東京ゲームショウ2010レポート

スクエニ、EXTREME EDGESタイトルレポート
海外ディレクターが多脚ロボット破壊を披露した「デウスエクス」
「CoD ブラックオプス」ではラジコン型爆弾なども登場!


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 「SQUARE ENIX EXTREME EDGES(スクウェア・エニックス エクストリームエッジ)」とは、スクウェア・エニックスが発足させた海外タイトルの専門レーベル。東京ゲームショウ2010のスクウェア・エニックスのブースでは、このレーベルのタイトルとして、「デウスエクス」、「コール オブ デューティ ブラックオプス」、「ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト」を出展していた。

 「デウスエクス」はアイドスモントリオールスタジオのゲームディレクター、ジャン フランソワ デュガー氏が来日、期間中毎日ファンの前でデモプレイを行なった。「コール オブ デューティ ブラックオプス」は映像出展のみだったが、ゲームの様々な要素を紹介していた。「ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト」は試遊台を設置、人気を博していた。本稿ではこの3タイトルをピックアップして紹介したい。



■ 会話テクニックで情報を聞き出し、機械の体で敵を殲滅! ディレクターによるデモプレイ「デウスエクス」

本作を開発するアイドスモントリオールスタジオのゲームディレクター、ジャン フランソワ デュガー氏

 「デウスエクス」はPS3/Xbox 360向けのアクションRPGで、北米での発売は2011年予定、日本での発売日は現在未定だ。ブースでは企業日は1日2回、一般公開日は3回、本作を開発するアイドスモントリオールスタジオのゲームディレクター、ジャン フランソワ デュガー氏によるデモプレイが行なわれた。

 「デウスエクス」は企業が国家よりも力を握るようになった未来、バイオテクノロジーによって人体と機械を融合させ、人体の機能をアップグレードさせる「オーグメンテーション」という技術による超人達が生み出される時代の物語だ。主人公アダム・ジェンセンは、自分の意志とは関わりなくオーグメンテーション手術を受け、そしてその拡張された力で彼を雇った企業を襲った襲撃者達を追うこととなる。

 デュガー氏によるデモプレイでは上海の近くにある島を舞台にある人物を追う、というシナリオで、開発中のバージョンだが、すでに音声は日本語に吹き替えられていた。デモプレイは「情報収集」と「戦闘」の2部構成で行なわれた。上海近郊の島は、1つの大きな都市のように見える場所で、上の建物がまるでふたをしているかのように2層構造になっている奇妙な場所だ。

 「デウスエクス」では主人公の行動に様々な反応をする。話しかけることも銃を突きつけることも可能だ。通り過ぎる人々の雑談は世界観を感じさせるような話をしていたり時にはゲームのヒントが隠されていたりする。サブクエストなども発生するという。本作では目的に複数のアプローチができるようになっている。強行突破することも、忍び込むことも、用心棒に金を渡して入ることもできる。

 会話ではいくつかの選択肢が選べる。失敗すると時には戦いまでエスカレートしてしまうことも。NPCとの会話は腹の探り合いをしているようなハードボイルドな雰囲気だ。今回のデモプレイでは、会話で情報を得られず、ガードマン達の会話から、1人がカードコードをなくしたことを知り、トイレでそれを探し出し、侵入する、という形になった。これが唯一の正解ではなく、様々な方法があるという。

 次にデュガー氏は戦闘シーンを見せた。敵が警戒している場所に進入する「デウスエクス」は通常は1人称だが、ものに隠れると3人称になる。デモプレイでは、カメラの向きを見ながら物陰から物陰に移動し、コンテナを取って足場を確保してから窓を開け、中の警備員を倒してカメラのコントロールを奪う、というアクションをスムースに行なった。初プレイでここまでの行動は難しそうだが、慣れるとかっこよく決められそうだ。

 ここから、ボウガンの狙撃や、サーモセンサーに切り替え壁の向こうにいる敵を感知、壁をぶち抜いて敵を倒す、といったアクションを披露。さらに天井から敵が固まっているど真ん中に落下すると、アダムの両腕に付けられていたボタンのような部品が周囲にばらまかれ、一掃するというシーンが展開した。アダムのオーグメントの高い戦闘力を見せつけられるシーンである。

 工場内でアダムは銃撃戦を繰り広げる。ヘリの音がしたかと思うと、天井を突き破ってコンテナが落下してくる。見る間に四角いコンテナが変形し、四角い多脚型戦車になる。バルカンと周囲にまき散らす爆弾でアダムを追いつめる戦車。アダムは何とか敵の攻撃をかわして、工場の隅にあるロケットランチャーを拾い、敵を破壊する。

 しかし、そのアダムの後ろに忍び寄る影。アダムと同じようにオーグメンテーションされた体を持ち、頭1つ大きく、圧倒的な力を感じさせるその男が、アダムに襲いかかってくる。絶対絶命なピンチ! というところでデモプレイは終了した。「デウスエクス」の発売が待ち遠しくなるデモプレイだった。
主人公のアダム。望まずにオーグメンテーションの手術を受け、死の淵からよみがえる
ステルスアクションやハッキング、そして銃撃戦など様々なアクションが可能だ
独特の未来世界、ハードボイルドな雰囲気も魅力だ



■ ラジコン型の爆弾などユニークな武器が多数登場、コンバットトレーニングにも注目「コール オブ デューティ ブラックオプス」

プロモーションムービーは常にブースのモニターで流されていた

 PS3/Xbox 360「コール オブ デューティ ブラックオプス」は字幕版を11月18日に、吹き替え版を12月16日 に発売予定だ。ブースでは、開発スタッフによるゲーム要素を紹介するプロモーションムービーを放映していた。

 「コール オブ デューティ ブラックオプス」のテーマは「冷戦」だ。歴史で語られることのない、冷戦時代の様々な戦いを描いていく。プレーヤー自身もその歴史に埋もれた戦いに参加する兵士として、様々な戦場を体験することになる。

 今回のムービーは、マルチプレイへの言及が多かった。「コール オブ デューティ ブラックオプス」では武器のカスタマイズが可能になり、マルチプレーヤーでもより細かくプレイスタイルを追求できるようになるという。ユニークな武器もたくさん登場する。ベトナムで使われた「ナイチンゲール」と呼ばれる武器は、花火を束ねたような形をしていて、このナイチンゲールを使うことで、銃を乱射しているような音を出し、敵に自分たちの位置を見失わせる効果があった。

 この武器の要素を「デコイグレネード」という武器に活かした。ナイチンゲールのように音を出すだけでなく、ミニマップに敵として示すマーカーを表示できる。このため、マルチプレイではこのデコイグレネードにだまされないように注意しなくてはいけない。また、画面ではラジコン型の兵器も紹介されていた。爆弾を積んでいて、相手に近づいて爆発させる。今作ではクロス帽や火炎放射器といった武器も登場するとのことだ。

 この他、「コンバットトレーニング」も強くアピールしていた部分だった。今作では、マルチプレイだけでなく、AIキャラクターと対戦し、腕を鍛えることができるという。専用フィールドと、トレーニングモードのためのAIも用意されていて、武器の有効な使い方、Peakの特性など、戦うために必要な様々なポイントを学ぶことができるという。


冷戦時代の、歴史に埋もれた戦いを描く。ベトナム以外にも様々な場所が舞台になるようだ
乗り物に乗ったり、敵を急襲したり、様々なシチュエーションが用意されている



■ シリーズの要素を受け継ぎながら新しいゲーム性を提示「ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト」

 「ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト」は8月18日にXbox LIVEアーケードで配信され、9月26日にPlayStation Storeで配信予定のアクションゲームだ。「トゥームレイダー」シリーズの最新作だが、これまでの作品はTPS形式だったが、今作はクオォータービューになっている。

 会場では試遊台で本作を楽しむことができた。来場者は本作の最初のシーンからプレイできる。「ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト」はこれまでのシリーズと雰囲気が大きく異なったものになったが、拳銃を使うアクションや、仕掛けの活用の仕方、パズル要素など、「トゥームレイダー」の持つ面白さを受け継ぎつつ独特の味を出している。ダウンロード販売だが、メッセージは日本語吹き替えで、ローカライズにも力が入っている。


PS3版の試遊台を出展。ゲーム序盤からプレイすることができた
スクリーンショット。光の守護者トテックがパートナーとして登場し、2人は協力して進んでいく

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(2010年 9月 18日)

[Reported by 勝田哲也]