「スペシャルフォースリーグ 日本代表決定戦 in 秋葉原」開催

世界大会出場クランが決定! 新サービス「FPSField」も発表


10月2日 開催

会場:ベルサール秋葉原 1Fホール

入場料:無料



 NHN Japan株式会社は10月2日、Windows用オンラインFPS「スペシャルフォース(SF)」の日本代表決定戦「スペシャルフォースリーグ 日本代表決定戦 in 秋葉原」を、ベルサール秋葉原 1Fホールにて開催した。「SF」は、同社のオンラインゲームポータルサイト「ハンゲーム」のコンテンツのひとつで、過去4度の世界大会が行なわれるなど、世界的にも人気の高いFPSだ。


会場となったベルサール秋葉原 1Fホール。大通りに面しているので、通りすがりに立ち止まる観客もいた開場と同時に来場者限定イベントも行なわれた協賛企業によるブースの出店も



■ 注目は前回王者「Racpy」! チャンピオンと挑戦者の意地がぶつかる!

広々とした会場に集まった多くの観客が大会の行く末を見守った
対戦の様子。クラン内でのやりとりはボイスチャットを使用
爆弾の設置・解体がゲームの重要な鍵となる

 今大会の優勝者には、日本代表として10月末に韓国で開催予定の「第5回世界大会」の出場権が与えられる。日本代表決定戦に出場したのは、合計でおよそ300クランが参加した「極トーナメント」と「SFL日本代表決定戦予選」を勝ち抜いた3クラン「Partita」、「ukn」、「Agitato」と、昨年の日本代表クラン「Racpy」を加えた4クランで争われた。「Racpy」は世界大会で2位の実績も残している実力派であり、これまでの国内大会では圧倒的な強さを見せ付けており、各クランからは打倒「Racpy」を目標にあげる声が次々とあがった。

 ルールは「爆破モード」による5対5(うちスナイパー1名)の団体戦。この「爆破モード」は、攻撃側(REDチーム)と防衛側(BLUEチーム)に分かれて戦う。REDチームはMAPに2カ所ある破壊目標に爆弾を設置して爆破(設置してから35秒後に爆破)させれば勝利となり、BLUEチームはその設置された爆弾を解体すれば逆に勝利となる。爆弾の設置以前に相手チームを全滅させても勝利となるので、個人の技量はもちろん、駆け引きを含めたチーム内の情報のやりとりや作戦遂行の際の結束が重要になってくる。

 試合は前半7ラウンド、攻守交替をした後半7ラウンドによる8ラウンド先取(最大14ラウンド+延長ラウンド)。MAPは抽選によって決められた。

 Ustreamで大会の様子が全世界に配信される中、準決勝を勝ち抜いたのは「ukn」と「Racpy」。決勝に臨む際、「ukn」クランマスターGalatea選手が「Racpyの時代は終わりました」と豪語すれば、「Racpy」クランマスターYuti選手は「uknにはオンラインで負けたことがないので大丈夫です」と切り返すなど、試合前から戦いが始まっていた。

 決勝は、8ラウンド先取を1セットとしての2セット先取。王者「Racpy」をいかにして止めるかが焦点となった決勝戦、最初のMAP「ミサイル」ではラウンドを取っては取り返すという熱戦が繰り広げられ、一時は6-6で両チームが並んだ。そして、なんと「ukn」がそこから2連勝して8-6で勝利したのだ。この手に汗握る展開に追い詰められたのは「Racpy」。続くMAP「トレイン」でも「ukn」が2連取で飛ばし、このまま行ってしまうのではないかという場面。しかし、さすがは王者。ここに来て「Racpy」の真の実力が発揮された。

 特に印象に残っている1戦を紹介しよう。生存者が1対1で残った状況で、守備側の「Racpy」SpyGea選手は、設置された爆弾を解除しようとしていた。その背中を素早く狙いにやってきた「ukn」の選手。圧倒的に不利な状況だが、SpyGea選手は、瞬間的にその解除をやめて振り向きざまに相手を撃ち倒したのだ。会場からどよめきが起こったこの「解除をやめて振り向き撃ち」も含む6連勝で、第2MAPを8-3と決めて1セットを取り返した「Racpy」が完全に息を吹き返した。

 迎えた最終MAP「サテライト」、序盤は「ukn」も好戦していたが、「Racpy」の乱戦における立ち回りの巧みさに徐々にポイントを離された。「Racpy」の7-3で迎えた誰もが息を飲む11ラウンド。最後の1人となった「ukn」Galaea選手が、同じく最後の1人だった「Racpy」SpyGea選手に倒され、勝負は決着。前回に引き続き、「Racpy」が日本代表として世界大会への出場を決めた。優勝した「Racpy」には、賞金30万円と盾が授与された。


決勝でぶつかった「ukn」と「Racpy」。スタッフの話によれば、Ustreamでの中継は一時2,200人を超えて視聴者数が世界でトップになったという
ハンドガンに持ち替えた瞬間にヘッドショットするなど、エイミングの技術の高さも見られた決着の瞬間。王者はやはり強かった
優勝した「Racpy」。賞金はスペシャルプレゼンター「ザ・50回転ズ」からの手渡し第2位の「ukn」。盾と賞金10万円が贈られた



■ FPSファン必見! FPSの総合情報・コミュニティサイト「FPSField」が発表!

「FPSField」プロジェクトリーダーの鹿野智子氏
オンライン・オフラインにこだわらず、「デバイスを問わない」と宣言
タイアップには映画「エクスペンダブルズ」も。詳細は10月8日に発表するという

 この大会の途中で、NHN Japan「FPSField」プロジェクトリーダーである鹿野智子氏より、FPSゲームの総合情報・コミュニティサイト「FPSField」の紹介があった。「FPSField」は、端的に言えばFPSのファンサイトだ。「ハンゲーム」のコミュニティ機能を活用して、掲示板でタイトルごとの情報交換もできれば、FPS関連のニュースも読める。鹿野氏に話をうかがったところ、「FPSに特化した、ハンゲーム内にあるポータルサイトのようなもの」という。今後はFPSのイベントも積極的にバックアップしていくという。

 注目なのは、扱うFPSがハンゲームのみに限らずに他社製品、パッケージタイトル、据え置き機などを含めたFPSと呼ばれるものすべてを視野に入れていることだ。今回パートナーとして紹介されたタイトルが、株式会社ゲームポットの「ペーパーマン」や、株式会社WeMadeOnlineの「Sting」などということからも、会社の枠組みを越えた取り組みであることがわかる。

 パートナーとして発表されたタイトルは、「ハンゲーム」のIDでも遊べるようになる。このことについて鹿野氏は、「『SF』の世界大会を見たとき、ものすごく盛り上がっていたのを感じた。日本でもFPSというジャンル自体を盛り上げていきたかった」とした上で、「FPSField」については「これまでFPSを盛り立てるような会社は日本にはなかった。それを『ハンゲーム』が旗振りとしてできることが光栄」と話した。

 この日は上記の他に、NHN Japanの「スペシャルフォース」と「戦場のカルマ」、アラリオ株式会社の「クロスファイア」、NECビッグローブ株式会社の「WarRock」、JC Global株式会社「Another Day」、株式会社エムゲームジャパンの「OPERATION7」が参加を表明した。またプロゲーマーによる製品の実使用レビューなどのコラムコンテンツも考えているそうで、周辺機器関連では「DHARMAPOINT」、「Razer」、「Zowie」、「ROCCAT」、「Steelseries」が参加。さらにプロゲーマーのKeNNy氏とuNleashed氏、FPS実況アナウンサーのyukishiro氏、FPSFieldマスコットガールの正田美里さんが紹介された。

 パッケージ製品や据え置き機についてはニュースでの提供はもちろん、FPSField内でタイトルごとのコミュニティを設置して、ユーザー同士の交流を支援していくことになるようだ。今後のコンテンツのさらなる充実に期待をしたい。


パートナーとして紹介されたのはこの日だけでも多種多様。今大会のようなイベントなどでぜひ盛り立てていって欲しい

 決勝戦について、NHN Japan「スペシャルフォース」プロデューサーで、今大会の解説を担当した佐野亘氏は「途中から(実況の)yukishiroさんの声が全く耳に入らず、観客の1人として普通に楽しませてもらいました」と白熱した試合を振り返っていた。熱戦を見せた「Racpy」は、今月末に予定されている世界大会でのリベンジが待っている。また、日本のFPSファンにとっては注目すべき「FPSField」のインフォメーションもあったことも忘れてはならない。この日本代表決定戦は、そういった意味で、今後増して来るであろう日本のFPSの勢いを感じさせる大会であったと言っても、決して過言ではないだろう。


「SFホラーモード」のテーマ曲を担当した「ザ・50回転ズ」によるスペシャルライブも開催。パワフルなパフォーマンスに会場は一瞬にしてライブハウスとなり、日本代表決定に華を添えた。(Photo by 森リョータ)

(2010年 10月 4日)

[Reported by 安田俊亮]