SCEJ、PS3「STARHAWK ジャパンプレミア」を開催
5月10日発売決定! トークや試遊イベントで、スケールアップしたバトルをお披露目


1月19日 開催



 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は、プレイステーション 3用TPS(サード・パーソン・シューティング)として開発中の「STARHAWK」の招待制イベント「STARHAWK ジャパンプレミア」を1月19日に都内某所にて開催した。このイベントは同社の「プレコミュ」内にて参加表明したユーザーから30名を招待したもので、シニアプロデューサーによるトークセッションや試遊対戦イベントなどが行なわれた。それらの模様をお伝えしていこう。




■ トークセッション&試遊イベント! ついに明らかになった「ビルド&バトル」で増幅したなんでもありのスペースバトル!!

WWS JAPANスタジオ ローカライズプロデューサー 谷口新菜氏
「STARHAWK」を手がけるWWSA Santa Monica Studioシニアプロデューサー Harvard Bonin(ハーバード・ボニン)氏は、ステージ脇のパネルを突き破るようにして登場!

 イベントはまず「STARHAWK」ついて紹介するトークセッションからスタートした。壇上には「STARHAWK」を手がけるWWSA Santa Monica Studioシニアプロデューサー Harvard Bonin(ハーバード・ボニン)氏と、WWS JAPANスタジオ ローカライズプロデューサー 谷口新菜氏が登場した。

 先に壇上に上がった谷口氏に呼び込まれたハーバード・ボニン氏は、なんとステージ脇のパネルを突き破って豪快に登場! 手には本作ストーリーモードの主人公「エメット」が構えているような銃を持ちつつ、満面の笑顔。招待者と握手を交わして場内を盛り上げた。

 「STARHAWK」は、2007年にPS3用タイトルとして発表された「WARHAWK」を手がけた開発スタッフの完全新作。戦闘機で空中戦を繰り広げたり、陸では巨大ロボット、四輪駆動車、ジェットパックなど、さまざまなアイテムを駆使して戦うなど、なんでもありな戦場で戦うTPS。「WARHAWK」の良さは全て引き継ぎ、さらにパワーアップした新規タイトルとなる。

 今作ではさらに、「ビルド&バトル」という様々な建物を作ることが可能なシステムが追加されている。ボタン1つで武器庫や銃座のような兵器などをリアルタイムに、瞬時に建てられる。これによってゲームスタイルに、さらなる“なんでもあり感と戦略性”が加わっているという。

 ハーバード・ボニン氏は、本作の魅力を「楽しい」という1言で表現した。日本でも1月19日よりβテストが開始されたが、アメリカではすでにβテストが行なわれており、ユーザーの意見を取り入れることで、どんどん素晴らしい出来になっていっているという。

 また今作では、ストーリーが展開されるシングルプレイモードが加わった。「WARHAWK」はオンライン専用タイトルだったが、「STARHAWK」では「エメット・グレイブス」というキャラクターが主人公のストーリーモード、さらに協力プレイのモードも用意される。これについてボニン氏は、「マルチプレイモードで対戦を楽しむ前にストーリーモードで世界観というものを理解してもらいたい、ストーリーも素晴らしいものになっているので、ぜひ楽しんでもらいたい」とのこと。

 マルチプレイモードでは、16人対16人による最大32人での対戦プレイは健在。様々な機能を搭載しており、トーナメントやゲームリスト、マッチング機能、キャラクターのカスタマイズや乗り物のペイント機能もあるそうだ。

 グラフィックスの向上とスケールアップも今作の魅力のポイントだという。ストーリーモードも搭載されたことで世界観も奥深くなったわけだが、ボニン氏は「1番スケールアップしたのは『ゲームプレイ』。楽しさを実感してもらいたい」という。

 今後の展開についてだが、日本では1月19日より「WARHAWK」をプレイしていたユーザーとPlayStation Plus会員を対象にβテストがスタートしている。また、1月26日からβテストに3万人が参加できるようになる抽選の応募券も、現在PlayStation Storeにて配信中だ。

 そして、製品版の発売日が5月10日に決定したことが明かされた。詳細については今後アナウンスされていくということだ。


スケールアップした世界、向上したグラフィックス、オフラインで楽しめるストーリーモードや、最大の特徴である「ビルド&バトル」システムなど、魅力が次々に紹介された


日本でのβテストも1月19日より開始中。1月26日からはさらに3万人がβテストに参加できるようになる


製品版の発売日は5月10日に決定!!


LightBox Interactive プレジデント Dylan Jobe(ディラン・ジョーブ)氏もビデオメッセージで登場した

谷口氏チームとボニン氏チームに別れての、16人対戦の試遊イベントも行なわれた
βテストでプレイできるルールはキャプチャー・ザ・フラッグとチームデスマッチ。この日はキャプチャー・ザ・フラッグで対戦した

 続いてイベントは招待者が谷口氏チームとボニン氏チームに分かれて対戦する試遊イベントへ。会場には16台の試遊台が用意され、16人対戦が行なわれた。

 対戦の舞台は「アシッドシー」という赤い空、緑の海、ゴツゴツとした岩の大地が広がる、地獄のような場所。ルールはキャプチャー・ザ・フラッグで、互い相手陣地にあるフラッグを奪い合うというポピュラーなもの。自分のチームのフラッグが奪われていない状態で敵チームのフラッグを持ち帰ればポイントが入り、3ポイント先取で勝利というルールだった。今回はこのルールだったが、実際のプレイでは細かくルールを設定できる。

 パッと見て感じたのはグラフィックスの向上だ。PS3用タイトルとして比較的初期のタイトルといえる「WARHAWK」と比べ、「STARHAWK」の表現やダイナミックさは大きく向上している。それでいて良いライトさやポップさを感じさせる絵作りはとっつきやすさを感じた。

 本作のポイントはなんと言っても「ビルド」。△ボタンで呼び出すビルドメニューから様々な建物を作ることができるのだが、ビルドするには「リフトエネルギー」が必要。リフトエネルギーは敵を倒したり、味方陣地のホームから供給されるなど様々な入手手段があり、建物によって必要な量が異なる。自分が貯めたリフトエネルギーを使って、どんな戦況の時にどんな建物を作るかがポイントとなる。

 ビルドメニューから試しにスナイパータワーという建物を作ってみる。決定してから一呼吸置いて、空からドカンとパーツが降ってきて、瞬く間にタワーが完成した。そこに味方が登っていき、タワーの上からスナイパーライフルで敵を攻撃しはじめた。「あー撃ってる! 自分の作ったタワーから撃ってる!! 」なんて興奮してしまった筆者だが、味方の誰かが作った建物をうまく利用するという協力の仕方も大事。自分が作った建物を仲間が活用して、ゲームの流れが変わっていく、なんていう事になってくれれば、かなり楽しいだろう。

 「WARHAWK」の流れをくむ「STARHAWK」ということで、空中戦も見逃せない。ホークという1人乗りのロボットも建物から出撃可能だ。ホークはロボット形態から飛行機に変形する可変式で、ロボットの状態でジャンプ中に○ボタンを押せば飛行機のフライトモードに、もう1度○ボタンを押せばロボット形態になる。空を縦横無尽に飛んで敵を攪乱し、破壊力のあるロボット形態で大暴れできる。ホーク同士でのドッグファイトや、地上から狙われつつもかいくぐってロボット形態になって降り立ち破壊する、といったプレイも楽しめた。手軽かつダイナミックな本作の良さを象徴する存在といえるだろう。


飛行形態とロボット形態に変形するホーク。本作の醍醐味といえる“なんでもあり”感をたっぷり楽しめる。空中戦を手軽に楽しめるのもポイントだ

 ビルドの中でもかなり重要になると思えたのが「コッドビーコン」という建物で、簡単に言うと「そこから味方が復活できるリスポーンポイント」。これを上手い具合に敵陣地の近くに作り、さらにそれを守るための防御壁や銃座を作ったり……。そうして有利に展開できるようビルドしていくのは、戦術上かなり重要になるだろう。

 また、「ビルド」に関してボニン氏がアドバイスとして話していたのは、「同じ種類の建物を複数作らずに、1人が作って共有すればいい」というもの。例えばレーザーバック(四輪駆動車)を出現させるガレージを作るなら、各自が好き勝手に作らず、1つ作ってそこから何台もレーザーバックを出撃させれば、リフトエネルギーをより効率的に使える。ボイスチャットで「ガレージ作ったぜ! 」というようにアピールすれば、それを聞いた仲間は別な建物を作ればいいだろう。


今作最大の特徴である「ビルド」。△ボタンを押して呼び出すメニューから建物を選び設置場所を決めれば、瞬く間に巨大な建物が完成する。防護壁、銃座、乗り物が格納されているガレージなど建物は様々で、うまく仲間と協力して使っていくのがポイントだ

 このほかプレイして感じたのは、他のシュータータイトルと比べて体力が設定上多めということ。エイム勝負はもちろんあるが、仲間と協力することや、ホークなどの兵器を使うことが何よりのポイントになる。シビアさよりもとっつきやすさの感じるチューニングだ。

 短時間の試遊ではあったが、プレイ次第で大きく戦況を変えられるビルドという要素の魅力、戦術的な奥深さ、さらにはなんでもありな魅力のスケールアップ度合いを感じ取れた。体験できたのはまだまだ奥深さや楽しさのほんの入口ではあると思うが、グラフィックスの向上や世界のスケール感のアップよりもなによりも、ゲームプレイのスケールこそが今作のポイントとボニン氏がアピールした理由がよく掴めるプレイだった。ぜひ本稿をお読みの皆様にも、βテストにご応募頂いて体験してみてもらいたい。




■ 「『STARHAWK』は本来の意味でのβテストをする」ハーバード・ボニン氏と谷口新菜氏へショートインタビュー

 イベントの途中には、ハーバード・ボニン氏と谷口新菜氏へのメディアインタビューも行なわれた。その模様をお伝えしよう。

メディアインタビューの様子。主にゲーム内容についてボニン氏が回答するというインタビューになった
「シューターにこれまでなかったクリエイトの要素を取り入れて、新しい変化を作りたかった」というボニン氏。前作「WARHAWK」の良さを残しつつ、反省点の改善にも注力したようだ

―― 「STARHAWK」の開発が始まったのはいつ頃からでしょうか? また、開発するにあたって考えたゲームコンセプトはどんなものでしょう?

ボニン氏: 作り始めたのは2008年頃からです。そこから1年ほどいろいろなアイデアを考え試していき、最終的に「ビルド&バトル」というシステムができあがりました。コンセプトにあったのは“「リトルビッグプラネット」のようなクリエイトシェアを戦場に入れる”というものです。ですが、単純にステージを作るというのでは遊ぶまでに時間がすごくかかってしまう。今のシステムにまとめるのにたくさん時間がかかりました。

―― 変形するロボットなどの様々な兵器が入り乱れるバトルが魅力と思いますが、それを実現するのにはたくさんの苦労があったのではないでしょうか?

ボニン氏: 2007年に「WARHAWK」を発売したのですが、それからシュータータイトルというのは、若干停滞しているのかなと思っています。新しいシステムによる変化を取り入れて、シューターから離れてしまった人も取り戻せたらと思って、いろいろな試みをしてきました。

 ビルド&バトルシステムは。車に乗りながら建物を作れたり、うまくやれば飛行しながらでも作れる。すごく自由なシステムになっています。ワンボタンで建物を作れるという今までにない要素を入れたことで、まったく新しい魅力になったのではないかと思います。この、“いろいろできる”ということをシンプルにできるようまとめるのに最も苦労しましたね。今までにないシステムではありますが、シューターファンにこそ遊んでもらいたいと思います。

―― 通常、例えばリアルタイムストラテジーなんかで建物を作るというと、完成するまでに時間がかかったりしますよね。でも「STARHAWK」ではすぐに完成する。それは最初からそういう作りにしたいと考えていたのでしょうか?

ボニン氏: 最初から瞬時に完成するものにしたいと思っていました。「STARHAWK」ではリフトエネルギーさえあれば、それこそ建物を購入するようなスピードで完成する。それこそ銃を撃つような感覚にしたかったんです。タフでビッグでワイルドなゲームにしたかったからですね(笑)。

―― 「WARHAWK」はプレイしていないが「STARHAWK」から遊びたい、という人もたくさんいると思います。そうした新規プレーヤーに向けたポイントはどんなものがありますか?

ボニン氏: 「WARHAWK」は発売されてからすぐに、みんなが上手いプレーヤーになったというところがありました。それはいいのですが、少し後から購入してプレイするという人はもう追いつけないぐらいになって、新しい人が入りづらかったと思います。今作ではそうならないように意識しました。

 まず、今作ではストーリーモードや協力プレイモードがあるので、まだ上手くない人でも安全にゲームに親しんでいけると思います。また、マッチング機能があって、自分と近いスキルの人と遊べるようになっています。あと、フレンドと集まってプレイするというのもしやすくしてあります。

―― ストーリーモードやそのコンセプトについて教えてもらえますか?

ボニン氏: 開発していく中で2つのキーポイントがあって、ひとつはストーリーの魅力。もうひとつはクールさです。どういう戦いが繰り広げられたらかっこいいか、ですね。その基準からデザインしていきました。

 ストーリーはダスト星というひとつの星で繰り広げられる戦いですが、そもそものアイデアはスペースウエスタン、宇宙の西部劇というもので、アメリカにあったゴールドラッシュのような世界ですね。ゴールドにあたるものがリフトエネルギーという資源で、それを巡ってアウトキャストという種族と争います。

 リフトエネルギーはあまり多くを体内に取り込むと攻撃的になってしまう。その結果、人は最終的にアウトキャストになってしまうんです。そういう世界で主人公と、その兄がどのように生きていくのか。そういうストーリーになっています。

本来の意味でのβテストをするという「STARHAWK」。日本のユーザーにもたくさんテストをしてもらいたいということだ

―― 32人対戦という中であれだけいろいろなオブジェクトやメカが登場するというゲームを実現していますが、バランスをうまく作っていくのにはすごく大変なのではないでしょうか?

ボニン氏: 確かに難しいです。そのためにも私たちはβテストをするのです。テストの中で様々なバランス問題が見えるようになってくる。最近のβテストは体験版のようなものになってしまっていると思います。例えばゲームが発売する1カ月前にβテストをしても、発売のタイミングには間に合いません。私たちが行なうのは、本当の意味でのβテストです。製品発売までにより良いバランスを作るためのβテスト。βテストで頂いたフィードバックを活かせます。日本のユーザーのみなさんにもたくさんレポートを頂ければと思います。

―― ありがとうございました。

(C) Sony Computer Entertainment America LLC.

(2012年 1月 20日)

[Reported by 山村智美]