コーエーテクモ、PS3/Xbox 360「NINJA GAIDEN3」
マルチプレーヤーバトル(オンライン対戦)試遊会を開催


2012年3月22日 発売予定

価格:8,190円
    13,440円(コレクターズエディション)

CEROレーティング:D(17歳以上対象)


 株式会社コーエーテクモゲームスは、2012年3月22日発売予定のプレイステーション 3/Xbox 360用アクション「NINJA GAIDEN3」のプレスおよび業界関係者向けクローズドイベント「マルチプレイヤーバトル(オンライン対戦)体験会」を都内にて開催した。

 イベントには、ディレクターの安田文彦氏とマネージャーの植田慶徳氏が出席。安田氏は「前作から3年ぶりのシリーズ最新作。『NINJA GAIDEN』といえば、ハイスピードアクション、難易度が高いというイメージを持たれていると思います。『NINJA GAIDEN3』では、プレーヤーがリュウ・ハヤブサの戦いを体験し、感情を動かすようなアクションゲームを目指して作っております。ポスターなどにあるとおり、リュウ・ハヤブサの苦悩など、人間的な一面も描いています。アクションは、刀に1番注力しています。たとえば断骨(だんこつ)。敵に斬りこんで、そのまま一太刀に倒す。刀ならではの距離感で、敵を倒す、人を殺す手ごたえ、手触りを表現しています。それは、今日みなさんに試遊していただくマルチプレイヤーバトルも同様です。マルチプレイは色々ありますが、本モードは独自のゲームプレイを楽しんでいただけます」とコメント。

 試遊に先立ち、植田氏からマルチプレイヤーバトル“SHADOWS OF THE WORLD”モードの概要が説明された。「SHADOWS OF THE WORLDモードは、リュウ・ハヤブサを操作するストーリーモードと違い、名も無きひとりの忍者でプレイします。モード名称は、直訳すると“影の世界”。単純にオンラインモードという名前にしなかったのは、シングルでも挑戦できる“NINJA TRIAL”というモードがあります。前作でも採用しているCO-OP、シングルに対応するモード。そして今回体験していただく8人対戦のCLAN BATTLEになります」といい、まずはTeam NINJAスタッフによるデモプレイが行なわれた。


ディレクターの安田文彦氏マネージャーの植田慶徳氏

 オンライン対戦「CLAN BATTLE」は、全世界のユーザーと対戦が可能。基本は4対4のチーム戦で、制限時間5分の間に相手を殺した数「キルポイント」を競う。ロビー画面では、キャラクターの外観はカスタマイズが可能。装束の色、鉢金、防具、漢字の4項目がそれぞれ変更できる。鉢金と防具は、それぞれユニークな形状、日本ならではのパーツを用意しているという。漢字は、装束の背中に漢字 1文字がプリントされるというもの。2,000以上の当用漢字が用意されるが、コレクション要素につき最初は「愛」、「忍」、「者」など数個しかメニューに表示されない。余談だが、これらの漢字はリスポーン(再出撃)時、後述の忍法使用時に演出として画面に表示される。デモ中は「旨」、「損」、「性」などネタとして秀逸な漢字が折々に表示され、その都度笑いを誘われてしまった。


CLAN BATTLEのロビー画面。ここでキャラクターのエディットが可能。派手な色を選ぶと狙われやすい気もしたが、実際そこまで目立つふうでもなく、お好みの忍者コーデで人斬り包丁による斬り合いが楽しめるといった印象

 準備完了後、全員が揃うまでは待機画面が表示される。ここでは今使える技などが確認でき、バトルの練習も可能。対戦が始まると、リスポーン地点ともなるスタート地点から4人が出陣。画面右下に表示される“密命”は、プレーヤー個人に与えられる独自ミッション。特定の技を決める、特定の技で倒すなどなど、達成するとチーム戦の結果とは別にボーナスポイントがもらえる。


全員が揃うまでは待機画面で技の確認や練習などが行なえる画面右下に表示される“密命”は、個人に与えられる独自ミッション。達成するとボーナスカルマ獲得となり、次のミッションが与えられる

 デモプレイでは、対戦のキーとなるアクションがいくつか紹介された。「ゴーストキル」は、歩くことで光学迷彩よろしく己の姿をほぼ透明化。パッと透明になるのではなく、歩き始めた直後にフワッという感じで溶け込むように透明化するのがポイント。この状態で敵に近づき△(Xbox 360版:Y)ボタンを押すと一撃で敵を殺せる。一見するとやり放題に思えるが、L2(LT)で弓を構えると視界内にいるステルス状態の敵を見破れるようになるため、相応のリスクを伴うアクションとなっている。


ゆっくり歩くと光学迷彩よろしく敵から発見されにくくなる。通常はキャラクター上に表示されるプレーヤーネームも非表示になるため、隠蔽率はかなりのもの。この状態で敵に接近し△(Y)ボタンを押すとゴーストキル成功。一撃で敵を倒せる

 「ヘッドショット」は、FPSでおなじみの頭部を狙って一撃必殺を狙うシステム。弓を構えている状態で左アナログスティックを押し込むとズーム状態になり、より頭部を正確に狙いやすくなる。弓を撃つときは、構えてからR2(RT)を引く。画面左下には弓と矢のアイコンがあり、それぞれ横に残弾が表示される。プレイ中の補給手段はないが、たいてい使い切る前に殺されてしまいリスポーンすることになるため、特に問題はないだろう。余談ながら、手裏剣は○(B)ボタンで使用可能。ヘッドショットが狙えず威力も低いが、足止めやけん制として非常に使い勝手がいいものになっている。


L2(LT)で弓を構えて狙いをつける。ゴーストキルも見破れるので、要所で使うと効果的左アナログスティックを押し込むとズームイン。ヘッドショットを狙うときは必須だ通常は威力が低い弓攻撃だが、ヘッドショットであれば一撃で敵を倒せてしまう

 「ムササビダイブ」は、空中から敵を強襲し一撃で仕留めるというもの。TGS2011に出展された体験版のストーリーモードで、リュウ・ハヤブサが随所で披露した華麗な滑空アクションをご記憶の方も少なくないだろうが、まさにアレが実践できる。やり方は、ジャンプ中に×(A)ボタン連打で滑空開始。接近した瞬間に△(Y)ボタンを押すが、このタイミングがなかなかシビア。じっとしている敵ならいいが、たいていは動いているので、そう簡単には決まらない。そのぶん、ドンピシャでキメたときの達成感は格別だ。


空中から獲物を狙う鷹のごとく急降下し、一撃で敵を始末する。決まればメチャクチャ格好いいのだが、これがなかなか難しい。相手が動いているとなれば尚更だ

 身体をズブリと斬り抜く質感を表現する本作独自のアクション「断骨」は、CLAN BATTLEにおいては“ボタン連打勝負”となる。アクションが発生すると、斬る側と斬られる側がそれぞれボタン連打。斬った側が勝てば、相手をそのまま斬り殺せる。斬られた側は“瀕死状態”となり、かろうじて難を逃れる。このとき、○(B)ボタンを押すと自害(ハラキリ)ができ、相手にキルポイントを与えなくて済む。自害は小刀を振りかざすモーションが発生するため、その隙に最後の一撃を加えれば阻止できる。基本的に、連打アクションは斬った側が若干有利になっているという。植田氏に「連射パッドが悪用されそうですが?」と質問したところ、普段から連射パッドをオンにしておくと遊びにくくなるし、発生直後に連射スイッチを入れる暇があったら、さっさと連打したほうが効率がいいとのこと。


「断骨」アクションはボタン連打勝負。斬りつけた側が勝てばそのまま斬り伏せてキルポイント獲得。斬られた側が勝つと、上画面最右のように相手を跳ね飛ばし“自害”が可能になる
腹に小刀を突き立てるまで隙があるが、成功すると相手にキルポイントを与えずに済む。忍の誇りを体言した、なんとも凄まじいシステムだ

 会場に用意されたキャラクターはレベルMAXで全アイテムと技が揃っている状態になっていたが、製品版ではレベル1から育てていくことになる。プレイ中“カルマ”という経験値を獲得してレベルアップ。コンボ(技)はもちろん、△(Y)と○(B)ボタン同時押しの忍法も、レベルアップで獲得する必要がある。「アクションが苦手だから、キャラクターを育てるのが大変そう」と尻込みする人もいそうだが、CLAN BATTLEではマップ中のあちこちにカルマがもらえるアイテム「水晶の髑髏」と「黄金のスカラベ」が落ちている。これを拾えば、敵を倒せなくても確実にカルマが蓄積されていく。なお、レベルに関わらずキャラクターの基本性能は全員一緒。レベルはマッチングとも関係するので、早く育てた人が有利ということはない。


試遊会に用意されたデータはキャラクターレベルMAXで全要素が解放されていたが、実際にはレベル1からキャラクターを育てていくことになる。後述するが、アクションが苦手な人でも、地道にやればきちんと育って色々な技が使えるようなる。最初は難しいと感じても、少しずつ慣れていけばいいのだ



■ CLAN BATTLE ファースト・インプレッション ~初心者から上級者まで、誰もが楽しめる過激バトルの応酬!~

 今回使われたマップは、製品版にも登場するという「隠れ里」。長屋風の建物を中心といた起伏に富んだ地形により、立体的な戦いが展開されていく。植田氏に「マップのサイズは、どれくらいバリエーションがあるんでしょう?」と質問したところ、大枠として小・中・大の3サイズがあり、隠れ里は中サイズに相当するという。

 基本操作は、左アナログスティックで移動、右アナログスティックで視点操作。ボタンは、□(X)が速い攻撃、△(Y)が強い攻撃、×(A)がジャンプ、○(B)が手裏剣、R1(RB)がカメラ視点のリセット、L1(LB)がガード、L1(LB)+左アナログスティックが回避、L2(LT)が弓の構え、R2(RT)が弓の発射。後述する忍法は、画面左上の気力ゲージMAX状態で△(Y)+○(B)を押す。ボイスチャットにも対応しており、敵味方など使える範囲をロビーであらかじめ設定できる。

 起伏に富んだマップ構成ということもあり、敵がどの位置から仕掛けてくるか一瞬たりとも油断できない。まずは全体の様子を……と高所にいくと「まぁ、みんな考えることは一緒だよね」ということで、たいていは敵味方誰かしらの姿が見受けられる。不慣れなうちは長屋づたいの遭遇戦が続くが、そのうち参加者全員が「ゴーストキル」、「ムササビダイブ」、「ヘッドショット」を狙う頻度が増えてくる。Team NINJAスタッフがお手本のような動きを見せてくれるというのもあるが、そのスタッフに容赦なくやられて“身体で覚える”ことも多々ある。製品版ではリプレイデータのアップロードや閲覧が可能といい、このあたりは上手いプレーヤーの立ち回りを大いに参考にしたいところだ。

 他人のプレイを第三者視点で眺めているときは、微妙なグラフィックスの変化がわかる「ゴーストキル」だが、実際プレイするとなると話は別。敵味方のグラフィックスで1番目立つのが、実はキャラクター上に表示される“プレーヤーネーム”なのだが、ゴーストキルでゆっくり動いている敵のプレーヤーネームは表示されなくなる。微妙なグラフィックスの変化も、動き回っているときは判別が非常に難しい。4人以上が入り乱れる乱戦時、唐突に歩き出してフッと消えるといった攻撃的な使い方も、状況次第ではかなり有効。あれ? と思ったら死角から刀でブスリと貫かれていたり、あるいはその逆をやり返したりと、マップの随所で熱い場面が続出する。

 コンボダメージは(高レベル限定だが)フルセット入れば2~3回でほぼ相手を仕留められるので、ストレートに相手を攻撃するのもいい。このときはL1(LB)のガード、手裏剣によるけん制や足止めにくわえて、空中コンボが重要になってくる。というのも、空中コンボで相手を殺しきれば、地上のように「断骨」が発生しないからだ。「断骨」はキルポイントを失う可能性が生じるため、確実にポイントを稼ぎたいときは空中コンボへの派生を狙うのが無難といえる。

 画面左上、体力ゲージの下にある気力ゲージがMAXのときは“忍法”が使える。気力ゲージはリスポーンするとき大幅に増えるため、敵に倒されまくった人などは文字どおり大逆襲のチャンス到来。発動まで一定の時間を要するが、ぶっ放された巨大な紫と黒の渦に触れた敵は“即死”という壮絶な威力を誇る。画面端まで到達し、建物などの障害物も突き抜けていく高性能な点も見逃せない。大きめの当たり判定も正面から狙うとアッサリかわされがちだが、味方に気を取られている敵などは狙い目。4人以上で乱戦しているところにドカン! と決めたときの爽快感は、本当に言葉に尽くしがたい。

 画面右下に表示される密命は、実は個人向けばかりとは限らない。CLAN BALLEは基本的に4対4のチーム戦だが、ゲーム中にランダムで「バトルロイヤル(自分以外の全員が敵)」、「裏切り者(誰かひとりが裏切りものとなり、そいつを始末する)」といった特別ルールが唐突に適用されることがある。目前の状況に気を取られていると、突然の密命(ルール変更)に気づかず「あれ、なんで味方が俺に斬りかかってくるの!?」なんてことも珍しくない。ちなみに、バトルロイヤル発生時はもっとも高ポイントを稼いでいるトッププレーヤーが画面中央上に表示される。トッププレーヤーを倒すと、その人が稼いだキルポイントをそっくり奪えるため、その後はトッププレーヤーを標的とした血で血を洗う戦いが繰り広げられる。

 冒頭で安田氏が「『NINJA GAIDEN』といえば、ハイスピードアクション、難易度が高いというイメージを持たれていると思います」とコメントしたが、TGS2011のブースレポートでも触れたとおり、今作はアクションゲームが不慣れな人にも相当な配慮がなされている。それはCLAN BATTLEにおいても同様で、アクションゲームが苦手な人は何もできないと考えがちだが、実際そんなことはない。コンボが難しいという人は、ムササビダイブやヘッドショットを優先的に狙えばいい。「それだって難しいよ!」という人は、死角からゴーストキルを狙うだけでもチームの一員として十二分に働ける。3月22日まで日数はあるが、発売されたあかつきには、アクションゲームが苦手という人も気兼ねなくオンライン対戦に参加して、その醍醐味をとことん楽しんでいただきたい。


【スクリーンショット】

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved. Team NINJA All rights reserved.

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(2012年 1月 25日)

[Reported by 豊臣孝和]