グリー/インデックス/comcept、稲船敬二氏プロデュースのスマホ向けソーシャルゲームを発表
稲船氏「ゲーム作りのノウハウ活かして全く新しいソーシャルゲームを」


7月22日発表



株式会社comcept代表取締役の稲船敬二氏
発表された新スマートフォン向けアプリゲーム「Dr★モモの島」

 グリー株式会社、株式会社インデックス、株式会社comceptの3社は7月22日、都内で記者会見を行ない、稲船敬二氏プロデュースによるスマートフォン向けソーシャルゲーム「Dr★モモの島(どくたーもものしま)」(仮称)を発表した。本作は2011年10月にSNSサイト「GREE」にて、Android、iOS搭載のスマートフォン向けに提供される予定。ビジネスモデルは基本プレイ無料によるアイテム課金制を予定している。

 稲船氏は1985年に株式会社カプコンに入社し、「ロックマン」シリーズ、「バイオハザード2」、「鬼武者」シリーズ、「ロストプラネット」シリーズ、「デッドライジング」シリーズなどのヒットゲームを生み出しているゲームクリエイター。2010年に同社を退職した後、ゲーム開発会社株式会社comceptを設立。今回発表した「Dr★モモの島」は、株式会社comcept設立後、稲船氏プロデュースによる初のゲームタイトルとなる。

 「Dr★モモの島」は、可愛い物が大好きなマッドサイエンティストの天才少女「Dr.モモ」が、世界一の「カワイーモン」を創り出すため、様々な動物を採取、合体させていくという内容のソーシャルゲーム。現在開発の真っ最中ということで、「変なイメージが先行してしまうと困るので内容は詳しく言えませんが」と稲船氏はゲームシステムなど詳細についての言明は避けながらも「不思議な世界」、「不思議な動物」、「天才少女」などのコンセプトがあるとした上で、「全く新しいソーシャルゲームを目指している」と述べた。

 稲船氏はこれまでのソーシャルゲームの特徴が「場所を問わない気軽さ」、「ゆるい繋がり」とそれによる「情報のバイラル性」などにあった一方で、エンターテインメント性、キャラクター性、背景のストーリー、スマートフォンならではの操作感や体感性が足りなかったのではないかと分析。コンソールゲーム作りで培ったノウハウを活かして、ソーシャルゲームにこれらのコンセプトを上手く融合していきたいという考えだ。

 また稲船氏、「私たちのような20年以上もゲームを作ってきているクリエイターがソーシャルゲームを作り始めると、このような全く新しいソーシャルゲームを作ろうという動きは加速してくると思います。それはユーザーにとってもいいアプローチになるのでは」と述べた。グリー株式会社執行役員マーケティング事業本部長の小竹讃久氏も、「今後はコンソールゲームのクリエイターをソーシャルゲームに起用していきたい」との考えを明らかにした。

 ソーシャルゲームへの参入について、稲船氏は、「私は子供向けのゲームを作りながら、血まみれのホラーなど1つのジャンルの成功に満足せず、勇気をもって挑戦してきました。ソーシャルゲームへの参入は勇気のいることですが、失敗が怖くて参加しない方がさらに怖いので、大手ゲームメーカーが参入しにくいソーシャルゲームという場所へチャレンジすることにしました。今は、ソーシャルゲーム作りが楽しいという環境にいます。無謀な挑戦かも知れませんが、ゲームが面白くないと言われるのも不本意なので、ぜひいいゲームが作れるよう精進していきます」と話した。

 「Dr★モモの島」はグリー、インデックス、comceptの3社による共同プロジェクトとなる。グリーがプラットフォームの提供、インデックスがソーシャルまわりに関する開発と、サービス開始後の運営のノウハウ提供、そしてcomceptが実際のゲーム開発という役割をそれぞれに担うことで、グローバル展開も視野に入れたタイトルに仕上げたいという。

 この3社のタッグは本作のみに留まらず、第2弾、第3弾のソーシャルゲームを提供していく予定で、3作の合計で月商1億円を目指すとしている。第2弾以降の内容については未定だが、稲船氏は「『Dr★モモの島』でのユーザーの反応を見ながら内容を決めていきたい」と話した。


グリー執行役員マーケティング事業本部長の小竹讃久氏インデックス代表取締役社長の小川善美氏今タイトルはグリー、インデックス、comceptがタッグを組んで実現したもの
稲船氏が提示した、現在のソーシャルゲームアプリの特徴と、そこに足りないと感じるコンセプト今後は同じ3社の協力で第3弾まで提供されることが発表された


(2011年7月22日)

[Reported by 安田俊亮]