Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

スクウェア・エニックスブースレポート

Wii「FFCC クリスタルベアラー」がプレイアブルで登場


6月2日~4日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center



 今年のスクウェア・エニックスのブースは、正面に巨大なスクリーンを置いて新作のムービーを上映する様子が非常に目立つ、いかにも同社らしい展開となっていた。ブースもかなり広めに取ってあり、映像を座って見られるように席まで用意されていた。

 出展タイトルでは、新作MMORPG「ファイナルファンタジー XIV」の発表が最も大きなトピックとなった。他には「ファイナルファンタジー XIII」も出展されているが、この2タイトルはどちらも映像のみの出展となっている。試遊台の数はブースの広さに比べると少なめだが、その分だけスクリーンが大きいともいえ、今回は映像をしっかり見せるというコンセプトになっていると感じた。

 本稿では、主にプレイアブルで出展されたタイトルを紹介していく。


【スクリーンショット】
ブースの一角には、同社タイトルのキャラクタフィギュアやアクセサリといった商品も展示されていた



■ Wii「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」

 「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」シリーズとして展開されるアクションアドベンチャー。発売日や価格は未定。

 主人公の青年レイルは、体の一部がクリスタル化し、その力により魔法を操る能力を得た「クリスタルベアラー」と呼ばれるものの1人。引力を操り、近くにあるものを手を触れずに持ち上げたり、投げたりできる能力を持っている。

 試遊台では、ゲーム序盤と思われるシーンをプレイできた。最初は突然現われたモンスターに襲われる飛空艇を助けるため、銃を片手に空へと舞い、飛んでいるモンスターを撃ち落とすというもの。モンスターに向かってポインターを合わせ、Bボタンを押して弾を撃つというシンプルなものだ。

 ある程度モンスターを倒すと、イベントシーンが始まる。ここで飛空艇の甲板で存在しないはずの種族であるユーク族が1人現われ、レイルは1度は組み伏せられるが、クリスタルの力で何とか切り抜けると同時に、相手が持つクリスタルを奪い取る。このクリスタルにどんな意味があるのかはわからないが、今後のストーリーに関わる重要なものになるようだ。

 今度は操舵手がいなくなった飛空艇を操ることになる。こちらはヌンチャクのアナログスティックを使って舵を左右に回す。細い渓谷を抜けていくという内容で、なるべく壁にぶつけないようにしながら渓谷を抜けていく。

 何とか不時着して街に到着すると、今度は先程手に入れたクリスタルをフェレットのような小動物に奪われてしまう。クリスタルをくわえて逃げ回るのを追いかけつつ、一定時間ポインターを合わせながらボタンを押すと、引力の力で捕まえられる。ただ動く相手に一定時間ポインターを当て続けるのがなかなか難しい。

 その後さらに紆余曲折があり、今度はチョコボに乗った兵士に追われることになる。今度は追いかけてくる兵士にポインターを一定時間合わせ、Wiiリモコンを振ると兵士をチョコボから振り落とせる。次々追いかけてくる兵士を振り払いながら、経路上にある橋を力で落とすなどしてどんどん逃げていく。

 試遊台のゲームはここまでで終了。イベントシーンとWiiリモコンを使ったゲームがサンドイッチ状態になっており、この後もこのような流れでストーリーが展開していくのだと思われる。1つ1つの遊びはミニゲームレベルものだが、映像や演出にかなり力が入れられており、どれもこれも迫力がある。色々なことに首を突っ込んでは豪快に片付けていく主人公など、個性的な登場人物も魅力的で、本格的ながら重苦しさのないマンガ的なストーリーは先が楽しみな内容だ。


【スクリーンショット】
周囲からはその力を恐れられてもいるクリスタルベアラーだが、レイルは臆することなく力を使う。プレーヤーキャラクターの割には、かなり個性的な人物に描かれている

【トレーラームービー】



■ WIN「ORDER OF WAR」

 Wargaming.net開発による、第二次世界大戦をテーマにしたRTS。北米では2009年秋の発売が予定されている。

 つくりとしてはベーシックなRTSになっており、10人程度の小隊を1ユニットとして操作して作戦を遂行する。もちろん歩兵だけでなく、戦車や装甲車、戦闘機などのユニットも登場する。

 作戦はストーリーの中でステージごとに設定されており、旗が立てられた敵拠点を奪う(味方ユニットを一定時間範囲内に入れればよい)、航空部隊支援のため敵の高射砲を破壊するなどの指示がその都度出される。

 ゲームはまだ序盤だったこともありオーソドックスな印象だが、丁寧に描き込まれたグラフィックスが印象的だった。技術的にはさほど新しいことはしていないように見えるものの、歩兵が匍匐前進する姿や、戦車の細かい挙動もリアルに描いている。視点もかなり低い位置に下げられ、前進する兵士の様子を背後から眺めるといったこともできる(操作はしづらくなるが)。

 フィールドには塹壕もあり、敵歩兵が顔を出して射撃してくる様子も見える。進攻して塹壕を奪うと、味方の歩兵を塹壕に入れることも可能で、戦術的にも活かせるものになっているようだ。


【スクリーンショット】
とにかく繊細に描かれている印象を受ける。動きも滑らかで、見ているとFPSのような没入感も得られる

【トレーラームービー】



■ Wiiウェア「FINAL FANTASY IV: THE AFTER YEARS」

 日本では携帯電話向けに配信されているRPG「FINAL FANTASY IV THE AFTER-月の帰還-」のWiiウェア版。北米では6月1日より配信されている。

 内容は英語になった以外は、モバイルゲーム版と特に変わったところは見受けられない。グラフィックスはWiiに合わせて解像度が上がっているが、ドット絵で描かれたキャラクターは描き直されておらず、ドットが大きく見える形のままで残されている。

 音楽やグラフィックスは、「ファイナルファンタジー IV」と同じものが多く使われているし、コマンドバトルの操作感もほぼそのまま。これらはモバイルゲーム版でも同じなのだが、テレビで遊んでいることもあって、20年近く前にスーパーファミコン版で遊んだ時の感覚がそのままよみがえってきた。

 やはりこの懐かしさは携帯電話だけではなく、改めてテレビで見て味わいたいと感じた。ぜひ日本での配信も期待したい。


【スクリーンショット】
映像も音楽も、悪く言えば古臭いが、スーパーファミコン当時の原作を知っている人にはひたすら懐かしい

【トレーラームービー】



■ Xbox LIVE アーケード「PROJECT CUBE」

 小さなロボットのようなものを操作し、周囲から群がる敵を撃って倒していくシューティングゲーム。今のところ実験的タイトルで発売は未定。左アナログスティックで移動、右アナログスティックで射撃方向という操作で、Xbox LIVE アーケードで配信されている「ジオメトリウォーズ」シリーズと同じスタイルになっている。

 敵を倒すと出現するアイテムを取ると、攻撃が強化されていく。序盤は攻撃力が低く苦労するが、短い距離を高速に移動する「ダッシュ」で敵に体当たりすると、敵をスタンさせて動きを止められる。また「シールド」を使うと敵の弾を受け止められ、解除するとそのまま弾を反射して敵を攻撃できる(ただしシールド展開中は攻撃できない)。さらには短時間だけ巨大なブレードを出し、周囲をなぎ払えるようなアイテムも現われる。これらの要素をうまく使い分けながら戦いを進めていく。

 自機はライフ制になっており、1度敵に接触されたり弾を受けたりしても倒されることはない。敵にどんどんダッシュで体当たりしつつ、ものすごい弾幕に囲まれてもシールドで切り抜けて一斉反撃するという、爽快感を追及したゲームデザインになっている。

 弾がレーザービームのような形で描かれており、グラフィックス的にも光が散らばって見えて美しい。ただ敵を倒したときに画面中に血のようなものが飛び散る表現があり、ロボットのような敵を相手にしているつもりでいるとちょっと驚いてしまう。この辺りは、米国的な爽快感の表現手法ということなのだろうか。


【スクリーンショット】
美しい光の弾が画面中に飛び交う様子は美しく、さらにその中をシールドやダッシュで豪快に突破していく戦闘は爽快感がある



■ 映像出展タイトル

【PS3/Xbox 360/WIN「FRONT MISSION EVOLVED」】
Double Helix Games開発のサードパーソンシューティング。オンラインマルチプレイにも対応する。発売日は未定
【トレーラームービー】

【PS3/Xbox 360「NIER」】
cavia開発のアクションアドベンチャー。Black Scrawl Virusに感染した娘を助ける方法を探す主人公Nierの物語が展開される。北米では2010年に発売予定

【トレーラームービー】

【Xbox 360/WIN「SUPREME COMMANDER 2」】
Gas Powered Games開発のRTS。前作の25年後の世界を描く。北米では2010年発売予定
【トレーラームービー】

(C)SQUARE ENIX CO., LTD.

(2009年 6月 6日)

[Reported by 石田賀津男]