E3 2011レポート

バンダイナムコブースレポート

超接近戦「エースコンバット」や敵幕系「ギャラガ」が登場


6月7日~9日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 E3 2011のバンダイナムコゲームス(Namco Bandai Games America)ブースには、フライトシューティング「エースコンバット」シリーズの最新作となるプレイステーション 3/Xbox 360用「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON(エースコンバット アサルト・ホライゾン)」が大々的に登場した。両プラットフォームで計16台と潤沢な数を用意したが、それでもなかなか空きができず、北米市場におけるシリーズの人気を感じさせた。

 またそれに負けない規模で展開されていたのが、PS3/Xbox 360用の新作TPS「INVERSION」。こちらも8人のマルチプレイに加え、シングルプレイ用の試遊台も用意していたが、「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」に負けず劣らずの人気で、特にマルチプレイには常にプレイ待ちの行列ができていた。

 他にも、PS3/Xbox 360向けのダウンロードコンテンツ「ギャラレギオンス DX」や、アーケード用対戦格闘「鉄拳タッグトーナメント2」、さらにはスマートフォンやタブレット端末向けのアプリなど、同社が幅広く展開しているゲームコンテンツが一堂に会していた。




■ 超接近戦など新システム満載のシリーズ最新作「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」

 今回出展されたデモ版では、戦闘機とヘリの2種類のモードが用意された。

 まずは戦闘機から。アナログスティックを使ったシンプルな操作が可能で、敵機を一定時間正面に捉え続けるとロックオンし、ホーミングミサイルを1ボタンで射出できる。基本的なプレイ感覚は過去のシリーズと同様だ。

 その上で、本作には「クロスレンジアサルト」という近接戦闘が導入されている。ミサイルのロックオン距離よりもさらに敵機に近づくと、敵機の周りに緑の円が表示される。この瞬間にL、Rボタンを同時に押すと「クロスレンジアサルト」の状態に入る。

 発動させた瞬間、敵機の背後をフォーカスした視点に切り替わる。L、Rボタンを押し続けている間は、半自動で敵機を後ろから追尾し続ける。上下左右に逃げようとする敵を、しっかり真正面に捉えて攻撃するという、通常とは異なる操作になる。通常時よりは遥かに楽に敵を捉えられるので、バルカンの使用も有効。さらに敵機を正面に捕らえ続けるとロックオンし、通常よりも命中率が高い状態でミサイルを射出できる。「クロスレンジアサルト」で敵機を撃墜すると、一瞬時間が停止し、敵機が破壊される瞬間をさらにフォーカスして見せる演出も用意されている。

 ただし「クロスレンジアサルト」は、敵機が大きく動けば強制的に解除させられる。またこれはプレーヤーだけのものではなく、敵機も使用してくる。敵に「クロスレンジアサルト」に入られると警告が鳴り、敵機の視点の中心(ロックオンターゲット)が赤い丸で表示される。ロックオンされ続ければ、強烈な攻撃を食らうことになる。

 仕掛けられた「クロスレンジアサルト」から脱出するには、加速や急旋回で振り切る方法のほかに、「カウンターマニューバー」という特殊操作が用意されている。「クロスレンジアサルト」を受けている最中に、両方のアナログスティックを上に入れると同時にLボタンを押すと「カウンターマニューバー」が発動し、機体が急激に動いて「クロスレンジアサルト」から逃れ、逆にいい状態に持っていける。慌てずこの操作を行なうことが大切だ。

 通常の敵ならば従来どおりに戦っても勝てるが、エースパイロットを相手にした時は「クロスレンジアサルト」を仕掛けあう戦いになるようだ。過去のシリーズにはなかった要素で、遊びの感覚もかなり変わっているのは事実だが、コツを掴めば敵機を効率よく撃墜でき、初心者でもエースパイロット気分を味わえる。ストーリー性を重視してきた本シリーズにマッチしたシステムと言えるだろう。

 もう1つのヘリのほうは、地上部隊の掃討を目的としたもの。街中に潜む軽車両や戦車、RPGを構えた歩兵を、機銃やミサイルを駆使して倒していく。ヘリの操作は左アナログスティックで前進後退と左右移動、右アナログスティックで上下視点移動と左右旋回。Rボタンで機銃とミサイルを使える。

 敵は機関銃を撃ってくる軽車両も厄介だが、建物の脇に隠れて移動しながらRPGを撃ってくる歩兵が特に面倒。撃たれると即座に警告が鳴るので、L、Rボタンを同時押しすれば横にロールして回避はできるが、ターゲットが小さくて反撃を当てづらい。

 うまく狙って当てるには、ぐっと敵に近づいてからLボタンを押せば、ターゲットサイトに近い敵をロックオンできる。この状態で機銃を撃てば、歩兵は楽に倒せる。軽車両も何発か当てれば倒せるし、ミサイルならばほぼ1撃だ。低空で一気に接近して、敵を次々とロックオンして殲滅していくのは、緊張感もありつつ、なかなか爽快だ。

 ただ敵がかなりの物量作戦で、1つ壊滅させても次々と新たな部隊を送り込んでくる。さらに味方の複数の部隊を守れという指示も出て、戦場の空中を右往左往することになる。もちろん、それらを見事に撃退し、味方から感謝の言葉を投げられるのが、本作の楽しいところでもある。

 新システムが多いこともあり、過去のシリーズとはプレイ感覚の違いがあるのは確かだ。爽快感と演出を強化し、ストーリーをより際立たせる方向に進んでいると感じた。ガイドも親切で初心者にも遊びやすいシステムになっており、過去のシリーズを知らない人や、フライトシューティングの経験がない人にも、気軽に挑戦してもらいたい内容になっている。

 北米では10月11日に発売予定。日本での発売日と価格は未定となっている。


戦闘機で超接近戦を展開する「クロスレンジアサルト」。「カウンターマニューバー」による駆け引きと、爽快感のアップに繋がっている



■ 重力制御で相手を浮かせ、抑え付けろ! 「INVERSION」

 未来的なデザインを採用したTPS「INVERSION」は、基本的にはオーソドックスなスタイルのサードパーソンアクションになっている。銃を手にしたプレーヤーキャラクターが、ややのっそりした動きで歩き、壁や土嚢のような障害物に隠れて腕を出して射撃できる。「Gears of War」の影響を強く受けている作品であることは間違いない。

 本作はそこに足す味付けとして、重力というキーワードを盛り込んだ。プレーヤーキャラクターは重力を操る能力を持っており、行く手を塞ぐ障害物を浮かせて排除するなど、超常的な能力を駆使してミッションを進めていく。

 マルチプレイでも、重力操作が重要な鍵になっている。プレーヤーは銃器による攻撃とは別に、手から光弾を射出できる。これは命中した場所で小爆発を起こし、一定範囲に重力変化を起こす。

 重力制御は、低重力と高重力の2種類を随時切り替えられる。低重力の爆発に巻き込まれた敵は、吹き飛ばされながらも、まるでスローモーションのように空中にふんわりと浮き上がる。この間は反撃はできるものの移動はできず、格好の的になってしまう。高重力でも同様の爆発が起き、こちらは地面に抑え付けられるような格好になる。やはり身動きが取れなくなり、致命的な隙を作ってしまう。

 指示された入力を的確に行なえば、重力操作の影響下から素早く抜け出すことも可能なようだが、多人数でのTPSで一瞬でも動きを止められれば致命的だ。重力操作が使える回数は限られていて、回復するにはマップ上に落ちているアイテムが必要。強力な武器の1つと考えて、うまく運用することが重要になる。

 北米では2012年2月7日発売予定。日本での発売は未定。


重力を操るのがキーワードとなるTPS。空を飛ぶようにして離れた足場に移るアクションも。未来的なテイストで描かれたグラフィックスも見所



■ 強引な1点突破が抜群の爽快感を生む「ギャラガレギオンス DX」

 今年で生誕30周年を迎えるシューティングゲーム「ギャラガ」のシリーズ最新作。大量の敵が次々と現われるのが特徴で、弾幕系ならぬ「“敵幕系”シューティング」と呼んでいる。

 メニュー画面では、自機や敵機のグラフィックスを選択できる。最新作だけあって繊細なグラフィックスも選べるが、過去のシリーズを踏襲したノスタルジックなキャラクターに変更もできる。会場では6種類のグラフィックスを確認できたが、基本的に変わるのは見た目だけで、ゲーム内容には影響していないようだ。

 ゲームを開始すると、画面に光の筋がいくつも走る。このラインに沿って敵が出現するという合図だ。ほどなく、敵が大量に連なって高速で飛んでくる。事前に見たラインをもとに、敵に接触せず効率的に攻撃できる場所を探る。

 自機は左スティックで移動、右スティックで弾の方向を選べる。弾の種類は、前方に集中的に射出するものと、左右や後方にも展開できるフレキシブルなタイプの2種類を随時切り替えできる。敵の動きに応じてうまく切り替えて、効率よく倒せる武器を選ぶ。

 敵を効率的に倒すには、1体1体倒していくよりもいい方法がある。普通の敵よりもサイズが大きい敵のリーダー格を倒すと、それに連なっている敵機が連鎖的に破壊される。素早く敵を倒すには、いかに早くリーダーを倒すかがポイントになる。

 ただし、途中から敵の数がものすごいことになる。リーダーを最後尾にして、画面上部から全体を包み込むように現われる敵の一団は、とてもではないが全てを倒してはいられない。そこで敵のど真ん中に攻撃を集中して1点突破を計り、リーダーを一気に突き崩す。自機の横も後ろも敵に囲まれてしまうが、リーダーさえ破壊すれば全ての敵が一気に吹き飛ばせる。

 そういう強引な戦い方で攻略するのが本作の本道のようで、ギリギリの状況を突破して敵を全滅させる戦いは実に爽快だ。それでいて、さらなるタイムアタックにはどのルートでどこを狙うのがいいのかと頭を悩ませる部分も大いにある。パズル的要素を多分に含みつつも、遊びやすく爽快感たっぷりなシューティングに仕上がっている。

 発売日と価格は現時点では未定。


大量の敵を相手に、いかにしてリーダーを倒すかを考えるシューティング。正面から1点突破、あるいは裏に回って撃破など、色々なパターンが考えられるグラフィックスは数種類用意されており選択が可能。「ギャラクシアン」風のものもあった

【その他のコーナー】
Wii「GO VACATION ゴーバケーション」も出展。100種類以上のスポーツを収録した、リゾート感あふれるパーティーゲーム。2011年発売予定AC「鉄拳タッグトーナメント2」も1台だけ出展。狭いコーナーにファンが集まって対戦を繰り広げていたモバイルやタブレット端末のコーナーも。iOS向けに先日無料で配信された「Galaga 30th Collection」も置かれていた

(2011年 6月 11日)

[Reported by 石田賀津男]