ニュース

【静岡ホビーショー】模型ショーならではの、目の付け所が違う最新ツールをチェック!

5月11~14日開催(11.12は業者日)



会場:ツインメッセ静岡

 静岡ホビーショーは、プラモデルやラジコン、鉄道模型などの最新製品を扱うイベントだけあって、それらに関連するツールも数多く展示されている。筆者も取材のかたわら、最新のツールをチェックするのを毎回楽しみにしていて、このイベントで試したエアブラシやツールなどを実際に購入したりもしている。

 今年の静岡ホビーショーにも、模型製作が捗りそうなツールが数多く出展されていたので、その中で筆者の目に止まった新製品を中心に紹介していきたい。

ラウンド状パーツのパーティングラインを容易に削れる刃物と砥石

 ハセガワが展開する「播州の刃物シリーズ」は、兵庫県南西部の播州にて職人が生産するツールで、今回出展された「半丸刀」は、刃先が三日月状になった特殊形状の刃物だ。
 主にラウンド状のパーツのパーティングラインなどを削るために使用するものだが、同時期に発売されるこの刃物を研ぐための「刃物研ぎ用 砥石(丸棒)」は、半丸刀と同じようにパーティングラインを消すためのやすりのような用途で使えることを、ハセガワの関係者は説明してくれた。

 写真のように、航空機のキャノピーのようなクリアパーツのパーティングラインを削って、同社のセラミックコンパウンドなどで磨けば、クリアな状態を保持して仕上げられるということである。

【播州の刃物シリーズ】
かなり特殊な形をした半丸刀。6月15日出荷予定、価格4,400円(税別)
丸棒状の砥石。もちろん半丸刀に限らず、刃研ぎにも使える。6月15日出荷予定、価格1,900円(税別)

エアブラシ内部に入れて吹くだけで、塗料を弾くコーティングができる

 日邦産業の「Art Fun!」ブランドから発売される「Fun!COATING」は、メッキや金属の表面に塗ることでフッ素コーティングができるというコーティング剤だ。これをエアブラシの内部に使うことで塗料の切れがよくなり、手入れが簡単になるという、スグレモノのアイテムだ。

 使い方は塗料を吹く要領でカップにこれを入れて吹くだけ。エアブラシ内部のニードルに施しておくことで固着も防げ、エアブラシの使い勝手が大幅に向上する。ちなみにコーティングはナノメーターレベルの膜のため、エアブラシの外観や塗料の食いつきなどには 影響を与えない仕様だ。

 その他にも塗料の撹拌棒や塗料皿などにも使えるが、コーティングは摩擦で剥がれてしまうので、使用時に注意は必要となるだろう。

 ちなみにコーティング後のツールを食器乾燥機などで加熱乾燥(80度前後で1時間程度)すると、さらに効果が高まるそうだ。ホビーショーの一般公開日に会場にて先行発売されていたので、先日エアブラシユーザーになったばかり筆者も会場で1本購入してきたので、後日試してみようと思っている。

【Fun!COATING】
「Fun!COATING」。発売中、価格1,850円(税別)。容量は10mmlと少ないが、1本でエアブラシ4~5本にコーティングが可能だとか
コーティングを施した金属製ヘラに、ラッカー塗料を垂らした実演。撥油して塗料が玉になって流れているのが分かる

小さなパーツをはじき飛ばさずに掴めるピンセットの進化系

 GSIクレオスのブースは、塗料やツールなど複数の新製品を展示していたが、ブースの担当者に「お薦めは?」と聞いてみると、「Mr.ピンセットパーツホールド ロック機構付き」を紹介してくれた。

 これは先端に特殊な切り込み加工が施されたピンセットで、切り込みのエッジが極小パーツもしっかり掴み、はじけ飛んでしまうことがないというツールで、2015年に発売され高い評価を得て、現在品薄状態が続いている「Mr.ピンセットパーツホールド」の長尺版となる。

 今回発売されるものは、商品名にあるとおりロック機構が付いたもので、パーツを挟んだ状態のままホールドができるようになっている。旧タイプも再生産されるとのことなので、使いわけてみるのもいいかもしれない。

【Mr.ピンセットパーツホールド】
先端の幅が広い上が旧タイプ。今回の新型は本体が長く、先端が細くなっている。旧タイプも再版される予定だ
ロック機構があるので、余計な力をかけずに作業が行える。7月発売予定、価格2,000円(税別)

木製の暖かみのある組み立て式塗料ラック

 木合板をレーザー加工して、模型本体や小物、ツールなどを販売しているCobaanii mokei工房の「ペイントラック」は、手持ちの塗料を整理できる木製のラックだ。現地で特価販売されていたD~Iタイプは、40~60本程度の塗料を整頓できる棚で、各メーカーの塗料ビンの種類に応じて形を選べるようになっている。

 木目をそのまま使っているため見た目に暖かみがあり、これが塗料で汚れていくのもまたいい味になりそうだ。10~18本程度の収納本数の少ないタイプも販売中だ。

【ペイントラック】
「ペイントラックD~I」。発売中、価格3800円(税別)。写真左下は小型のBタイプで、価格は980円(税別)

軽量、静音、3段階の圧力切り替え可能な小型コンプレッサー

  エアブラシとコンプレッサーの専門メーカーエアテックスは、卓上に置いて使えるほどの小さく静かなコンプレッサー「Air-K」のデモンストレーションをブースにて行なっていた。

 130×90×50mm、本体重量272gという、卓上に置いても邪魔にならない小型軽量サイズで、4気筒シリンダーによる脈動の少ないエアーと静音駆動を実現し、屋内で使うことを意識した仕様となっている。吹き心地や音などを、現地にて実際に吹いて試せる同社のデモンストレーションは、エアブラシをこれから始めたいと思っている人にも嬉しいものだ。

【Air-K】
圧力はやや弱めで、屋内での細かな作業が主な用途となるだろう。発売中、18,500円(税別)