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Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

岩田社長による「3DS」発表など、任天堂メディアブリーフィングをレポート
桜井氏と任天堂の極秘プロジェクトは、3DS用ソフト「パルテナの鏡」


6月15〜17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 任天堂は、現地時間の15日午前にE3会場に近いNOKIA Theaterでメディアブリーフィングを行なった。そこで、かねてより噂になっていた「ニンテンドー3DS」が発表された。「ニンテンドー3DS」は眼鏡なしで3D画像が楽しめるという画期的な性能が搭載されている。発表は任天堂の代表取締役社長、岩田聡氏自らが行なった。

 このレポートでは「ニンテンドー3DS」の発表を中心に、任天堂メディアブリーフィングの後半をレポートする。




■ 「3DS」は、任天堂が考え続けていた3Dという問いの答え

Nintendの代表取締役社長、岩田聡氏
ニンテンドーof AmericaのCOO、Reggie Fils-Aime氏は、任天堂の3Dの歴史を振り返りつつ、今の3D技術の問題は面倒なメガネだと強調

 「ゲームのはるかな未来をご紹介します」

 メディアブリーフィングで司会を務めたNintendo of AmericaのCOO、Reggie Fils-Aime氏は、そんな言葉とともに「ニンテンドー3DS」を紹介した。スモークに包まれたステージの一画から、白い台に乗った3DSが現われると、広い会場は大歓声に包まれた。

 3DSの紹介は、片手に3DSを携えた任天堂の代表取締役社長、岩田氏によって行なわれた。任天堂は15年前に「バーチャルボーイ」という3Dマシンを発売した。据え置き型のメガネのような形をしたゲーム機で、赤のモノトーン立体画像を表示できた。

 表現の制約が大きく、据え置き型という使いにくさも災いしてか「バーチャルボーイ」はムーブメントを起こすことなく消えていった。しかし「それ以来ずっと3Dは頭の中にありました」と岩田氏。3Dを現実的な商品にする方法を模索し続けた結果が、「ニンテンドー3DS」という画期的なマシンで、ついに結実した。

 3D効果はスライダで調整可能で、まったくなくすこともできる。「開発の段階で、タッチパネルにつく指紋などの汚れが、3Dの立体感を損ねて透明度も低下させるということが判った」(岩田氏)ため、3DSでは上の画面が3D、下の画面がタッチパネルと棲み分けている。3DSの詳細なスペックに関しては、こちらの記事を参照して欲しい。

 「インパクトのある視覚効果は、3Dだけではなくグラフィックスも重要」(岩田氏)という理由からグラフィックス性能も向上した。さらにアナログスティック、モーションセンサー、ジャイロセンサーなど多様な機能が搭載されている。「これらの新しい操作体系を活かした、新しいゲームが生まれることを期待してます」という岩田氏のコメントは、常にゲームシーンにイノベーションを起こしてきた任天堂らしいコメントだ。

 また、外部に搭載された2つのカメラで3D写真を撮影し、3D写真を相互にやり取りできることや、ハリウッドの3D映画を3Dメガネなしで見ることもできる。これまで純粋なゲーム機という印象が強かったDSだが、ここでしかできない新しいコミュニケーションのためのツールとして新しい需要が生まれそうだ。

 DSiまでは、ゲームのソフトウェアに通信機能が付いていても、ゲームをプレイしていない時には通信が途切れていた。3DSでは本体が自動通信をサポートするので、ゲームを終了している時でも通信が可能になる。


ついに正式発表となった「ニンテンドー3DS」 3D機能は、スライダでシームレスにオンオフが可能 カメラが2つ付いていて、3DS同士なら立体写真のやり取りができる



■ 「パルテナの鏡」を始め、強力なラインナップがハードを後押し

極秘プロジェクト「プロジェクトソラ」の正体は、3DS用アクションゲームだった
孤独な天使がメデューサに戦いを挑む

 岩田氏が3DSのタイトルとして最初に紹介したのは、特命プロジェクト「プロジェクトソラ」という会社名だけが明らかになっていた謎のタイトル。「プロジェクトソラ」は、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズや「星のカービィ」を作ったゲームデザイナー、桜井政博氏と任天堂が全面協力をして作った会社。

 極秘だった設立の目的は「3DSのゲームを完成させること」。そして出来上がったのが3Dアクションゲーム「Kid Icarus UPRISING」(邦題:「新・光神話 パルテナの鏡」)だ。

 オリジナル版の「光神話 パルテナの鏡」は1986年にファミコン・ディスクシステムのソフトとして発売された。「新・光神話 パルテナの鏡」はそんな懐かしいタイトルを3Dゲームとしてリニューアルした作品。会場では、羽の生えた主人公の少年が空を飛ぶムービーが上映された。3Dゲームらしく、戦闘も移動も奥行きを感じる構造になっていて、狭い岩の間を奥に向かって飛んだりといった従来のモバイルゲームではあまり見る機会のない演出が使われていた。発売日はまだ未定だが、3DSを象徴するシリーズになりそうだ。


立体視を活かした奥行きのある移動や、戦闘がふんだんに使われている

宮本茂氏が製作中だという「nintendogs + cats」
サードパーティーには名だたるゲームメーカーが勢ぞろい

 「パルテナの鏡」以外にもファーストパーティーの3DS用定番タイトルが公開されているが、今回はローンチのタイミングから多くのサードパーティーが参加しているのも特徴だ。会場ではサードパーティーとして参加する著名なゲームクリエイたーが、3DSを語るビデオメッセージが流された。その中には、「3DS」用の「メタルギア ソリッド」はジャングルが舞台となる、とか、3DS用の「ストリートファイター」も出るかもしれないといった気になる情報も含まれていた。

 「DSやWiiが発売されるまでは、任天堂の前代未聞のアイデアが実現するとは信じてもらえませんでした」と岩田氏。これまで、任天堂は新ハードを出す時には自社で強力なラインナップを揃えて、サードパーティーの参加は限定的というパターンが多かった。しかし「今回は状況が違う」(岩田氏)。もちろん「パルテナの鏡」や宮本茂氏が製作中の「nintendogs + cats」を始めマリオや「スターフォックス」など自社のタイトルも投入されるが、今回発表されただけでも20社というサードパーティーの多さから、3DSへ期待をかけるメーカーの意気込みを感じ取れる。

 サードパーティーはいずれも、その会社の代表作を3DS用タイトルとして発表しており、一見しただけでも相当に魅力的なラインナップだ。コナミの「メタルギア ソリッド」シリーズの名前が画面に出た時には、ひときわ大きな歓声と拍手で会場が沸いた。ファーストパーティー、サードパーティーのラインナップについては、こちらの記事のリストを参照して欲しい。


VICARIOUS VISIONSのCEO、Karthik Bala氏 コナミの小島秀夫氏 5th DELLのCEO、Jeremiah Slaczka氏
カプコンの稲船敬二氏 UbisoftモントリオールのMelissa Cazzaro氏 レベルファイブの社長、日野晃博氏



■ 世界が熱狂する新ハード。発売は2010年度内

 午後に公開されたE3のブースには、ブースを取り囲むように3DSの試遊を待つ大行列ができていた。実際に並んだ人の話によると3時間待ってもまだ遊ぶことができなかったのだと半ばあきれていた。

 発売日と価格は今回発表されなかったが、今期中に世界の主要都市で発売するということなので、日本でも遅くとも来年の3月までには発売しているだろう。発売時期には、再び旋風を巻き起こしそうだ。


「3DSの魅力を何とか伝えようと作った映像」(Fils-Aime氏)、と紹介されたのは岩田氏と宮本氏が3DSに吸い込まれて、クッパに追いかけられている映像。さらにFils-Aime氏も吸い込まれて、黒こげにされてしまった

(c)2010 任天堂
(c)2010 Sora Ltd.

(2010年 6月 16日)

[Reported by 石井聡]