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ゲームAI専門会社「モリカトロン」が設立

AI研究者森川幸人氏のノウハウを生かしたサービスを提供

8月16日 設立

 日本初のゲーム専用AI会社、モリカトロンが8月16日に設立された。代表取締役社長は「モノビットエンジン」を開発しているモノビットの代表取締役社長でもある本城嘉太郎氏。代表取締役、モリカトロンAI研究所所長には森川幸人氏が就任した。

 モリカトロンは、20年以上にわたってゲーム分野でAI(人工知能)を研究し続けてきた森川幸人氏のノウハウや実績を生かして、ゲーム分野に特化したAIのコンサルティングから設計、開発、運用までを請負うゲームAI研究開発事業を行なう。

 通常のゲーム受託開発会社ではなく、AIの搭載を希望している新規開発、もしくは開発中のゲームタイトルに対して、ゲームAI導入のためのコンサルタントやゲームAIの設計、開発を担当する。その他、ゲームAIに関するコンサルタント、アドバイザリー、ゲームAIに関する講演や書籍出版も行なっていく。

 社名のモリカトロンは、最初のAIモデルと言われている「パーセプトロン」へのリスペクトと、森川幸人氏を中心にいずれわが社のオリジナルAIを作りたいという思いから、「モリカワ」+「パーセプトロン」を合わせて、モリカトロンと名付けられた。

□提供するAIのサービス
(1)キャラクター会話AI
キャラクターの自然会話を自動生成する。

(2)パラメータ、バランス調整AI
キャラクターや武器、アイテムのパラメータなどの最適な値を生成する。

(3)メタAI
ゲーム全体を監視して、敵の強弱、出現率、イベント発生などを制御し、ゲームバランスの自動調整を行なう。

(4)自動生成AI
ゲームフィールドの地形や草木などのオブジェクトを自動生成し、適切に配置する。

本社住所:東京都新宿区新宿1-9-2 ナリコマHD新宿ビル4F
設立:2017年8月
資本金:200万円
代表取締役 モリカトロンAI研究所所長:森川幸人
代表取締役社長:本城嘉太郎

【森川幸人氏の就任メッセージ】

 ゲームの世界に生きるキャラクターたちが、人間のように考える頭と、感じる心を持っていて、まるで私たちの友達やペット、家族や伴侶のように側にいて、一緒に遊んでくれたら、どんなに楽しいことでしょう。
 あらかじめ決められた言葉や行動ではなく、私たちが楽しい時にそれを感じて一緒に笑い、悲しい時にはそれを知って励ましの言葉をかけてくれたり、キャラクターと心を交わせたら、どんなに嬉しいことでしょう。

 そんな思いを実現してくれるのがゲームAIです。

 ゲームAIは、キャラクターに「こころ」を与えるだけなく、ゲーム世界自身も創り出す能力があります。まるでゲーム開発者のように、ゲームを企画し、プログラムし、デザインする力さえ持っています。
 目指すのは、ゲームをもっと豊かに、もっと楽しくしてくれる、そんなワクワクするAIです。
 我々は、まだ見ぬ世界をわたしたちに見せてくれるだろうゲームAIのパワーに魅せられて、是非、このワクワクする体験をみなさんと共有したいと考え、日本初のゲームに特化したAIの設計と開発をする会社を発足させました。

 我が社の「モリカトロン」がこれから100年先も、皆さんと共にあることを願って。

【森川幸人氏略歴】
 1959年生まれ、1983年筑波大学芸術専門学群卒業。PlayStationの初期から、積極的にAIをゲームに取り入れ、自ら設計、開発を行う。AI搭載ゲームの代表作として「ジャンピングフラッシュ!」(ソニー・インタラクティブエンタテイメント、以下SIE)、「がんばれ森川君2号」(SIE)、「ここ掘れ!プッカ」(SIE)、「アストロノーカ」(スクウェア・エニックス)など。2003年に発売された「くまうた」(SIE)は、翌年文化庁メディア芸術祭にて審査員推薦賞を受賞。AIを取り扱った著書に、「マッチ箱の脳?使える人工知能のお話」(新紀元社)、「絵で分かる人工知能?明日使いたくなるキーワード68」(三宅陽一郎共著、サイエンスアイ新書)など。その他、「ゲームとAIはホントに相性がいいのか?」(CEDEC2008)、「ゲームとAIの相性はどうよ?」(バンタンデザイン研究所、2016年)など講演実績多数。