カプコン、PS3/Wii「戦国BASARA3」本日発売!
発売記念イベントを秋葉原と新宿で開催


発売中(7月29日 発売)

価格:6,990円(PS3版)
   5,990円(Wii版)
   6,990円(Wii版 クラシックコントローラPROパック)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)


小林裕幸氏(上画像・右)と山本真氏(同・左)

 株式会社カプコンは、プレイステーション 3/Wii用スタイリッシュ英雄(HERO)アクション「戦国BASARA3」の発売記念イベントを、7月29日にソフマップ秋葉原アミューズメント館とビックカメラ新宿西口店にてそれぞれ開催した。ここでは、ソフマップ秋葉原アミューズメント館で行なわれたイベントの模様をお届けする。

 本イベントは、イベント実施店舗で当日ソフトを購入し整理券を入手した先着100名を対象としたもの。プロデューサーの小林裕幸氏とディレクターの山本真氏によるサイン&握手会と、徳川家康役の声優・大川透さんを交えたトークショウの2部構成。第一部のサイン&握手会がやや早く終了したため、第二部トークショウまでのつなぎに、小林氏と山本氏による即席トークショウ+ファンからの質疑応答時間が設けられた。

 人気コミック「花の慶次」を手がけた原哲夫氏と編集者の堀江信彦氏のイベントで、小林氏が以前「慶次をお借りします」といったというエピソードから「どの程度まで参考にしたのか?」と質問された小林氏は「参考にはしてないです。開発スタッフ的にはドンピシャの世代。前田慶次は『花の慶次』のイメージが強く(ゲームに)出すのを止めておこうと思っていたが、『2』の華が欲しいとなったとき、前田慶次を出しましょうとなった。どう差別化をするかで山本と相談した」と説明。山本氏は「『花の慶次』と似ちゃダメだな、と悩んだ。キーワードの“恋”を出すのに時間がかかった。慶次自体の“ものさし”ってなんだろう? と、何かしら作りたいと思っていた。信長のことは認めるけど、秀吉は認めていないという“ものさし”を持っている。そう考えたとき、色々と悩んで“恋”というキーワードをひねり出した」という。

 「京都のイベントで(原氏、堀江氏と)話をしたとき、おふたりが作った慶次を見て、ぼくらが新しい慶次を作ることに対して、いいお言葉をいただいた。認められたわけじゃないんですけど『それはそれでいいんじゃないの?』と。慶次ってたぶん、世の中の人が誰も知らないなか、『花の慶次」が前田慶次を大々的に知らしめたと思うので、そこから続いて違う慶次を作れたことは良かったかな」という小林氏。イメージカラーの黄色は「すぐ決まりました。赤(幸村)、青(政宗)ときたら……」という山本氏。なお、いつも慶次のかたわらいるペットのゆめきちは「なんでひとりじゃダメなの?」と渋るスタッフに、山本氏が頼み込んで登場させたという。

 海外版のパッケージについて質問されると、小林氏は「諸事情がありまして、海外版のパッケージは政宗(ここで会場から「へぇ~」と感嘆の声があがる)。海外版のタイトルは“3”じゃなくて“戦国BASARA SAMURAI HEROES”。シリーズとして海外は初出。一騎当千感と、あと海外スタッフの考え方で“SAMURAI”を出したいというのがあった。家康だと刀を持ってないから(会場笑)そういう事情があって政宗」と説明。ボイスはすべて海外向けにローカライズされた新録版で、日本語は一切なし。「ちなみに政宗は英語だけ。日本語まじりは検討したんですけど、やめました」と小林氏がいうと、会場から大きな笑い声が起こる。ちなみに、海外ボイスの幸村と政宗は「デビル メイ クライ 4」のネロとダンテを演じた人がそれぞれ担当しているという。

 「いつから家康を成長させようと決めたのか」と質問された小林氏は「外伝から冗談で言い始めたんだっけ? 2が終わった頃か、外伝をやっている最中?」と山本氏に確認。当初そうするつもりはなかったが“3”で関ケ原をやろうと決めたとき「関ケ原なら徳川家康と石田三成。でも、うちの徳川家康は少年だからどうしよう? ってところで『じゃぁ大きくしようか』、『いいんじゃないですか』って。だから、答えは“3”をやるとき、ですね」と小林氏は説明。お気に入りのキャラについてきかれると、山本氏は「作るのに苦労したキャラが、やはり思い入れが深くなる。そういう意味では三成」とコメント。小林氏は「じゃぁぼくは家康を(笑)。毎回変えるんですよ、その時々で」とコメント。このあたりは、いかにもプロデューサーらしい回答といえそうだ。

 「“3”のテーマは関ケ原、戦国時代の終わり。“4”はもう視野に入れてますか?」ときかれた小林氏は「“3”で関ケ原をやるといったとき『もう終わりですね』とよく言われたけど、別に戦国時代は戻っちゃいけないわけじゃない。戦国時代を題材にしたゲームなんで、そのなかでは一杯やれる。別に幕末とかやったりする気はない。(戦国時代より)後ろにいったり、もっとさかのぼることもないのかなぁと。戦国時代、まだまだ出していない武将が一杯いる」とコメント。山本氏も「“3”で新しいことをしよう! というチャレンジを色々やった。そのなかで思ったのは、まだまだ可能性がある、掘り下げていける。戦国時代は偉大だなぁ、と思っています」と補足する。

 「次のBASARAのイベントは?」ときかれた小林氏。なんともバツが悪そうな表情をしつつ「……えーと、次のトークショウでいおうと思ったんですけど(苦笑)、8月15日にイベントをやります。“3”のオープニングテーマを歌ってもらっているT.M.Revolutionさんのニューシングル『Naked arms / SWORD SUMMIT』が8月11日にリリースされますが、それを記念して『T.M.R.15 vs 戦国BASARA3 夏の陣!』をやります。日付は8月15日、会場はラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場 グランドステージ。13時開始予定で、出演はT.M.Revolutionさんと私(小林氏)。観覧自由なんで、誰でもこられます」とコメント。イベント詳細は公式サイトにも掲載されているので、気になる人はぜひチェックしていただきたい。


参加者の大半が女性ファンだったが、熱心な男性ファンの姿もチラホラ。なかにはお子様と一緒に来場されたパパの姿も。差し入れを持参してきたファンなど、小林氏や山本氏と直接触れ合える貴重な時間をそれぞれ楽しんでいた会場に展示されていた「トレーディングフィギュア 戦国BASARA 3 武器・鎧コレクション」。全7種+ボーナスパーツ1種。11月中旬発売予定で、予価は各819円





大川透さん(上画像・右)

 イベント第2部は、小林氏と山本氏にくわえ、徳川家康役の声優・大川透さんが参加。「ついにきましたね! きましたね! 待ちに待ってましたよ! ついに発売になりました『戦国BASARA 3』! 今夜から当分眠れないと思います。みんなそうだよね?(笑) 楽しみましょう!」と、大川さんも発売日が嬉しくて仕方ないといった様子。ちなみに“3”の音声収録は、なんとTVアニメ一期スタート前。「アニメのスタッフに一言も喋れなかった(笑:大川さん)」というから驚きだ。

 小林氏に「大きくなった家康に対して、大川さんが気にかけていること。大人の家康を演じるとき、注意してることはありますか?」ときかれた大川さんは「台本に書かれている家康の行動原理みたいなものは、もうキッチリできてきたので、あまり余計なことは考えないようにはしてたんですけど。やはり対人関係というか、人としゃべるときの距離感、感情のぶつけかたみたいなものは、やはり上がった年齢なりのものを出さなきゃいけないな、とは思っていた。少年のときは、全部ぶつけて、ぶつけて! っていう。しゃべりかたも、どちらかというとぶつけてしゃべる子だったんですけど。大きくなると、そうもできない、みたいな。みんなをまとめていかなきゃいけないですから。忠勝にもそうそう頼れない、頼っちゃいけない! みたいなところをクリアしてきてるわけですから。その辺の対人関係の持ち方みたいなものは、大人として意識しようと思っていました」と説明。

 「今日ここにいるお客さんは、まだプレイしていない人が大半。家に帰って早くやりたいのに、ここにいてくれるファンのみなさん、大川さんと一緒に、徳川家康のオープニングを見ましょう!」という小林氏。大川さんも初見ということで、観終わるや「なんだか、ちょっとこう、震えてきますね。早くやりてぇ!(会場笑)」と一言。「本多忠勝との関係にもこだわりました。しがみついてるんじゃなく、筋斗雲(きんとうん)のように乗りこなす」という山本氏。「今回の収録にあたって絵を見せていただいたとき、あれが1番印象的でしたね。今までは肩に……正太郎少年のように乗ってましたから(笑)。今回は全然違う」と大川さんもおおいにうなづく。

 徳川家康のストーリーは、家康が豊臣軍を裏切るところからスタート。なぜ裏切ったかといえば「世界へ出るという、秀吉の進め方ではダメだ。危険だ。この国を泰平に導くんだという家康の気持ち。雷が落ち、大きな異変を感じ現場へ駆けつける三成だが、戦いは既に終わっていた。そこから家康、三成ともに次につながっていきます」と山本氏が説明。今月発売の集英社発行のコミック誌「ジャンプスクウェア」掲載中のコミックでは、まさにこのシーンが描かれているという。このあたりについて、小林氏と山本氏は「漫画はもうちょっとシーンが多いです(小林氏)」、「“3”で描かなかったシーンをいうと、最近よく考え直してて。もう(ゲームは)完成してるんですけど(山本氏)」、「『BASARA』は、全部キッチリ決めないんですよ。なんとなくこういうことがあったことで、こうしましょうとしておく。全部ガチガチで決めると、次回作、漫画、アニメをやるときに自由度がなくなる(小林氏)」とそれぞれ説明する。

 毎回「家康が最初から使えない」とボヤく大川さんだが、今回は主役ということで最初から選択可能。拳で戦うというアクションの変化について質問されると「実は想像がつかなかった。なにかのときに試遊台でやらせていただいたことがありましたが、想像以上に使い勝手が良くて。素手で殴るというのは、こんなに動けるんだ、こんなに自由度が高いとは思わなかった。色々な武器を使わないと倒せないというイメージがあったんですけど(違った)」とコメント。家康はボタンを長押しして“タメ”を作ると攻撃性能が変化。小林氏によれば「ちょっと慣れが必要」とのことだが、使いこなせば相当な威力を発揮。山本氏も「ずばりオススメ」という。

 今作は“エンディング達成度”というシステムが用意されており「100パーセントにするのは、凄く大変。とりあえず16キャラをクリアすれば、それでだいぶ見えてくる。そこから気になったところ、分岐や第2ルートとか、やりこんでもらえれば。1キャラやっただけでは(見えてくる範囲が)せまい。色々なキャラをやって、ストーリーを見てもらえると面白いかな」という小林氏。大川さんも「今までの作品以上に、ぼくにとっても今日の発売日は非常に感慨深いものがありまして。はたして盛り上がるのだろうか? 開発スタッフのようにドキドキしている。でも、みなさんの顔をみて『よし! いけるぞ!』と思いました。これからもよろしくお願いします」とコメント。じっくり、そして気軽に楽しめる本作。気になる人は、この機会にぜひ1度プレイしていただきたい。





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(2010年 7月 29日)

[Reported by 豊臣和孝]