ご紹介していく。
■ AC「サイバーダイバー」
好評稼動中の「ハーフライフ 2 サバイバー(以下:HL2)」の開発メンバーが世に送り出す、新作オリジナルの国産FPS。年内稼動予定。「HL2」で培った開発力と運営のノウハウをぞんぶんに生かして作られているという。
興味深いのは、筐体は新規ではなく「HL2」のCVT(改造/コンバージョン)キットとして提供されること。操作系などはすべて共通しており、これにより製品を安価で提供できるとしている。個人的には、DX筐体がどのようにイメージチェンジをするのか、とても気になるところ。背面のデザインなどは特に気に入っていただけに、どうなるか今から興味深々。ちなみに、プラットフォームは新ハードウェアを採用。「HL2」も美しかったが、チラリと拝見させていただいた最新スクリーンショットは、それをはるかに越える圧倒的な質感を備えていた。「HL2」から3年以上の月日が経っているので、時代に合わせたハードウェアのパワーアップが予定されているようだ。
「ハーフライフ 2 サバイバー」同様、全国の店舗をネットワークでつなぎ「5対5」のオンライン対戦を実現(『HL2』は4対4)。学校や孤島など、さまざまなギミックが施されたマップで激闘を繰り広げる。プレーヤーが使用するキャラクタは「サイキッカー」、「レンジャー」、「ガーディアン」などのジョブを毎回自由に選ぶことができる。ジョブごとに、一定時間の飛行、機動性が大幅に変化する変形など、特殊なアクション「スペシャルアクション」が可能。また、すべてのキャラクタは、一定条件を満たすことでそれぞれ性能の異なる究極アタック「サイダイアタック」が繰り出せる。一発逆転要素は、FPSならではの攻防をさらに過激なものにしてくれそうだ。
新システム「サイバーブレイク」は、一定以上のダメージを与えるとキャラクタの外装が吹き飛び、見た目が変わるというもの。従来型のFPSではダメージ表現が希薄、もしくは一撃死が多いため「相手をやっつけている」という実感に乏しかったが、本作は敵を攻撃しているという“実感”がヒシヒシと味わえる。また、敵と戦闘を繰り返すことで「サイバーフォース」が得られる。特殊アクションや攻撃は「サイバーフォース」を消費するため、これらをいかに集め効率よく使っていくかが攻防の鍵になってきそう。従来ある「リアル系」でもなく、「スポーツ系」にもない、世界観もゲームシステムもオリジナリティのあるFPS、それが「サイバーダイバー」ということになりそう。新たな情報が入り次第、順次続報をお届けする予定だ。
【ロゴ】 |
---|
|
【スクリーンショット】 |
---|
| |
(C)TAITO CORPORATION 2009 ALLRIGHTS RESERVED.
※画面は開発中のものです。実際のゲーム画面とは異なる可能性があります。
■ 「PROJECT OCEAN」 ~新コンセプトモデル「みどりのおせわ」~
「PROJECT OCEAN」は、2008年10月に組織化されたという製品開発プロジェクト。「お客様の視点に立ち、新たな切り口の機器を開発する」をキーワードに、施設マネージャー、プライズ・玩具の企画者など、4事業部門の社員で構成されている。先日のAOUショーで同社ブースに出展された「オッポポブーン!」のほか、今回新たなコンセプトモデル「みどりのおせわ」が初披露された。
「みどりのおせわ」は、まず最初に種を植えて木を育てる。枝をタッチすると、その場ですくすくと成長し、さまざまな変化を見せる。本機を中心に客同士がコミュニティを形成したり、花粉の飛ばない杉の植林に役立つかもしれないなど、とてもアーケードゲームとは思えないキーワードが飛び交う。
同日同所で開催された「無料で遊べる!タイトー・ハッピーステーション」にて、コンセプトモデル「みどりのおせわ」をプレイしてみたが「まさにコンセプト“モデル”」といった内容で、少々言葉に詰まってしまった(プレイした、と表現していいものかどうかさえ怪しい)。デザインや方向性などは惹かれるものがあるが、「社内横断の企画創出プロジェクト」ゆえ、試験的な色合いが濃厚なのは自明の理。会場で触れたユーザーの反応が、本プロジェクト に、今後どう生かされていくのか。大変興味深いところではある。
【みどりのおせわ】 | 【オッポポブーン!】 |
---|
| |
|
| | |
“エコミューズメント”とは一体? コンセプトモデルは、礎なのか、はたまた花開く種なのか。今後がとても興味深い |
(C)TAITO CORPORATION 2009 ALLRIGHTS RESERVED.
■ DS「みんなの動物園」
「動物園」をモチーフにした、どうぶつコミュニケーションゲーム。「クッキングママ」同様、家族で安心して楽しめるブランド「ドリームエイジコレクション」でリリースされる。
ぞう、キリン、ペンギンなど、動物園でおなじみの動物たちをお世話したり、遊んだり、パレードしたり、コミュニケートを重ねることで少しずつ仲良くなっていく。プレーヤーは、ミニゲームをプレイしつつ、動物たちと仲良くなった証として「どうぶつスター」を集めていく。お手伝いやアトラクションをプレイすると、少しずつ時間が進行。12日が経過するとゲーム内の季節が変わり、園内の風景も変化していくという。
登場する動物は、全部で20種類。最初は3種類しか居ないが、ゲームをプレイするに従い少しずつ増えていく。雄雌や子どもの動物なども出現するという。ファンタジー一辺倒ではなく、本物の動物に関する本当の「まめ知識」も教えてくれる知育ソフト的な要素もある。4月30日に発売予定で、価格は5,040円。
(C)TAITO CORPORATION 2009 ALLRIGHTS RESERVED.
■ PC「キャラオケ」
カラオケとアバターを組み合わせた新サービス。自分が歌ったカラオケを録音し、それにあわせてアバターとなるキャラクタに振り付けを施し、キャラオケアイドルとして“デビュー”させることが可能。完成したPVは、公式サイトで他ユーザーに公開できる。
本サービスは、すべての操作をブラウザ上で行なえるのが特徴。別途ソフトをインストールする必要はない。録音は、曲を選択してPCに接続したマイクでヴォーカルを吹き込む。歌い出しとバックの曲にズレがあっても、あとからタイムラインで修正できる機能もついている。
アバターは衣装、アクセサリー、髪型、髪の色、肌の色、目の色、ステージがそれぞれエディット可能。振り付けやカメラアングルは、タイムラインにドラッグ アンド ドロップするだけ。その場でプレビューも行なえる。ユニークなのは、手、足、全身の動きが不自然にならないよう、各動きの合間に「トゥイーン」と呼ばれる隙間を設定すれば、モーフィングよろしく自然な動きに自動修正してくれる。表情も母音ごとに口の形が用意されており、サビなど展開ごとにきちんと設定しておけば口元の違和感が格段に減る。
面白いのは、キャラオケアイドルのデビューをうながす一方で、それを応援して支える「ファンクラブ」機能にも重点が置かれていること。アップロードして公開された曲は「ニコニコ動画」のように閲覧者がコメントを残すことができる。このとき、通常はアスキーアート風の人型キャラと共にコメントが流れてしまうが、その「キャラオケアイドル」のファンクラブに入会している人は、かぶりつきのポジションにアスキーアート風のキャラクタが陣取ったまま、コメントやアクションで応援し続けることが可能なのだ。
さらに恐ろしいのは、キャラオケアイドルに有償アイテムを購入してプレゼント、メッセージを送る、シークレットライブや専用BBSでよりディープに応援といった各種支援機能が備わっていること。支持されている(ファンが多い)キャラオケアイドルには、歌姫、大御所などの称号が与えられる。特定の称号だけに許されたアイテムやステージも存在するといい、射幸心(?)の煽りっぷりは半端ではない。貢ぐことが至上の愛かどうかは定かではないが、正直「あ、あざとい!」と思わなくもない。
公式サイトは「 http://kyaraoke.jp/ 」で、ニコニコ動画にもチャンネルが開設されている。他人の振り付けや声に別途「振り付け」や「声」を付け加えたり、あるいは声に声を重ねて「一緒に歌う」といったクリエイティヴな機能がすでに完備されている点は、ニコニコ動画との関連性を強く意識させられる。また、オープンβながら「ひぐらしのなく頃に(アバターアイテム)」、同人音楽で有名なmikoさん、声優の桃井はるこさんとのコラボレートが決定しており、このあたりも「う~ん、確実に“狙ってる”なぁ」とうならされる。
現在クローズドβ2テストを実施中で、5月下旬より本格配信が開始される予定。正直、グラフィックのクオリティについてはもっと高いレベルを目指して欲しいと思うが、このあたりは先々いかようにも改良できるため、今後のさらなる発展に期待したい。
| | |
アバターや曲のエディットはとても簡単。すべてブラウザ上で完結しているのもポイントが高い。ただ、アバターのアイテムに使用回数が設定されているのは、やはり、なんというか……うーん |
|
| |
β2ながら、マニアのツボをつくコラボ企画が既に進行中 |
(C)TAITO CORPORATION 2009 ALLRIGHTS RESERVED.
■ 「無料で遊べる!タイトー・ハッピーステーション」
「スペースインベーダー30周年記念」を締めくくるファイナルイベント。入口には、同社アミューズメント事業の歴史を綴るパネルや資料を展示。
出展ゲームは、正式稼働前の最新タイトルから、「スペースインベーダー」のアップライトやテーブル筐体、「ダライアス」、「ナイトストライカー」、「ウェスタンガン」など、マニアが卒倒しかねないオールドゲームがズラリ勢ぞろい。しかも、これらすべてが無料で遊べるのだから、もはや辛抱たまらんといったところ。さらに、「ゲームセンターCX」とのコラボレーションで生まれた「スペースインベーダー×CX」も楽しめる。
新作発表会が行なわれていた最奥は、イベントコーナーに早がわりしていた。豊岡真澄さんを招いての「電車でGO!」シリーズトークショーや、タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」ライヴなど、ゲームファンにはたまらない“濃厚な空間”となっており、多くの来場者が楽しい時間を過ごしていた。かくいう筆者も、1970年代おっさんゲーマーゆえ「なんで俺は、こんなステキ空間に仕事で……」と、心の中で血涙を流さずにはいられなかった。けな気に稼働している「ボーダーライン」や「スピードランナー」などのエレメカ、さらには「今や全国でココにしか存在していないのでは?」という完全メンテ済みの「ナイトストライカー」筐体などは、あまりの眩しさに拝み倒したくなるほど。
かえすがえすも、本イベントが「1日限り」というのが、本当に惜しい。願わくば、こうしたイベントが(定期的とまでは言わないにせよ)年1回くらいあればいいなと思う。そのときは、仕事ではなく「お客さん」として心ゆくまでステキ空間をたゆたっていたい……。
(C)TAITO CORPORATION 2009 ALLRIGHTS RESERVED.