には関係しない。

　基本的なゲーム内容は変わっておらず、操作方法はWii移植版とほぼ同じなので、シリーズのプレーヤーならば戸惑うことなくプレイできるはず。グラフィックスがHD化されたことで、ワラワラとついてきては投げられるピクミン達が1匹ごとに鮮明に見えて、愛着度はさらに上がっている。

　ゲーム内容では、新たに「ロック（岩）ピクミン」が登場。投げたときの衝撃が大きく、硬いものを壊すのに向いている。もちろんそれ以外の普通の仕事もちゃんとこなせる。

　試遊台ではボスバトルモードも用意されていた。ボスモンスターはムカデのような外見をした巨大な生物で、全身が硬い殻に覆われている。そのままではダメージを与えられないので、まずはロックピクミンを投げて殻を壊していく。うまく壊してその下の体が見えたら、壊れた部分にあかピクミンを投げて攻撃。これでダメージを与えられる。

　元々はWii向けに作っていたものをWii Uに変更したという経緯があるだけに、Wii Uならではの遊びという点では薄いと感じるかもしれない。しかしゲームとしては十分快適に遊べているし、何よりもまだ開発中の作品だ。今後の進化も期待しつつ発売を待ちたい。

新登場の「ロックピクミン」が鍵になるボス戦も体験できた

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「Wii U PanoramaView」は、全方位の映像を収録したソフト。Wii U GamePadのスクリーンを窓代わりに、上下左右どこでも向いている方の映像が見られる。鳥の視点や京都の街など数種類の映像を収録