米Zynga、ソーシャルゲームプラットフォーム「Zynga Platform」を正式発表
月内に日本を含む16カ国に提供開始、事業トップは元SCEAのRob Dyer氏
Zyngaの公式サイト |
ZyngaのIPO関連資料から、ZyngaのFacebookへの強い依存体質が明らかになっていた |
ソーシャルゲーム世界最大手の米Zyngaは、ソーシャルゲームプラットフォーム「Zynga Platform」を3月中にサービスを開始すると発表した。展開予定地域は欧米の主要国に加え、日本、韓国、中国、タイなどのアジア諸国を含めた16カ国。利用料金は無料で、タイトル毎のアイテム課金によるサービスとなる。
Zyngaの自社プラットフォームによるソーシャルゲームの展開は以前から噂されていたが、2月のIPOを経て、GDC直前の3月1日、ようやく正式発表された。Zyngaはその売上の9割をFacebookを通じてあげており、総売上の12%をZyngaから得るFacebookも、フィードの利用方法等の点で、他のメーカーにはない特権的な機能を与えるなどして、他社が食い込めないほどの蜜月関係を築いていたが、投資家からはFacebookへの依存度が高すぎるとして、Facebook外でのサービス展開が求められていた。
「Zynga Platform」は、ソーシャルゲームに特化したゲームプラットフォームとして、自社タイトルのみならず、サードパーティーにも広く門戸を開く形で、「zynga.com」を通じてサービスされる。ログインには従来通りFacebook IDを利用し、Facebookのソーシャルグラフをそのまま持ち込んだ上で、「Zynga Platform」独自のサービスを利用しながら、ソーシャルゲームが楽しめる。
独自機能については、Facebookとは別枠のフレンド機能となる「zFriends」や、ゲームをプレイしながらのソーシャルストリームサービスの提供、プレーヤープロファイルの設定、ゲームをしながらのライブチャットなどとなっている。
そしてZyngaとしてもっとも大きなチャレンジとなるのはSAPの立場からプラットフォーマーへの転換となる。プラットフォームビジネスのトップには、元SCEAでPR(Publisher Relations)を担当していたRob Dyer氏を起用し、文字通りのゲームプラットフォーマーとして「Zynga Platform」を育てていく方針。
現時点では、Mob Science、Row Sham Bow、Sava Transmediaといった独立系のメーカーがサードパーティーとして名を連ねており、今後も、「Zynga Platform」へのゲームの実装を容易にする独自APIを年内に提供するなどしてパートナーを増やしていく。
なお、GDCではZynga COOのJohn Schappert氏(前EA COO、元Microsoft VP)が「Business、Marketing & Management」のトラックキーノートに登壇する予定で、「Zynga Platform」についていま一歩踏み込んだ発表が期待される。
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(2012年 3月 2日)