CESA、「CEDEC 2010」初日の基調講演にコーエーテクモの松原健二氏
3回目の基調講演「CEDECとは?-そのもたらす価値の追求-」
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)と日経BP社は7月28日、「CEDEC 2010」の初日の基調講演をコーエーテクモホールディングス代表取締役社長の松原健二氏が務めることを明らかにした。CEDEC 2010は、8月31日から9月2日の会期で、パシフィコ横浜を会場に開催される。
CEDEC 2010の基調講演は、昨年同様、“ゲーム業界の人、ゲーム業界外の人、両分野の中間に位置する人”の3人をあてることをプレスカンファレンスで明らかにしていた。6月28日より順次公式サイトにて基調講演を含むセッション情報が公開され、ゲーム業界外の人からはマサチューセッツ工科大学教授の石井裕氏、中間に位置する人材として作家の瀬名秀明氏がそれぞれ内定していたほか、ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEO南場 智子氏が特別招待セッションを行なうことなどが発表された。
肝心のゲーム分野は、昨年はゲームデザイナーの堀井雄二氏だったこともあり、調整に難航したためか長らく発表が見送られていたが、本日ようやくコーエーテクモ代表取締役社長の松原健二氏と発表され、これでほぼすべてのセッションプログラムが確定したことになる。残すセッションは、スポンサー専用のセッションである協賛セッションのみとなった。
松原氏の基調講演は、2007年、2008年に続き、今回で3回目。CEDECの基調講演は2006年からスタートしており、5回中3回も担当することになる。今年のテーマは「CEDECとは? -そのもたらす価値の追求-」と題して、今年から就任したCEDECフェローの立場から、CEDECの価値そのものを改めてアピールし、CEDECが今後日本のゲーム業界にもたらす明るい未来像を提示する。松原氏は今回の発表に際し、以下のようにコメントしている。
CEDEC 2008で基調講演を行なう松原健二氏 |
松原 健二
コーエーテクモホールディングス株式会社 代表取締役社長
CEDECフェロー
CEDECは三年前より運営の改革に取り組んできました。この間にセッション数および参加者数は大幅に増加し、さらにCEDEC AWARDSを初めとする内容の拡大を通じ開発者向けイベントとして価値の向上を実現しました。
ビデオゲームを取り巻く環境は絶えず変化しています。今年、特に注目を浴びているのは3D立体視や入力コントローラーに代表される入出力インターフェイスです。ビデオゲームの際立った特徴であるインタラクティブ性は、これからも技術の進歩とともに、文字通り形を変えながら進化を続けることでしょう。CPUやGPU性能の向上、高速ネットワークの普及などを含め、さまざまな技術の進歩をビデオゲーム開発に活かすことが、これからも求められています。
ただしCEDECは最先端の技術情報だけを取り上げる場ではなく、ゲーム開発者の一部を対象としているのでもありません。ビデオゲーム開発者が必要とする情報や知識には、開発現場の経験と工夫から生まれてくるものが数多く含まれており、これもCEDECには欠かせない大切な要素です。ゲーム開発に関わるあらゆる人達が、CEDECの価値を見いだせるようこれからも運営の品質向上に務めて参ります。
CEDECの活動にはもちろんさまざまな制約があります。CESAが業界団体として、これほどの規模の開発者イベントを開催しているのは、他製造業を見ても稀有な例といってよいでしょう。世界中でビデオゲームの普及が一層進み、絶えず新しいコンテンツが求められていく中で、CEDECはこれからどのような価値をビデオゲーム開発者に届けることができるのでしょうか。CEDEC運営メンバだけでなく、広く開発者に伝えて、忌憚のない意見を届けてもらう機会としたいと思います。
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(2010年 7月 28日)