「Ragnarok World Championship 2010」日本代表は「Greensleeves」に決定!
Ustreamで試合を生中継、約1,000名が優勝の瞬間を目撃


7月19日実施


 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は7月19日、Windows用MMORPG「ラグナロクオンライン」の世界大会「Ragnarok World Championship 2010(RWC2010)」の日本代表決定戦を開催した。この戦いの勝者が10月3日にインドネシアで行なわれるRWC2010本戦に出場することとなる。

 今回の決勝戦は各ブロックを勝ち抜いた4チームによるリーグ戦の形で行なわれる。この戦いは動画共有サービスの「Ustream」を使って放映され、多くのユーザーが日本代表決定の瞬間を目撃した。本稿ではその模様をお伝えしたい。




■ 「生中継」にチャレンジした決定戦。世界一、日本一のチームが争う頂上決戦

今回実況と解説を行なったガンホーマーケティング部第一企画課主任の中村聡伸氏と、マーケティング部第一企画課の佐久間将太氏
今回の組み合わせ表。Dブロック代表の「Greensleeves」が見事優勝を果たした

 RWC2010日本代表決定戦は、予選大会が7月15日より、決勝が7月19日に行なわれた。参加ギルドに関しては、「RJC2010」において、不戦勝を含め2戦以上勝ちあがった32ギルドに優先エントリー権が与えられた。

 予選はトーナメント方式で実施され、予選では4ブロック、計42ギルドでのトーナメントが行なわれ、7月19日に各ブロックの代表が揃った。勝ち残ったのはAブロックが「[PvP]Kingdom」、Bブロックが「Northern Code」、Cブロックが「Lariat」、Dブロックが「Greensleeves」だ。ちなみにRJC2010で優勝を果たした「放課後ティータイム」は今回の代表決定戦には参加しなかった。

 RWC2010日本代表決定戦は、インドネシアで10月3日に開催される本戦出場をふまえてRWCルールが採用された。RJCは「ポイント制」等の新要素を導入し、これまでとは違った新しい戦術を提示していたが、RWCではいわば万国共通のオーソドックスなルールとなる。具体的には職業に対する制限などはなく、凍結を防ぐカードが使えないため、ハイウィザードの「ストームガスト」やクラウンの「寒いジョーク」が大きな威力を発し、その隙にチャンピオンの「阿修羅覇凰拳」が決まるというおなじみのシーンが展開されるパターンとなる。これまで鍛え上げた戦術をどこまで突き詰めていけるかが勝利の鍵となる。

 日本代表決定戦の決勝は各ブロックを勝ち進んだチームの総当たり戦という形で行なわれた。この戦いで最も勝利数の多いチームがインドネシアに向かい、世界一を決定する戦いに参加することとなる。決勝に残ったチームの中で、RWC2010で世界一を成し遂げた「Dekopin」の後継ギルドとなる「Lariat」、これまでの大会の常連であり、RJC2009の覇者「Greensleeves」の2チームは特に注目である。

 今回の日本代表決定戦は動画共有サービスの「Ustream」を使って行なわれた。ガンホーでは「ラグナロクオンライン」のメンテナンス中に様々な企画を放映する「ラグナロクオンライン29時間TV」という番組を以前行なったことがあり、今回はその経験を活かして「実況生中継」という形で番組が放映された。ユーザーはチャットという形でリアルタイムに出演者にコメントを寄せるというユニークな形になった。

 試合の解説を行なったのはファンにはおなじみのガンホーマーケティング部第一企画課主任の中村聡伸氏と、マーケティング部第一企画課の佐久間将太氏。チャットができるチャンネルが限られていたり、といったトラブルもあったが、ユーザーの声に積極的に応えながら解説を行なっていた。




■ 世界への切符を手にしたのは、2009年の日本一の強豪ギルド「Greensleeves」!

 今回出場した4チームは全てハイウィザード、パラディン、ハイプリースト、チェイサー、プロフェッサー、チャンピオン、クラウンといういわゆる「鉄板」構成だった。この構成、そして戦い方はこれまでのRWCで洗練されてきた構成であり、「ラグナロクオンライン」ファンにはおなじみである。

 今回の最大の注目カードは「Lariat」と「Greensleeves」の対戦だろう。共に大会の常連であり、2009年のRWCの覇者とRJCの優勝者がぶつかりあう戦いとなるのだ。どちらも今回のルールには精通しており、勝敗は全く予想がつかない。この注目の戦いは、リーグ戦第1戦にいきなり行なわれた。

 対戦の行なわれる「Temple」マップは中央に盛り上がった段があり、ここを征したチームと、下で待ち受けるチームの高低差のある戦い、という展開が多い。「Greensleeves」が先手を取り、台の上を確保。さらにそこから距離を詰め、「Lariat」を押す。両者がストームガストを連発し真っ白な視界の中、チャンピオンの「阿修羅覇凰拳」が放たれている。

 「Greensleeves」は「阿修羅覇凰拳」の威力を抑え、連続で攻撃する戦い方を得意としている。この戦いでもめまぐるしく連発、最初は「Lariat」も耐えていたのだが、他のメンバーとの連携による大ダメージで次々とメンバーを失っていく。戦線も押され後退し、一気に「Greensleeves」が勝利をもぎ取った。同時に行なわれた「[PvP]Kingdom」対「Northern Code」は「Northern Code」が勝利した。


「Lariat」と「Greensleeves」の戦い。「Greensleeves」がいち早く中央に飛びこみ、そのまま怒濤の攻めで「Lariat」を破った

 日本代表決定戦は全4チームによる総当たり戦となる。3勝すれば文句なしの優勝だが、全チームが1度ずつ負ければ混戦となる。負けられない2戦目で「Lariat」は「[PvP]Kingdom」と対戦を行なった。対戦マップはDark Cross。中心は広場になっているが周囲を壁が囲んでいる地形だ。この対戦ではエフェクトを切った状態で行なわれたが、中央付近で両チームのかなりのメンバーが凍るという光景が出現した。

 途中「Lariat」のチャンピオンが凍らされて孤立しかける状態にもなるが、主導権を握っていたのは「Lariat」だった。徐々に中央から「[PvP]Kingdom」を押していき、ついには追いつめて全滅させた。今回の戦いは短期決戦が多く、どちらかのチームが一気に相手を倒す、という展開が多かった。同時に行なわれた「Northern Code」対「Greensleeves」は「Greensleeves」が勝利した。


一敗してしまった「Lariat」だが「[PvP]Kingdom」に対して終始優勢のまま戦いを進めた。「[PvP]Kingdom」はチャンピオンの足止めに1度成功したが、その後一気に決められてしまった

 最終戦、2勝の「Greensleeves」は「[PvP]Kingdom」との戦いだ。「[PvP]Kingdom」はすでに2敗しているが、もし勝てれば「Greensleeves」は2勝1敗となり、優勝の行方がわからなくなる。対戦マップは「Battle」で、壁がいたるところにあり、進むルートも難しいマップだ。

 しかし、経験を積んだ「Greensleeves」の動きは違った。全員がするすると、壁をすり抜け、素早く敵に肉迫する。あっという間に「[PvP]Kingdom」の2人を「阿修羅覇凰拳」で倒し、1分かからない短時間で一気に勝負を決めた。これにより「Greensleeves」の優勝が決まった。同時に行なわれた「Northern Code」対「Lariat」は「Lariat」が勝ち、2位となった。

 終了後「Greensleeves」はGMからの優勝のインタビューを受けた。優勝の感想について、メンバーは「感無量です」、「やはり、“勝者のメンタリティー”が決め手でした」、「GSはワシが育てた」、「世界一はもらった」などコメントを寄せた。ルールに関しては2009年に近いためやりやすかったという。RJC2010との比較としては、資金の余裕やスキルの制限がなく「Greensleeves」にとっては馴れたこのルールの評価が高い。練習は毎日行ない、100戦以上戦ったとのことだ。今回の戦いで、「Greensleeves」はインドネシアへの切符を手にした。今後は希望者と練習を繰り返し、本戦へと望むという。彼らの健闘に、そして日本チームの連覇に期待したい。


「Greensleeves」と「[PvP]Kingdom」。「Greensleeves」のマップの慣れと、速さを見せつけられた試合だった。障害物をものともせずに突き進み、速攻で相手を倒した

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