タイトー、完成記念イベントを渋谷で開催
DS「スペースインベーダーエクストリーム2」


3月19日 開催

会場:LA FABURIQUE

 

 株式会社タイトーは、3月26日発売予定のニンテンドーDS用シューティング「スペースインベーダーエクストリーム2」の発売記念イベントを渋谷のクラブ「LA FABURIQUE」にて開催した。イベントは2部構成で、今回は第1部に行なわれたプレスや業界関係者向けクローズイベントの模様をお届けする。


■ 今作のテーマは「インベーダーの歴史を振り返る」

プロデューサーのアオキヒロシ氏

 冒頭の挨拶で、プロデューサーのアオキヒロシ氏は「『インベーダー』を全部やってるわけじゃなく『スペースインベーダーエクストリーム』と『スペースインベーダー ゲットイーブン』をやっています。開発は、丁度1年くらい前。2008年にスペースインベーダー30周年記念として『スペースインベーダーエクストリーム』をリリースさせていただいた。おかげさまで、ゲームファンや海外のメディアから好評をいただき手ごたえは感じたんですが、浸透度というか……まだまだ知らないユーザーさんがたくさんいらっしゃる。ならば、パート2を作って、さらにみなさんにいいゲームを提供していきたい。開発チームの温度も高く、チャレンジして発売にこぎつけました」と開発の経緯を説明。

 今作のテーマは「前作は、インベーダーが宇宙から侵攻して最後は東京にくるというストーリーだったが、今作はゲームの発展というか“歴史”を振り返ろうということで、8bitの時代から現代の秋葉原世界まで、1面~5面に散りばめられている」という。

 前作との違いについては「前作は“フィーチャー”という役を作り“ラウンド”というミニゲームをクリアする、インベーダーらしからぬゲーム性を採用した。今回は、そこにさらに“ビンゴ”というシステムを入れて、遊びの幅というか“奥深さ”を広げたというのが1番の違い。もうひとつは「対戦」を強化しようということで「ボスインベーダー」とか「ミドルサイズインベーダー」といった新しい攻撃方法を増やして、前作よりもメリハリのつく対戦ができるんじゃないか、と。ひとり用、ふたり用ともにパワーアップした内容になっているんじゃないかと思います」とコメント。

 「『スペースインベーダーエクストリーム』シリーズでご好評いただいているのが、ビジュアルと音楽。人気クリエイターに色々デザインしていただきまして、結構ポップになっています。前作はスタイリッシュすぎて……なんていうか『マジメに作りすぎちゃったな』というところがある。今回は、女性もやりやすいゲームになればいいな、という思いでデザインしました。音楽はタイトーのZUNTATA。良さがフルに出ていて、正直今回のほうがカッコイイ曲が揃っているんじゃないかと思います」という。

 苦労した点について質問されると「いつも苦労してるんですが、ぶっちゃけスケジュールがタイトで、開発が約5カ月くらい。どこまでゲームが新しくできるか、とにかく気合と根性の5カ月間」と心情を吐露。ユーザー向けにコメントを求められると「前作で磨きをかけたスコアリング。ハイスコアを争うモードをかなり強化しました。あと、前作でやりたかった『タイムアタック』をつけました。早くクリアすればいいってわけではなく、適度にパワーアップしていかないとボス戦で苦労するように調整してあります。点数を稼ぎつつ、いいタイムを出して世界ランク1位を目指していただけたらな、と思います」とコメントした。

5面に登場する謎の美少女。ZUNTATAサウンドと融合して、なにやら凄いことになるというが……?

 会見には、ペッパーショップ代表の古賀学氏、M.M.M.代表の坂本敏弘氏、漫画家のみなづきふたご氏、NORISHIROCKSの斎藤貴義氏といったクリエイター陣も出席。仕事を依頼されたときの印象について問われると、アートディレクション担当の斎藤氏は「アオキさんから、いくつかテーマを与えられまして。まず、前作のイメージを損なわないクールさ。プラスして『ポップにしたいんだ』ということを、最初におっしゃられてたと思います。そういった部分でボクがキャスティングしていったのがクール担当。クラブシーンなどで色々な格好いいムービーを作っていらっしゃるM.M.M.さん。あと『ポップ』ってなんだろう? と思ったとき、世の中でいうオタクカルチャー、アニメとか漫画をポップにデザインして成功を収めているペッパーショップの古賀さんにご相談したほうがいいかな、と。みなづきふたごさんにお願いしたのは、プラスアルファの起爆剤的な隠しダマが欲しいとおっしゃっていたので」と説明。

 古賀氏は「最初にインベーダーの仕事ときいて。誰でも知ってるという意味ではやりがいがあるけど、一方で、知ってるからこそ踏み外せないというのもあって。先ほどマジメなゲームとおっしゃっていましたけど、どこまで不真面目にしていいんだろうと(笑)」とコメント。坂本氏は「子供の頃から好きだったゲームなので、それに参加できるのが凄く嬉しくて。でも、先ほど古賀さんがいったとおり、踏み外しちゃまずいなという緊張感とプレッシャーはあったんですけど、実際は楽しく作らせていただきまいた」とコメント。みなづき氏は「(依頼された際、自分で)いいの? って一言。まぁ、ありがとうございました」と簡潔にコメント。

 みなづき氏の関与について質問されると、アオキ氏は「最後のステージが、いわゆる“萌え”というキーワードだったんですね。インベーダーばかりじゃなんなんで華が欲しいな、と。可愛い女の子をデザインする人はいませんか? というところでお願いしたのがキッカケ」と説明。斉藤氏は「ふたごさんは、もちろん個性はあるんですけど、わりとニュートラルな線を引いてくれる方だと認識していた。インベーダーの枠を壊しながら、ゲーム内にいてもおかしくない、可愛い感じのキャラクタということでふたごさんに依頼した」という。現在公開されているキャラクタについても、これだけで完成ではなくタイトーサウンドチーム「ZUNTATA」がカミングアウト的なサウンドを付与しているという。

 最後にアオキ氏は「来週、偶然にもタイトーは秋葉原でイベントを行ないます。こちらもぜひともよろしくお願いします。21世紀のスタンダード・インベーダーを作るというのが目標だったんですけど、これは1、2でひとつのフィニッシュを迎えたかな、と思っています。ぜひともこれを体験していただきたいな、ということで。昨日からWii「みんなのWiiチャンネル」で体験版を配信しております。店頭でもDSステーションで配信されておりますので、Wiiを持っていない人は店頭で体験してください。よろしくお願いします」とコメント。気になる人は、ぜひともチェックしていただきたい。

古賀学氏坂本敏弘氏みなづきふたご氏斎藤貴義氏

【YMCK + ZUNTATAのスペシャルライヴ!】
ファミリーコンピュータの8bitサウンドをフィーチャーした3人編成のバンド「YMCK」とタイトーサウンドチームのZUNTATAがスペシャルライヴを披露。YMCKは、打ち込みだけでなくキュートな女性ヴォーカルとキーボードを駆使した縦横無尽の生演奏が魅力。撮影禁止とされていたため、写真についてはご容赦願いたい。ZUNTATAは、往年の名曲をメドレーで披露。ダライアス、ニンジャウォリアーズなどなど、数々の強烈チューンが鼓膜を通過して身体の中枢にビンビン突き刺さる。ラストは電車でGO!でシメ。短時間ながら、スペシャルライヴは大盛り上がりのうちに幕を閉じた


■ DS「スペースインベーダーエクストリーム2」

パッケージ画像

 2008年2月に「スペースインベーダー」30周年記念作として登場した「スペースインベーダーエクストリーム」シリーズの最新作。前作の要素を受け継ぎつつ、数々の新システムを搭載。周辺機器のパドルコントローラDS、DSワイヤレス通信、DSダウンロードプレイ、Wi-Fi通信にそれぞれ対応している。

 ゲームモードは、ハイスコアに挑戦する「スコアアタック」、クリアする速さを競う「タイムアタック」、スコアアタックもしくはタイムアタックのいずれかを選択し、固定条件でプレイしたスコアを世界ランキングに登録する「ランキング」、通信機能を介してふたり対戦が行なえる「マルチプレイヤー」の4つ。

 基本ルールは、次々出現するインベーダー編隊を撃墜していくというシンプルなもの。すべてのインベーダー編隊を撃墜するとボスインベーダーが出現し、破壊するとステージクリアとなる。自機がインベーダーや敵弾に触れたり、インベーダーに最下段まで侵攻されるとミス。すべての機体ストックがなくなるとゲームオーバー。ラウンドフィーチャー、ラウンド、フィーバータイムで構成された前作の流れにくわえて、今作はラウンドフィーチャーの作り方によって「ビンゴを成立させる」という新要素が登場。これにより、さらに戦略的なプレイが楽しめるようになったという。

 ラウンドフィーチャーは、インベーダーを撃墜した順序で完成する「役」のことで、スコアリングの起点になる「ラウンド」を起動させるキッカケ。同色のインベーダーを4体連続で撃墜するとパワーアップフィーチャーが完成。2回連続で完成させるとフラッシングUFOが出現。これを撃墜するとラウンドが起動。DSの上画面がゲームフィールドに変化し、ショットが届くようになる。ラウンドは色の組み合わせで内容が変化。それぞれ規定時間内に「インベーダーを全滅させる」などのノルマを達成すればフィーバータイムに突入する。

 「フィーバータイム」は、ひらたくいえばボーナスチャンス。下画面のインベーダーを撃墜するとボーナスアイテムが出現。上画面には多数のボーナスUFOが飛来。この間、自機は特殊なパワーアップ状態になり、高い攻撃力を備える。フィーバータイム終了までに撃墜したUFOと取得したボーナスアイテム数がボーナススコアに加算される。

 「ビンゴ」は、ラウンドを成功させるごとに上画面に表示された「ビンゴパネル」のマスがひとつ点灯。ビンゴパネルは9つのマスで構成されており、それぞれ成功させたラウンド色の組み合わせで対応マスが点灯。縦、横、斜めに揃えていくが、1列だけでなく2~3列同時に揃えることも可能。リーチ状態でラウンドを起動すると「ビンゴラウンド」と呼ばれる特殊ラウンドに突入。上画面にボスインベーダーが登場し、撃墜すると「スーパーフィーバータイム」に突入する。「スーパーフィーバータイムラウンド」は、上画面に飛来するボーナスUFOからもボーナスアイテムが出現する派手なイベント。ビンゴパネルを2列、3列でそろえたときは、さらに違った展開が見られるという。

 対戦モードの「マルチプレイヤー」は、インベーダーを撃墜して攻撃インベーダーをストックし、UFOを撃墜して相手画面に攻撃インベーダーを送り込み攻撃。パワーアップフィーチャーを連続で成功させると攻撃インベーダーが追加され、次に飛来するUFOがスーパーUFOに変化。これを劇津いするとミドルサイズインベーダーが攻撃インベーダーに追加される。UFO撃墜ごとにカウントが減り、ゼロになるとフラッシングUFOが出現。これを撃墜すると、相手画面にボスUFOを送り込むことができる。また、この間にUFOを撃墜すると相手画面のボスUFOに追い討ち攻撃をさせることが可能。

【プロモーションムービー】


【タイムアタック】
スコアアタックと異なり、どれだけ速くクリアできるかを競うモード。ただし、単純に速くクリアしようとラウンドやフィーバータイムを無視すると、自機のレベルが上がらずボスインベーダーなど硬い敵を倒すのが難しくなる。ゲーム進行は、スーパーフィーバータイム時に登場するインベーダー編隊に違いがある。スコアアタックでは、スーパーフィーバータイムに突入したときのインベーダー編隊を一掃すると次からスーパーフィーバータイム専用編隊が登場するが、タイムアタックではこれが登場しない

【エクストリームコース】
一定条件を満たすとプレイ可能になる、上級者向きの高難度コース。ノーマルコースには見られない、ボム耐性つきのアンチボムインベーダー、自身が玉になり跳んでくるバウンドインベーダーなど、風変わりなインベーダーが多数出現。前作のPSP版にしか登場しなかったスピンインベーダー、マインインベーダーも出現する。前作「エキストラステージ」にはコース分岐がなかったが、本作はコースが増設されており、ステージ3終了時から選択できるようになる

【新フィーチャー】
《 CHANGE TO UFO 》《 ルーレットフィーチャー 》《 フリーズ 》
黒4体、赤4体の順に倒すと完成。画面中のインベーダーがすべてUFOに変化。撃墜時はUFOと同じ点数が入り、同色のパワーアップアイテムを落とす。一定時間内に編隊を全滅させれば、次編隊にも同じ効果が持続黒4体、緑4体の順に倒すと完成。ルーレットUFOが即座に呼び出される。このとき、ルーレットUFOは通常と異なり1/2の確率でエキストラプレイヤー(自機が1UP)が当たる黒4体、青4体の順に倒すと完成。画面中のインベーダーの動き、ゲージの減少が一定時間停止する。これも時間内に編隊を全滅させれば次編隊に同じ効果を持続させられる

【ステージ1:8-Bit Beat】
8ビット時代のキャラクタが背景で動くクラシックな雰囲気のステージ。小手調べ的な難易度のため積極的にビンゴを成立させていきたい。ボスは前作のステージ5ボスと似た動きをする

【ステージ2:Circuit Entropy】
背景が独特のアニメーションを見せる。難易度はそこそこ。ボスは本体が大型インベーダーのなかに隠れている

【ステージ3:Polygonal Surface】
ブラックインベーダーが登場し、特殊フィーチャーが狙える構成。2列同時(ツーライン)や3列同時(フルハウス)の完成を目指したい

【ステージ4:Shader Complex】【ステージ5:Chaos Remix】
インベーダーの攻撃が厳しくなってくる頃合。ラウンドフィーチャーは、撃ち落す順番をしっかり考えたいところ最終ステージだけに激しい攻撃にさらされる。闇雲にラウンドフィーチャーを作らず、ビンゴを狙っていきたい


(C)TAITO CORP. 1978,2009


(2009年 3月 23日)

[Reported by 豊臣孝和 ]