ASUS/NVIDIA、3D立体視に対応するゲーミングノートPCを発表
「手軽に楽しめる立体視」へ、あのモンキー・パンチ氏も絶賛
グラフィックスチップメーカーのNVIDIAと、PCメーカーのアスース・ジャパンは、4月14日、共同でプレス発表会を開催し、3D立体視に対応するゲーミングノートPCとして初の製品「G51Jx 3D」および、NVIDIAのOptimusテクノロジーを搭載したパフォーマンスモバイルノート「U30Jc」の2機種を発表した。
ASUS製品が主役となった今回の発表会では、披露された両機種ともにNVIDIAのコアテクノロジーを採用しているため、NVIDIAとの共同発表となった。両社は特に「NVIDIA 3D Vision」と120Hz液晶パネルによって実現されるアクティブシャッター方式の3D立体視ソリューションをアピールするため、シアターにて様々な3D映像を披露するという重厚なデモンストレーションが行なわれた。
また、スペシャルゲストとして、米国ステレオD社の共同設立者にして最高技術責任者であり、業界団体3Dコンソーシアムの事務局長を勤める泉邦昭氏と、「ルパン三世」などの人気漫画作品でおなじみの漫画家、モンキー・パンチ氏が登場。それぞれの立場から、「NVIDIA 3D Vision」や「G51Jx 3D」がもたらす「手軽で高品質の立体視」に対する想いを述べた。
【ゲーミングノート G51Jx 3D】 | ||
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【モバイルノート U30Jc】 | ||
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■ ノートPCで実現する「オール・イン・ワン 3D」。ASUSとNVIDIAが提案する2機種を紹介
冒頭挨拶を行ったNVIDIA日本代表 Steve Furney-Howe氏 |
ASUSの企業戦略について説明した、アスース・ジャパン Emilie Lu氏 |
本発表会の最初に登壇したNVIDIAの日本代表兼米国本社バイスプレジデントのSteve Furney-Howe氏は、「NVIDIAは、単により多くの三角形を描画するためではなく、最高の映像コンピューティング体験をお届けするために最新のテクノロジーを提供して参ります」と挨拶。続いて登壇したアスース・ジャパン株式会社、システムビジネスグループ ビジネスデベロップメントマネージャーのEmilie Lu氏は、ASUSグループの掲げる企業戦略を紹介した。
ASUSは2008年に「Eee PC」ブランドを立ち上げ、ネットブック分野で業界をリード。2009年にはモバイルノート分野にも参入し、業績を順調に伸ばしてきた。そしてLu氏によれば、2010年にはネットブックからハイエンドノートPCに至るまで幅広いブランドを確立することで、モバイルコンピューティングの分野で50万台を販売するという目標にチャレンジするという。
その中で重要なファクターとなるのがブランディング。まず、2008年に立ち上げた「Eee」ブランド、次に、2009年に本格化したパフォーマンスノートPC分野を示す「ASUS」ブランド。そして我々ゲーマーにとって関心を引くのが、このたび立ち上げたばかりという「Republic of Gamers」ブランドだ。
「Republic of Gamers」ブランドでは、ASUSは顧客に最高のゲーミング体験を届けることをミッションとする。そのための第1号製品となるのが、今回発表された「G51Jx 3D」だ。続いて登壇したアスース・ジャパンのノートパソコンアカウントマネージャー、Ray Wu氏より、製品の詳細な説明がなされているので、以下に重要なトピックをまとめよう。
・ノートPCとして初めて両眼立体視に標準対応する「G51Jx 3D」
「G51Jx 3D」 |
本発表会でメインプロダクトとして紹介されたのがゲーミングノートPC「G51Jx 3D」。本機種の最大の特徴は、メインモニターに120Hz出力対応の液晶パネルを搭載し、アクティブシャッター方式の両眼立体視に対応することだ。この仕様を生かすため、NVIDIAのシャッターグラス「NVIDIA 3D Vision」を標準装備するほか、3D対応のブルーレイドライブおよび再生ソフトウェアなど、一通りのソリューションがプリインストールされた状態で提供される。
アクティブシャッター方式の両眼立体視をサポートする日本初のゲーミングノートPCということになるが、海外販売されたモデルを含めると、本機は実はASUSにとって2作目の立体視対応機種となる。そのため、パフォーマンス面など非常に洗練された製品になっていることが特徴だ。秒間120Hzの画面書き換えを必要とするアクティブシャッター方式の立体視に対応するため、本機種ではCPUにIntel Core i7-720QM、GPUにNVIDIA Geforce GTS 360Mを搭載。ASUS独自のOC技術により、CPUは最大2.9GHzでの稼働をサポートするという。
また、立体視を楽しむため部屋を暗くしても操作性を損なわない、イルミネーションキーボードを搭載。さらに、側面にHDMI Ver.1.4規格の映像出力端子を備えることにより、3D対応家電TVへの立体視映像出力を可能とし、活用の場を広げている。また、初回出荷限定300台には、両眼立体視に万全の対応を果たしたPCゲーム「Avatar the Game」を同梱するという。
その他、メインメモリは4GB、500GBの7,200RPM HDDを標準搭載し、モニターは最大表示解像度1,366×768ドットの15.6ワイドLEDバックライト式TFTカラー液晶となっている。標準搭載されるOSはWindows 7 Home Premiu 64ビット版。これだけのものを搭載しながら、標準希望小売価格は209,800円とリーズナブルな範囲に収められている。
本機種「G51Jx 3D」は、PCゲームや映画による3D体験をオール・イン・ワンで提供できる初めてのノートPC製品であり、これまでPCリテラシーの高い人だけのものだった「NVIDIA 3D Vision」などによる両眼立体視体験を、より一般的に幅広く提供できるきっかけとなりそうだ。その点で、単にパフォーマンスが高いだけではない革命的な製品であると考えられる。
・NVIDIA Optimusテクノロジーを搭載したハイパフォーマンスモバイルノート「U30Jc」
「U30Jc」 |
「U30Jc」もNVIDIAのテクノロジーを搭載するノートPCだ。こちらはゲーミング用途ではなく、一般のモバイルコンピューティング用途に設計された製品で、カテゴリーとしてはモバイルノートに属する。キーとなるのは、NVIDIA Optimusというテクノロジーを搭載する日本初のノートPCであることだ。
NVIDIA Optimusテクノロジーは、PCの電力消費を最小限に抑えるためのNVIDIA独自技術。本機種にはNVIDIA製GPUのほかに、別途統合タイプのグラフィックスプロセッサーが搭載されており、通常のウィンドウアプリケーション操作など、低負荷の処理には統合グラフィックスプロセッサが使われる。そして、ゲームやHD動画の再生など、高い計算能力が必要となった場合に、瞬間的にNVIDIA GPUへグラフィックス処理が移行する仕組みだ。
このテクノロジーにより、本製品では最大約9.1時間のバッテリー駆動という長寿命が達成されていながら、マシンパワーの必要な作業もこなすポテンシャルを獲得しているという。CPUにはIntel Core i5-430Mを、GPUにはNVIDIA GeForce 310Mを搭載。メモリー容量は2GB、320GB HDD、DVDスーパーマルチドライブを搭載するなど、一般用途としては十分に高いスペックだ。モニターの表示解像度は1,366×768ドット。販売希望小売価格は99,800円。
■ 「今度の3Dはブームに終わらない」。立体視に取り組んできた2人の先駆者からの講演
http://www.asus.com/
□NVIDIAのホームページ
http://www.nvidia.co.jp/
(2010年 4月 14日)