ベクター、「ブラウザゲーム新作発表会」を開催
「まじかるブラゲ学院」、「ドラゴンクルセイド Mobile」等、来春までに複数のブラウザゲームを展開
株式会社ベクターは12月1日、東京新宿の自社会議室で「ベクターブラウザゲーム戦略 新作発表会」を開催した。この発表会では、これまでのベクターの活動と、今後の戦略が発表された。
ベクターは本日12月1日よりMMORPG「まじかるブラゲ学院」のティザーサイトをオープン、12月10日より開始予定のオープンキャンパステストに向けてユーザー募集を開始した。12月中旬には基本プレイ無料アイテム課金制の正式サービスを開始する予定だ。
さらに本日より、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国で「ドラゴンクルセイド」の英語版「The Seventh Dragon」のサービスを開始する。この他にも、2010年春までにシミュレーションゲームの「熱血三國(仮)」、とアドベンチャーゲームの「武林英雄(仮)」、「ドラゴンクルセイド Mobile」などをサービスする計画を発表した。
■ オンラインゲームの業績がベクターの中心に、春にかけて3本のブラウザゲーム、海外展開やモバイルも積極的に
ベクター代表取締役社長の梶並伸博氏 |
12月に展開する「乙女デスク」。春に展開する「ドラゴンクルセイド Mobile」はどのような画面になるか楽しみだ |
発表会では、ベクター代表取締役社長の梶並伸博氏から、これまでの実績の報告と今後の展望が語られた。ベクターはブラウザゲームのポータルサイト「ブラゲタイム」を2009年の4月からスタートし、「ドラゴンクルセイド」、「ブラウザ三国志」、「NIKQ」の3タイトルのサービスを行なっている。
携帯電話サービスとしてはベクターとして始めて「恋する私の王子様」のサービスを開始した。「恋する私の王子様」はmixiアプリとしても10月にサービスを開始し、モバイル専用サービスとしてはランキングで2位という人気を博しているという。
梶並氏はオンラインゲーム事業に参入した2006年からのオンラインゲーム事業の売り上げグラフを表示し、2009年の4月から急激に伸びていること、ベクターの全売上比率の50パーセントに届こうとしていると説明した。この好調な売り上げは「ドラゴンクルセイド」と、クライアント型のMMORPG「三国ヒーローズ」によるところが大きいという。「ベクターといえばPCソフトのダウンロード販売というイメージですが、これからはオンライン事業を従から主に転換していこうとしています」と語った。
次に梶並氏が説明したのが今後のベクターの展開だ。最初に説明したのが「海外展開」である。ベクターは「ドラゴンクルセイド」をアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国で独占配信権を獲得、世界への展開のため英語版クライアントを作成「The Seventh Dragon」というタイトルで、本日12月1日より海外展開を行なっていく。
Facebookやtwitter、myspace、Gmailの「友達招待機能」に対応しており、各サービスのユーザーは友人を気軽に「The Seventh Dragon」に誘える。ベクターはこのサービスを皮切りに、今後も海外展開を行なっていく予定だ。
続いて説明が行なわれたのがモバイル展開。恋愛シミュレーションゲームの「乙女デスク」を12月10日にEZ Web、12月16日にYahooケータイ、12月中にNTTドコモにそれぞれサービスする予定だ。「恋する私の王子様」同様、女性をターゲットにしたゲームになるという。
そしてもう1つが2010年サービス予定の「ドラゴンクルセイド Mobile」。ブラウザゲームの「ドラゴンクルセイド」をベースにした携帯ゲームで、現在細かい仕様は未定だが、小さな携帯電話の画面でもスムースにプレイできるようにUIから全て手を入れているという。仕様などは日本で決定した上で、開発は「ドラゴンクルセイド」を開発したSun Ground Interactive Entertainmentが行なっているという。
ベクターでは2010年春までに3本のブラウザゲームをサービスする予定だ。第1弾がMMORPGの「まじかるブラゲ学院」中国では「魔力学堂」というタイトルで、ブラウザで本格MMORPGが楽しめる。「まじかるブラゲ学院」は本日、12月1日よりティザーサイトにより事前登録が開始され、12月10日にオープンベータテストにあたるオープンキャンパステスト、そして12月中旬に基本プレイ無料のアイテム課金制による正式サービスを開始する予定だ。「まじかるブラゲ学院」は梶並氏の紹介の後、プロデューサーの板倉基之氏による説明が行なわれた。
今後サービスの予定としては、シミュレーションゲームの「熱血三國(仮)」、とアドベンチャーゲームの「武林英雄(仮)」だ。「熱血三國(仮)」は「ドラゴンクルセイド」や「TRAVIAN」タイプの街を育成し、他プレーヤーと競っていくシミュレーションゲームで、特に武将達の戦いに注力している。「武林英雄(仮)」はストーリーが主体の、RPGでプレーヤーは春秋戦国時代の中国の各地を旅しながらストーリーを展開させていくとのこと。こちらの2つのタイトルの詳細は今後発表されるという。
「ドラゴンクルセイド」の海外展開、そして「まじかるブラゲ学院」、「熱血三國(仮)」、「武林英雄(仮)」という3本のブラウザゲーム。新作3本はどれも中国の人気作で、梶並氏はデベロッパーから「中国の人気タイトルを全部持って行くつもりなのか」と聞かれたという |
■ 自動機能でサクサク成長のMMORPG「まじかるブラゲ学院」。6つの職業、ペット、結婚……ブラウザゲームながら要素も充実
「まじかるブラゲ学院」のプロデューサーを務める事業戦略室の板倉基之氏 |
サービススケジュール。オープンサービスから正式と、かなり駆け足な印象を受ける |
謎に満ちたストーリー。ストーリー要素にも期待したい |
「まじかるブラゲ学院」の紹介を行なったのは本作のプロデューサーを務める事業戦略室の板倉基之氏だ。「まじかるブラゲ学院」はファンタジーと近未来のテクノロジーが融合したようなユニークな世界が舞台となる。開発は中国Fun City。板倉氏は「本格的なMMORPGがブラウザで楽しめる、というのが最大の特徴です」と語った。
「まじかるブラゲ学院」のストーリーは、プリンセスと6人の英雄の活躍により、かつてモンスターが跳梁していた世界は平和を取り戻した。しかし長い時がたち、英雄達は過去の存在となり、プリンセスは何故か姿を消してしまった。時同じくしてモンスターが復活し、この世は再び危機を迎える。かつての6英雄をモデルにした6つの学院の生徒達は、力を合わせて世界の謎を究明するために旅立つことになるのだ。
この6つの学院というのが、本作では「職業」に相当する。魔法を使い強大な攻撃をする“魔銃士”、支援魔法の得意な“魔楽師”、剣による強力な斬撃を行なう“剣士”、治療魔法の得意な“聖職者”、素早い攻撃とペットの力で戦う“闘士”、強力な防御力でパーティーの盾になる“戦工士”。プレーヤーはこの6つの職業から1つを選び冒険に赴くことになる。
本作はペットシステムが充実しており、フィールドにいるモンスターは全てペットとして捕獲可能だ。ペットは経験を積むことで強くなり、さらに同じペットを5匹融合させるとさらに強力になるなど様々な成長要素がある。スキルなども覚えさせられるという。NPCの商店では初期装備しか売っておらず、プレーヤーは強い装備を得るためには資源を採取し、生産していかなくてはならない。取引をフォローするために露店だけでなく、オークションシステムも用意されている。
この他にも、“ジミ婚”から“ハデ婚”までフォローする凝った「結婚システム」や、お互いに経験値ボーナスをもたらす「師弟システム」などを実装。ユニークなのは、他プレーヤーを評価する「人気度アイテム」というシステム。評価したいプレーヤーにアイテムを与えることでもらったプレーヤーは「人気度」がアップ、高い人気度のプレーヤーには様々な特典や、運営側からのプレゼントもあるという。
初心者用のプレゼントや、毎日ログインするともらえるプレゼントがあったり、規定のレベルに達するとボーナスがもらえたりと、豊富なプレゼントも本作のウリだ。また、「自動訓練システム」というものが用意されていて、ゲームにログインしているだけで一定量の経験値が稼げるシステムも用意されている。間口が広く、手軽にプレイできる環境を目指しているとのことだ。
今回、試遊台で「まじかるブラゲ学院」を触ることができた。オープンキャンパステストの時点でレベル100までのキャラクターに対応したマップが実装されると言うことでボリュームはたっぷりだ。グラフィックスは2Dでフィールドは細かく描き込まれている。キャラクターデザインはかわいらしく、ほのぼのとした雰囲気がある。敵との遭遇はフィールドを歩いていると突然戦闘画面に移行するランダムエンカウント方式だ。
戦闘はコマンド入力型のターン方式。ペット1体が戦闘に参加可能で、捕獲したペットから1体を呼び出しておく。パーティーはプレーヤーを含めて5人、ペットを入れると最大10キャラクタで敵と戦うことができる。便利に感じたのが「自動」という機能。指定したコマンドで敵と戦う機能で、エンカウントしても自動で戦闘が進み敵を倒せる。経験値稼ぎやザコモンスターとの戦いに便利そうだ。
課金アイテムとしては、世界地図を開きどこでも好きなところに一瞬でワープできるアイテムや、死んだときにその場で復活するアイテムが確認できた。ブラウザでできるMMORPGというと「みんなの冒険大陸カナン」があるが、グラフィックスの質感や世界観でひと味違う印象を受ける。板倉氏は「サクサクとレベルアップできる」というポイントをアピールしており、自動戦闘と自動訓練システムがどんなプレイ感をもたらすか気になるところだ。
試遊台での撮影。移動、戦闘とマウスでクリックするだけで進めることができ、間口の広い印象を受けた | ||
こちらはスクリーンショット。マップの書き込み、モンスターのデザインなど、開発者のこだわりが感じられる |
(2009年 12月 1日)