ニュース

「ストリートファイターV」、「エド」の性能をチェック!

「ストIV」の“あの”少年が、サイコパワー+ボクシングで戦う異色のファイターとなって「ストV」に参戦!

5月31日 配信

価格:10万ファイトマネー/600円(税込)

 昨年12月には豪鬼、今年3月にはコーリンと、約3ヵ月ごとに新キャラクターが追加されていっている「ストリートファイターV」のシーズン2。去る5月31日には、シーズン2で3人目の参戦者となるエドが追加された。「スト5」の追加キャラクターは特殊な性能を持つ者が多かったが、そのななかにあってもなお他を圧倒する異彩を放つエド。今回は、そんなエドの必殺技、Vスキル、Vトリガーを、プレイ感を交えつつレポートしよう。

 エドは豪鬼やコーリンと同じく、ショップでファイトマネーを消費するか、直接ショップで購入することで使用可能になる。価格は10万ファイトマネーか、600円(税込)。それに加えて、シーズン2の追加キャラクター6人が使用できる「ストリートファイターV 2017キャラクターパス」も発売中だ。価格は3,000円(税込)。

 なお、エドの追加とともにシステム面も大幅リニューアルされた。バトルバランスの調整だけでなく、マッチングやトレーニングモードの強化、ファイタープロフィールステータスの充実、インフォメーションボイスの追加など、2016年12月のシーズン1→シーズン2の移行時に勝るとも劣らないボリュームとなっている。これらの詳細については、CFNリニューアルを紹介する記事を別途作成しているので、そちらをご覧いただきたい。

S.I.Nに捕らわれていた少年が青年へと成長して「ストV」の舞台に登場!

エドの必殺技は、すべてサイコパワーをまとっている。バイソンにボクシングを学んだせいか、全体的にパンチ系の技が多い

 もともとエドは「ストリートファイターIV」のキャラクター。と言っても「ストIV」当時は名もなく、ベガの代替ボディの研究材料としてS.I.N(シャドルーの兵器開発部門を担当する軍事企業で、正式名称はShadaloo.Intimidation.Network社)に捕えられていた少年だった。バイソンのエンディングでS.I.Nから救出されて以来、バイソンを慕って行動をともにしている。

 ベガの代替ボディ候補というだけあり、未熟ながらもサイコパワーの使い手。それに加え、バイソンから学んだボクシングを融合させた特殊な格闘スタイルを駆使して戦う。キャッチコピーは“若き指導者”。

コマンドでもタメでもない独自の入力形態を持つ必殺技群

 エドの基本技はいたってオーソドックス。連打キャンセルの効く弱攻撃、ケンセイの要となる中攻撃、威力の高い強攻撃などがまんべんなくそろっている。あえていうなら、必殺技にも使用する(後述)強Pは発生がやや遅く、ソバットタイプの強Kは攻撃後のスキが大きく反撃を受けやすい。クセがあるのはこの2つくらいで、それ以外は非常に使いやすい印象を受けた。

 その一方で、あまりにも特異なのが必殺技だ。それぞれボタンの連打や同時押しなど、コマンドでもタメでもない独自の入力方法になっている。以降では、各必殺技と入力方法概要を以降に紹介していこう。ちなみに、エドに特殊技はない。

サイコフリッカー:P連打

 一定時間内にPボタン(強度は問わず)を5回入力すると出せる必殺技。サイコパワーをまとったフリッカージャブを3連続でくり出す。しゃがみ中Kにキャンセルをかけて出せば中足ド先端でも連続ヒットするため、かなり強力。たとえガードされても、よほど密着状態から仕掛けないかぎり間合いが離れるため、反撃を受けにくい。

 しかし、複数の指を使ったピアノ押し入力だとPP同時押しのサイコアッパーが暴発しやすいのが欠点。1本の指を弱P(+中K)→中P→強P→中P→弱Pの順にスライドさせてボタンを押す方式がもっとも出しやすいように思う。しゃがみ中K→サイコフリッカーが苦手な人は一度お試しあれ。

サイコナックル:強Pホールド

 強Pを一定時間(1秒前後?)押しっぱなしにして離すと発動。サイコパワーをまとった拳を突き出して突進し、ヒット時は追撃可能なひざ崩れを誘発する。ひざ崩れ中は「ストⅣ」のセービングアタックとちがって空中判定になるので、地上コンボは不可。サイコライジング→サイコスプラッシュの空中コンボにつなげよう。ちなみにガードされてもスキはわずかなうえ、相手の背後に回ることが多く反撃されにくい。

サイコスパーク:→+中P

サイコシュート:サイコスパーク中にP

 サイコスパークはオーラをまとったショートアッパーを放ち、サイコシュートは続けて弾を撃ち出す。サイコシュートは飛び道具として使えないこともないが、全体的にスキは大きめ。遠距離でケンセイに使うか、至近距離で安全なケズリ連携として使うくらいか。そのほか、サイコスパーク止め→サイコシュートを読んで跳び込んできた相手を対空迎撃といった、見せ技としての使い道もある。

サイコアッパー:PP同時押し

 サイコパワーをまとった腕を大きく突き上げる。一見すると対空技のようだが、上方向への判定が弱く発生も遅いため、良くて相打ち。ほとんどの場合は一方的に潰されてしまうだけなので、連続技の締めとして使おう。

 サイコアッパーの真価は、Pボタン3つ同時押しで出せるEX版にある。長い無敵時間がありワン・アクションで出せるため、対空技に、固めへの割り込みに、そして当て投げからの脱出に大活躍。ガードされるとクラッシュカウンターからの手痛い反撃を受けてしまうものの、投げを織り交ぜた攻めが強力極まりない本作においては守りの生命線と言えよう。

サイコライジング:KK同時押し

サイコスプラッシュ:サイコライジング中にP

 足にサイコパワーを宿らせて振り上げつつ上昇する。発生も早めで判定もそれなりに強い(上半身無敵があるかも?)ため、対空技として利用可能。サイコスプラッシュまでつなげれば、ある程度ダメージも見込めるので、連続技のパーツとしても重宝する。ただし、横へのリーチがあまりなく、相手との間合いによっては空振りしてしまうことも。

立ち中Pは接近戦の要。必殺技キャンセルこそできないものの、スキが小さく中攻撃やしゃがみ強Pなどが連続ヒットする
ノーマル版のサイコアッパーは、ほぼ連続技専用。対してEX版は、あらゆるシーンにおいて頼りになるエドの生命線だ
サイコライジングは判定が強く、対空技として優秀。引きつけ過ぎず早めに出せば、ほとんどの飛び込みを迎撃できる
しゃがみ中K→サイコフリッカーが安定すれば戦力アップ。状況によっては、ヒット確認してCAにつなげるのもアリだ

スキの大きいVスキルを使いこなせるか否かがカギか?

 エドのVスキルは立ちとしゃがみの2種類。立ち版は前方へ向かってエネルギーワイヤーを射出し、相手に当たると(ヒットorガードを問わず)突進攻撃を仕掛ける。ガードされてもスキは小さく、ザンギエフのボリショイ・ロシアン・スープレックスのように「暗転を見てから飛べないクリティカルアーツ」をのぞけば確定反撃はない。無理に反撃しようとしてくる相手には、EXサイコアッパーでカウンターを奪うことも可能だ。

 また、中P+中Kを押しっぱなしにして出すと、相手を引き寄せる技に変化。ヒット時はサイコライジング→サイコスプラッシュなどで追撃でき、ガードされてもエド側が先に動けるので、そのまま攻めを継続できる。ただし、発生が極端に遅くなり、ただでさえ大きいスキがさらに大きくなるというデメリットも。

 しゃがみ版は前方斜め上へ向かってワイヤーを射出する。攻撃判定の出現が遅く、「ストIIX」のヨガブラストとちがって攻撃判定が停滞するわけでもないため、対空技としての使用は難しい。サイコライジング→EXサイコスプラッシュ後の追撃に使っていこう。

 Vトリガーのサイコキャノンは、多段ヒットする飛び道具。といってもリュウの真空波動拳のようなタイプではなく、「ウルトラストリートファイターIV」におけるディカープリのサイコストリームに近い。本作で言えば、ガイルのソニッククロスの強化版といったところか。

 連続技のつなぎとして役立つほか、中間~遠距離でおもむろに発動して攻め込む足掛かりにも利用できる。すべての基本技をキャンセルして出せるので、スキの大きい技からヒット確認せずに撃ち切ってしまうのも一手。ヒット時は連続技になり、たとえガードされたとしても弾を盾にめくり攻撃やすかし下段などでガード方向を揺さぶれる。守りの要がEXサイコアッパーなら、こちらは攻めの要とも言える存在だ。

Vスキルは、ガードされても多少不利になる程度ですむ。一部のキャラクターをのぞいて、反撃を受けることはない
相手を引き寄せたときは、エド側が先に動ける。発生の早い技や投げを仕掛けたり、EXサイコアッパーで暴れを潰そう
しゃがみVスキルは、斜め上へワイヤーを射出する。対空技よりも、空中コンボのパーツとして利用するのがベスト
サイコキャノンは飛ぶスピードが遅く、ガイルのソニッククロスのような使い方が可能。なお、発生保証はない

【総評】使い手のセンスが問われる上級者向けキャラクターか?

 必殺技コマンドがボタン連打や同時押しなので、一見すると簡単そうに感じるかもしれないが、実際にはかなりのテクニックを要求される。その理由の1つが言わずもがな、サイコフリッカー。ガードされても相手との間合いが離れるため、比較的安定したケズリ技として利用できるが、とにかくサイコアッパーが暴発しやすい。注意しないと、間違いなくEXサイコアッパーに化けてEXゲージをムダに消費してしまうので要注意だ。

 また、相手との距離によってコンボを使い分けなければならないのも難点。たとえば、立ち強Kでクラッシュカウンターを発生させた際の追撃は、前方ダッシュ立ち弱P→サイコライジング→(EX)サイコスプラッシュ(→しゃがみVスキル)がもっともダメージ効率に優れているが、立ち強Kの先端をヒット時はサイコライジングが届かない。かといって、立ち強Kを近めの間合いで当てると反撃確定なので、使いどころが難しい。そのほか、立ち中P→しゃがみ中K→サイコアッパーも距離しだいでは空振りしてしまう。いずれの場合も(とくに前者は)致命的な反撃を受けてしまうので、コンボの選択が非常に重要となる。

 その一方で、守りは極めて堅牢。サイコライジングをはじめ、しゃがみ強Pや立ち中Kなどを駆使した対空はガイルと同等か、それ以上の性能を誇る(さすがに超お手軽対空勢にはかなわないが)。Vリバーサルのキルステップは無敵のまま移動でき、緊急避難用の脱出技として役立つのも◎。ワンアクションで無敵になれるEXサイコアッパーは、地上からの攻めをほぼ完全にシャットアウトできる。この技の使いどころが勝敗を分かつと言っても過言ではないように思う。

 エドは、いぶきやバイソンのように問答無用のキャラパワーでほかを圧倒するというタイプのキャラクターではない。サイコシュート以外の必殺技には弱~強がなく、Vスキルも出るまでに時間がかかるため、いずれも使い方を考える必要がある。EXサイコアッパーがいかに強力とはいえ、相手に攻められるたびに使っていたのでは、ゲージもすぐに枯渇してしまうだろう。必殺技しかり、Vスキルしかり、Vトリガー後の崩しもまたしかり。各技の使い方にプレイヤーのセンスが問われるキャラクターと言えそうだ。