任天堂、「Nintendo 3DS Conference 2011」
任天堂タイトル体験レポート&主要タイトルスクリーンショット集


9月13日 開催

会場:東京ビッグサイト


 任天堂株式会社は9月13日、ニンテンドー3DSに関するプレスカンファレンス「Nintendo 3DS Conference 2011」を開催した。ここでは、発表会後に行なわれた体験会のプレイレポートをお届けする。体験会は時間が限られていたため、レポートは任天堂タイトルのみとなっている点をあらかじめご了承願いたい。なお、プレゼンおよび出展タイトルの3D映像は、公式サイトおよび3DS内メニュー「ニンテンドー eショップ」にて限定配信されている。気になる方は、そちらもぜひご参照いただきたい。




■ Wii「ゼルダの伝説 スカイウオードソード」

 空に浮かぶ島を舞台に、行方不明となった幼なじみのゼルダを探して、まだ見ぬ地上に降り立つ主人公の青年リンクの物語。体験版は、鳥を操って空中戦を行なう「鳥乗りの儀」、ゼルダらしく迷宮を探索していく「天望の神殿」、手ごわいボスと戦う「魔族長ギラヒム」の3つから好きなものを選ぶようになっており、筆者は無難に「天望の神殿」を選択してみた。

 プレゼンで宮本氏自ら述べたように、操作性は快適のひとこと。剣を出したいときは、Wiiリモコンをスッと一振り。慣れるに従い、この一瞬の動作が自らにスイッチを入れるかのような欠かせないものとなっていく。アイテムを使いたいときは、ワンボタンでリングメニューを呼び出し、ポインタで指定するだけ。さまざまな敵と工夫しながら戦う「ゼルダの伝説」シリーズだけに、こうした一連の動作がノンストレスで行なえるのは本当にありがたい。

 体験した範疇の謎解き要素では、アイテムの「ビートル」が大活躍。空を飛んで周辺を偵察、アイテム回収、特定のスイッチを入れたり、蜘蛛の糸を切ったりと、まさに八面六臂の活躍ぶり。独特の浮遊感がまた格別で、飛ばしていると「仮面ライダーV3」のV3ホッパーや「電人ザボーガー」のヘリキャットが脳裏をよぎる(要はカメラを仕掛けたリモコンヘリを飛ばしている感覚ということ)。ただし、ずっと飛んでいられるわけではなく、一定時間が過ぎると強制的にリンクの手元に戻される。

 戦闘は、ただ闇雲に剣を振ればいいというものではない。たとえば、体験したステージのボス戦では、相手が剣や盾を構えている方向から切りつけても、当然ガードもしくは弾かれてしまう。そこで、ボスの構えでガードが甘い部分や、ヌンチャクをふって盾で防御を行ないつつ、動作の隙をついて素早くダメージを与えていく。体験プレイではうまく回転斬りでトドメを刺すことができ、ズバッと横になぎ払ったときの爽快感はバツグン。限られた時間ではあったが、そこで得られた感触は「これぞ『ゼルダ』!」としか表現しようがなく、今から正式発売が待ちきれない。11月23日発売予定で、価格は未定。CEROレーティングはA(全年齢対象)。Wiiモーションプラス専用。


【スクリーンショット】

(C)2011 Nintendo



■ 3DS「スーパーマリオ 3Dランド」

 おなじみのマリオが立体空間で大冒険を繰り広げる3Dアクション。重症レベルで3D酔いが酷い筆者は、本作をひと目みた瞬間にニンテンドウ64「スーパーマリオ64」を涙目でプレイしたことを思い出し「かつての悲劇が再びよみがえるのか」と暗澹たる気分に陥ったが、実際触ってみるとアラ不思議。可愛らしいファンシーな造形と色使い、そして適切なカメラワークと快適な操作性に「……酔わない! これは俺でも余裕で遊べる!」と一気にテンションが上がってしまった。

 下手の横好きでアクションゲームをやりまくっている筆者は、かつて「スーパーマリオ64」でザコを踏み損ねミスを重ねることも珍しくなかったが、本作は明瞭なグラフィックスにより奥行きなどが把握しやすく、動き回るクリボーもスコン! と気持ちよく踏みつけられる。足場やロープなどの仕掛けやトラップも同様で、失敗したときは明らかに自分のミスだと認識できる。こうした視認性の良さは、微妙なアングルに隠されたアイテムを発見したときの快感をさらに増幅してくれる。序盤の2面しかプレイできなかったが、ステージ内の敵キャラ配置や仕掛けが絶妙で、ゴールまでテンポよく一気に遊べてしまうのがいい。

 ゲーム本編だけでなく、本作はちょっとしたお遊び要素もなかなか味わい深いものがある。横にいたスタッフの方に「そこにタンポポの綿帽子がありますよね? マイクにふーっと息を吹きかけてみてください」といわれ実行したところ、白い種子がふわっと四散。綿帽子がいくつもある場所で連続して「ふーっ」とやると、幻想的な光景が画面いっぱいに展開される。正式発売のあかつきには、ただゴールを目指すのではなく、こうしたお遊び要素を探してあちこち動き回るのも楽しそうだ。11月3日発売予定で、価格は4,800円。すれ違い通信に対応する。


【スクリーンショット】

(C)2011 Nintendo



■ 3DS「マリオカート7」

 カジュアルだが、突き詰めていくと限りなく奥深い「マリオカート」シリーズ最新作は、陸上だけでなく「海」や「空」もレースの舞台になる。3D表現による立体感と起伏に富んだコースレイアウトが、従来シリーズをはるかに上回るスケール感を生み出す。

 体験版は、3コースをプレイして順位ポイントを競うというもの。ドライバーの特徴は、マリオやルイージであれば万能、クッパならトップスピード重視と、ほぼ従来どおり。カートはフレーム、タイヤ、グライダーの3項目がカスタム可能になっており、選んだパーツによって、スピードや耐久性、グリップや路面との相性、飛行能力などにそれぞれ影響をおよぼす。まずは両要素の特徴を踏まえつつ、自分に最適な組み合わせを模索していくことになりそうだ。

 スタートダッシュは、カウント2くらいが目安。うまくいくと例のごとく凄まじい加速が得られるが、フライング気味だとエンジンがストールして酷く出遅れる。コース上に落ちているコインを拾うと、少しずつトップスピードがアップ。ジャンプ後のグライダーによる飛行は、アナログパッド前後左右で姿勢のコントロールが可能。早めに地面につきたければ前に入れればダイブ。このあたり、対戦ではLボタンのブーストやRボタンのアイテムをからめた駆け引きが熱いものになりそうだ。12月1日発売予定で、価格は未定。通信時は2人~8人までのマルチプレイに対応する。


【スクリーンショット】

(C)2011 Nintendo



■ 3DS「新・光神話 パルテナの鏡」

 主人公ピットを操作して敵を倒していくシューティング。章立てでストーリーが進み、空中戦、地上戦、ボス戦の順番で戦いが展開されていく。カンファレンスで発表されたように、クオリティアップのため発売日が2012年第1四半期(1月~3月)に延期された。

 体験版は、3つのステージから好きなものを選んでプレイ。操作方法は、以前のイベント記事でご紹介したときから特に変更はない。アナログパッドでビットを操作し、タッチペンで敵に狙いをつけLボタンで撃つのが基本。あくまでも筆者の体感だが、以前のバージョンよりも武器の特性がより明確に打ち出されている印象。地上戦はよりシビアというか、敵弾に当たる直前にアナログパッドを弾くように入力する回避がとても重要。難易度によりけりだろうが、基本的にストイックな方向性でチューニングされているように感じる。

 その一方で、ゲーム内におけるピットと女神様やボスキャラとの会話は“軽妙”そのもの。とことんマジメな作りのアクション本編との対比が強烈で、このあたり実にいい味わい。すっとぼけつつやることがちょっと行き過ぎた女神様は、多くのファンを生み出すこと間違いなし。価格は未定で、通信時は2人~6人までのマルチプレイに対応する。


【スクリーンショット】


【ARカード「おドールカード」】
 体験会には、ARカード「ARおドールカード」も出展されていた。ARカードはいち画面内に3枚まで認識させられ、それぞれ攻撃力、防御力、属性などのデータが表示される。カードの矢印側を突き合わせてAボタンを押すと、そのデータをもとにカード同士が1対1のバトルを行なう。多数のカードが展示されていたが、ゲームに同梱されるのか、はたまた別途発売されるのか、現時点ではすべて未定。どのように展開されるのか、非常に気になるところだ

(C)2011 Nintendo (C)2011 Sora Ltd.



■ 3DS「マリオテニス(仮称)」

 従来シリーズの操作性を踏襲しつつ、ニンテンドー3DSならではの機能を盛り込んだスポーツゲーム。体験版ではマリオ、ルイージ、ピーチ姫、クッパの4キャラが選択可能。マリオとルイージは万能型、ピーチ姫はテクニカル、クッパはパワーテニスと、それぞれらしい特徴づけがなされていた。

 基本操作は、アナログパッドでキャラの移動、Aボタンでサーブとショット、Bボタンでロブなどを使い分けていく。ラリーを重ねていくと、相手の返球時、コートに星印が表示されることがあり、そこに移動してXボタンを押すと必殺ショットが繰り出せる。最初のうちはなかなか難しいが、慣れてくると「そろそろかな?」と積極的に前にいく姿勢になり、これがなかなか熱い。

 本作はジャイロ操作に対応しており、本体を立てるように垂直に持つと、瞬時にジャイロ操作に早がわり。やめたいときは、本体を水平方向にすれば通常操作にすぐ戻る。ジャイロ操作時、キャラの動きはすべてCPUが制御する。プレーヤーは本体を左右に動かしてショットのアングルを決め、あとはタイミングよくボタンを押すだけ。攻撃に集中できる楽しい仕様だが、唯一の難点は星印に対してCPUがまったく反応しないこと。そんなときは、アナログパッドで強制的にキャラを動かすことができる。両操作の利点をうまく使いわけることができれば、対戦プレイがより楽しいものになりそうだ。2012年発売予定で、価格は未定。通信時は2人~4人までのマルチプレイに対応する。


【スクリーンショット】

(C)2011 Nintendo / CAMELOT



■ 3DS「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピックTM

 2012年開催のロンドンオリンピックをテーマにしたスポーツゲーム。3DSの機能を生かした全50種類以上のオリンピック競技が楽しめる。体験版は「ダブルトラップ(クレー射撃)」、「バトミントン」、「BMX」といった3競技を連続でプレイし、その総合成績を競うというものだった。

 ダブルトラップは、ジャイロセンサーでターゲットカーソルをコントロール。射出される2枚の皿にうまくカーソルを合わせてAボタンを押すのだが、これがなかなか難しい。失敗したときに慌てると2枚目も撃ち漏らしてしまうため、見た目以上に集中力が必要。バトミントンは、相手コートから飛んでくるシャトルが枠内に落ちると思ったらAボタンで打ち返し、オーバーすると思ったら十字キー左でスルーするというミニゲーム形式。最初はゆっくり飛んでくるので簡単だが、一定数をクリアするごとに難易度が上昇。シャトルを観察するアングルが変わったり、垂直に落ちてフェイントをかけてきたりと、一瞬たりとも気が抜けなくなる。

 BMXは、起伏に富んだコースを周回して順位を競う。最大のポイントはジャンプで、Aボタンでジャンプした後、空中姿勢をジャイロセンサーでコントロール。空中ではのけぞらないよう、着地は自然になるようグイと3DS本体を大胆に傾ける。ジャンプ台は赤いマークで押すほど飛距離が伸び、ジャイロセンサーのコントロールがうまくいくと着地の減速が最小限で済む。単発のジャンプはわりと簡単だが、連続ジャンプとなると話は別。カーブでは的確なハンドリングも求められるなど、全体の中の一競技ながら十二分にテクニカルな仕上がり。ひとりでも楽しめるが、やはり多人数でワイワイ騒ぎながら遊びたい作品。2012年春発売予定で、価格は未定。通信時は2人~4人までのマルチプレイに対応する。


【スクリーンショット】

TM IOC. Copyright (C)2012 International Olympic Committee (“IOC”). All rights reserved. This video game is the property of the IOC and may not be copied, republished, stored in a retrieval system or otherwise reproduced or transmitted, in whole or in part, in any form or by any means whatsoever without the prior written consent of the IOC. SUPER MARIO characters (C)NINTENDO. ニンテンドー3DS は任天堂の商標です。SONIC THE HEDGEHOG characters (C)SEGA. SEGA, the SEGA logo and Sonic The Hedgehog are either registered trademarks or trademarks of SEGA Corporation.



■ 3DS「花といきもの立体図鑑」

 草花約1,300種類、鳥類、昆虫、両生類など約700種類の情報を集録した図鑑ソフト。立体写真や立体動画、インタラクティブな検索メニューなど、ニンテンドー3DSの機能が随所にいかされている。

 通常、こうした図鑑ソフトは正確なデータもさることながら“使い勝手”が重要になってくるが、本作は文字どおり「色々な角度から楽しめる」のが最大のポイント。名前や特徴からの検索はもちろん、鳴き声、環境、コラム(ジャムを作る、など、マメ知識やちょっと変わったデータ)など、多種多様なバラエティに富んだ閲覧方法を用意。生き物同士の相関図など、かなり本格的な作り。特に目的もなく「なんとなく眺めたい」という人向けに、スライドショー的に閲覧していくパラパラ検索も用意されている。

 3DSならではの立体写真は、老若男女問わず思わず「これはいい!」と唸る仕上がり。もしかすると全部には用意されていないのかもしれないが、360度アングルの変更、鳴き声(その際の細かい動作)もチェック可能。鳴き声は音声だけでなくカタカナでも表示される。興味深い機能としては「私、蜘蛛とか昆虫が苦手だから、こういうの絶対ダメ!」という人向けに、その名のとおり「見たくない生物設定」が可能。ふりがなの有無も選択できるなど、従来の図鑑ソフトにはない新機軸の1本といえる。9月29日発売予定で、価格は3,800円。


【スクリーンショット】

(C)2011 Heibonsha
植物写真監修:木原浩
植物監修:森田龍義/門田裕一



■ 3DS「ルイージマンション2」

 マンションに住み着いたオバケをルイージが退治していくアクションアドベンチャーの続編が登場。今回は、バラエティに富んださまざまなマンションが登場する。

 体験版は「これ既に製品版じゃないの?」と思うほどしっかり作られており、ハカセに指示されて最初のマンションに行く途中のチュートリアル的な部分では、何でも吸い込み吐き出す「オバキューム」の基本から、布などを吸い込んでひっぱる応用動作、後述のストロボなど、さまざまな機能を試すことができた。

 室内に入ると、さらに細かい仕掛けがあちこちに用意されている。今回のオバケは、Aボタンのストロボをパッ!と炊いて驚かせる。ひるんだすきにオバキュームで吸い込むが、このときオバケと反対方向にアナログパッドを入れると、釣竿よろしく吸い込み効率アップ。Aボタンを長押しするとより強力な発光となり、複数のオバケを吸い込むことも可能になる。

 本作はオバキュームを軸とした「トライ&エラー」がとても楽しく、下画面のマップを参照しつつ、どんな変化が待ち受けるのか常にワクワクしながらじっくり先へと進めるのがいい。3DSならではの美しいグラフィックスと立体画面が、バラエティに富んだ仕掛けの演出効果をさらに高めてくれる。前作をプレイした人はもちろん、アクションアドベンチャーが好きな人はぜひチェックしていただきたい。2012年発売予定で、価格は未定。


【スクリーンショット】

(C)2011 Nintendo

(2011年 9月 13日)

[Reported by 豊臣孝和]