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【静岡ホビーショー】憧れの三角窓! 1971年の名車「BMW 2002 tii」

ハセガワならではの「VF-31」プラモデルも登場

5月11~14日開催(11.12は業者日)



会場:ツインメッセ静岡

 今回のホビーショーでのハセガワの目玉は、1971年の名車をモチーフとした「BMW 2002 tii」と、「マクロスΔ」の「VF-31J ジークフリード」である。どちらもハセガワならではの特徴を活かしたプラモデルである。

1971年の名車という非常に渋いモチーフの「BMW 2002 tii」。独特のデザインラインが楽しい
助手席の窓が2つに分割されているのが確認できる。この前方部分が“三角窓”である
航空機としてのバランスを提示する「VF-31J ジークフリード」
天神氏のボックスアートは大きな魅力だ

 「BMW 2002 tii」は、「02(まるに)シリーズ」と呼ばれたBMWの1960年代から展開していたシリーズの1つ「BMW 2002 tii」は強制的にエンジン内に燃料を噴出することでエンジンの燃焼をよりスムーズにさせる「インジェクションエンジン」を採用し、最高時速190km/hとなった。質実剛健のドイツ車で、安定性とスピードを提示したこの車は多くのファンを獲得したあこがれの車だったという。

 「模型」はやはりゲームやミニ四駆などに比べると年齢層の高いユーザーが多い趣味というところがあり、第2次大戦の兵器や、1960年から1970年代の頃に活躍していた乗り物に強い思い入れを持つユーザーも多い。ハセガワの戦略の1つとしては、この時代の名車、特に今まであまり立体化されていないものをプラモデル化していくという。

 もちろん本商品の担当者もこの時代の“憧れ”を共有している。今回話を聞いた担当者が特に思い入れを語ってくれたのが運転席と助手席にある「三角窓」の存在だ。今の車にはないが、当時の車にはメインの窓とは別に前方に三角窓がついていた。この窓は下方向にスライドするのではなく、軸で縦方向に回転し、外気を取り入れ室内の空気を排出する車内の空気の循環に役立つ。

 「三角窓を開けると、本当に涼しくなった、すごく効率が良かったんですよ」と担当者は当時の思い出を語った。筆者も子供時代、父が乗っていた車に三角窓がついていたことを覚えている。三角窓は車内の循環システムの向上や、エアコンの普及でなくなってしまったが、プラモデルである「BMW 2002 tii」は、このように、組んでみて、眺めて、様々な思い出をかみしめる商品なのだと実感できた。

 「BMW 2002 tii」のキットとしての特徴はふんだんなメッキパーツだ。この当時キラキラした銀色のパーツを車の“装飾”として使うことが流行しており、キットでは無塗装で貼り付けるだけでこの豪華な雰囲気を再現できる。パーツを塗り分ける必要がなく、ボディをスプレーで塗るだけでも実車っぽい雰囲気で仕上げられる、「組みやすさ」を意識したプラモデルとなっているという。

 もう1つの目玉が、「VF-31J ジークフリード ハヤテ機」。「マクロスΔ」の主人公ハヤテの機体を再現したものとなっている。ハセガワはマクロスのバルキリーをプラモデル化し、大きな人気を得ているが、それは“航空機としての格好良さ”を追求しているところにある。ハセガワは現用のジェット戦闘機のプラモデル化に定評があり、ノウハウの蓄積で他のメーカーを許さないところがある。そのノウハウをアニメキャラクターのバルキリーに活かしているのだ。

 「VF-31J ジークフリード ハヤテ機」は非変形モデルであり、塗装など組み上げるには模型製作のテクニックが求められるが、変形モデルではない分、戦闘機らしい“薄さ”が実現できており、まるで実在の戦闘機のようなシルエットを実現している。この“戦闘機らしさ”は、大きな魅力であり、ユーザーにとってもVF-31の新たな魅力を発見できるプラモデルと言えるだろう。

 パーツ数はそれほど多くはないが、組み上げたときに完全に隠れてしまう頭部部分もきちんと造形しているなど可変戦闘機としての“説得力”も持たせている。また、「マクロス」関連のイラストレーターとしてファンの多い天神英貴氏のボックスアートも注目ポイント。他の商品とは一味違うバルキリーが楽しめるプラモデルだ。

【ハセガワブース】
角張ったライン、銀色の細いバンパー……1960~1970年代の車の流行がよくわかるデザインだ
本商品を大きく特徴付けるメッキパーツ。塗装しやすい工夫もされている
コクピット周りのフォールドクォーツはクリアパーツを使用。全体的に、非変形だけに余計な隙間などが生まれず、航空機としての美しいラインを実現している
繊細なディテール表現も魅力