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「A 5th of BitSummit」、アワード受賞作品などを発表

Pixel Perfexが手掛けた「EARTH ATLANTIS」が最優秀賞を受賞

5月25日 発表

 日本インディペンデント・ゲーム協会は、5月20日と21日に京都市勧業館「みやこめっせ」にて行なわれたインディーゲームの祭典「A 5th of BitSummit」のノミネート作品とアワード受賞作品、総来場者数を発表した。

 来場者数は、20日には4,102人、21には5,244人と2日間合わせ9,346人。昨年比45%増で過去最高の来場者数を記録した。

 アワード受賞作品は、「A 5th of BitSummit」の中でもっとも優秀な作品に贈られる賞「VERMILION GATE AWARD」(バーミリオンゲート)には、Pixel Perfexが手掛けた「EARTH ATLANTIS(アースアトランティス)」が選ばれた。本作は横スクロールシューティングゲームの要素を取り入れた独特のタッチで描かれたキャラクターが登場する作品。

 イベント参加者からの投票でもっとも得票が多かった作品に贈られる「POPULAR SELECTION AWARD」(ポピュラーセレクション)を受賞したのは、Implausible Industriesがデベロッパーを務める「RESEARCH AND DESTORY(リサーチアンドデストロイ)」が選ばれた。

 また、海外からの作品の中で優秀な作品に贈られる賞「INTERNATIONAL AWARD」には「Asura」が選ばれた。本作はOrge Head Studioがデベロッパーを務めた、インド神話を基にしたファンタジー世界を舞台に俯瞰視点でプレイする作品となっている。

「A 5th of BitSummit」アワード結果

VERMILION GATE AWARD(バーミリオンゲート)

 A 5th of BitSummitの中でもっとも優秀な作品に贈られる賞。

「EARTH ATLANTIS(アースアトランティス)」
デベロッパー:Pixel Perfex
対応プラットフォーム:PC、Nintendo Switch、プレイステーション 4、Xbox One

【「Earth Atlantis」】

審査員:ジェームズ・ミルキー氏/BitSummit Creative Director

【コメント】
 日本的ゲームの古典といえる横スクロールシューティングゲームの要素をうまく踏襲し、それをさらに昇華している。レトロの調の色彩やユニークなキャラクターデザイン、またグラフィックスだけでなく技術的にも優れている。

 かつて日本にインディーゲームが無いと言われていた中で、インディーコミュ二ティーが育まれ、世界に知られる様になったのと同様に、タイにも素晴らしいインディーゲームありという事を世に示すという意味でも、今回のBitSummit大賞受賞にふさわしい作品であると思う。

「EARTH ATLANTIS(アースアトランティス)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/648/

POPULAR SELECTION AWARD(ポピュラーセレクション)

 イベント参加者からの投票でもっとも得票が多かった作品に贈られる賞。

「RESEARCH AND DESTORY(リサーチアンドデストロイ)」
デベロッパー:Implausible Industries
対応プラットフォーム: PC、PS4、Xbox One

 プレーヤーはターン制のバトルで怪物を退治していく。索敵し殲滅するシンプルなルールで「幽霊」や「ミイラ」、「オオカミ人間」たちに立ち向かう。

審査員:大石まさこ氏/京都府 商工労働観光部ものづくり振興課 担当課長

「RESEARCH AND DESTORY(リサーチアンドデストロイ)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/269/

INTERNATIONAL AWARD(インターナショナル)

 海外からの作品の中で優秀な作品に贈られる賞。

「Asura」
デベロッパー:Orge Head Studio
対応プラットフォーム:PC

 「Asura」はインド神話を基にしたファンタジー世界を舞台に俯瞰視点でプレイするインディーズゲーム。多くのローグライクRPGの要素とユニークなスキルツリー自動生成システムが特徴となっている。デーモンに転生した主人公は、新たに得た能力と自分を殺した敵への憎しみを糧に、Daeva帝国の5つの要塞「Paancha Dvara」へと侵攻する。

審査員:ケリー・ウォーリック氏/IMB代表・IGFチェアウーマン

【コメント】
 欧米の古典的なハックアンドスラッシュ型のRPGメカニズムをそのままに、インドの文化的世界観を見事に融合させる事で、オリジナルかつコアゲーマーも納得のゲームを作り上げた。

 カジュアルゲーム主流のインドにあって、ここまで作り込めたのは評価に値する。ある意味インディーの理想の姿と言える、ゲームのクオリティは当然の事ながら、インディークリエイタとしてしっかりと活動をしている。2人と小規模でありながら、クオリティの高いゲームを作りつつ、積極的にコミュ二ティーにも関わりしっかりと自分たちの居場所と仲間を確立し、自らチャンスを広げていった。彼らの様な、チームがこれから増えてくれると嬉しい。

EXELLENCE IN GAME DESIGN AWARD(エクセレンスインゲームデザイン)

 優秀なゲームデザインの作品に贈られる賞。

「Sweep It!(スイープイット)」
デベロッパー:Omoplata Games
対応プラットフォーム: Android、iOS

 2Dサイドスクロール型のパズルアクションゲーム。プレーヤーは腕利きの掃除人である主人公ベップとなって、ポリュータント"と呼ばれるモンスターたちに汚染された町を清掃していく。ゲームの時間進行が、リアルタイム制ではなくターン制となっているのが特徴の1つとなっている作品。

【コメント】

 よくある時間巻き戻り系の中でも、しっかりとゲーム性を突き詰めて“詰め将棋ならぬ、詰めアクションゲーム”となる新しいジャンルを作る可能性を示した。まだ過程の段階だが、新しいゲームデザインを生み出すポテンシャルを感じる。

「Sweep It!(スイープイット)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/521/

EXELLENCE IN SOUND DESIGN AWARD(エクセレンスインサウンド)

 優秀なサウンドの作品に贈られる賞

「LIGHT IT てらし鬼(LIGHT IT Terashi Oni)」
デベロッパー:クエストロ
対応プラットフォーム:PC

 本作は、2Dのステルスアクションと「だるまさんがころんだ」の遊びを足したようなゲーム。対象となる“やつら”に見つからないよう、音を立てないように何も見えない暗闇をライトで照らしながら進む。

審査員:松前真奈美氏/フリーランス・コンポーザー

【コメント】

 メロディックな音楽の使い方ではないが、効果音的に音楽を使って場面を上手に盛りあげている。音楽を上手く使ってゲームの臨場感を高めていてゲームのサウンド大賞にふさわしい作品である。

「LIGHT IT てらし鬼(LIGHT IT Terashi Oni)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/646/

VISUAL EXCELLENCE AWARD(ビジュアルエクセレンス)

 優秀なビジュアルの作品に贈られる賞

「あめのふるほし(Amenohuru-Hoshi)」
デベロッパー:ところにょり
対応プラットフォーム:Android、iOS

 GooglePlay、AppStoreで配信されている「ひとほろぼし」や「ひとたがやし」、「ひとりぼっち惑星」を送り出したところにょり氏による作品。もう機械しか存在しない、汚染された大気に覆われた惑星で、視界が晴れる雨の日にだけ多脚戦車が歩き続ける。

審査員:飯田和敏氏/ゲーム作家

【コメント】

 絵が描けない作家が、フリー素材を組み合わせて、文明の遺跡ロボットとして再現した。自らの弱点という制限を、見事に逆転し、素晴らしい世界観を作っている。彼らの作品に向き合う姿勢が、アートとして評価にあたいする。前作の、ひとりぼっち惑星からも、まったくスタイルがブレていない所もアート性として評価にあたいする。

「あめのふるほし(Amenohuru-Hoshi)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/1476/

INNOVATIVE OUTLAW AWARD(イノベイティブアウトロー)

 技術、アイデアなど革新的な作品に贈られる賞

「ピーポーパニック!(PEOPLE PANIC!)」
デベロッパー:ココノエ
対応プラットフォーム:PC

 「ピーポーパニック!」はペーパークラフトで作る「UFO型デバイス」を使い、街の人間をどんどん捕まえるゲーム。他のプレーヤーたちと協力して制限時間内に“人間ども”を捕獲していく。

審査員:近藤義仁氏/VRクリエイター

【コメント】
 「ピーポーパニック」が良かったのは、大人も子供も一緒に楽しんで遊べる作品でありつつ、ブラックな内容である事。一見シンプルなゲームに見えるが、赤外線や単焦点プロジェクターなど色々なテクノロジーをうまく使っていてイノベーティブな作品である。可愛いグラフィックながら、UFOで牛や建物をキャトルミューティレーションして建物をガンガン潰したりアウトロー的な表現も高評価。名前も面白い!

「ピーポーパニック!(PEOPLE PANIC!)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/538/

MEDIA HIGHLIGHT AWARD(メディア賞)

・ファミ通賞

「ペーパー・ガーデン(Paper Garden)」
デベロッパー:VITEI BACKROOM
対応プラットフォーム:PC

 「ペーパー・ガーデン」の舞台は昔から枯れた、荒れ果てた土地。そこにある野生の紙飛行機を仲間にして、世界を枯らした不思議なモノリスを倒していく。

プレゼンター:林克彦編集長

「ペーパー・ガーデン(Paper Garden)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/661/

・電撃プレイステーション賞

「グノーシア(GNOSIA)」
デベロッパー:プチデポット
対応プラットフォーム:Playstation Vita

 「グノーシア(GNOSIA)」はSF世界を舞台にした人狼ゲーム。プチデポットの最新作で、プレイアブルで初出展作品。

プレゼンター:西岡美道編集長

「グノーシア(GNOSIA)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/343/

・Game*Spark賞

「メルカバ・アバランチ(Merkava Avalanche)」
デベロッパー:WINTER CROWN WORKS
対応プラットフォーム:PC

 広大な戦場での高速アクションとサバイバルをコンセプトにした作品。2017年中にSTEAMでリリース予定。

「メルカバ・アバランチ(Merkava Avalanche)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/304/

・ガジェット通信賞

「ドウクツジマ(Doukutsujima)」
デベロッパー:スマイルブーム
対応プラットフォーム:3DS

 ニンテンドー3DS向けプログラム言語「プチコン3号 Smile BASIC」を使って、一般ユーザーが開発した探査型2DアクションRPG。スマイルブームが販売元となり単独製品として5月17日よりニンテ ンドーeショップより発売開始された。

プレゼンター:宮原俊介編集長

「ドウクツジマ(Doukutsujima)」のページ

http://bitsummit.org/2017/projects/1611/

・ IGN JAPAN賞

「OWLBoy(アウルボーイ)」
デベロッパー:D-Pad Studio
対応プラットフォーム:PC

 本作はオープンワールドの探検ゲーム。プレーヤーは声を失ったフクロウの主人公オータスを操り、スカイパイレーツに襲われた町を取り戻すため仲間ともにモンスターの待つ古代遺跡の秘密を解き明かす冒険を繰り広げる。

プレゼンター:ロブソンダニエル編集長

「OWLBoy(アウルボーイ)」のページ
http://bitsummit.org/2017/projects/413/

ノミネート作品一覧

VERMILION GATE AWARD(バーミリオンゲート)

・「HEADS RUN」/kass_stwa
・「ピーポーパニック!」/ココノエ

POPULAR SELECTION AWARD(ポピュラーセレクション)

・「ピーポーパニック!」/ココノエ
・「VA-11 HALL-A」/Sukeban Games
・「OWLBoy」/D-Pad Studio

INTERNATIONAL AWARD(インターナショナル)

・「Iconoclasts」/Joakim Sandberg
・「OWLBoy」/D-Pad Studio
・「CERULEAN MOON」/NACHOBEARD
・「ラインウォブラー」/Robin Baumgarten

EXELLENCE IN GAME DESIGN AWARD(エクセレンスインゲームデザイン)

・「BackSlash」/Skeleton Crew Studio
・「ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-」/萬楽破天孔

EXELLENCE IN SOUND DESIGN AWARD(エクセレンスインサウンド)

・「#SOULLOGUE」/noitems studio
・「ツナゴ! ~クルッとツナゲる対戦パズル~」/ロケットリョコウ

VISUAL EXCELLENCE AWARD(ビジュアルエクセレンス)

・「FRMED 2」/LOVESHACK
・「Eden Obscura」/Q-Games

INNOVATIVE OUTLAW AWARD(イノベイティブアウトロー)

・「God of Money」/VR Media Research Project
・「本気の重機VS焼売」/Flashゲーム日本代表

【イベントの様子】