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【特別企画】ゲーマーの祭典! 52時間ぶっ続けで楽しめ!! LANパーティ「C4 LAN」

LANパーティには“デスクトップPCで挑む”! LANパーティ用自作PC入門

【C4 LAN 2017 SPRING】

5月3日~5月5日 開催

入場料:
3,000円(全日程入場券)
2,000円(単日入場券)
※別途有料でモニター貸し出し、PC貸し出しプラン有り

会場:浅草橋 ヒューリックホール

「C4 LAN 2017 SPRING」のホームページ。チケットなどもここから購入することができる

 ゲーム好きであれば友達同士で家に集まって、夜通しワイワイとゲームをとっかえひっかえ遊んだことがあるだろう。熱中したり、盛り上がったり、「あーでもない! こーでもない!」とぐだぐだしたり。眠くなったら寝落ちしちゃうし、そんな間も友達が格闘ゲーで盛り上がってたりして。

 そんな“遊び場”が大きな会場で開催されたらどうだろう? ゲーマーにとってまさに夢のような空間が「LANパーティ」だ。元はと言えば海外を中心にはやっていたPCを持ち寄ってゲームをプレイする集まりだったが、そんな楽しみ方がどんどん広まり、規模が大きくなっていった。今や海外では数万人単位でゲーマーが集まる、規模の大きなLANパーティも存在するほどだ。

 “遊び場”であるLANパーティでは独自の文化も発展してきた。基本的にPCゲームが強い海外では、LANパーティがPCゲームを遊ぶ場として発展してきた経緯もあるので、同時に自作PCを披露する場でもあったのだ。PCをデコレートする文化はここが発祥と言えるかもしれない。

 では日本ではどうだろう? 長らく日本ではLANパーティは流行らないという定説があった。いわく恥ずかしがり屋が多いだとか、コミュニティが閉じているとか色々な理由が取りざたされているが、ゲームセンターでこれだけ格闘ゲームが盛り上がる国も少ないのでは無いだろうか? ゲームを楽しむ風土はどこにも負けない! 参加するきっかけさえあれば、同じゲーム好きなんだし盛り上がること間違いなしだ。

 そんな中、ゲーム大会の開催を通じてコミュニティーの活動の場の提供をおこない、活性化を行なっているCyAC(サイアック)が中心となり、新たなるムーブメントとして企画され2016年秋に開催されたのが「C4 LAN」だ。今回は、まもなく2回目が開催される「C4 LAN 2017 SPRING」を紹介したい。

「C4 2016 Fall」での風景。思ったより広い会場内には所狭しとゲーミングPCが並べられ、来場者は様々なゲームをプレイしている。中心となるのはPCゲームだが、家庭用ゲーム機を持ち込む人もいる。基本的に自由なのだ! ちなみに「C4 LAN 2017 SPRING」も同じ浅草橋 ヒューリックホールで開催される

「LANパーティ」ってなに? 「C4 LAN」ってなに?

自由にゲームを楽しめるゲーマーの祭典!

 「C4 LAN」ではLANパーティをより大きな遊び場として提供。会場の雰囲気は一般的なゲーム大会とは異なり、まさにフリーダム! 会場には来場者が持ち込んだゲーミングPCがズラリと並び、おのおのが好きなタイトルをワイワイとプレイして盛り上がっている。また、PCではなくコンシューマゲーム機を持ち込んで遊ぶ人もいる。昨年開催された「C4 2016 Fall」の会場では、個人で購入したスロット遊技機を披露して遊ぶ来場者もいたし、後方のテーブルではカードゲームをプレイしている人たちもいた。

 もちろんプレイしているゲームも千差万別。FPSをプレイする人もいれば、MMORPGをプレイする人もいる。「くにお君」シリーズでひと盛り上がりする人たちも。好きなときに、好きなゲームタイトルを好きなだけプレイできる場なのだ。ちなみに会場では、e-Sportsを強力に推進しているSANKOの鈴木文雄代表取締役社長がまさに寝落ち寸前でゲームに興じていたりするという、カオスな場でもある。

 一方で「C4 LAN」はただゲーマーが集まってゲームをプレイする場というだけではない。主催者が企画した各種ゲームの大会が行なわれているほか、会場を訪れたプロゲーマーによる格闘ゲームの講座なども行なわれていた。

「C4 2016 Fall」では、各自が好きなゲームをプレイする一方で、コミュニケーションの促進も兼ねてイベントが開催されていた

 LANパーティに1つの障壁があるとすれば、自分のプレイしているゲームタイトル以外のコミュニティに入りにくいというのがある。その“参入障壁”を下げているのが、各種イベントだ。会場中央に設置された大きなスクリーンで、様々なゲームの対戦映像が映し出され盛り上がっているのを見れば、興味がわいてくることもあるだろう。逆に言えば、こうやって様々なゲームを見てプレイできる機会も少ないワケだし、どんどん仲間になってつまみ食いしていった方が面白いゲームに出会えるというものだ。

 「C4 2016 Fall」に来場していたTeam:GODSGARDEN所属のプロゲーマーである神園氏も「会場の様子も配信されているし、Twitterなどを見たら足を運んでこの場でゲームをプレイしてみたら面白いと思います」と、気軽に参加してほしいとアピールしていた。

 「でもPCを持ち歩くのもなぁ……」という人もいるだろう。「C4 2016 Fall」では、マウスコンピューター(G-Tune)やドスパラといったゲーミングPCを発売しているメーカーが、機材提供という形で多数のゲーミングPCを出展。これらを借りてゲームに参加することができた。手ぶらで参加することも可能なのだ。

 もちろん自慢のゲーミングPCを持ち込むのもあり! 車などで来場している人もいたが、大きなキャスターにデスクトップPCを積み上げ、早朝の人気の少ない電車にガラガラと乗せて参加する強者もいた。人がどういったPCを組んでいるかはゲーマーにとっては気になるポイントの1つ。それこそ人の使っているPCを見ることも少ないだろうから、こういった場は貴重だ。

 PCだけでは無い。「どんなゲーミングデバイスを使っているんだろう?」とか「使い心地は良いのかな?」など、気になることは山のようにある。「C4 2016 Fall」ではロジクールが会場内でゲーミングデバイスを貸し出すというサービスを行なっていた。何度でも無料で借りることが出来、その使い勝手を試すことができる。これもまたこういったLANパーティならではだ。

「C4 2016 Fall」では、ドスパラやマウスコンピューター(G-Tune)といったゲーミングPCを発売しているメーカーが、機材提供という形で多数のゲーミングPCを提供した。最新ゲーミングPCで最新ゲームを遊び倒して、その使用感を試してみることのできる良い機会だ!

52時間ぶっつづけでゲームを楽しめ! 「C4 LAN 2017 SPRING」

 そんなLANパーティ「C4 LAN 2017 SPRING」が5月3日14時から5月5日18時までのなんと52時間! ぶっ続けで開催される。場所は浅草橋の駅から徒歩5分程度と立地の良いところにあるヒューリックホールの2F。駅から近いのは良いことだ……ほら、電車で来ても重たいPCを運ぶ距離は少ない方が良いでしょ?(ちなみに郵送による持ち込みも受け付けている)。

 入場料は全日程入場券が3,000円、1日だけなら2,000円となっている。このほかにもオプションとして、PC本体レンタルチケットが3,000円、モニターレンタルチケットも3,000円となっている。

 もちろん、「LANパーティ」というだけあってネットワークが完備されているし、1席あたりにネットワークは1本用意されている(電源コンセントは2口)。会場のネットワークはオンラインゲームをプレイしながら配信が可能な帯域を目安に制作されいるということで、必要充分といえるだろう。ただし、帯域制限がかけられており、会場でゲームをインストールするといった行為には向いていないともいえる。このため事前にインストールは済ませておくと良いだろう。

 この他にも、アンチウイルスソフトやファイヤーウォールの設定を行なっておくことや、ファイル共有設定のオフなど注意事項はあるが、すべて、楽しくゲームをプレイするためだ。公式ページの注意書きを一読しておくといいだろう。

 そして最後に、「C4 LAN 2017 SPRING」は18歳未満の人の一般入場はできない。これは24時間会場がオープンしている都合上、セキュリティには気を遣っており、身分証明証も必携というイベントの性質上仕方が無い。

「C4 LAN 2017 SPRING」の会期は、5月3日14時から5月5日18時まで

LANパーティで自慢の自作ゲーミングPCデビューの巻!

LANパーティには“デスクトップPCで挑む”

 LANパーティでの王道的なプレイスタイルは、使い慣れた自分のPCを持ち込むというもの。ディスプレイとキーボードが一体化したゲーミングノートPCもよいが、じっくり腰を据えて楽しむために自慢の高性能デスクトップゲーミングPCを持ち込むゲーマーは少なくない。とはいえ、“デスクトップ”PCをわざわざ運ぶという行為に、抵抗がある方も多いのではなかろうか。もちろん、それは正しい反応である。日常の感覚では。

 LANパーティは効率を求める仕事でも、ストイックに結果を求めるゲーム大会でもない。カオスなノリに身を任せる“パーティ”なのだ。非日常を目一杯満喫するために、ドデカい高性能デスクトップPCを運び込むのもまた一興なのである。バンドのメンバーとセッションするために楽器を運んだり、サーフィンをするためにサーフボードを運んだりするのと変わらないと言えばわかりやすいだろうか。

LANパーティ向けPCの条件は?

 さて、メンタル面の整理が付いたところで、実際にLANパーティに持っていくにはどんなPCがよいか考えてみる。と構えてみたが、実際には手元に満足のゆく性能のPCがあればそれで構わない。反対に、友達や、場合によっては初見の人と一緒にプレイすることになるので、目的のタイトルが快適に動かないPCは避けるべき。誰かがチームの足を引っ張ったり、ハンデを負っていたりする環境では、みんなが思い切り楽しむのは難しいものだ。

 要は遊びたいタイトルが快適に動くことがPCに求められる最低条件だ。しかしながら、PCしだいでLANパーティはもっともっと楽しくなる。今、新しいゲーミングPCを検討しているなら、普段使いの快適さに加えてLANパーティも意識した構成とすれば、楽しさの幅が大きく広がるだろう。

 では、LANパーティに向くPCとはどんなものだろうか。以下にポイントをまとめてみた。メーカー製PCを買う、あるいは自作する際の参考にしていただきたい。

1. 性能
2. 小ささ
3. デザイン性

 まず「性能」がPCゲームを快適に楽しむ上でもっとも大切な要素であるのは言うまでもない。そして「小ささ」。重量級PCを持ち込むのもLANパーティの醍醐味と述べたが、現実問題として大きくなればなるほど輸送は大変になる。必要な性能をできるだけ小さくまとめるのが基本方針だ。ここで意識しておきたいのが、“現在のデスクトップPC用のパーツはハイエンドクラスの製品でも小型ケースに入る”こと。

 たとえば、IntelのハイエンドクラスCPU、Core i7-7700KとNVIDIAのハイエンドクラスGPU、GeForce GTX 1080の組み合わせであっても、小型PCの規格であるMini-ITXのケースに収めて問題なく動作させることができる。CPUとGPUは、いずれも旧世代のモデルと比べると性能が向上しているだけでなく、電力効率が改善されており、発熱が小さい。これは省スペースのケースでの運用時に冷却が容易であることにもつながる。CPU、GPUは予算に応じて変更して問題はないが、最新世代のものを選ぶのが原則。CPUならKaby Lakeこと第7世代Coreプロセッサ、GPUならPascalことGeForce GTX 10シリーズが鉄板だ。

 ケースに関しては、すべてのMini-ITXケースに上記の組み合わせが収まるわけではないものの、きちんと収納できるケースの多くは冷却もしっかりしており、ハイエンドパーツを中心とした構成でも安心して長期間使うことができる。

 そして、パーティでみんなに見せるPCだけに、「デザイン性」にもこだわりたい。ハデなマシンは場を盛り上げ、プレーヤーのテンションを上げる。基本的なテクニックとしては、カラーリングを統一したり、ツートーンを意識したりしながらパーツを選び、サイドクリアタイプのPCケースに組み込むことが挙げられる。また、最近の流行は発光機能を持つマザーボードやビデオカード、ケースファンなどを組み込み、光で彩るという手法だ。RGB LEDにより発光色を自由に変更できたり、発光パターンを設定できたりするパーツが増えているので、クラブ調のきらびやかな光からインテリアのようなシックな光まで、好みに合わせてアレンジを楽しめる。

オススメパーツでLANパーティ向けPCを作ってみた

 上記の要件を踏まえつつ自作してみたのがこのPCだ。

 Phanteks製のMini-ITXケース、「Enthoo EVOLV ITX Chassis」選択することで、幅23cm、奥行き39.5cm、高さ37.5cmというスペースに、IntelのCore i7-7700K、NVIDIA GeForce GTX 1080を採用したASUSTeKのROG STRIX-GTX1080-A8G-GAMINGの組み込みを可能としている。標準的なATXケースの人気モデルDefine R5だと幅23.2cm、奥行き52.1cm、高さ45.1cmというサイズだが、実際に比べると数値以上に小さく感じる上に、取り回しは圧倒的に本機のほうが楽。性能面では、このクラスのパーツであれば、最新の重量級タイトルでもかなりの快適さで遊ぶことができる。

【LANパーティ向けPCの作例】

各項目使用パーツ
CPUIntel Core i7-7700K(4.2GHz)
マザーボードASUSTeK ROG STRIX Z270I GAMING(Intel Z270)
メモリCFD 販売 CFD Panram W4U2400PS-8G(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
ビデオカードASUSTeK ROG STRIX-GTX1080-A8G-GAMING(NVIDIA GeForce GTX 1080)
SSDIntel SSD 600p SSDPEKKW512G7X1[M.2(PCI Express 3.0 x4)、TLC、512GB]
PCケースPhanteks Enthoo EVOLV ITX Chassis(Mini-ITX)
電源ユニット玄人志向 KRPW-N600W/85+(600W、80PLUS Bronze)
CPUクーラーサイズ 虎徹(サイドフロー、12cm角)
合計価格220,000円前後
LANパーティを意識したPCの作例。幅23cm、奥行き39.5cm、高さ37.5cmのコンパクトなボディに、ハイエンドCPUとGPUが組み込まれている。“自宅の本気ゲーム環境をそのまま持ち出す”というコンセプトだ
ケースの色はゲーマー向けPCパーツで人気のブラック&レッドのツートーン。これを活かすためにほかのパーツはブラックやグレー、シルバーを基調としたものを選択した。また、小型ケースながらケーブルがごちゃつかずスッキリとしている点にも注目。ケーブルを極力隠す構造のケースであること、ケーブルレスのM.2タイプのSSDの採用がキーだ
ビデオカードは30cmクラスの大型モデルも入るので、将来さらなる高性能モデルが登場しても安心だ
CPUはIntelの最新世代製品であるCore i7-7700K。定格4.2GHz、4コア搭載、8スレッド同時処理対応と、ゲーム全般に効く高クロックと、最新ゲームで求められるようになってきたマルチスレッド性能を兼ね備えたゲームに最適なモデルだ
【ベンチマーク】
「フォーオナー」の画質最高設定時のフレームレートを計測した結果。コストを抑えた場合の構成案として、CPUをCore i5-7600K、GPUをGeForce GTX 1070に変えた構成、旧世代のPCとの違いを見るために、Core i7-2600KとGeForce GTX 670を中心とした構成の結果も掲載している。フルHD解像度では、Core i7 + GTX 1080環境、i5+GTX 1070環境ともに最小フレームレートが60fpsを超えており、非常に快適。旧世代環境では最大でも60fpsに届かず、最小は30fpsまで落ち込む。対戦で有利に立ち回るためには画質設定を落とすことになるだろう
※【旧世代環境】マザーボード:ASUSTeK Z8Z68-M PRO(Intel Z68)、メモリ:Patriot PSD38G1600KH(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB × 2)、SSD:Intel SSD 520 SSDSC2CW240A3K5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、ビデオカード:GeForce GTX 670リファレンスカード
WQHD解像度でのベンチマーク結果。Core i7 + GTX 1080環境では最小でも60pfsを大きく超え、非常に高いパフォーマンスを示している。i5+GTX 1070環境も平均60fpsを超えており十分遊べる範囲。ただし、60fpsキープにこだわるなら画質設定を落とすことになる

LANパーティPCならではの運用面での注意点も

 LANパーティ向けのPCの運用で気を付けておきたいのが、メンテナンス面。デスクトップPCの輸送時には思った以上にパーツに力がかかる。組み付けが甘いとパーツがずれてしまい、会場に着いたら起動しなくなっていたなどということも考えられる。基本はネジ止めをしっかりとすることだが、出先でトラブルが起きても対応できるようにドライバーを携帯したい。

 また、デスクトップPCでは見落としがちなのがLAN環境。会場のネットワークは有線か無線かのチェックと、どちらにも対応できるようにLANケーブルとUSBタイプの無線LANアダプタを用意しておくのがよい。

 今回はLANパーティ向けのPC本体に絞って開設したが、キーボード、マウスといった入力デバイス、ディスプレイ、ヘッドセットなどにもこだわってみたいところ。そのこだわりのゲーミングPC環境を持ち寄って、インターネット越しでは味わえない熱い一時を過ごしてほしい。