東京ゲームショウ2009レポート
SCEJ、「Sony Computer Entertainment Japan Press Conference」開催
モーションコントローラ(仮)のデモを公開。PS3「グランツーリスモ5」の発売時期を発表
SCEJのプレジデントを務めるショーン・レーデン氏が今回のカンファレンスのスピーカーを務め次々と発表していった |
株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は「東京ゲームショウ2009」の初日となる9月24日に幕張メッセに隣接する国際会議場において2009年度の下半期に関する戦略発表会「Sony Computer Entertainment Japan Press Conference」を行なった。
発表会には日本のビジネスを統括するソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレジデントを務めるショーン・レーデン氏が登壇し、ゲストらを招き入れる形でプレスカンファレンスを進めていった。ほぼ1時間程度という発表時間の中に詰め込みすぎとも言える発表内容の分量となったため、入れ替わり立ち替わりゲストが登場するめまぐるしい発表会となった。
印象としては「グランツーリスモ」関連の発表、直前に行なわれた平井一夫氏の基調講演でも触れられた「モーションコントローラ(仮)」のデモプレイの公開、PlayStation Network関連の発表が大きいと言える。それぞれの時間が短いため、深い内容に話が及ばなかったのは若干残念だ。
そんな中でも最も注目を集めたのはやはり「モーションコントローラ(仮)」のデモプレイだろう。後述するが、すでにカプコンの「バイオハザード5」がプレイ可能なまでに動作しており、東京ゲームショウ2009バージョンとして「リトルビッグプラネット」もモーションコントローラ(仮)に対応したバージョンでデモが行なわれた。同じゲームでもより直感的に、楽しそうにプレイしているのが十分アピールされたステージだった。
ショーン・レーデン氏はカンファレンス冒頭においてまずはPSPが1,200万台を突破し、12月までにタイトル数が1,000タイトルに及ぶと発表し、いきなり10月1日からPSP-3000の新価格を16,800円とすると発表した。またすでに発表されている「グランツーリスモ RACING PACK」の価格を22,800円とするとした。PSP関連の話題としてはKONAMIとのコラボ商品として「ウイニングイレブン×UEFA CHAMPIONS LEAGUEスペシャルPACK」が2009年冬に発売となることが明らかにされた。
PSPに関しては、11月にPSP goが発売となるが、それにあわせて「スタートキャンペーン」が開催される。PSP goを購入者に14タイトルの中からどれか好きなタイトルを選んで無料でダウンロードできるというキャンペーンだ。ショーン・レーデン氏は「我々はそれぞれのライフスタイルに合わせ、両方の商品を提供していく」と説明した。
まず最初に登場したゲストはポリフォニー・デジタルのプレジデントを務める山内一典氏 |
PSPの発表に合わせまず壇上に招かれたゲストはポリフォニー・デジタルの山内一典プレジデント。山内氏はまずはPSP「グランツーリスモ」について、発売直前となりながらも2つの新フィーチャーを明らかにした。
1つはゲームシステムの変化。PSPでアドホック通信でプレイすることができるが、「アドホック対戦」、「トレード&シェア」、「パーティレース」、「AIドライバーモード」と4つのモードを用意することで「友人が集まることで楽しさが増します」と使われている技術によって、それに合わせたゲームシステムを採用していることを強調した。2つめはPSPで獲得した車をPS3「グランツーリスモ5」に引き継げるという点。山内氏はかねがねPSP版は携帯ゲーム機であるため、手軽にプレイできることからプレイ時間をかけて色々楽しみ尽くせるとしているが、ここで得た車はここだけで完結せず、PS3「グランツーリスモ5」でも使用できることに成ると言うことで、車を獲得するモチベーションもより高まるとも言える。山内氏は「(『グランツーリスモ5』の)発売初日からたくさんの車で遊ぶことができる。PSP『グランツーリスモ』を遊びながら(『グランツーリスモ5』を)待っていてください」と続けた。
この次は多くの人が首を長くして待っているPS3「グランツーリスモ5」に関する発表となった。まず最初に発表されたのが発売時期。発売時期は「2010年3月」。これについて山内氏は「早く発売して欲しいという気持ちは痛感していたが、『グランツーリスモ』としての規模、クオリティを実現するためにはこれが最短の日時」と語った。
「グランツーリスモ5」に関する内容については「簡単な概要」としながら数枚のスライドを矢継ぎ早に示し説明。車は950台以上収録、コースは20ロケーション以上、70バリエーション以上となる。新自動車物理シミュレーションを搭載しており、これについて山内氏は「10分から15分ほど遊んでいただいただけで体感できるほど」の違いがあるとした。東京ゲームショウ2009には最新のバージョンが出展されている。この他にもコース内に可動オブジェクトが置かれたり、ハイブリッドカー、EVなどのシミュレーションも搭載している。
GTモードについてもナンバリングタイトルということで当然搭載しているが、より進化したものとなっており、インターフェイスなども改善されているという。Photoモードについてはグラフィックスが進化した分さらに向上しており、4×2の8Mピクセルの写真が撮影できるという。これらはあくまでも簡単な概要としており、今後も順次情報を公開していくとしている。最後に山内氏は「PSP『グランツーリスモ』で古い車から未来の車まで集め、将来の『グランツーリスモ5』に想いを馳せて欲しい」とコメントし締めくくった。
2人目のゲストとして登壇したのは「FINAL FANTASY XIII」プロデューサーの北瀬佳範氏。先日行なわれたパーティの席上で平井氏から発表のあった同梱パックの発表が行なわれた |
北瀬氏のプレゼンの最後にサプライズ的に公開となったのが「ファイナルファンタジーVIII」のゲームアーカイブでの配信開始の報だった。それもプレスカンファレンス終了と同時と言うことでまさに驚きだ |
PSPに続いてPS3の発表に話題が移り、最初にゲストとして招かれたのはスクウェア・エニックス「FINAL FANTASY XIII」プロデューサーの北瀬佳範氏。北瀬氏の挨拶を受けショーン・レーデン氏は「FINAL FANTASY XIII」の発売に合わせて発売が予定されている同梱パックについて発表した。
同梱パックについては平井一夫氏が「FINAL FANTASY XIII」の完成披露パーティで発表していたが、詳細については明らかにされていなかった。同梱版となる「『プレイステーション 3』FINAL FANTASY XIII LIGHTNING EDITION」は、登場キャラがデザインされた特別なデザインの新型PS3とソフトがパッケージされたもの。色はセラミック・ホワイト。これはデザインだけでなくハードディスクが250GBという仕様になっており、中身もパワーアップしていると言える。価格は41,600円を予定している。
発表はこれで終らず、最後に北瀬氏からサプライズ的に「ファイナルファンタジーVIII」がゲームアーカイブにおいて配信されることが明らかになった。それも発表会直後と言うことなので、すでに配信中と言うことになる。北瀬氏は「ファイナルファンタジーVIII」を遊びながら待って欲しいとコメントして締めくくった。
北瀬氏のフリでショーン・レーデン氏が「『プレイステーション 3』FINAL FANTASY XIII LIGHTNING EDITION」を発表。新型PS3をベースにしているが、デザインが特殊なのはもちろん、ハードディスクの容量が250GBと性能的にもかなりのスペックとなっている。発売はソフトの発売と同時で12月17日。価格は41,600円 |
プレイステーション 3の発表の最後に期待の作品として発表された「白騎士物語 -光と闇の覚醒-」。発売日、価格共に未定。さらなる規模の大きな展開が待ち受けているようだ |
プレイステーション 3関連の話題として最も大きかったのが、「モーションコントローラ(仮)」のデモプレイだろう。平井氏の基調講演でも登場したが、コントローラーのデザインもだいぶ完成に近づいているようだ。
ソニー・コンピュータエンタテインメントからは「リトルビッグプラネット」の「モーションコントローラ(仮)」対応版のデモが行なわれた。東京ゲームショウ2009スペシャルバージョンと題されたこのソフトは、同作の制作チームから「モーションコントローラ(仮)」の楽しみ方を模索する上で作られ、日本に送られてきたプログラムだという。
デモは、1人が「モーションコントローラ(仮)」を持ち、もう1人がデュアルショックコントローラを持ってプレイ。ステージのあちこちのギミックには赤く光るところがありそこを「モーションコントローラ(仮)」でポイントし、動かしていく。例えば上から落ちてくるブロックの赤いところをポイントして上に持ち上げることでキャラクターを通したり、埋まったブロックの上にキャラクターを乗せ、ポインタを上に跳ね上げるようにしてブロックを持ち上げキャラクターをジャンプさせるなどのアクションが見られた。
デュアルショックコントローラを持ってプレイしている人と上手く息を合わせてプレイしないとギミックに挟まれてミスとなってしまい、実際プレーヤーの担当者の息が合わないのか、何度かミスをしてしまい会場の笑いを誘った。しかし、その様子が実に楽しそうであり、また直感的にプレイできているのが見て取れた。
EyeToyとあわせて使用することでユーザーの体の動きも関知でき、さらに「モーションコントローラ(仮)」の先端に設置されているスフィアの色も変わるギミックが仕掛けられている。これによって、様々な楽しみ方を演出できるとしている。すでに従来のソフトをアップデートすることで「モーションコントローラ(仮)」の対応ソフトを提供する作業が進行中で「サルゲッチュ」や「Mr.PAIN」などのタイトルも見受けられる。壇上で解説を行なったSCEのワールドワイドスタジオの吉田修平氏によれば、「専用タイトルも近い段階でお見せできる」と語った。
SCEの吉田氏に「まず最初に発表するのは我々ではなく、すでに動いているものがあるサードパーティさんに紹介していただく」として呼び込まれたのがカプコンの竹内潤氏 |
話は前後するが、「モーションコントローラ(仮)」の発表において壇上に立ったSCEのワールドワイドスタジオの吉田修平氏はファーストパーティタイトルに先駆けて紹介したのが実はカプコンの「バイオハザード5 オルタナティブエディション」だった。
すでに十分プレイできるバージョンとしてデモプレイが行なわれたが、壇上に立った「バイオハザード5」のプロデューサーの竹内潤氏はデモプレイを示しながら「操作していてもポインタがぶれない。精度は高い」とコメント。近くで随分とフラッシュの光を浴びていたが誤動作することもなくきちんと動作していたことは事実。
デモプレイで公開された「バイオハザード5」の画面にはポインタが表示されており、それを「モーションコントローラ(仮)」でポイントしそれぞれの動作を行なう。例えば「モーションコントローラ(仮)」を振ればナイフをサッと振って敵を斬りつける。敵に掴まれたら「モーションコントローラ(仮)」を縦にして振ると、キャラクターはもがいて窮地を脱するといった具合だ。加速度センサーが搭載されているので、もがく動作などはこのセンサーを使って検知すると竹内氏は説明した。さらにデュアルショックとも併用できるため、右手に「モーションコントローラ(仮)」を持ち、左手でデュアルショックを持ち、デュアルショックで敵を狙って撃つこともできるのだという。
竹内氏は「直感的にプレイできる」と言い、「バイオハザード5 オルタナティブエディション」の発売については、「コントローラの発売近辺。非常に順調に(開発は)進んでいる。お待たせすることはない」と自信を持って語った。
ソニー・コンピュータエンタテインメントのネットワークビジネス&サービス部部長の正田純二氏がPlayStation Networkまわりの発表を行なった |
最後の話題となったのが、PlayStation Networkに関する話題だ。壇上に立ったのはネットワークビジネス&サービス部部長の正田純二氏。日本国内300万アカウントを突破し、さらに伸び続けているとしている。
まず最初に発表されたのが、人気のコンテンツである「まいにちいっしょ」について。特に人気のある「トロ・ステーション」について、これまで長らく同じスタイルで配信されてきたが、11月でサービス、名称を一新すると発表された。基本的に更新は週間単位で、内容もさらにボリュームのあるものとなるという。
PlayStation Homeについては日本国内のアカウントが80万となったという。東京ゲームショウ2009にあわせてホームシアターでプロモーションビデオが配信され、観た人にはアイテムがもれなくプレゼントされるなどのイベントも開催されている。さらに今後はサッカー関連の「Sony × Football Stadium (仮称)」が用意されるという。ゲームファンでなく誰もが楽しめる場にどんどん拡充されていく。バージョンアップも予定されており、Ver.1.30になると、カメラやコイントスといった新機能が実装される。
この他にも、SNS機能の他、チャットなども楽しめるコミュニティソフトとしてPSP用「ROOM」や、ビデオカテゴリの拡充、PSP専用にコミックスカテゴリを新設するなどゲーム以外のエンターテインメントコンテンツの拡充についても発表が行なわれた。特にコミックサービス for PSPは本格的で、国内主要出版社11社が参加し、100タイトル以上でスタートする。人気タイトルも数多くあり、スタート時から十分楽しめそうだ。
最後に再度登壇したショーン・レーデン氏は東京ゲームショウ2009に数多くのタイトルが出展されていることに触れ、「心が動く体験をして欲しい。プレイステーションフォーマットの進化と挑戦はまだまだ続きます」と語りカンファレンスを締めくくった。
まず最初に発表されたのが、人気コンテンツ「まいにちいっしょ」の「トロ・ステーション」について。これまでほぼ毎日配信されてきたが、11月からサービス・名称が変わるという。週1回配信でボリュームもアップするのだという。今後、「まいにちいっしょ」において順次情報を公開していくとしている |
PSP用のコミュニティサービスとして「ROOM」のサービスが予定されている。SNS機能を内蔵しており、写真を使った日記などをアップでき仲間と楽しめるほか、、個別の部屋(ROOM)でチャットやゲームなどが楽しめる。クローズドベータテストの募集が始まっており、年内にオープンベータに移行する予定 |
これまではアニメーションを中心としたラインナップだったが、ビデオの配信も11月から強化される。プロモーションビデオなども多数配信されるが、「ターミネーター4」やハリーポッターなど話題作の配信も行なわれる |
12月から「PlayStation Store」にPSP向けコミックコンテンツが配信開始となる。コミックカテゴリが追加となり国内主要出版社11社によるコミックの配信がスタートとなる。画像の拡大なども行なうことができ、「高精細な画像を大容量で楽しめる」と正田氏はアピールした |
□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□ニュースリリース
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924a.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924d.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924e.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924f.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924g.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924i.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924j.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924k.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/090924l.html
(2009年 9月 24日)